RESCUE2012

大会直前 レスキュー2012情報その2
入賞成績で見る日本代表の足跡
2012/10/31

Rescue 2012 in Adelaide Preview Vol.2

 
LSweb 2年に一度開催されるライフセービングの世界大会「レスキュー」に、日本代表が初めて出場したのは1986年のこと。この年、国際ライフセービング連盟(ILS)の前身である、ワールドライフセービング(WLS)主催の「レスキュー’86」が、カナダのバンクーバーで開催された。
 
 初参加の日本代表は、日本ライフセービング連盟(JLA)の前身である、日本ライフガード協会(JLGA)と日本サーフライフセービング協会(SLSAJ)の合同チーム。選手団の中には、近年は審判員としてお馴染みの“ルーキーさん”こと飯塚哲也さんの顔もあった。飯塚さんにとってこれが国際試合のデビュー戦。まさにルーキーだったわけである。

 レスキューシリーズで日本人が初めて金メダルを手にしたのが、ドイツで開催された「レスキュー’90」。2kmビーチランに出場した日本体育大学LSC(当時)の深山元良さんが表彰台の真ん中に立つ姿は、日本人ライフセーバーに大きな感動を与えた。
 
 そして1992年、日本でレスキューシリーズが開催された。伊豆の下田で行われた「レスキュー’92」により、日本国内でライフセービング競技の認知度が上がったことは言うまでもない。

 以後、アメリカ同時多発テロの影響を懸念して派遣が見送られた2002年をのぞき、日本代表はすべてのレスキューシリーズに参加している。というわけで、レスキューシリーズにおける日本代表の成績を、ILSの記録から振り返ってみることにしよう。
 
 回を重ねるごとに参加国が増えているため、当時の成績と現在の成績を単純に比べることはできないが、列記した成績を改めて眺めてみると、日本代表の変遷がよく分かるはずだ。


【レスキュー1992 開催地:日本(下田)】
 総合成績:記録なし
 種目別成績:
男女混合4×50mレスキューチューブレスキュー:6位(加賀崎香織・中村 新・橋爪明子・藤沼 仁)
男子ボードレース:6位(中村 新)
男子サーフスキーレース:6位(岡田康孝)
女子ビーチフラッグス:2位(斉藤ゆきえ)
女子ビーチスプリント:2位(斉藤ゆきえ)
男子ビーチリレー:2位(鯨井保年・深山元良・鴨下邦広)
女子2kmビーチラン:6位(橋爪明子)

【レスキュー1994 開催地:イギリス】
 総合成績:7位
 種目別成績:
SERC:6位(選手名の記録なし)
女子サーフスキーレース:5位(岩波千都世)
男子ボードレスキュー:4位(選手名の記録なし)
アイアンマンレース:6位(大西 明)
男子ビーチスプリント:5位(田代宗司)
男子ビーチフラッグス:1位(鯨井保年)
女子ビーチフラッグス:1位(遊佐雅美)
男子ビーチリレー:4位
男子2kmビーチラン:6位(東 直人)
女子2kmビーチラン:4位(岩波千都世)

【レスキュー1996 開催地:南アフリカ】
 総合成績:記録なしLSweb
 種目別成績:
男子ボードレース:7位(豊田尚久)
女子サーフスキーレース:7位(佐藤文机子)
男女混合レスキューチューブレスキュー:8位(選手名の記録なし)
男子ボードレスキュー:8位(選手名の記録なし)
アイアンマンレース:8位(野田直武)
女子ビーチスプリント:6位(遊佐雅美)
男子ビーチフラッグス:1位(鯨井保年)
女子ビーチフラッグス:1位(遊佐雅美)
男子ビーチリレー:7位(選手名の記録なし)
男子2kmビーチラン:6位(東 直人)
女子2kmビーチラン:3位(松井香織)

【レスキュー1998 開催地:ニュージーランド】
 総合成績:6位/参加18カ国
 種目別成績:
男子ボードレース:8位(入谷拓哉)
男子サーフスキーレース:8位(荒木汰久治)
女子サーフスキーレース:3位(丸山小百合)
男子ボードレスキュー:6位(入谷拓哉・野田直武)
女子ビーチスプリント:8位(遊佐雅美)
男子ビーチフラッグス:7位(鯨井保年)
女子ビーチフラッグス:4位(遊佐雅美)

【レスキュー2000 開催地:オーストラリア】
 総合成績:15位/参加19カ国(オーシャン競技10位・プール競技18位)
 種目別成績:
女子ボードレース:8位(岩波千都世)
男子タップリンリレー:7位(選手名の記録なし)
女子タップリンリレー:7位(選手名の記録なし)
女子ビーチフラッグス:1位(遊佐雅美)
女子ビーチリレー:5位(選手名の記録なし)

【レスキュー2002 開催地:アメリカ】
 アメリカ同時多発テロの影響を受けて不参加LSweb

【レスキュー2004 開催地:イタリア】
 総合成績:記録なし/参加35カ国
 種目別成績:
SERC:8位(入谷拓哉・本多辰也・稲垣裕美・豊田尚久)
女子タップリンリレー:7位(笠井妙美・加藤由美・鈴木佐弥子・藤原 梢)
女子ビーチスプリント:1位(藤原 梢)
女子ビーチフラッグス:2位(藤原 梢)
男子ビーチリレー:3位(石井英一・本多辰也・池谷 薫・豊田尚久)

【レスキュー2006 開催地:オーストラリア】
 総合成績:12位/参加35カ国(オーシャン競技7位・プール競技12位・SERC10位)
 種目別成績:
女子4×25mマネキンリレー:6位(稲垣裕美・鈴木佐弥子・鈴木郁蘭・伊藤彩香)
女子4×50m障害物リレー:7位(鈴木佐弥子・鈴木郁蘭・中曽根麻世・伊藤彩香)
男子タップリンリレー:6位(林 昌広・北矢宗志・青野武士・青木将展)
男子ボードレスキュー:8位(青野武士・青木将展)
女子ボードレスキュー:5位(中曽根麻世・伊藤彩香)
男子ビーチスプリント:6位(北矢宗志)
男子ビーチフラッグス:2位(北矢宗志)
女子ビーチフラッグス:6位(藤原 梢)
男子ビーチリレー:5位(林 昌広・池谷 薫・北矢宗志・青木将展)LSweb






















【レスキュー2008 開催地:ドイツ】
 総合成績:11位/参加36カ国(オーシャン競技6位・プール競技16位・SERC4位)
 種目別成績:
男子ラインスロー:6位(髙橋 崇・長竹康介)
SERC:4位(稲垣裕美・髙橋 崇・長竹康介・林 昌広)
男子ボードレース:6位(長竹康介)
女子ボードレース:6位(鈴木郁蘭)
オーシャンウーマンリレー:7位(伊藤彩香・鈴木郁蘭・稲垣裕美・藤原 梢)
男子ボードレスキュー:7位(青野武士・長竹康介)
男子ビーチフラッグス:2位(植木将人)
女子ビーチフラッグス:1位(遊佐雅美)、3位(藤原 梢)
女子ビーチリレー:7位(藤原 梢・中曽根麻世・鈴木郁蘭・遊佐雅美)

【レスキュー2010 開催地:エジプト】
 総合成績:8位/参加43カ国(オーシャン競技7位・プール競技11位・SERC2位)
 種目別成績:
男子4×50mメドレーリレー:8位(清水雅也・長竹康介・西山 俊・山本晴基)
女子ラインスロー:5位(勝俣 閑・藤原 梢)
男子4×50m障害物リレー:8位(飯沼誠司・清水雅也・西山 俊・山本晴基)
SERC:2位(飯沼誠司・長竹康介・西山 俊・勝俣 閑)
男子ボードレース:8位(長竹康介)
男子ボードレスキュー:6位(西山 俊・長竹康介)
女子ボードレスキュー:3位(伊藤彩香・勝俣 閑)
女子レスキューチューブレスキュー:7位(毛利 邦・花岡香那・藤原 梢・遊佐雅美)
男子ビーチリレー:5位(飯沼誠司・植木将人・西浜 俊・山本晴基)
オーシャンマンリレー:6位(清水雅也・長竹康介・飯沼誠司・山本晴基)
男子ビーチフラッグス:2位(植木将人)
女子ビーチフラッグス:1位(藤原 梢)、2位(遊佐雅美)

 間もなく始まる「レスキュー’12」で、日本A代表は総合成績8位以内を目指す。4度目の世界大会出場となる長竹康介キャプテン以下、どんな戦いを見せてくれるか非常に楽しみだ。





大会直前 レスキュー2012 情報 その1
日本選手団と大会スケジュール
2012/10/29

Rescue 2012 in Adelaide Preview Vol.1

 11月7〜18日にかけて、オーストラリアのアデレード近郊でライフセービング競技の世界大会「レスキュー2012(Rescue 2012)」が開催される。
 
 国際ライフセービング連盟(ILS)が主催し、2年に一度開催されるこの大会は、基本的に5つの部門で構成されている。まず、各国の代表選手がしのぎを削る「ナショナルチーム」部門、各国のクラブに所属し、推薦を得ているライフセーバーなら誰でも参加することができる「インタークラブ」部門、30歳以上のライフセーバーが熱戦を繰り広げる「マスターズ」部門、手漕ぎボートによる迫力満点のレース「サーフボート」部門、そして船外機付きのインフレータブルボートで競う「IRB」部門だ。

LSwebLSweb
 また、開催国によっては種目が追加されるもともあり、今回はライフセーバーたちが砂浜を行進する「マーチパスト」部門と、約20kmの距離を走破する「長距離サーフスキー」部門が行われることが決定している。ちなみに、長距離サーフスキー部門はライフセーバー以外の参加も認められているそうだ。
 
 日本代表が出場するのは国別対抗の「ナショナルチーム」部門で、11月7日のSERCを皮切りに、プール競技(7〜9日)、サーフ競技(10〜11日)合わせて5日間の日程で開催される。目新しいのは、今大会からナショナルチーム部門に、16〜19歳を対象としたU19(ユース)クラスが設けられたこと。年齢制限のないオープンクラスと同様に、プール競技、サーフ競技ともに男女各10種目プラスSERCで世界の強豪と戦うことになる。
LSwebLSweb
 
 オープンクラスで総合8位を目指す日本代表の大会スケジュールは下記のとおりだ。ぜひ日本からも声援を送って欲しい。



【日本代表選手】(オープンクラス=A代表 五十音順)LSweb
植木将人(西浜SLSC)
菊池 光(日本大学SLSC/九十九里LSC)
清水雅也(館山SLSC)
鈴木陵平(館山SLSC)
長竹康介(西浜SLSC)主将
西山 俊(湯河原LSC)
佐伯芽維(白浜LSC)
坂本佳凪子(西浜SLSC)
名須川沙綾(文教大学LSC/茅ヶ崎SLSC)*
水間菜登(勝浦LSC)
三井結里花(日本大学SLSC/九十九里LSC)
毛利 邦(館山SLSC)

*藤原 梢 選手(館山SLSC)が故障により派遣を辞退したため、替わりにA代表サブメンバーの名須川選手が代表入りした。



【日本代表選手】(U19クラス=B代表 五十音順)LSweb
小林 海(西浜SLSC)主将
坂本 陸(日本体育大学LSC/和田浦LSC)
櫻井 希(西浜SLSC)
管 卓也(新宮LSC)
宮澤泰介(館山SLSC)
森野友也(バディ冒険団)
髙橋愛海(西浜SLSC)
髙橋志穂(柏崎LSC)
利根川莉奈(成城学園LSC)
内藤由里恵(日本大学LSC/九十九里LSC)
速水 愛(柏崎LSC)
皆川綾菜(西浜SLSC)


【大会スケジュール】(現地時間**)
11月7日(水)   13時〜 SERC(オープン/U19)
          18時〜 開会セレモニー
11月8日(木)   8時〜 プール競技1日目(オープン/U19)
11月9日(金)   8時〜 プール競技2日目(オープン/U19)
11月10日(土)  9時〜 サーフ競技1日目(オープン/U19)
11月12日(日)  9時〜 サーフ競技2日目(オープン/U19)
          夜〜 閉会パーティー

**アデレードと日本の時差は通常30分(日本が0時の場合、アデレードは0時30分)だが、大会期間中はサマータイムのため時差が1時間30分(日本が0時の場合、アデレードは1時30分)となる。