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寒くても、眠くても、練習がんばった!
日々の努力が記録に繋がった、第3回神奈川ジュニア&ユース競技会
2017/02/27

第3回神奈川県ジュニア/ユース ライフセービング・プール競技会
神奈川県・平塚総合体育館温水プール 2017.2.12

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日本列島が寒気にすっぽりと包まれ、西日本を中心に大雪に見舞われた2月中旬。

神奈川県平塚市の平塚総合体育館温水プールにて「第3回神奈川県ジュニア/ユース ライフセービング・プール競技会」が開催された。

神奈川県ライフセービング連盟(KLF)が主催する今大会には、13チーム141人の小中学生が参加。個人・団体、男女合わせて12種目19競技で熱戦が繰り広げられた。

文・写真=LSweb編集室





県外チームも多数参加

LSweb 今年で3回目となる大会には、神奈川県内から6チーム(鎌倉ライフガード、湘南ひらつかライフセービングクラブ、TKSライフセービングクラブ、西浜サーフライフセービング、バディ冒険団、湯河原ライフセービングクラブ)、県外からはそれを上回る7チーム(大竹サーフライフセービングクラブ、柏崎ライフセービングクラブ、キタジマアクアティクス、下田ライフセービングクラブ、世田谷スイミングアカデミー、館山サーフライフセービングクラブ、山形ライフセービングクラブ)が集まった。

 競技は学年別に小学1・2年生、小学3・4年生、小学5・6年生、中学1〜3年生の4クラスに分かれて行われ、個人種目では小学1・2年生が男女一緒にスタート、また団体種目では小学3〜6年生の男女がチームを組んで戦った。

LSweb 開会式で選手宣誓したのはTKSの小学6年生、杉山紅葉選手だ。大会への意気込みを言葉にし、最後は「日頃の練習の成果が発揮できるようがんばります」と締めくくった。

 少し緊張しながらも、しっかりした口調で、最後までつかえることなく宣誓し終えた杉山選手。きっと、何度も繰り返し練習したのだろう。大役を終えると、ホッとした笑顔を見せた。
 杉山選手は続く競技でも練習の成果を発揮。小学5・6年生女子100mレスキューチューブトウで8位に入賞した。

 大会会場となったプールで早朝練習を積んだのが、地元の湘南ひらつかLSCだ。

 市営プールということもあり、これまでは時間外の利用を許可されていなかったが、平塚ビーチパークや海岸公園プールでの夏季パトロールの実績が認められ、今シーズン(冬季)から早朝、オープン前のプールで練習する環境が整ったのだという。

12競技で記録更新

LSweb 同クラブの練習の成果は早くも今大会で現れ、小学1・2年生男女50mジュニアレスキューチューブスイムで優勝した石川真菜選手(優勝タイム39秒03)、小学3・4年生女子50m障害スイムで優勝した伊東紗弥香選手(優勝タイム34秒85)は、それぞれ大会記録を更新する活躍を見せた。

 その後も好記録が次々と生まれ、館山LSCの小学6年生、堺澤舞香選手は、小学5・6年生女子50m障害スイム(優勝タイム31秒96)と小学5・6年生女子100mレスキューチューブトウ(優勝タイム1分20秒21)の2種目で大会新をマーク。

 また遠方から駆けつけた山形LSCの小学4年生、久木朱瑠選手は小学3・4年生女子100mレスキューチューブトウ(優勝タイム1分32秒53)で、柏崎LSCの中学3年生、速水彩選手は中学生女子100m障害スイム(優勝タイム1分07秒39)と中学生女子100mマネキントウ・ウィズフィン(優勝タイム1分15秒02)の2種目で大会記録を大きく更新した。

 男子は西浜SLSCの小学3年生、三宅悠一朗選手が小学3・4年生男子50m障害スイム(優勝タイム35秒15)で、同じく西浜SLSCの小学5年生、志賀海空選手が小学5・6年生男子100mレスキューチューブトウ(優勝タイム1分19秒18)で大会新を出し優勝。
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 キタジマアクアティクスの小学4年生、西森勇太朗選手は小学3・4年男子100mレスキューチューブトウ(優勝タイム1分27秒67)で大会記録を更新し優勝した。

 団体種目でも、中学生女子4×50m障害物リレーと、中学生男子4×50mメドレーリレーで記録が更新されるなど、記録ラッシュの大会となった。

 毎年、寒さが一番厳しい2月に行われる今大会。
 日も短く、気温も低く、そして地域によっては降雪も多い冬季は、プールへ通うだけでも苦労が多い。それでも競技会を目標に一生懸命練習した選手たち。そのがんばりは記録として現れ、そして記録以上の達成感となって心に刻まれたはずだ。
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指導者たちも盛んに交流

LSweb KLFが主催するジュニア/ユース単独のプール競技会は今回で3回目だが、同連盟は以前から、オープンのプール競技大会にジュニアカテゴリーを設けるなど、ライフセービングスポーツの門戸拡大に努めてきた。小中学生の参加が増えたことでスピンアウトしたのがこの大会なのだから、その成果は歴然だ。

 地域クラブに所属するジュニアやユース選手にとって、こうした競技会への参加は活動に対するモチベーションになると同時に、クラブという垣根を越えた出会いの場にもなる。

 そしてそれは、選手だけでなく指導者にもいえることのようで、競技会をきっかけに合同練習を始めたり、互いの地域を行き来して合宿したりという交流も生まれている。もちろん、指導に関する情報交換もしているだろう。

 ジュニアやユースは成長とともに順次、次ぎのステップへと進む。そして入れ替わりに新しいメンバーがやってくる。指導者もしかり。仕事や生活環境の変化、クラブの方針などで引き継ぎが行われたり、新しい指導者が加わったりしているのだ。
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 普段、なかなか顔を合わせる時間がとれない社会人ライフセーバーにとって、ジュニア/ユース競技会は選手たちの頑張りを見ることができると同時に、指導者同士が情報交換できる絶好の機会でもある。

 最後に、今大会の実行委員長で、長年にわたり西浜SLSCでジュニア指導を続けてきた今井恵子さんに話を聞いた。

 「西浜でのジュニア指導は後輩に任せています。コーチたちの身の丈に合った指導ができており、活動は安定していますね。私はこれまでの経験を元に、県内外でジュニアの活動を広げるお手伝いができればと思っています。子どもたちにはすごいエネルギーがあるので、そのパワーをライフセービング活動に取り込められればいいですね」

 KLFが主催する次の大会は、4月29日に藤沢市辻堂海岸で行われるオープンサーフ選手権となる。
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【第3回神奈川県ジュニア/ユース ライフセービング・プール競技会 成績表】








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第13回全日本ジュニア・ライフセービング競技会
海に向かって走り出せ! 夏+海+子どもたち=ジュニア競技会
2016/09/05

The 13th Junior Lifesaving Challenge 2016.8.27-28 千葉県南房総市・岩井海岸

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日本選手団の活躍に沸いたリオ五輪の閉会式から1週間。千葉県南房総市の岩井海岸で「第13回ジュニア・ライフセービング競技会」が開催された。

参加したのは小学1年生から6年生まで、男女合わせて155人(14チーム)のジュニアライフセーバーたち。

心配された台風の影響もなく、穏やかなコンディションで行われた大会では、真剣な表情でがんばる、日焼けした子どもたちの元気な姿を見ることができた。


文・写真=LSweb編集室




海で泳ぐの楽しいな

LSweb 各地で活動するジュニアライフセーバーが一堂に会し、日頃の成果を競う全日本ジュニア・ライフセービング競技会は、8月最後の週末に行われる夏恒例の大会だ。

 大会会場の岩井海岸は、東京湾に面した遠浅で波静かなビーチ。臨海学校が盛んな場所でもある。今夏の海水浴場開設期間は7月21日から8月20日まで。
 日体大ライフセービング部の学生ライフセーバーを中心とした岩井LSCのメンバーが1カ月間、しっかりとガードをしてくれた。

 迷走台風10号の影響が心配された今大会だが、岩井の海を知り尽くした岩井LSCが安全課として今大会をサポートしてくれたのだから頼もしい。
 結局、台風の影響はほとんどなく、無事、2日間の日程を消化できた。

 ジュニア競技会の規模は年々、大きくなっており、今年は参加者が150人を越えた。

 五輪メダリストの北島康介さんが設立した水泳クラブ「キタジマアクアティクス」は、今回が初参加。同クラブでは、インストラクターとして所属する葺本康隆さんや古金源太さんらのライフセーバーが、小学生から高校生までのジュニア/ユース世代に指導を行っている。
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 「プール育ちの子どもたちが多いですが、海はやっぱり楽しいみたいです。競技会に出られないユース世代も、海で泳ぎたいからと帯同したくらいですから」と葺本コーチ。LSweb

 小学5・6年生女子のランスイムランでは、田中伶奈さんが3位に入る活躍。またスイムだけでなく、小学3〜6年生男女のニッパーボードリレーでも4位に入る健闘を見せた。

「海で泳ぐのは大会の時ぐらいだよね」と顔を見合わせたのは、小学3・4年生女子のカテゴリーで参加した山形LSCの池田樹里さんと、久木朱璃さんの2人。
 慣れない海での競技だったが、池田さんはランスイムランで見事に優勝。久木さんも4位に入賞した。

「コーチから『ゴールの旗は沖からだと見えにくいので、その奥にある大きな建物とかを目指して泳ぎなさい』って教えてもらいました。それが上手くいったかな」と池田さん。

 何を目標にしたのか聞いてみると、「えーっと、もう忘れちゃった」と無邪気な返事。

 海で泳ぐのは得意じゃないと言っていた彼女たちだが、今回ですっかり自信をつけたようで、レース後は一目散に海へと駆け出していった。
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友だちと一緒は楽しいな

LSweb 今年で2回目の参加となる「あおぞらLSC」は、自然体験を主体する園舎のない幼稚園の卒業生が集うユニークなクラブだ。

「山や川など自然の中で育った子どもたちですが、土地柄、海に行く機会がありませんでした。海にも触れさせたいと思う保護者が集まり、大会に参加させてもらっています。
 ライフセービングのトレーニングを一生懸命している他のクラブにはちょっと申し訳ない気もしますが、子どもたちもそして保護者もこの経験を楽しんでいます」と話すのは、自らも親子で参加した松本貴行JLA副理事長だ。

 低学年の子どもたちが多かったあおぞらLSC。水色のスイミングキャップに雲のアップリケを縫い付けたコンペキャップを被った子どもたちは、海を怖がることなく元気に飛び回っていた。

「今年の夏は子どもたちを連れて神津島へ行ってきました」と言うのは、「TKS(チームカワサキスポーツ)」と率いる田村憲章さん。
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「海へ行く機会が少ない子どもたちに、せっかくなら魚がたくさん泳ぐきれいな海を見せてあげたかったのです。最初は大きな波に目を丸くしていた子どもたちですが、最後は満喫していました。今日の岩井のような穏やかな海は、へっちゃらだと思いますよ」という言葉どおり、小学5・6年生男子のランスイムランで丸山雄平さんが2位、小学3・4年生男女のタップリンリレーで3位と表彰台に立った。

 ビーチフラッグスで大活躍したのが、湯河原LSCと稲毛LSCの連合チームで参加した豊田海皇、豊田琉皇兄弟だ。父親である豊田尚久さんゆずりの目力が印象的な2人。兄の海皇さんは小学3・4年生男子の部で、弟の琉皇さんは小学1・2年生の部で共に優勝を飾った。
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 小学3・4年生女子のビーチフラッグスは昨年と同じく、勝浦LSCの高梨帆南さんと鎌倉LGの名取暦詩心さんの優勝争いとなり、高梨さんが接戦を制して連覇を達成した。

 勝浦LSCのジュニアメンバーは現在、21人。指導するのは、国際武道大学ライフセービング部のジュニア係と同部のOB、OGたちだ。ジュニアの活躍に目を細めるコーチ陣の中には、日本代表の但野安菜選手や、インカレ連覇中の堀江星冴選手など、ビーチフラッグスのスペシャリストが顔を揃えていた。
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 小学5・6年生女子のビーチフラッグスで優勝したのは、大竹SLSCの二重作真央さん。チームメイトのいない1人での参加だったが、心細さをものともしない活躍を見せてくれた。
 接戦に次ぐ接戦が繰り広げられた、小学5・6年生男子のビーチフラッグス。下田LSCの江渡祐太朗さんとバディ冒険団の三保谷悠さんによる優勝争いは、江渡さんに軍配が上がった。

 ニッパーボードを軽やかに乗りこなすのは、普段からライフセービング機材に触れる機会の多い、館山SLSCや西浜SLSCなどのジュニアたちだ。
 中には、大人が惚れ惚れするようなライディングを見せてくれる低学年の子どももいる。きっと、友だちと一緒に海で活動することが楽しくてしょうがないのだろう。
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 中学生になると、学校の部活との両立が難しいなどの悩みがあるようだが、子ども時代の楽しかった思い出は深く記憶に残るものだと思う。その一つに、ジュニア競技会が加わるといいなと感じた。

 総合成績は館山SLSCが60点で3位、2位は75点の下田LSC、そして優勝は170点の西浜SLSCという結果となった。
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 下田LSCは6人のメンバーで総合2位と大健闘。ニッパーボード、ビーチフラッグス、ランスイムランと、スイムでもビーチでもクラフトでも表彰台に上る安定した力を見せた。LSweb
 鎌倉LGは59点で館山SLSCに1点及ばず惜しくも4位。来年こそは! の気持ちを新たにしていた。

 2位にダブルスコア以上の点差を付けた優勝した西浜SLSCは、小学1年生から6年生まで参加クラブ中最も多い36人が参加した。
 入賞者が多ければ加算されるポイントも多くなるが、人数が多いだけで入賞者が増えるとは限らない。

 率先してチームを引っ張ってきたという、小学6年生の小島裕太郎さんと吉塚梓乃さんに総合優勝の秘訣を聞くと「一人一人が、全力を出してがんばったから!」という答えが返ってきた。

 閉会式の挨拶で「諦めないで最後までがんばれたなら、それが皆の金メダル」と、話した文珠寺裕之JLA監事。

 8月最後の日曜日、千葉の岩井海岸には心に金メダルをかけた子どもたちがたくさんいたはずだ。


【第13回全日本ジュニア・ライフセービング競技会】



★☆ 第13回全日本ジュニア・ライフセービング競技会 表彰台 ☆★


ランスイムラン・小学3-4年生男女

ランスイムラン・小学3-4年生男女

ランスイムラン・小学5-6年生男女

ランスイムラン・小学5-6年生男女

ビーチフラッグス・小学1-2年男女混合

ビーチフラッグス・小学1-2年男女混合

ビーチフラッグス・3-4年男女

ビーチフラッグス・3-4年男女

ビーチフラッグス・小学5-6年男女

ビーチフラッグス・小学5-6年男女

ニッパーボードレース・小学3-4年男女

ニッパーボードレース・小学3-4年男女

ニッパーボードレース・小学5-6年男女

ニッパーボードレース・小学5-6年男女

ニッパーボードリレー・3-6年男女混合

ニッパーボードリレー・3-6年男女混合

タップリンリレー・小学3-4年男女混合

タップリンリレー・小学3-4年男女混合

タップリンリレー・小学5-6年男女

タップリンリレー・小学5-6年男女

チーム総合成績

チーム総合成績







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繋がりが紡ぐ笑顔
高校生・中学生・小学生 海プログラム、開催
2016/07/07

2016.6.5 神奈川県・三浦海岸

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梅雨入り前の6月5日。神奈川県三浦市の三浦海岸で、日本ライフセービング協会(JLA)学生室が主催する「高校生・中学生・小学生 海プログラム」が行われた。

毎年、大勢の参加者が集まるこのプログラム。

人気の秘密は、ジュニアやユース世代にとって身近な存在の大学生たちが、ライフセービングの楽しさ、大切さを知ってもらおうと運営していることにある。

10年目を迎えたプログラムの様子を学生室からのレポートと写真で紹介しよう。(LSweb編集室)


文=藤原侑士(JLA学生室広報部 部長)
写真=JLA学生室





年2回、海とプールで開催

 高校生・中学生・小学生 海プログラムは、
「ライフセービングというのはどのようなものなのか知ってもらいたい」
「高校生、中学生、小学生にライフセービングを体験し、身近なものに感じてほしい」という思いや、
「ライフセービングに興味を持ってほしい」
「ライフセービング競技を知ってもらう」といった目的で体験型のプログラムとして、年に2回、海とプールでそれぞれ開催されている。今回は海でのプログラムだ。

 小学生から高校生まで幅広い参加者が集まった。プログラムの内容を紹介しよう。

今より1つ上のステップへ、スキルアップを目指す

LSweb 今年、参加申し込みがあった小中高生は91人。今回は経験者のみを対象とした。この海プログラムは今回で高校生20回目、中学生11回目、小学生4回目となる。

 今年のプログラムの場所が例年と異なり、新しい会場である神奈川県の三浦海岸。

 また、小学生に海でのプログラムを行うという初の試みがあった。今回のプログラムでは、近日に迫った大会、夏の監視活動に対するスキルアップを目的に呼びかけを行った。その結果、高校生69人、中学生8人、小学生14人という100人近い申し込みが集まった(当日の参加は89人)。

 今回、例年と異なり経験者のみを対象にしたこと、新しく小学生を海に入らせることに対しどのような想いがあったのだろうか。

「参加してくれた人がただ楽しかったと思うだけではなく、今後のライフセービング活動に役立てられる知識や技術を提供したいと考えました。例年プログラムが終了した後、参加者からは参加してよかったという声を聞きます。しかし、そこを一歩踏み出し、新しい世代を育てるという視点から、競技を早く経験させてあげ、自分の力となるものを提供していきたいと思いました」LSweb
 と熱い思いを語ってくれたのは、今回のプログラム責任者で教育部部長を務める、東京女子体育3年の中垣結衣だ。

 彼女とタッグを組み動いたのは、教育部副部長を務める、東海大学湘南校舎3年の石塚康敬である。

 彼女らに今回新しいことを取り組むにあたって、意識したこと、不安に思ったことを尋ねてみた。

「1つ目は、安全管理です。海でのプログラムということもあり、プールと比べリスクがかなり大きいと考えました。それに加えて小学生を海に入れるということもあり、大きなプレッシャーがかかりました。

 でも『危険だから行わない』ということは考えたくありませんでした。何が危険で何が安全なのかを分けて理解することで、最大限楽しめると思うのです。その為に、学生室のメンバー間での共通理解、参加者にも同じ考えを持ってもらえるように何度も何度も話し合いを重ねました。徹底的な安全管理を皆で心掛けた甲斐もあり、無事に実現することができました。

 2つ目は企画・運営です。私たちは毎月1回、学生室全員で集まりミーティングを行います。
 3時間から5時間ほどの限られた時間の中でお互いが意見を出し合い、よりよい活動を行えるように話し合いを行っています。参加者が最大限楽しめ、より多くのことを吸収してらえるようにどんなことをすればいいのかを考えました。

LSweb 今回は、より競技技術を高めてもらうコース、大会の競技を知ってもらうコース、小学生コースの3つに分け、内容、リスク管理をコースごとに考えました。それぞれで考えることが異なり、全体への共有が大変でした」と中垣は話す。

 石塚は6月開催にした意味について話してくれた。

「教育部の方針としてはより内容の濃いものを作り上げたい、ということがありました。そう考えると5月開催では準備や話し合いの期間が短くなってしまい、いいプログラムにならないのではと考え6月開催にしました。

 参加を楽しみにしてくれた人たちには例年より遅い時期の開催となってしまい、ご迷惑をおかけしてしまい申し訳なかったと反省しています。その分プログラムを思いっきり楽しんでほしいです」と石塚は語ってくれた。

 教育部の2人を中心に、今回のプログラムで参加者をサポートしたスタッフは、大学生ライフセーバー60人。JLA学生室に属している学生である。

 学生室は、九州から東京までの大学クラブの大学2~4年生の総勢82人によって構成されている。

「学生選手権(インカレ)」や今回の「小中高生プログラム」、大学クラブのリーダーたちが集い、交流を深める「学生リーダーズキャンプ」など、年に5つほどの事業を企画・運営している。
 それらの事業を成功に導くため、毎月行われている定例会では、運営の役割ごとに各課に分かれ、白熱した話し合いが行われている。

笑顔が絶えないプログラムにするためには

 今回のプログラムでは、参加者を小学生のみのグループ1つと、中高生のグループ2つに分け、計3つのグループでプログラムを行った。

LSweb 経験者を対象にしたことで、プログラムの内容がより濃いものになったのではないか。また、どのように取り組んだのだろうか。

 スイムのメニューを考えたスイム課。全体の安全管理を行った安全課。初の参加者が海に入水するプログラムを組んだ小学生課。それぞれの課長に海プログラムの内容を聞いた。

「スキルアップということが大前提なので、基礎知識ではなく、普段では頭から抜け落ちてしまっているような知識、技術を提供していきたいと思いメニューを考えました。三浦海岸は満潮と干潮で地形が大きく変わると聞いていたので、一日の中で海の変化という点を中心に伝えることができたと思います。
 中高生でも技術に差があり、事前に把握しておけばよりよいプログラムになったのではないかと思います」そう話してくれたのは、スイム課課長を務めた、筑波大学3年の姫野 航だ。

 大きな問題もなくプログラムは進行していたように見られたが、今あるもので満足せず常に上を目指している。そのような姿をみた参加者は応えるように真剣に取り組んでいた。言葉でなく、まさに背中で語る。というものだろう。
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「このプログラムを無事故でやりきる。だからといって、余計な制限はかけたありませんでした」そう話してくれたのは、安全課課長を務めた流通経済大学3年の今井夏希だ。

 安全課の方は一日中海に入り、事故がないか常に監視をして、参加者が危険な思いをせず笑顔でいられるように考え、行動をしていた。雨が降り、水温も冷たかったので体調を崩してしまう参加者もいたが、いち早く異変に気付いて事故を未然に防いでいた。
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「小学生は初めて海に入るプログラムなので最新の注意と、体調管理を目標にしました。また楽しいことを伝えるのは当然として、危険なこと、大変なことなど真剣に取り組むことによって得られる達成感が伝えられえるように内容を組みました」と話したのは、小学生課の課長を務めた日本女子体育大学3年の伊藤留奈だ。

 小学生1人につき学生室のメンバーが1人バディを組み、一緒にプログラムをしていた。
 
 午後には天気も回復し、浜辺で鬼ごっことクラゲにさされたときの対処法を合わせたルールのクラゲタッチを行った。元気いっぱいに走る小学生の顔は、見ての通りキラキラと輝いていた。
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1(学生室)+1(参加者)+1(協力者)が作り上げること

 教育部部長の中垣が、参加者そして協力を仰いだ三浦海岸LSCの方々に挨拶と感謝を述べ、これからの想いを話してくれた。

「参加者の方々、今回の海プログラムへのご参加、誠にありがとうございます。
日頃から学生室の活動を応援してくださる方々、そして本日三浦海岸という場所を提供してくださり数々の手助けをしてくださりました三浦海岸LSCの方々、このように私たちの活動を支えてくださる方がいるからこそ、今回の海プログラムを無事実現し、やりきることが出来たと思います。本当にありがとうございました。

LSweb プログラムを通じ、人と人との繋がり、出会いは大きな力になるということを学びました。1人では達成できない目標も、同じ想いを持った仲間が集まれば必ず成し遂げることができます。

 プログラムを企画・運営・指導する立場である我々学生室のメンバーはもちろんのこと、参加者の方々からのアイディア、提案など今まで気づくことが出来なかったことを、私たちも逆に学ばせていただきました。

 色々な人と関わり、いろいろな知識を集めてどんどん成長してください。今日集まったみんなはもう仲間です。この絆を大切にしましょう。

 今後もより良いライフセービング環境を整えていけるよう、この環境を活かして学生室一同頑張っていきますので、また学生室主催のプログラムにご参加いただけることを心よりお待ちしております。これからも学生室をよろしくお願いいたします」

11 閉会式にて、学生室の代表を務める国際武道大学3年の榎本宏樹が挨拶した。

「皆さんの笑顔を見ることができ、このプログラムを開催して本当に良かったと思います。レースは楽しかったでしょうか?
今日ここに来てくれたみんな、全国のライフセービング活動をしているみんな、ライフセービング活動をしている人はみんな同じ志を持った仲間です。こんなに多くの仲間がいるということは大変幸せなことだと思います。ぜひ仲間を大切にしてください。
それと、器材も自分たちのライフセービング活動を支えてくれる大切な仲間です。同じように大切にしてください」

 「はい!」という気持ちの良い返事が雨上がりの晴天に響き渡たり、無事プログラムが終了した。

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春休み目前!
神奈川ジュニア&ユースプール競技会、開催
2016/02/24

第2回神奈川ジュニア/ユース ライフセービング・プール競技選手権大会!
神奈川県・平塚総合体育館温水プール 2016.02.21

LSweb梅の花が満開となり、春の足音が聞こえはじめた2月下旬。

神奈川県平塚市の平塚総合体育館温水プールにて、神奈川県ライフセービング連盟(KLF)が主催する「第2回神奈川ジュニア/ユース ライフセービング・プール競技選手権大会」が開催された。

小学1年生から中学3年生まで、県内外の8チーム123人が参加した熱戦の様子をお届けしよう。

文・写真=LSweb編集室





体験会で緊張を吹き飛ばせ!

LSweb 二度目の開催となる今大会には、県内から鎌倉ライフガード、カワサキスイミングクラブ、湘南ひらつかライフセービングクラブ、西浜サーフライフセービングクラブ、バディ冒険団、湯河原ライフセービングクラブの6チームが、また県外からは下田ライフセービングクラブ、館山・世田谷合同チームの2チームが参加した。

 競技は小学1〜2年生、3〜4年生、5〜6年生、中学生の4クラスに分かれて行われ、小学1〜2年生と3〜4年生は男女混合、小学5〜6年生と中学生は男女別でのレースとなった。

 参加人数が最も多かったのは、42人と全体の約1/3を占めた小学5〜6年生。次に多かったのが中学生で、1〜3年生まで合わせて38人がエントリーした。

 実施競技は年齢や体力を考慮して、小学1〜2年生は「50mジュニアレスキューチューブレース」の1種目、3〜4年生と5〜6年生は「50m障害物スイム」「4×50m障害物リレー」「4×50mレスキューチューブリレー」の3種目、中学生は「100m障害物スイム」「4×50m障害物リレー」「100mマネキントウ・ウィズフィン」「4×50mメドレーリレー」の4種類が行われた。

 小学校低学年の生徒たちの中には、ライフセービング競技会に出場するのはこれが初めて、という子どももいる。そんな子どもたちにとって、50mの長水路プールはとてつもなく長く、飛び込み台はものすごく高く、足のつかないプールは底なし沼のように深い……。

 そこで、レース開始前には1時間半にわたって競技プールが開放され、LS日本代表・飯沼誠司監督はじめ各クラブのコーチや、日本代表の平野修也選手(辻堂LC)の指導による体験会が開催された。
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 何度もプールに飛び込むうちに、最初は緊張気味だったジュニアたちの表情が、段々と和らいでいった。心の準備ができたところで開会式。地元、湘南ひらつかLSCの奈良部元春選手、久保田純令選手の2人が選手宣誓すると、いよいよ競技開始だ。

次々飛び出した好タイム!

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50m障害物スイム(小学3-4年生/男女混合)

 最初の種目の50m障害物スイムで、小学4年生ながら堂々とした泳ぎを見せたのが、西浜SLSCの志賀海空選手。昨年の大会記録を更新し、表彰台の真ん中に上った。

 鎌倉LGの小学6年生、井上弾天選手は同種目の小学5〜6年生男子で優勝した。競泳でも活躍する彼は、「ライフセービングは楽しい。中学生になっても続けていきたい」と言って、チームメイトに笑顔を見せた。

 100m障害物スイムは、館山・世田谷チームの中学3年生、津嶋笑満花選手と板場貴大選手が力強い泳ぎで好タイムを出した。
 2人はもう一つの個人種目、100mマネキントウ・ウィズフィンでも優勝し、実力を見せつけた。LSweb

 マネキンレースを振り返った板場選手は、「去年は同じ種目でマネキンのピックアップに25秒もかかってしまったので、今年は基本的なことを確実にやろうと思っていました」と言った後、「あとはがむしゃらに泳ぎました」と続けた。

 保護者やコーチが最も手に汗握った競技が、小学1〜2年生のレスキューチューブレースだろう。
 50m泳げるか? そんな心配をよそに、参加選手全員が最後まで泳ぎきった。

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50mレスキューチューブレース(小学1-2年生/男女混合)

 このレースで優勝したのが、西浜SLSCの小学2年生、浜地櫂依選手だ。

 表彰式後に声をかけると、メダルを首にかけ、表彰状を手にしながら「今日は本気が出せた!」と元気良く一言。その顔は自信にあふれていた。

 僅差の2位はカワサキスイミングの小学2年生、鈴木連太朗選手。初参加の感想を聞くと、メダルを見てニッコリ。

 コーチから「もう少しがんばれたな」と言われると、照れたように再びニッコリ。楽しくて、次の目標も見つけられた大会になったようだ。
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たった一度のレースが人生を変える!?

LSweb ジュニア/ユースをいえども、様々なドラマが起こったのがリレー種目だ。

 体格も学年も違う、小学3〜6年生がチームを組んだ小学生のリレー種目は、泳者によって順位が大きく入れ替わる、ハラハラドキドキの展開となった。

 逆転に喜ぶチーム、負けてガッカリくるチーム、判定で唖然とするチーム……。チームメイトと肩を抱き合い喜ぶ姿もあれば、落ち込む仲間にそっと声をかける子どもの姿もある。

 そして、そんな子どもたち一人一人に、時に咤激励し、時に笑顔で迎え、時に落ち着いた声で諭すコーチたちの姿も。

 残念だったのは、インフルエンザなどの体調不良で参加できない選手がいたことだろう。

 「うちは中学生の間でインフルエンザが流行ってしまって」と三木玲奈コーチが話す湯河原LSCは、上級生がいない心細さを小学生たちだけで乗り切った。

 中学生はリレーメンバーを揃えられるチーム少なく、女子は西浜SLSCと館山・世田谷チーム、男子は西浜SLSC、館山・世田谷チーム、湘南ひらつかLSCの少数精鋭対決となったが、大会記録を更新する熱戦が繰り広げられた。
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 そんなリレーを観戦しがら「周りがみんな速かった」と話したくれたのは、夜明け前に出発したという下田LSCの中学1年生、高橋奈子選手だ。

 「今シーズンはプールで全然泳いでいなかったので……。これからは海だけじゃなくて、プールでももっと泳ごうと思います」と気持ちを新たにしていた。

 「中学生になったらライフセービングじゃない部活をやる」そう言っていたジュニアの一人が、「やっぱりもうちょっと続けようかな……」と口にしたのは、表彰台に上った嬉しさよりも、逆転負けしたことが悔しかったからのようだ。

 嬉しくても、悔しくても、たった1本のレースで大きな刺激を受けるジュニア&ユース世代。競技会に出たことで、その先の生き方まで変わってしまうかもしれない、そんな可能性がある世代なのだ。

 閉会式で大会を振り返った湘南ひらつかLSCの奈良部選手は、「仲間と一生懸命練習して、メダルが獲れるようにがんばります」

 久保田選手は、「皆と一緒に泳げて楽しかったです。これからはかっこいいライフセーバーになれるようがんばります」と、実に頼もしいコメントを聞かせてくれた。
 
ジュニア、ユースを経てかっこいいライフセーバーへ。彼ら、彼女らの変化が楽しみだ。
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今大会成績表はKLFホームページにてご確認下さい(下記をクリックするとKLFサイトに飛びます)。

★☆大会成績表はここをクリック☆★

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50m障害スイム(小学5-6年生/男女)

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100m障害スイム(中学生/男女)

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100mマネキントウ・ウィズフィン(中学生/男女)

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4×50m障害物リレー(小学3〜6年生/男女混合)

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4×50mレスキューチューブリレー(小学3〜6年生/男女混合)

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4×50m障害物リレー(中学生/女子)

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4×50m障害物リレー中学生/男子)

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4×50mメドレーリレー(中学生/女子)

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4×50mメドレーリレー(中学生/男子)





















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初参加チームも大活躍!
第3回 全日本ジュニア/ユースLSプール競技大会
2016/01/07

2015.12.19-20 宮城県総合運動公園総合プール

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年の瀬も押し迫った昨年12月中旬、宮城県宮城郡利府町で「全日本ジュニア/ユース ライフセービング プール競技大会」が開催された。

東北地方で行われる競技会として、すっかり定着したこの大会。

今回も小学3年生から高校3年生までのジュニア/ユース世代が参加し、大会記録が多数塗り替えられる熱戦が繰り広げられた。

そのプール競技大会の様子を、山形ライフセービングクラブの久木 充さんにレポートしていただいた。(LSweb編集室)

文=久木 充(山形LSC)写真=山形LSC





ホストクラブは気仙沼LSC

LSweb 第3回全日本ジュニア/ユースライフセービングプール競技会が、2015年12月19-20日、宮城県総合運動公園総合プール(セントラルスポーツ宮城G21プール)にて行われた。

 雪による交通障害を避けるべく今大会も年内12月に行われたが、異常気象とも言われる暖冬で積雪はなかった。しかし初日は大きな低気圧により暴風が吹き荒れる荒天気であった。

 今回で3回目を数えるこの大会、第1回は記録的大雪、第2回も季節外れの吹雪、と東北に冬の息吹を送る大会の印象が残りそうだ。

 選手宣誓は気仙沼ライフセービングクラブの紺野郁弥選手。
 宮城県気仙沼市を拠点とし、震災後宮城県で最初に復旧した小田の浜海水浴場の監視活動を中心に行っている今大会のホストクラブである。

 仙台大学ライフセービング同好会の協力もあり、宮城県にとってライフセービング活動が一歩前進した印象を受ける宣誓であった。

1本のレースが自信へ

LSweb この大会では、小学校3年生から高校3年生へと同じ競技を続けて行う。年齢の幅と体格の差もある選手たちが、次々に登場する様子は、ほかでは味わえない醍醐味がある。

 小学生も高校生と同じ招集所で招集され、集中して気合いを入れている高校生を肌で感じ、レースでは格の違いを目の当たりにし、目を輝かせて感動していた。

 不安で招集所へ向かうのを怖がっていた児童が「なんかできそうな気がする」と、中高生の熱気に乗って上を向いてプールサイドへ向かう姿も。

 また「頭からの飛び込みができない」と事前に話していた児童が、本番では頭から飛び込み一所懸命泳いでいた。

 足のつかない50mプールを泳ぎきれるか不安な児童、生徒もいたが、あきらめず全員が泳ぎ切った。

LSweb 100m泳いだことがない児童も、最初の50m障害物スイムで自信をつけ、次の100mレスキューチューブトウに挑戦するなど、大会を通して成長を見せた。

 中高校生も小学生の泳ぎに感動し、初心に戻ってレースを楽しみ、小学生のレースも一緒に応援してくれていた。その好意が嬉しくて、小学生も所属クラブに関係なく観戦し、応援する声がプールに響いた。

 今大会からマネキン泳法のルール改正が適用されたため、マネキンキャリーとマネキントウ・ウィズフィンはスピードレースになった。

 これまでは、マネキンを水没させないようにと、応援席まで伝わるような慎重なレース運びが多かったが、今回は自己ベストを更新しようと痩身の力で引っ張り、大会記録を塗り替えたレースが多かった。

 一方記録ではなく、マネキンを25mキャリーできた事が何よりも自信につながり、泳げたことに感激していた生徒もいた。
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メダル授与に感激

 今回印象が強かったのは、初参戦の日体荏原LSCとチーム北島の存在だ。

 高校生では日体荏原LSCは選手層が厚く、決勝では日体キャップが並んだ。泳力も高く、日本代表HPTが揃う柏崎LSCを脅かす存在。大会の中でお互い成長が見られた。

 そしてもう一つ、同じ初参戦のチーム北島だ。力強い泳ぎで中高生のマネキンキャリーの表彰台に上った。新しい強豪校誕生である。

 両校とも今回初参戦なので、次回はもっと力をつけてくるだろう。そしてユースの底上げにつながるだろう。
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 第1回から参加している東北勢も力をつけてきた。

 盛岡LSC、釜石LSC、気仙沼LSCと表彰台に上る選手が増え、東北ライフセーバーの技術の底上げ、そして広がりが楽しみである。気仙沼LSCの中学生のラインスロー二連覇は宮城県のライフセービングの追い風となりそうだ。

 山形LSCはジュニア層の勢いが衰えず、小学生のレースにはオレンジのキャップが並んでいた。オーシャン競技でも頭角を現し、海でもプールでもライバル対決が見られ、オーシャンもプールも積極的に表彰台を狙い、小学生らしからぬ熱い競技が行われた。

 表彰といえば前回と変わった点がもう一つ。メダルの導入である。前回は賞状授与だったが、今年からメダルになった。

 小学生はメダルがもらえる事に大喜び。表彰台に立ってメダルを授与される喜びがこれほど大きいと思わなかった。

 またラインスローでは時間切れ含めた失格が少なく、すべての競技で表彰台が埋まったことが嬉しい。着実にジュニア/ユース層のライフセーバーが増えていることの現れである。
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 前大会で活躍した柏崎LSC、西浜SLSC、山形LSCも奮闘したが、今大会は日体荏原LSC、チーム北島の活躍が凄かった。徐々に力がついているのがわかる盛岡LSC、釜石LSC、気仙沼LSCの成長も、同じ東北勢として嬉しかった。

 そのほか、昭和第一LSCの組織力、パフォーマンスの高い選手が揃う三多摩LSC、湯河原LSC、世田谷SAも素晴らしいと感じた。

 最後に選手一人一人の成長。学年を超えた協調性。子どもの伸び代の大きさを実感した指導者と保護者。プールという一つのステージだからこそ感じ、共有できる大会だと感じた。

 現場で顔を会わせ、同じ場所で競い合うことで、子どもたちの眠っている力を引き出す大会であると同時に、プール競技会は保護者や学生、シニア層のライフセービングスピリットにも火を付ける効果があると再認識した。

 きっかけ一つで急成長するジュニアやユース世代。次回の開催が楽しみである。
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※成績表は日本ライフセービング協会HPからどうぞ。