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「パドルスーパーシリーズ」館山ラウンド
1km&3kmのパドリングレース、北条海岸で初開催
2015/05/15

Paddle Super Series Tateyama Round

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ゴールデンウィーク明けの5月10日(日)、千葉県館山市北条海岸にてSUPとパドルボードのレースイベント「Paddle Super Series Tateyama Round(パドルスーパーシリーズ)」が行われた。

初夏の陽気が感じられる青空の下、大人から子どもまで、漕ぐことが大好きな人々が集まって開催されたイベントのレポートと写真が届いたのでご紹介しよう(LSweb編集室)。



文・写真=佐藤和伯(Blue Connect)




パドルレースで笑顔を広げよう!

LSweb 去る5月10日(日)、千葉県館山市北条海岸にてPaddle Super Series Tateyama Roundを開催し無事に終えることができました。

 私は普段、TATEYAMA SURF CLUBでライフセービング活動を行なっています。同クラブでは今年9回目となる「OCEAN+FEST」というイベントを開催していますが、今イベント「パドルスーパーシリーズ」は自身のBlue Connect主催にて開催しました。

 Blue Connectは【水で笑顔を繋げる】をテーマに活動しており、レースを通じて笑顔が広がるように願い、今イベントを開催しました。

第一回目となる今イベント内容は、

①Prone Paddle Board(Elite)
②SUP(Elite、Open)
③Prone Paddle Board(中学生)Nipper Board(小学生)

の3種類をElite、Openカテゴリーに分けて行ないました。

LSweb Prone、SUPともにガチンコ対決で競うElite 3km(1.5km×2)レースでは、普段からかなり練習されている人たちも多く、ハイレベルな戦いが繰り広げられました。
 
 コースレイアウトを観客からも見やすいように設定したので、スタート時のポジション争い、ブイ周り等、迫力ある内容を見ることができました!

 Open 1kmレースは、始めて間もない方たちが多かったのですが、全員完漕することができました。
 レースが終わった後、選手皆さんの全身から溢れ出る充実感がとても印象的でした。

 Prone Paddle Board(中学生)及びNipper Board(小学生)1kmレースは、ジュニアカテゴリーとして設けました。

 大人と子どもが同日に行なうレースがあまりないので時間的に厳しかったのですが、どうしても実施したくて行ないました。

 子どもたちは普段の練習の時とは違った顔を見せくれてとても逞しかったです。
 
LSweb また、保護者の方々も子どもの頑張りを間近で見ることで成長を感じることができたと思う中で感動的なシーンがいくつも生まれ、「ジュニアレースをやって良かったな〜」と感じることができました。

 午後はニッパーボード&SUP体験会を行い、その後ビーチすぐ裏の施設をお借りして表彰式&アフターパーティーを行ないました!

 自分も多くの海外レースに出てきましたが、日本と大きく違うところの一つに、オンオフの差がとてもはっきりしていることが挙げられます。

 真剣にレースをし、お互いをリスペクトしてその後は思い切り楽しむ!
 
 こういった雰囲気、空間をみんなに知って欲しいと思い、作った表彰&パーティーは最高に楽しい時間となりました!!!!

 Paddle Super Seriesと名付けた今イベント。

 名前の通りパドルスポーツ(Prone Paddle Board、OC1、SUP、Ocean Kayak)を軸に今後、様々な形のイベントとして開催予定です。レース、シリーズ戦、ビーチ体験イベント、そしてスペシャルレース…。

 今回、練習会や新歓イベントが重なりライフセーバーの参加がとても少なかったのですが、ビーチスポーツ、アクティビティの方々との交流もどんどんしてもらえるようなイベントにしますので、他競技への挑戦も含め、今後は多くの方に参加して頂ければと思います。
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 ちなみに今大会のMVPで賞品のSUPを手にしたのは、エリートレースでみごと優勝した田島選手。選出の理由は、ずばりレース内容です! 少ない人数の中でも最後までしっかり戦略を組み立て、レース内容に意図を感じました。

 また、ライフセーバーにどんどん他の種目へチャレンジしてもらいたいとの思いも込めてMVPに選出しました(^-^)/

 最後に、イベント開催にあたり、ご協力頂いた関係各位の皆様に最大の感謝を送らせて頂き、終わりの挨拶とさせて頂きます。
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 本当にありがとうございました!!!!

    
 
★「Paddle Super Series Tateyama Round(パドルパドルスーパーシリーズ)」成績表★

成績表1

成績表1

成績表2

成績表2

 
成績表3

成績表3

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お台場ビーチスポーツフェスティバル20152015/05/13

ODAIBA Beach Sports Festival 2015

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レスキューアスリート
大都会の真ん中に集結!


ゴールデンウィーク期間中の5月3〜5日、レインボーブリッジを望む東京港区のお台場海浜公園にて、日本ビーチ文化振興協会主催の「お台場ビーチスポーツフェスティバル(OBSF)2015」が開催された。

多くの人にビーチスポーツの魅力を知ってもらい、日本での「アジアビーチゲームス」開催に繋げようというこのイベントに、トップライフセーバーたちも参加した。


文・写真=LSweb編集室





都会の海辺で
ビーチスポーツの魅力を体験


LSweb こどもの日の5月5日、観光客で賑わうお台場海浜公園の一角にライフセーバーたちが次々と集まってきた。

 夏前なのにすでに日焼けし、ボードやサーフスキーを軽々と運ぶ姿に観客たちの注目が集まっていた。

 毎年、ゴールデンウィーク期間にお台場で開催されるOBSFは、ビーチバレーをはじめとするさまざまなビーチスポーツを観戦し、また体験もしてもらおうという人気の野外イベントだ。期間中の観客数は延べ約6万人にもなる。

 このイベントで毎回行われているのが、ライフセービング競技の中で抜群の認知度を誇るビーチフラッグス。エキジビションレースではその速さと迫力にどよめきがあがり、体験会では大人も子どもも大いに盛りあがる人気種目だ。

 さらに今年からは、オーシャンマン/オーシャンウーマンのエキジビションレースも加わることになった。エントリーしたのは、全日本の決勝と言っても差し支えない猛者ばかり。

 さて、大都会の海を舞台にどんなレースが行われたのだろうか? 
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インはレインボーブリッジ
アウトはフジテレビを目指せ!?


LSweb お台場という立地条件から、スイムなしで行われることになった今回のオーシャンマン/オーシャンウーマンレース。湖のようなフラットコンディションの中、ボード→スキーでの接近戦が繰り広げられた。

 先にスタートしたのはオーシャンウーマン。
 招待選手4人を含む7人がボードを掴み、一斉に海へ。まず飛び出したのは、ボードが得意な西浜SLSCの上村真央選手。その後ろを招待選手の三井結里花選手(九十九里LSC)と高橋志穂選手(柏崎LSC)が追う展開となった。

 変則コースをM字に周回すると、続いてスキーへ。このトランジットで高橋選手がトップになると、そのまま必死の形相で三角コースを二周し、リードを保ったままフィニッシュへと駆け込んだ。
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 「インの地形が地元の柏崎とそっくりで、ボードのスタートが上手くできたのが良かったです。でもスキーの時は、いつ追いつかれるかとヒヤヒヤしました」と高橋選手。

 インの時はレインボーブリッジを、アウトの時はフジテレビ社屋を正面に見るお台場ならではのコースだったが、接戦のレース中はそんな風景を楽しむ余裕はなかったそうだ。

LSweb 続いてオーシャンマンがスタート。招待選手5人を含む16人がボードを掴んで猛然とダッシュすると、その迫力に、ビーチバレー元日本代表でイベントナビゲーターを務める朝日健太郎ビーチ文化振興協会理事長も、思わず驚きの声を上げていた。

 大混戦のボードで頭一つ抜けたのは、招待選手の上野 凌選手(西浜SLSC)と、波崎SLSCの葺本康隆選手。そのすぐ後ろに、14人の大集団が迫る。

 オーシャンマンでも、ボードからスキーへのトランジットでトップが入れ替わり、ここからは湯河原LSCの西山 俊選手、東京消防庁LSCの落合慶二選手、下田LSCの菅沼寛也選手の3人が集団を引っ張る展開となった。
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 3人の並走は最後まで続き、最終ブイの回航位置は内側から落合選手、西山選手、菅沼選手というポジション。パドルや艇体の接触音が聞こえるほどのデッドヒートから抜け出し、このレースを制したのは西山選手だった。
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 「大勢の観客に見てもらえるのはやり甲斐があるので、機会があればぜひまた次も出場したいです」と笑顔の西山選手。もっともこちらも景色を楽しむ余裕はなかったようだ。

ビーチバレーにビーチ相撲
ライフセーバーたちもイベントを満喫


LSweb オーシャンマン/オーシャンウーマン同様、観客の目を釘付けにしたのがビーチフラッグスだ。

 予選を勝ち抜いた男女各8人による決勝レースが始まると、スタートダッシュ、フラッグを巡っての一瞬の駆け引き、そして巻き上がる砂の一つ一つに息をのむ。

 女子の優勝決定戦は、招待選手の川崎汐美選手(新島LSC)と、西伊豆LSCの藤野智秋選手。日本女子体育大学の先輩後輩対決は、先輩の川崎選手に軍配が上がった。
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 「今年は就活の年。このイベントで優勝できたので、就活も気合いを入れてできそうです」と川崎選手。その調子で就活でもがっちり希望の進路を掴んでほしい。

 男子はベスト3に招待選手3人が残る白熱した展開に。
 全日本並みの真剣勝負の中、小田切伸矢選手(西浜SLSC)がまず脱落すると、ベテランの植木将人選手(西浜SLSC)と大学生の堀江星冴選手(勝浦LSC)での頂上対決となった。
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 切れの良いスタートでフラッグを手にしたのは、堀江選手。ポーカーフェイスの彼だが、植木選手に手を掲げられ、はにかんだ笑顔を見せた。

 午後からはジュニアライフセービング教室も開催され、多くのちびっ子たちが水辺で安全に遊ぶ知識を身につけ、ビーチフラッグス体験ではおもいっきりお台場のビーチを走り回っていた。
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 指導したのは現役のライフセーバーたち。またSUP体験会場などでの安全パトロールを担ったのも、現役のライフセーバーたちだ。

 一方、いろいろなビーチスポーツを体験した楽しむライフセーバーも多く、元力士に挑戦できるビーチ相撲は特に人気だった。
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 レースにビーチスポーツ体験に、東京の海辺をおもいっきり満喫したライフセーバーたちであった。
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日本初!? SUPとPBの長距離レース
ライフセーバーも多数参加した「グライド・トライアル」開催
2015/05/09

The 1st glide trial in HAYAMA

LSweb5月3日、快晴の相模湾でスタンドアップパドルボード(SUP)とパドルボード(PB)によるディスタンスレース「グライド・トライアル(glide trial)」が開催された。

SUP10艇、PB11艇、そしてライフセーバーたち多数が集まり、真剣かつ和気あいあいと行われたローカルレースの様子を紹介しよう。

文=LSweb編集室 写真=LSweb編集室、合田光伸、菊地由美子、鎌田優





ディスタンスレースを楽しもう!

LSweb スポーツ界では今、ロングレース熱が高まっている。マラソンしかり、トライアスロンしかり、サイクルロードレースしかり。マリンスポーツも例外ではなく、カヌーもヨットも世界各地でロングレースが開催され人気を集めている。

 ハワイで開催される「モロカエ・ホエ」や、タヒチで開催される「ハワイキ・ヌイ・ヴァア」、香港で開催される「ドラゴンレース」など、ライフセーバーにとっても気になるロングレースは多いのではないだろうか。ちょっと強引か……(苦笑)。

 それはともかく、トレーニングの一環として皆で集まって長距離を漕ごう!というローカルレース「glide trail」がゴールデンウィーク中の5月3日に開催され、PB部門のほぼ全員、SUP部門にも複数人のライフセーバーが参加した。LSweb

 レースは三浦郡葉山町の大浜海岸をスタートし、裕次郎灯台のある森戸沖を通過、鎌倉市の材木座海岸沖のブイを回航して大浜に戻る約10kmのコース。

 当日は晴天、南東の風3〜4m/s、波はほぼフラットというコンディションで、ディスタンスレースを経験する機会が少ない若手ライフセーバーにとっては、絶好のレース日和となった。

 主催者の一人で、後輩たちから兄貴分としてしたわれているベテランライフセーバーの菊地太さんは、
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 「日本サーフィン連盟の日本代表としてメキシコで開催されるPBレースに出場する西山 俊さんの壮行会と、彼にエールを贈る意味で彼と共にレースをしてみたいという元全日本チャンプの2人、落合慶二さん、荒井洋佑さんの申し出を叶える形で」レースを開催したと話す。

 長距離レースは、海のことをより良く知るために有効な手段。菊地さんはこれまでにも、サーフスキーとアウトリガーカヌーのディスタンスレースを主催した経験がある。


PB部門で優勝したのは……?

LSweb glide trailに参加した21人のウォーターピープル。SUP部門は10人、PB部門は11人がエントリーし、スタートのフォグフォンの合図で、大浜沖を一斉にスタートした。

 まず飛び出したのがSUP集団。PB軍団も負けじとその後を追いかける。
 ゴールデンウィーク中ということもあり、海上はウインドサーフィンやディンギーヨットで大賑わいだったが、その中をSUPとPBがスイスイと、折り返し地点の材木座海岸沖を目指した。

 総合優勝はSUP部門の柏木星穂さん。優勝タイムは1時間32分16秒。総合1位から4位まではSUPが占め、総合5位にPBトップの落合慶二さんが入った。タイムは1時間37分50秒。そのわずか3秒後にフィニッシュしたのが、荒井洋佑さん(1時間37分53秒)。
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「最後、競い負けました!」と荒井さん。
 この日は悔しい思いをしたが、レースの3日後に第一子が誕生! その喜びで悔しさも吹き飛んだことだろう。

 レースの影の主役、西山さんは1時間41分07秒で総合8位、PB3位。

「レース形式は初めてだったので、自分の実力を知る上でも最初から全力で行きました。落合さんと荒井さんがピッタリ後ろについているのは分かっていましたが、とにかく駆け引きなしでやってみようと。最後は完全にガス欠で、二人のスパートについて行けませんでした。この経験をメキシコでの大会に活かします」と決心を新たにした西山さんだった。

 女子で唯一参戦した上村真央さんは、1時間46分07秒で総合13位、PB6位の堂々たる成績。オーストラリアで3カ月修行し、全豪にも出場した実力を発揮した。
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 途中、赤潮に遭遇した海域もあったようだが、約2時間半で21人全員が完漕。リジット艇でのサポートや、エスコートのサーフスキーなど、パドル愛好者が協力して開催した第1回大会は成功裏に終了した。

 菊地さんたちは、秋にはサーフスキーとOC1(一人乗りアウトリガーカヌー)によるディスタンスレースの開催を企画しているそうだ。興味のあるライフセーバーはアンテナを張っておこう。
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今年のテーマは「鎌倉体育祭」
第10回 鎌倉サーフカーニバル 開催!
2015/05/06

The 10th Anniversary Kamakura Surf Carnival

LSweb海水も温む5月。憲法記念日の5月3日に神奈川県鎌倉市の材木座海岸で、毎年恒例の「鎌倉サーフカーニバル」が開催された。

今年は節目となる第10回目のイベントとあって、参加者はいつも以上に気合いが入り、“笑いときどき真剣勝負”で大いに盛り上がったのであった。

文・写真=LSweb編集室




実行委員長は体操着で大奮闘!

LSweb 鎌倉ライフガードが主催し、サーフ90鎌倉LSCや辻堂LSCといった近隣クラブが協力して開催するカーニバルは、今年で10回目を迎えた。

 ファンレースを通してライフセーバーの親睦を深め、新人への浜説明会の役割も果たし、家族サービスもでき、さらにGWという人出の多い時期にレスキューボードやIRB、PWCでの活動を目にしてもらい、一般の人へのさりげないアピールも行う一石三鳥、四鳥のイベントである。

 この時期の風物詩ともなった鎌倉サーフカーニバル。記念大会の実行委員長を務めたのは、社会人4年目の林 亮太さんだ。

 「今年のテーマは鎌倉体育祭です。ということで、参加者の皆さんに大いに楽しんでもらえるよう、体操着を着てみました。LSweb某大手通販サイトで“体操着”を検索したら、上位に“ブルマー”がズラリと並んでしまい、世間的にはこういうものを検索する人間は“そういう目”で見られているのだと、いささか焦りましたが……(苦笑)。
 諸般の事情があり、参加者全員の分は用意できませんでしたが、少しは盛り上がりに貢献できたのではないでしょうか」

 と話す林さんの笑顔を見ると、多忙な職務の合間を縫っての準備も、まんざらではなかったよう。

 そして林さんを始めとする実行委員の奮闘のお陰で、参加した選手たちは、オリジナル種目もふんだんに取り入れたサーフカーニバルを満喫したようだ。

 今年は学校にライフセービングクラブがない横浜国立大学の1年生や、大学3年生から始めるという新人、さらに先日、合同で開催した新歓で知り合ったという実践女子大学LSCのメンバーたちなど、50人以上が参加。
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 4チームに分かれ、ボードレース、スイム〜ラン〜ボードリレー、ビーチリレー、ビーチフラッグス、綱引きなどなど初夏の海を満喫していた。
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 レースが終わった後は、いつもお世話になっている地元の漁師さんの網小屋での親睦会&表彰式が開催され、夕暮れ時のビーチで尽きぬ話に花を咲かせていたライフセーバーたちだった。
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パドルボードで世界に挑む
湯河原LSCの青木将展さんと西山 俊さん
2015/05/04

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湯河原ライフセービングクラブに所属する二人のライフセーバーが、今月、メキシコで開催される「SUP&パドルボード世界選手権大会」に出場する。

ライフセーバーにお馴染みのマリブボードより少し長い、12フィートのボードで世界に挑戦する青木将展選手と西山 俊選手に話を聞いた。

文・写真=LSweb編集室




NSAの日本代表として

LSweb 5月10〜17日にかけて、国際サーフィン連盟(International Surfing Association, ISA)認定の「第4回SUP&パドルボード世界選手権大会(ISA World StandUp Paddleboard and Paddleboard Championships, WSUPPC)が、メキシコの太平洋に面したリゾート地、サユリタで開催される。

 日本サーフィン連盟(Nippon Surfing Association, NSA)は、この大会に6人の代表選手を派遣するが、そのうちパドルボード部門(テクニカルレースとディスタンスレースの2種目)にエントリーするのが、湯河原LSCに所属する青木将展選手と西山 俊選手だ。

 ライフセービング日本代表として世界を経験し、長年にわたって現役のライフセーバーとして活動を続けている二人は、なぜ新しい世界へと一歩を踏み出したのだろうか。

——WSUPPCに出場しようと思ったきっかけは?


LSweb青木:僕と西山くんは湯河原LSCのメンバーとして活動しており、ライフセーバーの多くが興味を持つように「(ハワイの)モロカイレースに出たいね」という話をしていました。そして、2016年に出ようと計画していたところ、WSUPPCのことを知ったのです。

 モロカイレースに挑戦するなら、ただ出るだけでなく世界と五角に戦えるくらいの準備をしたいと思っていました。また最近は、(モロカイレースの)人気が高まりレベルも上がったため推薦がないと出場が難しいとも聞きました。国際大会への出場経験や、日本代表じゃないと出られないよ、という情報を仕入れた矢先のことでした。

 それで西山くんに「出てみないか?」と声をかけたところ、彼がすごく乗り気で、自分も後に引けず(笑)、彼に引っ張られている感じ出場することになりました。

西山:一言「行きましょう!」と返事をしました。

LSweb 青木さんは湯河原LSCの先輩で、僕がいろいろ悩んでいた時から相談にのってもらっていたので、一緒に大きなことをやるチャンスがあればぜひやりたいと思っていました。だからもう二つ返事で「僕、マーボーさんと出たいです!」と(笑)。

 もう一つ、NSAの代表として出場できることに、大きな意味があると思っています。僕はライフセービングのことをもっと知りたくて、そしてもっと強くなりたくてオーストラリアへ留学しましたが、そこでライフセービングと他のスポーツ団体の繋がりが強いことを知りました。

 カヌーやスイミングは競技としての共通点があるので、ある意味、繋がりがあるのは当然かもしれませんが、それだけではなく、サーフィンやSUPのインストラクター資格を取るためには、ライフセービングのブロンズメダリオン(日本のベーシックサーフライフセーバー資格に相当)を取得していなければいけないなど、さまざまな部分にライフセービングが入り込んでいます。

 日本でライフセービングの認知度を高めるためにはそういう活動が必要だし、ライフセーバー自身、もっと活動の幅を広げていかないとダメだなと思っていました。だから、今回のチャンスを得ることができたのは大きかったですね。
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ライバルは各国のライフセーバーたち!?

 WSUPPCは国別代表がメダルの数を競う、オリンピック形式で開催される大会。メキシコで開催される今大会では、①SUPサーフィン②SUPテクニカルレース③SUPディスタンスレース④パドルボード(PB)テクニカルレース⑤PBディスタンスレース、の5種目が行われ、それぞれ男女別に表彰がされる。
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 昨年、中米のグラナダで開催された大会には27カ国・地域の代表が参加。金メダルを量産したオーストラリアが総合優勝に輝いている。

——出場するにあたっての目標は?


LSweb青木:初めて出場する大会なので未知ですが……ベスト3が目標です。

 出場が決まった当初は、いろいろ経験してそれを吸収し持ち帰ることができればいいと思っていましたが、自分なりに情報収集して、いろいろトレーニングして、また西山くんからのオーストラリア情報などのデータを参考に分析した結果、現実的に目標を高く持ってもいのではないか、と自信が持てるようになりました。

西山:実は一昨年あたりから、オーストラリアのライフセーバーたちがPB部門に出場し始め、金メダルを量産するようになりました。アメリカやヨーロッパのライフセーバーも参加しています。

LSweb 各国男女各2名ずつのエントリーなので、オーストラリアの選手のタイムを基準に考えれば、ある程度の予想はできるのかなと。僕の場合は、5番を目指しています。

青木:持久力は僕の方がありますね。でも西山くんはオーストラリア仕込みのパワーがあるので、スプリント系では断然、彼の方が速いです。

西山:青木さんは、体力を消耗しないで漕ぐ、エコなパドリングテクニックが洗練されています。

青木:ティスタンスレースは21km。2時間半ぐらいのレースになるでしょう。
 
 レース展開は自転車のツール・ド・フランスみたいに、前で引っ張ったり、ちょっと疲れたから後ろに付くよ、という感じでチームで戦っていくことになると思います。最後はラストスパートとなるので、お互いの良いところを組み合わせていければ、結果がついてくる可能性がありますよね。

西山:(PBの)日本チームは2人ですが、他国の選手もライフセーバーが多く顔見知りもいるので、敵だけどお互いに協力する場面も出てくると思います。

 ライフセービング競技だと接触は日常茶飯事ですが、距離を漕ぐパドルボードの場合は、いかに体力を使わずに漕ぐかが大切になります。ライフセーバー同士だからこそ、そのあたりのことは言葉をかわさなくても分かり合えると思うのです。
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ニューボードの乗り心地は?

 二人が出場するのは、21kmのディスタンスレースと、複雑なブイを周回する5.5kmのテクニカルレースの2つ。乗り慣れたマリブボード(10フィート6インチ)ではなく、長距離用に設計された12フィートのパドルボードで大会に挑む。
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今大会に備え、特注したボード。全長・幅ともに特殊な形状となっている

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これが通常のマリブボード。左の写真と比べると違いが分かるだろう

 オーストラリアのブラボー社で造られ、日本に届いたばかりの2艇のパドルボードは、全体的な幅も狭く、ノーズやテールの形も違う。
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西山選手のノーズ。ボートの船首形状をしていて波切りがよいイメージを受ける

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青木選手のノーズ。西山選手のそれより若干平たく見える

 
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青木選手と西山選手が使うボードは、それぞれ微妙な違いがあるものの、どちらもノーズは波を切り裂いて進むような厚みにあるとんがった形状で、テールは引き波をなるべく少なくするように幅約20cmほどの細さだ。さらにボトムも緩やかに丸みを帯びたラウンド形状となっている。さて、乗り心地はどうだっただろうか?

——進水式前の予想と、実際に乗ってみての感想は?


LSweb青木:マリブボードより長い分、漕ぎ出しの初動が重いと覚悟していましたが、思った以上に軽く漕ぎ出すことができました。

 ノーズの形が影響しているのでしょうが、インでは波を超えるというより、波を切るという感じです。ボード(板)というより、ボート(舟)という感じですね。

西山:パドルで作った推進力が消えない、と感じました。

 マリブボードの場合、ガシッガシッというか、グングンというか、パドルするたびに進んで、抵抗でスピードが落ちて、進んで、スピードが落ちて、の繰り返しとなりますが、パドルボードはスピードが落ちずに流れていく感じです。だからそれに合わせてパドル自体も前から後ろへ大きく流すような感じになるのだと思います。

青木:マリブボードのニーパドルと、パドルボードのストロークが同じぐらいの速さですかね。どちらもニーパドルなら、パドルボードのほうが1.5倍くらいのスピード感覚です。

LSweb西山:う〜ん、僕はまだどのくらいか数字で表すことができませんが、全然違うことは確かです。速すぎて、おっとっと、という感じになりますよ(笑)。

 長いことと、テールの幅が狭いので、波に乗るのは少し難しいかもしれないです。ボトムが丸みを帯びているので直進性はあります。ただ少し不安定なので、インアウトはちょっと練習が必要かな。

 それにしても、レースに出る出ないを抜きにして、すごく楽しい乗り物です。

 マリブも含め、パドルボードってすごくシンプルなアイテムじゃないですか。
 板きれに乗って手で漕ぐ、ある意味すごく原始的な乗り物ですよね。だからこそ、自分の力で進める楽しさがあると思うのです。

 この気持ち良さを、もっと多くのライフセーバーにも知ってもらいたいなぁ。これだけスイスイ進むと、ちょっと遠出したくなりますよ。
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 ライフセーバーの新たな可能性を探して、メキシコへ旅立つ青木選手と西山選手。二人の活躍が楽しみだ。なお、大会期間中は公式ウェブサイトで最新ニュースが配信される。

 また、二人は新たな挑戦に際してクラウドファンディングで資金を募っている。残り期間はあと3日。彼らの挑戦を応援したいという人は、ぜひチェックしてみてほしい。

    
 
★☆★ WSUPPC/第4回SUP&パドルボード世界選手権大会公式ウェブサイト ★☆★
LSweb isawsuppc.com

★ 青木将展クラウドファンティング告知ページ ★
https://moon-shot.org/projects/91

★ 西山 俊クラウドファンティング告知ページ ★
https://www.makuake.com/project/paddleboard/

 
    










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