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海が好きな子、集まれ〜
オーシャンフェスタ タテヤマ キッズプログラム
2014/06/17

ODEAN+FEST TATEYAMA Kids Program

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あと1カ月もすれば夏休み!

夏休みの到来を、指折り数えているジュニアも多いのではないだろうか? 先週末に開催された「オーシャンフェスタ タテヤマ」では、そんな子どもたちを対象としたキッズプログラムも行われた。

水辺で楽しく遊ぶための注意点や、ライフセーバー直伝のニッパーボード、ビーチフラッグス体験、さらには現役力士とのビーチ相撲対決! などなど、盛りだくさんのメニューに歓声を上げた子どもたちだった。


文・写真=LSweb編集室




ペットボトルを投げてみよう!

 夏休み期間中の7〜8月は、1年で最も水の事故が起こりやすい時期でもある。

 そこで、誰もが参加できる海イベント「オーシャンフェスタ タテヤマ」では、水辺で楽しく安全に遊んでもらえるよう、小中学生向けのプログラムにウォーターリスクマネジメントの講習を組み入れていた。
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 イベント当日は快晴で、子どもたちは海に入りたくてしょうがない。でもちょっと待って! もし、お友だちが助けを求めたら、どうすればいい?

 そんな想定で始まったキッズプログラムでは、身近な道具としてペットボトルを浮き具にする方法、釣り竿などを利用する方法、手をつなぐ方法などが、飯沼誠司さんをはじめとする館山サーフクラブのメンバーの実演で紹介された。
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 じゃあ、みんなもペットボトルを投げてみよう! という声で、子どもたちは一斉に砂浜に散らばり、真剣な表情でペットボトルを投げる、投げる……。空のペットボトルは真っ直ぐ飛ばすのが難しいこと、水を少し入れてやると見事に友だちに届いたこと、そんな体験に納得顔の子どもたちだった。

海は楽しい、ビーチも楽しい!

 ウォーターリスクマネジメントに続き、ボード、PWCを使った本格的なレスキューデモンストレーションが終わると、お待ちかねのニッパーボード、ランスイムラン、ビーチフラッグス体験だ。
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 オーシャンプログラムは、館山サーフクラブのメンバーと、この日のイベントに参加していたエリートライフセーバーたちのサポートで行われ、ビーチプログラムは、植木将人さん、小田切伸矢さん、そして和田賢一さんという、日本代表選手による、実に豪華なデモンストレーションで始まった。

 その後、希望者によるレースが行われ、小学生低学年、小学生高学年、中学生それぞれが、メダルを目指して全力疾走。表彰式では1〜3位の子どもたちにメダルと豪華賞品が贈られた。
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 海に来ると、子どもたちはハツラツとした実に良い顔を見せる。

 オーシャンフェスタには毎年、八角部屋の現役力士、大岩戸関が応援に駆けつけてくれるのだが、本物のお相撲さんを倒そうと本気になって挑む子どもの真剣な眼差しや、館山市の公式ゆるキャラ、ダッペエを相手にジャンケンをする無邪気な表情など、見ている大人が楽しくなるほどだ。

 まもなく夏休み。子どもたちが安心して海で遊べるためにも、ライフセーバーの皆さん、出番です! 今年もよろしくお願いしますね。








第2回神奈川県ジュニア/ユース ライフセービング競技会・レポート2014/05/28

The 16th Kanagawa Lifesaving Championships &
The 2nd Kanagawa Jr/Youth Lifesaving Competition

LSweb神奈川県ライフセービング連盟(KLF)が主催する「第16回神奈川県ライフセービング選手権大会」及び「第2回神奈川県ジュニア/ユースライフセービング競技会」は、KLFに加盟する県内14クラブが管轄するビーチにおいて持ち回りで開催される。

森戸海岸で行われるのは、2005年の第7回大会についで2度目。

当日は、選手はもちろん、関係者や父兄などじつに大勢の人が森戸海岸に集い、大会は大いに盛り上がった。
まずは、ジュニア/ユースライフセービング競技会の様子から。

文・写真=LSweb編集室






父兄の応援が熱かったジュニア&ユース

 5月25日日曜日、神奈川県ライフセービング連盟(KLF)が主催する「第2回神奈川県ジュニア/ユースライフセービング競技会」及び「第16回神奈川県ライフセービング選手権大会」が開催された。
 
 今年の開催地は森戸海岸。ビーチのすぐ脇には源頼朝公により建立された由緒ある森戸神社が控え、沖には裕次郎灯台があるほか、江ノ島や富士山も映える風光明媚な海岸として知られている。
 また、ディンギーやウィンドサーフィンなどマリンスポーツが盛んなビーチでもある。
 そんな森戸の浜にはジュニアから大人まで総勢約300人のライフセーバーが集結した。

 まずは小中学生が対象となるジュニア/ユース競技大会。KLFが主催する海でのジュニア/ユース競技会は昨年に続きこれが2回目の開催となる。
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 今年は、神奈川県内のクラブを中心に遠くは新潟県柏崎市からも駆けつけての7クラブ135名が参加した。
 参加チームは、鎌倉ライフガード、西浜サーフライフセービングクラブ、バディ冒険団、湘南平塚ライフセービングクラブ、湯河原ライフセービングクラブ、館山サーフライフセービングクラブ、柏崎ライフセービングクラブの7チームだ。

 今年も第16回神奈川県ライフセービング選手権大会との同時開催だったが、子供たちを応援する父兄の声も大きく賑やか。成人の大会を圧倒するほどの盛り上がりを見せた。

 実施競技は昨年と同じくジュニアピーチフラッグス、ニッパーボートレース、ジュニアランスイムランの3種目。

 小学校1、2年生の低学年も参加できるビーチフラッグスは人気もあり、コーチや父兄の応援にも一段と力が入る。
 男女混合1・2年の部は、デイビース一翔選手(鎌倉LG)と伊藤仁之助選手(西浜SLSC) の決勝戦となった。勝ったのはデイビース選手。
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 スタートの合図とともに砂浜を一生懸命駆け抜けフラッグに突進する子供たち。顔中を砂だらけにして走り回り、一喜一憂する子供たちを見て、大人たちも大いに応援し、そのパフォーマンスに惜しみない拍手を贈っていた。

 LSwebニッパーボードレースでは、スタートから上手にボードを操りスムーズに沖へ向かう子もいれば、波打ち際で四苦八苦する子もいて、練習の差が少し出ている感があった。

 この日は風も吹いていて、横方向へ流されてしまうコンディションでもあったので、後半からフィニッシュにかけては体力的な部分も大きく、ジュニアにとってはハードだったにちがいない。

 それでも、最後の力を振り絞ってひと掻き、もうひと掻きと奮闘する子供たち。白熱したレース展開に大人たちの声援も次第に熱を帯びてくる。

 「いけるぞぉ〜、横は気にするなっ。前みろ、マエ!」
 
 「漕げっ、まだ降りるな‼︎ 漕げ、漕げ、漕げ〜っ!」

 こうした熱い声援を受けながら、ぞくぞくとフィニッシュしてくる子供たち。勝った子は自信をつけたことだろう。残念ながら表彰台を逃した子は、この悔しさをバネに次を目指して頑張って欲しい。
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 中学生の部になると経験の差がより顕著に現れる。
 特にボードレースのようなクラフト競技においては、風や波、うねりといったさまざまな自然条件が加わるので、実際に海での練習時間が多ければ多いほど、技術的にも体力的にも向上するようだ。

 そんな中、男子中学生の部は、クレイ アーロン選手(西浜SLSC)が、女子中学生の部は、室伏郁花選手(湯河原LSC)がそれぞれ1位となった。
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 今大会にエントリーしている小中学生を有する各クラブは、クラブメンバーやコーチはもちろん、父兄も一緒になってその地域やクラブの形に沿った練習方法を模索し、子供たちの育成に取り組んでいる。そうした地道な努力が結果となって現れて来ており、表彰台に登るクラブもひとクラブ独占という形はなくなりつつある。
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 さまざまなクラブキャップをかぶった選手が順位を分け合っていることからもそのことがよくわかるだろう。他のクラブと切磋琢磨できること。これは、各クラブにとっても大きなモチベーションとなるに違いない。
LSweb また、それはライフセービング界にとっても明るい材料でもあるだろう。

 ジュニアやユースを育成しているクラブは、全国を通じてみるとまだまだ少ないのが現状である。ただ、各地域で今後取り入れて活動して行こうと考えているクラブも少なからずあるはずだ。

 ジュニアの活動を持つクラブが一つでも多くできて、子供たちを通じて地域でのライフセービング活動が深まると同時に、こうした競技大会で新たな交流が生まれていくことをぜひ期待していきたい。




★☆「第2回神奈川県ジュニア/ユースライフセービング競技会」成績表☆★








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ちびっこライフセーバー、105人が片瀬西浜に集合!2014/05/02

KANAGAWA Junior Youth Lifesaving Spring Camp The 1st 2014.4.29

LSweb子どもも、保護者も、そして指導者もエンジョイ!
大盛況だった初開催の神奈川ジュニア春キャンプ


ゴールデンウイーク前半の最終日となった4月29日、神奈川県藤沢市の片瀬西浜海岸で、県内のジュニアライフセーバーにとって初の試みとなる「第1回神奈川ジュニア/ユース ライフセービング・スプリングキャンプ」が開催された。

大会でもなく、練習でもない、ライフセービングキャンプとは? 大いに盛りあがった当日の様子をレポートしよう。


文・写真=LSweb編集室





3つのプログラムを体験

LSweb 相模湾、東京湾に面した神奈川県は、日本国内で最も盛んにライフセービング活動が行われている都道府県と言っても過言ではないだろう。
 県内で活動するライフセービングクラブが加盟しているのが、日本ライフセービング協会の支部でもある、神奈川県ライフセービング連盟(KLF)だ。

 KLFが主催した今回のキャンプは、同連盟に所属する地域クラブのライフセーバーからの発案で行われることになったという。そのあたりの経緯は後述するとして、まずは県内5クラブ(鎌倉LG、西浜SLSC、湘南ひらつかLSC、大磯LSC、バディ冒険団)、小学1年生から中学3年生まで、男女合わせて105人が集まった、キャンプの内容を紹介しよう。

 春キャンプの目的は「ライフセービングを学ぶ子どもたちの交流を広めたい」というもの。競い合う大会ではなく、同年代のジュニアライフセーバー同士が楽しみながら学んでもらおうと、小学1〜2年生、小学3〜5年生、小学6年生と中学生という3つのグループに分かれ、①ウォーターセーフティー、②ビーチプログラム、③サーフプログラム、それぞれを約45分間ずつ体験していく内容となった。

 ビーチプログラムはビーチフラッグス、サーフプログラムはニッパーボード体験をしてもらうのだが、インストラクターはそれぞれ西浜SLSC所属の植木将人さんと、茅ヶ崎SLSC所属の名須川紗綾さんという日本代表選手たちが務め、ウォーターセーフティーは、西浜SLSC所属のベテラン泉田昌美さんがチーフインストラクターとして現場を仕切った。
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 プログラムの内容は年齢ごとに柔軟に組まれており、例えば小学6年生〜中学生のビーチフラッグスの場合は、かなり本格的なテクニック解説なども行われていた。

「ジュニアメンバーは初心者ではないので、高学年になったら飽きないように技術的なことも教えて、集中して取り組んでもらえるように考えました」
 と植木さん。全日本チャンピオンの解説に、子どもたちの目は真剣そのもの。プログラムを補佐するライフセーバーたちも、聞き耳を立てていたのが印象的だった。
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 年齢に合わせて大胆にメニューを変えていたのが、ウォーターセーフティーのプログラムだ。低学年のグループでは、波打ち際にしゃがませたり、腹ばいにさせて見える波の大きさの違いを観察してもらい、その後で海へ。
 参加人数が一番多く、腕白盛りの小学3〜5年生グループでは、腰〜胸ぐらいの水深で、本気モードの手繋ぎ鬼合戦を繰り広げ、転んだり、海水を飲んだりしながら、大歓声を上げて過ごした。
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 プログラムの最後は、11チームに分かれたランスイムランのファンレース。子どもたちにとって、所属チーム以外のメンバーとの混成チームで行うレースは、普段の大会とはひと味違った面白さを感じられたはずだ。
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指導者たちの熱い思い

LSweb 地域クラブからの発案で開催された今回のキャンプ。発案者の一人で春キャンプ実行委員長を務めた、鎌倉ライフガードの多胡 誠さんに話しを聞いた。

「昨年夏に開催される予定だったジュニアの全日本大会が、悪天候の影響で中止になったことがありましたよね。やむおえない事情でしたが、夏休み期間中、大会を目指して一生懸命練習してきた子どもたちはとてもショックだったようです。

 あの時、近隣クラブのジュニア指導者間でネットワークがあれば、例えば代替えのミニ大会のようなものを開催することもできたでしょう。KLFには県内のクラブがパトロールに関する情報を共有し、連携を深めるための『パトロールネットワーク(通称:パトネット)』があります。ジュニアの指導者間でも、こうしたネットワークを築ければいいな、と考えたのがきっかけの一つです。

 私が携わっている鎌倉LGは、ジュニアプログラムを始めてまだ日も浅いこともあり、試行錯誤で運営しています。ジュニアプログラムの実績があるクラブと交流することで、さまざまな情報を得られるというメリットもあるでしょう。そもそもジュニアをやりたいけれどどうやって立ち上げればいいか分からない、というクラブもあると思います。鎌倉LGがそうだったようにね。
 子どもたちの交流はもちろんですが、指導者の繋がりも深めたい、というのがキャンプのスタートになっています」

LSweb メンバー数100人という全国一の大所帯ジュニアを率いる西浜SLSCの今井恵子さんは、今回、大会実行副委員長を務めた。

「西浜ジュニアは今年、プログラム開始から15年目を迎え、メンバーも定員一杯の100人となり嬉しい悲鳴を上げています。手探りで始めた活動ですが、今では保護者も巻き込んだ西浜スタイルが定着し、後を任せられる指導者も育ってきました。

 そこで今度は、県内でジュニア活動がもっと広がるように、私が西浜ジュニアで学んだこと、習得したノウハウなどを活かしていきたいと思うようになったのです。そんな話しをKLFにしたところ、他クラブからの賛同も得て、話しがとんとん拍子に決まったというわけです。

LSweb 内容は実行委員でいろいろ話し合いました。競技会ではなく、かといってただの練習会ではなく、子どもたちにライフセービングの楽しさや本質を感じてもらうメニューにしたい。保護者にも横の繋がりをもってもらいたい。これからジュニアを立ち上げるクラブにも参考になれば……。やりたいことが沢山ありすぎて、欲張った内容になったかもしれません。

 でも、実行委員長の多胡さんや、同じく副委員長として精力的に動いてくれた湘南ひらつかLSCの大村さやかさんをはじめ、他クラブのメンバーと共にイチから作り上げる過程がとてもやりがいがあり、また同時に自分が所属するクラブとは違うアイディアや、仕事の進め方などが実に刺激的で、非常に充実した楽しい時間を過ごすことができました。課題も多々ありますが、初回としては上手くいったと自画自賛しています」

地引網にBBQ、お楽しみは続く!

 LSwebファンレースも終わり、大いに盛りあがった体験プログラムの後には、さらなるお楽しみが待っていた。それが地引網とBBQだ。

 片瀬西浜で創業して140年の殿網の協力で行った地引網は、漁師さん曰く“今年一番の大漁”で、湘南名物のシラスから、イワシ、アジ、カマス、クロダイなどがワンサカ獲れ、子どもも大人も歓声を上げた。

 ライフセービングを学び、海に親しむ子どもたちでも、こんなに大量の生きた魚を目にする機会はそれほどないだろう。引き揚げられた膨大な数のシラスを指でつまみながら、
「これって、海にいるんだよね。これだけたくさんいるってことは、そこらへんにもいるんだよね。さっき、私たちが入ってところにもいたってことだよね?」
 と友だちと顔を見合わせながら話しをする、小学校高学年のジュニアの姿があるかと思えば、片っ端から魚を掴んで目をキラキラさせるやんちゃ坊主もいた。
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 BBQで活躍したのは、保護者の皆さんだ。
 手際よく、次から次へと食材を焼くお父さん、お母さんの姿は、なんだか楽しそう。子どもたちはと言えば、今日あったばかりの友だちと、仲良くフランクフルトを頬張っていた。その姿を目にした、小学4年の男子の保護者が、
「子どもって、すぐに仲良くなるものですね。元気に砂浜を走り回り、海に入る姿を見ると、なんだか安心するし、こちらまで楽しい気分になりますよ」
 と口にしたのが印象的だった。
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 BBQも終わろうかという時になって、どんよりとした空から雨粒が落ちてきた。ジュニア105人、保護者や大会スタッフも合わせると総勢250人が集まった「第1回神奈川ジュニア/ユース ライフセービング・スプリングキャンプ」は、実行委員会の奮闘で無事に全プログラムが消化された、雨とともに幕を閉じた。パトネットに続き、ジュニアネットも動き始めたKLFである。LSweb







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第1回全日本ジュニア/ユース・プール競技会 レポート2014/02/18

The 1st Japan Junior/Youth Pool Lifesaving Championships 岩手県・盛岡市立総合プール 2014.2.15-16

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大雪ニモ負ケズ!
盛岡で熱戦を繰り広げた次世代ライフセーバー



盛岡市立総合プールで2日間にわたって開催された「第1回全日本ジュニア/ユース ライフセービング・プール競技会」。

日本列島を襲った大雪の影響で、参加できないチーム、個人もいたが、小学3年生から高校3年生まで、86人が岩手山を望む盛岡に集合した。


文・写真=LSweb編集室




東北勢、健闘!

 小学3・4年生、小学5・6年生、中学生、高校生の男女それぞれにクラス分けされた今大会では、泳ぐ距離を短くする、小学生用にマネキンなしでレスキューチューブのみを牽引する100mマネキントウ種目を行うなど、年齢に考慮した変更が加えられた。
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 しかし、ルールや使用機材などは一般と同じ。マネキンや障害物など、慣れない機材を使った競技に苦戦した選手も多かったはずだ。ジュニアでもマネキンの水没はしっかりチェックされ、失格を取られる選手も多かった。それでも新しい競技に挑戦し、仲間同士、情報交換する姿はハツラツとしていた。

LSweb 今大会、参加者が最も多かったのが、小学生7人、中学生12人、高校生5人がエントリーした山形LSCだ。大型バスをチャーターして現地入り。首都圏組に比べれば雪に慣れているとはいえ、今回の遠征は悪天候による渋滞や高速道路の閉鎖で苦労したようだ。

 同クラブのメンバーの多くは、競泳や水球のバックグラウンドを持ち、泳力には定評がある。しかし、いつも利用しているプールにはフィンやマネキンを持ち込むことができない。
「だから、種目によってはぶっつけ本番に近いものもありました」
 と話す選手たち。また、
「普段は障害物の替わりに、レスキューチューブを固定して練習しています。でも実際に障害物を潜ってみると、タイミングや深さなどが全然違いますよね」
 と戸惑いを隠せない。
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 それでも底力がある彼らはマネキンキャリーや障害物スイムで入賞多数。圧巻は、中学生男子100m障害物スイムで、1位から8位を独占したことだろう。
 ジュニア&ユース世代の活躍が頼もしい山形LSCは、まもなくクラブ発足4年を迎える。

LSweb 東日本大震災で甚大な被害を被った宮城県気仙沼市。気仙沼LSCが発足したのは、震災後の2011年11月のこと。同クラブは設立当初から、ジュニアプログラムに力を入れている。それは、震災の犠牲者の9割が溺水によるものだった、という現実を踏まえ、ウオーターセーフティーの知識と技術を、子どものころから身につけてもらいたい、という思いが込められているからだ。

 同クラブのジュニア&ユースメンバーは現在8人。今大会には、そのうち4人が出場した。そして、男子マネキントウ・ウィズフィンで、中学2年生の紺野郁弥選手が3位に入賞。同クラブ史上初めて表彰台に上った。

 ハンドラーとして同レースをサポートした、高校生の紺野大地選手は、
「表彰台に上ることができて良かった! これまではプールでの練習がメインでしたが、今年から海での練習も開始する予定で、楽しみです。今は男ばかりなので、女の子が入ってくれるといいなぁ。僕たち、大歓迎ですよ」
 と笑顔を見せた。

LSweb 開催地の地元クラブとして小学生6人、中学生2人、高校生3人がエントリーしたのが盛岡LSCだ。気仙沼LSCとは反対に、女子の方が多いという盛岡メンバーは気合い十分。真剣な表情でスタート台に立った。

 「大会に向けてかなり練習しました。障害物スイムは1回に8本とか、10本とかやりました。本当はもっと練習したかったけど、コーチが忙しいこともあって、希望どおりにはでませんでした」
 と話すのは、共に中学2年生の鈴木愛香選手と那須はるな選手。鈴木選手は100m障害物スイムで1位、50mマネキンキャリーで2位、那須選手は100mマネキントウ・ウィズフィンで1位、100m障害物スイムで3位となり、練習の成果を見事に発揮した。
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 50m障害物スイムでレースが終わった瞬間、
「失敗した!」
 と言いながらプールを上がってきたのが、小学4年生の久保桜花選手。

 「練習と同じように、1本目の障害でプールの底を蹴ろうとしたら、滑っちゃったの」
 と悔しそうだったが、2日目には100mマネキントウで3位となり笑顔が戻った。

 「本当はプールの練習はあまり好きじゃなくて、海の方が好きなのだけどなぁ」
 と言いながらも、100mマネキントウで1位、50m障害スイムで2位になったのが小学6年生の佐々木新太朗選手だ。小学4年生の弟、佐々木蒼太朗選手は、50m障害物スイムと100mマネキントウで1位とがんばった。
 リレー種目でも表彰台に上った盛岡LSC。地元応援団も大いに盛りあがった大会だった。
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遠征組も奮闘!

 盛岡といえば宮澤賢治の故郷。というわけで、大雪ニモ負ケズ、交通機関ノ乱レニモ負ケズ、関東そして九州から盛岡入りした選手たちも力を発揮した。

 福岡から23時間かけてやってきた新宮LSCの高校3年生、江口大輔選手と二宮 慧選手は、100m障害スイムでワンツーフィニッシュ。
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「来た甲斐がありました!」
 とガッツポースを掲げた。競泳出身という2人。二宮選手は50mマネキンキャリーも1位で二冠を達成した。

 三多摩LSCの高校3年生、森岡岳大選手はクラブを代表して一人で参加。50mマネキンキャリーで2位となると、
「往きはどうなることかと思いましたが、盛岡で成績を残すことができて良かったです」
 と声を弾ませた。
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「東京駅で3時間も新幹線待ちをしたのですよ。それは大変だったけど、大会は楽しんでいま〜す」
 と声を揃えるのは、中学生4人、高校生9人がエントリーした、十文字LSCのメンバーたちだ。
 
 学校の水泳部に所属する彼女たちだが、学校のプールが工事中で思うように練習ができなかった。それでも、中学2年生の有山りさ選手は、100mマネキントウ・ウィズフィンで3位と健闘。
 聞けば、大会初日に日本代表コーチ陣に競技のルールやコツを聞きにいったのだとか。その積極性が実を結んだようだ。
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 世田谷SAの中学3年生、重岡寛大選手は100mマネキントウ・ウィズフィンで、湯河原LSCの中学1年生、室伏郁花選手は50mマネキンキャリーでそれぞれ1位に。
 小学生4人がエントリーした湘南ひらつかLSCはリレー競技2種目でも表彰台に上った。
 中学1年生ながら100m障害物スイムで2位になったのが、館山SLSCの津嶋笑満花選手。茅ヶ崎SLSCから一人で参加した高校2年生、名須川茉莉乃選手は100m障害物スイムで1位、50mマネキンキャリーで2位と健闘した。

LSweb 中高生のみ行われたラインスロー競技。中学生は時間内にフィニッシュするチームがなく、入賞なしという結果となったが、高校生は柏崎LSCと山形LSCが10秒台後半の好タイムを出した。

 16秒91で1位となった柏崎LSCの高校3年生、高橋志穂選手は強化指定選手にも選ばれており、この種目は得意。それでも、今大会に向け雪の中で練習してきたそうだ。
「手がめちゃヤバイです。凍る〜って感じになりましたけど、タイムが上がったから良かったね」
 とペイシェント役の高校1年生、前川紗槻選手と顔を見合わせた。

 西浜SLSCの高校3年生、上野 凌選手と高校2年生の上野真凜選手は、兄妹で同種目に出場したが、息の合ったプレーは見られずあえなくタイムオーバー。
 
 競技終了後、気落ちする凌選手に、
「どうしていつもどおり7回でやらなかったの?」
 と真凛選手が、強い口調で話しかけた。

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 「いや、いつも練習しているロープよりも少し細かったから、そのぶん軽いだろうから、1回多く巻いたほうが届きやすいと思って……」
 と凌選手。

 「でも、最後7回でやったら届いたじゃない」
 と真凛選手。

 「う〜ん。3回目にいつものどおり7回で投げたら届いたんだよなぁ。本番でいつもやっていることを変えたらダメってことなのだと、勉強になりました」
 という凌選手を、ちょっとにらみつけた真凛選手。兄妹コンビならでは、妹からのきびしいダメだしにお兄ちゃんもタジタジだった。
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 南岸低気圧が降らせた大雪の影響で、参加者は交通機関の乱れに泣かされ、主催者はスケジュールの変更に奔走した今大会だが、予定された競技はすべて消化することができた。表彰台に上った選手も、そうでない選手にとっても、今大会は“記憶に残る”大会となったはずだ。

 ジュニア/ユース競技会は、保護者や指導者、引率者の協力なしにはできない。特に今回のような状況では、いつも以上に慎重にならざるを得ず、気苦労も絶えなかったはずだ。そんな保護者や指導者の疲れを吹き飛ばしてくれたのが、未来のライフセーバーたちの頑張りだったのではないだろうか。
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★第1回全日本ジュニア/ユース・プール競技会 成績表


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高校生男子100m障害物スイム

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小学生混合200m障害物リレー

 
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中学生混合200m障害物リレー

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高校生混合200m障害物リレー

 
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高校生ラインスロー

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中学生男女50mマネキンキャリー

 
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高校生男女50mマネキンキャリー

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小学3,4年男女100mマネキントウ

 
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小学5,6年男女100mマネキントウ

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中学生男女100mマネキントウウィズフィン

 
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高校生男女100mマネキントウウィズフィン

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小学生男女4×50レスキューチューブリレー

 
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中学生混合男女4×50レスキューチューブリレー

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高校生混合男女4×50レスキューチューブリレー







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第1回全日本ジュニア&ユース ライフセービング・プール競技会 速報2014/02/16

The 1st Japan Junior/Youth Pool Lifesaving Championships

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初開催となる全日本ジュニア&ユース・プール競技会が、昨日(2月15日)と今日の2日間、岩手県盛岡市の市立総合プールで開催されている。

関東地方を襲った大雪の影響で、成城学園および昭和第一学園が参加を見合わせることとなったが、2月の東北で熱い戦いがスタートした。

岩手県・盛岡市立総合プール 2014.2.15-16

文・写真=LSweb編集室





記念すべき第1回大会は岩手の盛岡

 首都圏も大雪に見舞われたこの日、交通機関の乱れを考慮し、競技開始時間を3時間半遅らせた今大会。当日、現地入りしたジュニア&ユースたちは、長旅の疲れも見せずに元気に競技をこなしていた。

 初日に決勝が行われたのは、小学3・4年生男女の50m障害物スイム、小学5・6年生男女の50m障害物スイム、中学生男女の100m障害物スイム、そして高校生女子の100m障害物スイムの7種目。
 高校生女子100m障害スイムでは、茅ヶ崎SLSCの名須川茉莉乃選手と、西浜SLSCの皆川綾菜選手が、ライフセービング競技史上初の同着タイム(1分08秒81)で1位になる、白熱したレースが繰り広げられた。
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 ところで、東北初の全国大会には、九州の福岡から23時間かけてやってきた新宮LSCの面々(高校生2人、引率メンバー2人)がいた。

LSweb 予定では、福岡から飛行機で仙台まで飛び、そこから新幹線で盛岡入りするはずだったが、大雪のため仙台便が欠航。羽田行きに変更するも、これも欠航。仕方なく、金曜日の晩に深夜バスで名古屋へ向かい、土曜日の朝に名古屋に到着すると、そこから東海道新幹線で東京へ。さらに大幅にダイヤの乱れた東北新幹線に乗り換え到着した。所要時間は23時間!

 それでも、2人の高校3年生はにこやかに、そして実に楽しそうにレースに挑み、ダウンもしっかりやる元気の良さを見せてくれた。

 伸び盛りのジュニア&ユースが、日頃の練習の成果を発揮する今大会。翌16日の大会2日目にはラインスローやマネキンキャリー、リレー種目などが行われる。

【大会初日の結果】

★小学3・4年生 女子50m障害物スイム
1位:渡辺あゆみ(湘南ひらつかLSC)37秒47
2位:久木 翠(山形LSC)38秒58
3位:伊勢夕摩(山形LSC)39秒61

★小学3・4年生 男子50m障害物スイム
1位:佐々木蒼太朗(盛岡LSC)48秒64

★小学5・6年生 女子50m障害物スイム
1位:速水 彩(柏崎LSC)32秒64
2位:犬井彗美花(柏崎LSC)37秒00
3位:佐々木紀保子(盛岡LSC)39秒90

★小学5・6年生 男子50m障害物スイム
1位:浜田冬馬(柏崎LSC)34秒56
2位:佐々木新太朗(盛岡LSC)35秒25
3位:奈良部元春(湘南ひらつかLSC)36秒15
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50m障害小学3・4年男女

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50m障害小学5・6年男女

★中学生 女子100m障害物スイム
1位:鈴木愛香(盛岡LSC)1分10秒09
2位:津嶋笑満花(館山SLSC)1分16秒65
3位:那須はるな(盛岡LSC)1分19秒52

★中学生 男子100m障害物スイム
1位:齋藤礼喜(山形LSC)1分00秒20
2位:結城 翼(山形LSC)1分06秒60
3位:鈴木透生(山形LSC)1分08秒23

★高校生 女子100m障害物スイム
1位:名須川茉莉乃(茅ヶ崎SLSC)1分08秒81
1位:皆川綾菜(西浜SLSC)1分08秒81
3位:前川紗槻(柏崎LSC)1分08秒91
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100m障害中学生男女

女子高校生100m障害物

高校生女子100m障害物