LSClubs

LSweb
九州産業大学LSC
オーシャンサーフチャンレジ in 白浜に参戦!
2015/11/26

Kyushu Sangyo University (KSU) participated in Ocean Surf Challenge in Shirarahama

LSweb
10月25日、和歌山県白浜町の白良浜にて
オーシャンサーフチャレンジ in 白浜が開催された。

今年で16回目を迎えた西日本地区伝統の競技会に、
ニューフェースが登場した。

九州初の大学ライフセービングクラブとして
2012年に活動を開始した九州産業大学LSCの面々だ。

何事にも果敢に挑戦し、活発に活動を続ける同クラブは、
オーシャンサーフチャレンジでも目立った存在だった。

メンバーたちの熱い思いを、
キャプテンの内田光洋さんにレポートしてもらった。(LSweb編集室)

文=内田光洋(九州産業大学LSC)
写真=九州産業大学LSC




クラブ創立は2012年

 九州産業大学ライフセービングクラブ(九産大LSC)は、2012年に九州初の大学ライフセービングクラブとして発足しました。当初はライフセービングの経験のある顧問の鈴木裕介先生を中心に、学生5人でスタートしました。そして現在は創立4年目を迎え、部員も32人まで増え、大学内でも中規模のサークルへと成長しました。

 九産大LSCは夏のパトロール活動として7月初旬から8月末まで、「冠位奴国王」の金印が発見されたことで有名な志賀島海水浴場にて、学生中心で監視・救助活動を行っています。

 また、新宮LSCと共同で新宮海水浴場でも活動を行っています。さらに毎年8月にはより高いレベルのライフセービング活動を勉強するために、神戸LSCの協力のもとで須磨海水浴場とアジュール舞子海水浴場での監視活動にも参加しています。そして少しずつチームのレベルを上げてきました。

 そこでクラブとして次のステップに進むために、昨年度から競技会への参加も始めました。しかしそこで問題となったのが、競技の練習環境です。九産大LSCが当時保有していた機材はレスキューボード1本とマリブボード1本、そして数本のレスキューチューブだけでした。

 そのため夏のパトロールはもちろん、競技会に向けたトレーニングも十分に行うことができませんでした。そしてその私たちのクラブの厳しい状況を知った神戸LSCや大阪体育大学LSCの皆さんからマリブボードを譲っていただき、ようやく今年から九産大LSCとして海トレや自主トレを行えるようになったのです。

 このような支援を受け、そしてチームとして多くの問題を乗り越え、今回、九産大LSCとしては初めて、部員全員でこの「オーシャンサーフチャレンジ in 白浜」に出場するに至ったのです。
LSweb

大会遠征で得た課題と自信

 競技会を終えた今の感想は、順位はともかく、チームとして本当に多くの課題と成果を得ることができた大会となりました。まず一番の反省と課題は、ビーチフラッグスで九産大LSCの出場メンバーの失格が相次ぎ、多くの皆さんにご迷惑をおかけしましたことです。

 これは3年生であるチームの幹部がしっかりとルールを確認し、練習できていなかったことが原因です。せっかくこれまで練習してきた成果を発揮する機会をなくした上に、様々なチームに迷惑をかけてしまったことを深く反省しています。

 しかし初めて大会は反省ばかりではなく、自信にも繋がったと思います。今年初めてライフセービングをはじめた1年生がビーチフラッグで勝ち上がっていき、レースを重ねるごとにコツを掴んで速くなっていく姿は、来年以降の可能性を感じることができました。

 またレスキューチューブレスキューでは、1年生のみで結成したチームが大健闘してくれました。初めての大会に向けてこの2カ月間、海での水泳やキャリーの仕方などを試行錯誤しながら練習してきました。

 順位は後ろのほうから数えたほうが早いという結果でしたが、メンバー4人とも悔しそうな表情を浮かべ、「もっと速くなって来年は必ず表彰台に上がってやる」という言葉が出ました。

 またボードレース、ボードリレーでは、共に体力のなさが浮き彫りになりました。

LSweb 全学年の長距離パドリング経験の少なさ、筋力はもちろん体力も追い付かず、スタートダッシュに成功しても後半で追い越されてしまうという結果でした。この結果と向き合い、どのような練習を行っていったらいいか、これから考えていきたいと思います。

 今回の大会では1種目も入賞できず、チームとしては悔しい結果となりました。しかしこれが今の九産大LSCの現状です。

 一方で今年からライフセービングを始めた後輩たちがライフセービング競技の魅力や難しさを感じることができ、チームの中に「来年こそは」という雰囲気が生まれたことは大きな収穫です。

 その意味でも今回、このオーシャンサーフチャレンジ in 白浜に参加できたことは本当によかったと思います。この悔しさをバネに来年は必ずリベンジします!

九産大LSC、これからの目標

 私たち九産大LSCは、競技会へ出場することに2つの意義を掲げています。1つ目は九産大LSCをチームとしてしっかりと創り上げることです。大会に向けて先輩後輩が試行錯誤を重ね練習することで、先輩後輩の強い絆をつくることができると考えています。

 それは夏のパトロール活動にすべてつながります。ただのクラブではなく、4年間を通じて楽しいことはもちろん、苦しいことも共有して、かけがえのないクラブにしていきたいと思います。

 そして2つ目の意義は、九州産業大学LSCを多方面で支えていただいている皆さんへの感謝を示すことです。先述の通り、ライフセービング活動を行うために神戸LSCや大阪体育大学LSCから支援をしていただいています。

 また大会やその他の様々な面で、日本ライフセービング協会や九州の各LSCの皆さんからも多くの配慮と支援をいただいています。このような支援がなくては、私たち九産大LSCは今のような活動はできていないと思います。

 そのため私たちは大会に出場し頑張る姿を皆さんに見せることで、西日本のライフセービングを盛り上げるお手伝いを行い、恩返しをしていきたいと考えています。

 これからも初心を忘れず、感謝の気持ちを持って活動していき、オフシーズンで成長したところを、また次回大会で見せられるよう頑張っていきたいです。

 今後とも九州産業大学ライフセービングクラブをどうぞよろしくお願いします!
KSU02






LSweb
工夫をこらして新入生獲得へ
学生ライフセーバー大奮闘!
2015/05/02

Newcomers, welcome to LS clubs!

LSweb
八大学合同新歓海練が開催されていたのと同じ日、神奈川県藤沢市の片瀬西浜海岸では国士舘大学、杏林大学、成城大学、成蹊大学のライフセービングクラブも新一年生を迎えて海練を行っていた。

大学ごとにカラーがあるように、新歓海練の様子もそれぞれに特色があった。各校ごとに紹介しよう。

文・写真=LSweb編集室




海練はいつも2校で
成城大学&成蹊大学


LSweb 大学や専門学校に通う学生ライフセーバーにとって、春は新入生勧誘の大事な時期。

 部活、サークルに関わらず、一人でも多くの仲間を増やそうと春休みから準備に余念がない。新一年生にとっても、部活やサークル活動はキャンパスライフを充実させる大事な要素の一つだ。どのクラブに入ろうかと、先輩たちの勧誘の声に真剣な面持ちで耳を傾けているのではないだろうか。

 赤と黄色のユニフォームに身を包み、大きなボードを手にするライフセービングクラブは、キャンパス内での勧誘合戦でひときわ目を引く存在だ。
 
 ビジュアル系で新入生の興味を引いたら、次は活動の様子を熱く語る。“レスキュー”という言葉の響きに反応してくれたら、いざ海練へ。

 海辺の楽しさを十分に感じてもらい、いかに本入部へと繋げるか、ここが2、3年生の腕の見せ所といえる。だから、新歓海練は上級生にとってもひときわ緊張するのだ。
LSweb
 そんな中、ひときわ和気あいあいと活動するグループがいた。成城大学と成蹊大学の合同チームだ。実はこの2校、普段から週1回、一緒に海練を行う間柄なのである。

 数代前の先輩たちが機材の貸し借りをしたことから、合同練習が始まったという成城大と成蹊大。大学のカラーがなんとなく似ているのは、両校ともに付属の小学〜高等学校があるからだろうか。きっと顔見知りの先輩、後輩がいるのだろう、アットホームな雰囲気で海練を行っていた。

「今日の海練に参加してくれた1年生は10人。そのうち女子3人がマネージャー志望です。実は海練の前に食事会などの勧誘作戦もしていますが、ごはんだけ食べて海練には来てくれない新入生もけっこういるんです。海練に来てくれたら、かなり脈がありますよね」と、成蹊大の代表を務める塚田大揮さん。

 入部希望だという成蹊大の新1年生に話しを聞いてみると「サークルと違って、まじめに活動できるのがいいと思い参加しました。やってみたら想像以上に楽しくて」と笑顔。
LSwebLSweb
 今シーズン2度目の新歓海練となるこの日は、2校合わせて約20人の新入生が参加。先輩たちからマンツーマンでボードの乗り方を教えてもらうなど、約2時間のメニューをこなしていた。

他大学も受け入れる!?
懐の深〜い杏林大学


LSweb 女子9人、男子13人と20人以上の新入生が集まったのが、杏林大学のライフセービング部だ。

 三鷹と八王子の二カ所にキャンパスのある同大学だが、ライフセービング部に所属するのは、八王子キャンパスに通う学生たち。保健学部の救命救急学科で勉強する学生が多いのが特徴だ。

「救命救急士を目指しているので、ライフセービングにも興味がありました。先輩たちの話を聞き、これは自分の引き出しを増やすことができる活動だなと思い参加しました」と話してくれたのは、ウェットスーツで海から上がってきた新1年生。救命救急士を目指すだけあり、キリリとした表情が印象的だ。

LSweb そんな新一年生の姿を見ながら、「医学系の大学ということもあり、ライフセービングに興味を持ってくれた人は、みんな真面目に取り組んでくれます。でもそれだけではなく、楽しんでももらいたい。そこで今年の体験会では、レース形式を多めに取り入れてみました」と、副代表の小林風矢さん。

 勧誘にはLINEなどのSNSも使い、いつでもウェルカムの体制を整えているそうだ。

 そんな杏林大の楽しげな雰囲気に惹かれたのだろうか、実はこの日、他大学の新入生が紛れ込むハプニングがあった。自分の学校の新歓に参加するはずだったのだが、先輩の顔もうろ覚え、片瀬西浜に来るのも初めて、まして同じ浜でいくつもの大学が練習している……となれば、それも致し方ないことだろう。
LSwebLSweb
 もしかしたら少し違和感があったかもしれないが、飛び入り参加した他大学の新1年生は、最後まで杏林大の海練を満喫し、その後、自分の大学へと無事戻っていったそうだ。

 この話には続きがある。昼過ぎにひょっこり現れた新1年生を見つけ、事情を聞いた先輩は、すかさず杏林大へ。「うちのがお世話になりました! って挨拶しといたよ〜」とおどけて見せる。

 こんな楽しいエピソードも、横の繋がりが密なライフセーバーならではだ。

国士舘大学は
ビラ作戦で女子を勧誘


LSweb 西浜でひときわ大きなグループを結成していたのが、国士舘大学ライフセービング部。この日の海練に参加した新入生は約30人だ。

 ずらりと顔を揃えた新入生に海練に参加した動機を聞いてみると、「新歓で見たビデオがめちゃ格好良くて、ライフセーバーに憧れました」や「高校まで水泳をやっていたので、自分の特技が活かせるかなと思って」というコメントに混ざり、「救命救急士を目指しているので」という声も。
 国士大は国内の四年制大学として初めて、救命救急士の国家資格が取得できるスポーツ医科学科を設置した大学でもあるのだ。
LSweb
「国士と言えば野郎ばっか、というイメージですよね。確かに、今日も男子学生が圧倒的に多いですが、学校には女子もいます。少ないですが……。そこで今年は、新歓で男子用と女子用の2種類のビラを配りアピールしたんですよ」と、代表の益子大地さん。

 海練に参加していた2人の新1年生女子に話を聞いてみると、「えっ、2種類のビラがあったんですか? そういえば、上半身裸の写真が多用してあるものと、女子もがんばっています!というのを見たかな」という返事。
LSwebLSweb
 
LSwebLSweb
 それでも、今年はすでに3人の女子学生から入部届けを受け取ったというから、先輩たちのアイディアは女子メンバー獲得に功を奏したといえるだろう。

LSweb
 この春、全国各地でたくさんの大学ライフセービングクラブが新歓海練を開催したはずだ。

 新歓が終わってホッと一息といきたいところだが、入部を決めた1年生たちを待ち受けるのは、夏までに取得しなければいけない資格の数々。

先輩ライフセーバーの皆さん、彼ら、彼女らが無事に夏のパトロールを経験し、ライフセービングの本質が味わえるよう、時に励まし、時に厳しく指導しながら、支えてあげてほしい。





LSweb
新一年生獲得に向けて
八大学合同新歓海練 開催!
2015/04/30

Let’s invite newcomers to join LS clubs!

LSweb
春は新歓の季節。

学生ライフセーバーはあの手、この手でライフセービングの魅力を伝え、一人でも多くの新入生獲得に向けがんばっている。

そんな学生ライフセーバーたちの様子を、海練のメッカ、神奈川県藤沢市の片瀬西浜海岸で取材した。

文・写真=LSweb編集室




西浜で一番大人数だったのは?

LSweb ゴールデンウィーク前半のスタートとなった4月最後の土曜日、湘南の片瀬西浜海岸はマリンスポーツを楽しむ大勢の人で賑わっていた。

 その中でも目に留まったのが、砂浜でダッシュを繰り返したり、波打ち際でチューブやボードといった機材を使いながら勢いよく海に入ったりと、ひときわ活発に活動する集団だ。彼らの正体は……? 首都圏の大学に所属するライフセービングクラブの面々である。

 中でも一番の大所帯だったのが、神奈川大学、中央大学、帝京大学、青山学院大学、國學院大学、文教大学、実践女子大学、慶應義塾大学が合同で開催した「新入生歓迎八大学合同海練」だ。

LSweb 「今回は現役、新入生合わせて100人近くが集まりました。まさか自分たちが西浜で一番大きなグループになるなんて……」と感無量だったのが、実行委員長として今回の合同海練を仕切った神奈川大学3年生の菊地 快さんだ。

 合同海練に参加した大学クラブの共通点は、メンバーが少ないということ。機材の数やサポート体制になどから、単独で新歓を行うのが厳しい状況の学校が集まり、協力して新入生を勧誘しようと5年前から合同海練を企画。
 毎年、継続して開催することで参加者は年々増加し、ついに西浜でも人目を引く人数になったというわけなのだ。

 この日、合同海練に参加した新1年生は、神大の9人を筆頭に、帝京大7人、中大と青学大がそれぞれ5人、國學院大4人、実践女子大3人、文教大と慶応大が2人ずつの計37人(そのうち女子は9人)。
 大学ごとに見れば決して大人数とはいえないが、8校集まれば強豪校にも劣らない新入生の数となる。学校の先輩だけでなく、他大学の学生と交流できるのも合同開催の魅力だ。
LSwebLSweb
 「ライフセービングは横の繋がりが大事ですよね。夏のガード時期には、他大学や社会人の人と一緒に浜をパトロールすることになりますから、新歓の時からいろいろな人と知り合えるチャンスがある、というのはいいことだと思います」と話す菊地さんたち実行委員のメンバー。

 彼ら、彼女らが春休みを返上して準備を進めてきた海練は、新歓日和の穏やかなコンディションの中で始まった。

クラブに入ってくれるかな?

 開会式、ビーチクリーン、準備体操に続いて行われたのが、ウォーミングアップを兼ねた手つなぎ鬼。
LSwebLSweb
 心細そうな顔をしていた新入生たちもこのころになると緊張も溶けたようで、歓声を上げながらビーチを走り回っていた。その様子を見ながら、実行委員たちがなにやら準備を進めている。
 と、鬼から逃げる新入生がいなくなったところで、上級生たちによるレスキューシュミレーションが始まった。

 沖で「助けて!」と声を上げる溺者役を目指し、チューブとボードをつかんだ先輩が海へと飛び込んでいく。「何が始まったんだろう?」と興味深そうに見つめる新入生たちの前で、無事にレスキューが完了すると、いよいよ4班に分かれてビーチ、オーシャンでの体験がスタートした。
LSwebLSweb
 2班合同のビーチ組は、いろいろなパターンのビーチダッシュを繰り返す、なかなかハードなメニューをこなし、チューブとボードに分かれたオーシャン組は、機材の使い方をレクチャーされた後、いざ実践へ。昼食をはさんで、ビーチ組とオーシャン組が入れ替わり、海練体験は午後まで続いた。
LSwebLSweb
 
LSwebLSweb
 午前10時から午後4時ごろまで行われた新歓海練。先輩たちの盛り上げと、適切なサポートのお陰で、新入生たちはビーチもオーシャンも存分に体験することができたのではないだろうか。

 「いやぁ楽しかったです。特にボードが楽しかった!(レスキューチューブで)人を引っ張るのは大変でしたね。海なし県の栃木出身なので、海での体験にとても満足し、入部しようという気持ちが固まりました」と宣言してくれたのは、高校時代はサッカーに所属していたという國學院大学の1年生。横にいた同級生も笑顔で首を縦に振っていた。

LSweb 「救命救急を学んでいるので、ライフセービングにも興味がありました。実際に海に来て、レスキューボードの楽しさを知りました。今日はとても良い経験ができたので、続けていきたいと思います」と言うのは、帝京大学の1年生だ。

 「ライフセービングは高校生の時に体験したことがあり、日本でもやってみたいと参加しました」と上手な日本語で話すのは、フランスからの留学生として中央大学に通うワニッブ・モードさん。ライフセービングの精神は世界共通。そんなところも新入生たちの心を引きつけたに違いない。


来年はさらにパワーアップ?

 「今年はなんと3人も入部してくれることになったんです!」と満面の笑みで話してくれたのは、実践女子大学の近藤亜紀さん。女子だけ活動する彼女たちは、時に男子顔負けの力仕事もしなければならないが、足の爪にかわいいネイルを施し、女子大生らしさもアピール。
LSwebLSweb
 「ライフセーバーと言うと逞しいイメージがありますが、女子力もアップさせてがんばっています」と笑顔を見せた。その足の甲にはボード擦れが……。それがまたライフセーバーらしくてほほ笑ましかった。

 「女子が参加してくれなくて」と話すのは、青山学院大学の上級生たち。
 「男子は5人も参加してくれたのに……。学校のカラーなのか、もっと華やかな活動を求める女子が多いんですよね。日焼けするも敬遠されがちなので、自分がもっと美白になって勧誘すればいいのかな(笑)」と、冗談半分、本気半分で相談。そんな悩みが来年のパワーアップに繋がるのだろう。

 ウェットスーツを人数分用意したり、昨年はニッパーボードを使ってみたりと、毎年、いろいろな工夫や配慮をして行われる合同海練。
LSwebLSweb
 今年はインフレータブルのレスキューSUPを導入し、サポート体制の強化を図ると共に、閉会式で豪華景品が当たるジャンケン抽選会が行われ、最後まで大いに盛りあがったのだった。


 すべてのスケジュールが無事に終わったビーチでは、ほっと一息つく各大学の実行委員たちに、「ありがとう」と声をかける在校生たちの姿があった。
LSwebLSweb
LSweb 「そんなのいいよ」と照れながら、「春休み中、何回もミーティングをしたことなんかないよ〜。実行委員で意見が割れてケンカ寸前になったことなんかないよ〜」と笑う実行委員長の菊地さん。

 また、新歓の途中では、幹部である中央大4年生の一人が、「これから就職活動で東京へ行ってきます」といいながら、浜でウエットスーツからビジネススーツに着替えるシーンも。順調に進行していく新歓海連の様子を見届けて、仲間の「行ってらっしゃい!」の声に見送られながら西浜を後にしていた。

 皆の苦労と工夫が実った今年の新歓海練を経て、今年は新入生は何人入ってくれただろうか。確実にメンバーが増えつつある8大学のライフセービングクラブ。今後の活躍が楽しみだ。

LSweb





LSweb
100年続くクラブを見据えて
「鎌倉ライフガード100年会」を開催
2014/12/26

LSweb
2013年に海水浴場開設から130周年を迎えた神奈川県鎌倉市。

この地で、ライフセービング活動を行っている鎌倉ライフガードが、2014年12月21日、これまでの歴史を引き継ぎ、未来へと繋げる「鎌倉ライフガード100年会」を開催した。

現役メンバーはもちろん、OB、OGや近隣クラブの仲間たちが集まり、盛大に行われた会の様子を紹介しよう。



文・写真=LSweb編集室





明治時代からある鎌倉の海水浴場

LSweb 夏のレジャーの定番「海水浴」が日本に紹介されたのは、明治時代のこと。ドイツ人医師ベルツなどが、公衆衛生の観点から海水浴の有効性を説いたことがそのきっかけとなり、関東地方では保養地だった大磯や片瀬、鎌倉といった湘南地域、あるいは横浜の富岡などに海水浴場が設けられるようになったのだ。

 鎌倉に初めて海水浴場が開設されたのは、明治16(1883)年。以来、今日に至るまで、夏になると鎌倉の海には海水浴場が設置され、海水浴客が訪れるようになった。

 時代はぐっと下がって、昭和30年代。手軽に楽しめる海水浴は、大衆に人気の一大レジャーとなった。

 特に首都圏から近い湘南の海は、“イモ洗い”という言葉で揶揄されるほど海水浴客が殺到。それと比例するように、事故も頻発するようになる。

 そんな状況を憂いて始まったのが、現在に通じるライフセービング活動だ。

 そしてほぼ同じ時期に、藤沢市の片瀬海岸や、鎌倉市の由比ヶ浜・材木座海岸で有志による活動がスタートし、片瀬海岸での活動はやがて西浜SLSCへ、由比ガ浜・材木座海岸での活動は鎌倉LGへと受け継がれていくことになる。

50+25+5は?

LSweb 国内で最も長く活動を続けてきたクラブの一つである、鎌倉LGの歴史を少し整理してみよう。

 鎌倉市内では、鎌倉LGのOBである武村 葵 氏を中心に、1960年代からライフセービング活動が行われてきた。

 市内に4カ所の海水浴場があったことから、当初は材木座、由比ヶ浜、稲村ヶ崎、腰越の4浜に分かれて活動。ライフガードの本場、アメリカ西海岸のハンティントンビーチへの研修派遣や、ライフガード大会(実質的な第1回全日本ライフセービング選手権)の開催、さらにはカッターやレスキューボート、サーフスキーの導入など、先駆的な活動で業界をリードしていた。

 1989年、年間を通じた活動で質的向上を目指し、またより地域に根ざした活動をしようと、4浜のライフセーバーが集まり「鎌倉サーフライフセービングクラブ」を設立。自治体や海水浴組合と協力しながら、ガード業務を行ってきた。
LSweb
 残念ながら、稲村ヶ崎海水浴場は2002年を最後に閉鎖されたが、その後も材木座、由比ヶ浜、腰越の3浜で活動を継続。2009年には名称を「鎌倉ライフガード」へとリニューアルした。さらに2011年からはジュニア活動も始まり、地域クラブとして着実な歩みを進めている。

「2014年は鎌倉SLSC設立から25年、鎌倉LGリニューアルから5年の節目の年です。しかし、鎌倉には50年以上のライフセービング活動の歴史があります。そこで記念日を祝うだけではなく、さまざまな年代の関係者が一堂に会し、これまでの歴史と伝統を踏まえ、未来のことを話せる場にしたいと“100年会”と名付けた会を開催することにしました」

 そんな多胡 誠 鎌倉LG代表の挨拶で始まった100年会。

LSweb 会場には一昨年まで救護所に詰めていた84歳になる元看護師さんから、1960年代、70年代に各浜のチーフを経験したOBたち、現役、さらに小学生のジュニアメンバーまで、実に幅広い年代の関係者が集まり、懐かしい話に花を咲かせたり、来年、さらにその先を見つめての熱いトークが繰り広げられていた。LSweb

 8ミリで撮影されたとおぼしき映像には、今や重鎮となったメンバーの若かりし頃の姿が映っており、また一世を風靡したファッション誌にも大々的に特集が組まれているなど、お祝いにかけつけた他クラブのメンバーたちも大いに楽しめるように趣向が凝らされた会場で、ひときわ人だかりしていたのが、壁一面に設置された大型年表だ。

 1970年以降の各浜のチーフ名や、出来事などが書き込めるようになった年表の前では、OB、OGや、お祝いに駆けつけた他クラブのライフセーバーたちが、首をかしげて記憶をたどりながらトピックスを記入。
LSwebLSweb
 
LSwebLSweb
 一方、ジュニアメンバーたちは、西暦が書き込まれていないスペースに「2025年の監視長」「全国大会で1位になる」「絶対に西浜に勝つ!(勝ちたい)」といった目標を元気に書き込んでいた姿が印象的だった。
LSwebLSweb
 大いに盛りあがった「鎌倉ライフガード100年会」は、同クラブでライフセービングを初めて27年目という菊地一郎理事のこんな言葉で締めくくられた。
LSweb
 「久しぶりに諸先輩方にお会いして、嬉しさと同時に先輩ってやっぱり面倒臭いなと思いました(笑)。
 でも、伝統はお金で買えるものではないし、今後もついて回るもの。そして私たちには歴史を背負う宿命があります。
 もしかしたら、先輩方が活動していた時とクラブの名前やマーク、ユニフォームは変わっているかもしれませんが、今の鎌倉LGがあるのは間違いなく先輩方がいたから。このことは、必ず現役そしてジュニアへ繋いでいきます。
 そして50年を越える活動の歴史がある、というアドバンテージを大切にし、次へ繋いでいくと共に、ライフセービング界全体で力を合わせて、切磋琢磨しながら発展していく活動を続けたいと思います」

 間もなく2014年が終わる。新年になれば、鎌倉LGはもちろん、全国各地で活動するライフセービングクラブにも、新たな歴史の1ページが付け加えられることになるわけだ——。日々の着実な歩みが、日本のライフセービングの歴史を作っていくのである。
LSwebLSweb
 LSweb 
LSwebLSweb






片瀬西浜はライフセーバーで大賑わい!
2014年・各大学LS部 新勧海練訪問記
2014/04/28

Welcome!, to the world of lifesaving

LSweb入学式も終わり、ゴールデンウィークも間近となった4月中旬の週末。

江の島を間近に臨む神奈川県藤沢市の片瀬西浜海岸には、ボードやレスキューチューブの器材を持った若者たちが大勢集まっていた。

彼ら彼女たちは、首都圏の大学ライフセービング部の部員たち。

この日は、上級生にとっては2014年の新シーズンの始まりを告げる海練習のスタートであり、新入生にとっては初めて体験するライフセービング活動の始まりなのである。


文・写真=LSweb編集室





4月19日(土)、
まずは国士舘と日女体大の練習へ


 LSweb2014年4月中旬の週末。
 湘南の片瀬西浜海岸には、朝から多くのライフセーバーたちが集い、あちこちに大小の人の輪ができていた。これらのほとんどが大学ライフセービング部の集まりだ。

 入学式を終えたこの時期、各大学では、“新入生の勧誘”という非常に重要な任務が遂行されている。一人でも多くの仲間を増やすべく、部員総出でライフセービングの魅力を伝える。クラブの発展には欠かせない非常に重要な活動の一環なのである。

 学内での勧誘活動がひと段落すると、お次は、いよいよ実体験が待っている。
 皆があの手この手で口説き落とした新入生を初めて海に招待し、ライフセービングの素晴らしさや楽しさの一端を感じて貰うべく「体験会」を開催するのだ。

 この日のために先輩たちが趣向を凝らした各大学のLS体験会「新入生勧誘海練習」、通称“新勧海練”をさっそく覗かしてもらった。

LSweb まずは、大人数で目立っていた国士舘大学に突撃!
 円陣を組むその人数は、ざっと見積もっただけでも70〜80人はいるだろうか。よく見ると借り物のウェットスーツなのだろうが、ウェット姿が板についていない初々しい感じの子も見受けられる。きっと新入生なのだろう。

 声をかけると、国士舘大学ライフセービング部の勝田郁也主将が対応してくれたので話を伺った。

 「今日の海練習は新勧を兼ねています。まだ仮入部という形ですが、新入生は30人ほど参加してくれています。
 我々3年生の代から入部が増えて、毎年コンスタントに30人前後が入部してくれているので今年も期待したいですね」と現状を説明してくれた勝田主将。

 現在は、3年生の35人を筆頭に各学年でそれぞれ30人ほどが在籍しており、新たに1年生が入ってくると100人を超える大所帯となる。そんなビッククラブを束ねる勝田主将に今年の目標について聞いてみた。LSweb
 「まずはインカレ優勝です! 前回の成績が3位という結果に終わってしまったので、今年こそは優勝を目指して頑張っていきたいと思います」と、力強く語ってくれた。
 今年も各大会はもちろん、パトロール活動でも大いに活躍してくれそうだ。

 お次は、ライフセービング界のなでしこたちの輪に突撃〜。
 
 いつもながら明るく華やかな雰囲気で活動をしていたのは、日本女子体育大学ライフセービング部のライフセーバーたちだ。

 新入生を交えての海練習ということもあり、海に入る際の基本的な注意事項から先輩たちによるデモンストレーションに至るまで、各パートを楽しく盛り上げながら教えているのがとても印象的だ。うまく新入生の好奇心を掴んでいるようでさすが、女子力である。
LSwebLSweb
 「今日(4/19)が最後の新勧なんですが、20人ほどの1年生が参加してくれています。毎年、20人弱の新入生が入部してくれるので、今年も20人は欲しいなと思っています。
 昨年、4年生が卒業する前は64名の部員で活動していました。現在、新2年生から新4年生まで3学年合わせて51人いるので、新入生が20人ぐらい入ってくれれば(去年と)同じくらいの部員数で活動できるので、そうなればいいですね」

 「学内での勧誘方法は、パトロールユニフォームを着てアピールしながら、日女体LS部の練習メニューなどを紹介したりしています。ただ、入ってから後悔してほしくないので、こんな厳しい部分もあるよということもしっかりと伝えて、その上で入部を決意してもらえるように真剣に勧誘していました」と語ってくれたのは、日女体大LS部の主将を務める篠崎亜衣さん(4年生)だ。LSweb
 どんな大会でも選手と応援が一体となって元気よく盛り上げてくれる日女体大LS部。このインタビューの最中も、周りではテキパキと指導する上級生の声や楽しそうな笑い声が絶え間なく聞こえていた。

 最後に、今年はインカレでぜひ3位以内に入ってメダルを取りたいと、目標を語ってくれた篠崎主将。いつものパワーで競技会はもちろん、ライフセービング界全体を元気よく盛り上げていって欲しい。期待度◎(にじゅうまる)!!

成城と成蹊大は合同で、日体大もガッツリ海連! 

LSweb 一番江の島よりで練習していたのは、成城大と成蹊大のライフセービング部だ。この2校は夏のパトロールが西伊豆で一緒ということもあり、先輩の代からずっと受け継がれている合同練習なのだそう。 

今年のそれぞれの勧誘状況について、聞いてみた。

「今年の成城は、男子の新入生が自ら積極的に来てくれていますね。今のところ男女合わせて10人前後は入部してくれるかなといった感じです。成城としてはよい手応えです」というのは、成城大学3年生の寺尾主将。

LSweb「成蹊は去年の勧誘が今ひとつ上手くいかなかったので、新2年生が3人しかいません。部活動としてキチンと存続させていくにあたり、部員の確保というのは非常に大事なので、今年は成城大学にも勧誘を手伝って貰いました。お陰で10人程度入部して貰えそうなので、手応えは感じています。
 ただ、ライフセービングそのものを知らない人が多いので、いかにしっかりとその活動を伝えられるかが鍵だと思うのですが、なかなか難しいところですね」と語ってくれたのは成蹊大学3年の斉藤隼平主将だ。

 斉藤主将のいうように、小規模の学校クラブの場合、毎年の人材確保は非常に重要なこと。なにせ部の存続に直接関わってくるからなおさらである。

 彼の抱える問題は、ライフセービング活動全体における人材確保という点に置いても考慮していかなければならないことだろう。

 ライフセービングの認知度を広く世間一般に浸透させていくアイディアと努力をよりしっかりと推し進めるべきである。我々もウェブサイトを通じて微力ではあるが、できる限りのサポートを続けていけるよう努力していきたい。LSweb

 そんなことを思いながら、日体大の練習場所へ移動。
 
 全体練習とはいえ、人数が多いのでビーチとオーシャンに分かれて練習している。ビーチフラッグスの練習をしばらく見ていると、沖の方からボードの集団がこちらを目指してパドリングしてきた。ボード練習を終えて集合場所へ帰ってきたようだ。

LSwebLSweb
 日体大ライフセービング部4年生の吉岡才智主将に今年の目標をズバリ聞いてみた。

 「日体大としては、5月の全日本プールからインカレなど4大会すべて優勝という気持ちでやっていこうと、この4月に部員全員で確認したばかりです。
 また、日体大は部員数が多いので、練習も単独で行うことが多く、他大学との交流が少なくなりがちですけど、最近は個々の部員が積極的に横の繋がりを持ち、他の浜に出かけて練習するなど各自がモチベーションの維持に努めています。こうした交流で学生ライフセーバー全体のボトムアップができたらいいなと思っています」

 自他ともに認める学生ライフセービング部のトップに位置する日体大。競技会では常に“優勝”の二文字を使命としているが、学生全体のレベルアップを常に目指して行動しているところに日体大ライフの意識の高さを改めて感じた次第。

LSweb 取材した4月19日の海練習では、まだ新入生は合流していなかったが、吉岡主将によれば、勧誘の手応えもしっかりと感じているようで、新1年生を加えると総勢100人を超える部員数になりそうだという。

 今年もインカレを中心とした競技会において、強力な力で立ちはだかるであろう日体大に、各大学がどのような形で挑んでいくのか、白熱した戦いを見るのが今から楽しみである。

4月20日(日)、
早稲田の隣には成城学園、高校生の姿も


 日付が変わって翌日曜日。今日はどんよりと曇っていて昨日以上に肌寒い。こんな状況でももちろんライフセーバーたちは元気いっぱい。西浜には今日もたくさんのライフセーバーが集まっている。

 その中で見つけたのが、昨年、女子がインカレで優勝するなど、著しい成長を遂げた早稲田大学ライフセービング部。部員数はそれほど多くなくとも、競技会において十分結果を残せるということを体現して見せた。我々も昨年の競技会取材において印象に残ったひとコマである。

 そんな早稲田も片瀬西浜で新勧海練習を行っていた。丁度、ビーチフラッグスの体験練習を行っていたのだが、この方法がまた面白かったのでまずご紹介したい。
LSwebLSweb
 写真でもご覧頂けると思うが、フラッグがなな、なんと、うまい棒なのである。もちろん、取った人がそのうまい棒をゲットできちゃうのである。
LSweb
 「新入生に楽しくライフセービングを知って貰うために、ビーチフラッグスでは、フラッグをうまい棒にしてみました」と教えてくれた上級生。
 評判は上々のようだが、ひとつだけ難点があるという。勢いよく掴むと粉々に壊れてしまい、後で食べづらいんだとか。勧誘は最初が肝。ライフセービングのさまざまな活動を楽しく理解してもらえるよう、創意工夫している。

 上昇気流に乗っている早稲田ライフ、今年は何人の新入生が入ってくるのだろうか。楽しみにしてみたい。

 LSweb早稲田の横では、青いテントを建てている集団を発見。傍らにはボードが置かれてあるのでどこかのライフセーバーだと確信しつつお邪魔してみた。

 てっきり大学生だとばかり思っていたら、なんと成城学園の高校生たちだった。そして傍らには、引率の松本貴行先生を発見。高校での部活動について簡単に話を聞かせて頂いた。

 「今日は一年生も来ています。成城学園の場合は、付属中学の水泳部から入ってくる子が多いですね。高校では土曜日にプール練習を行い、日曜日には海に来て練習をしています。高校生にしては練習環境が整っていると思うので、いろいろな意味で結果が出せるよう頑張ってほしいです」と、松本先生は生徒たちに期待をよせていた。

LSweb
 高校生の海練習には付き添いが不可欠なので、引率の先生のご苦労も大きいと思うが、15〜16歳から学校の中で本格的にライフセービングを学べるのは貴重なこと。楽しみながらライフセービングについての知識を深め、技術を習得していって欲しい。


 この2日間だけでも本当に多くのライフセーバーの練習風景を見させてもらった。
 ゴールデンウィークを間近に控えたこの時期、各大学では新入部員を迎えて、新たな目標をたてつつ、2014年シーズンへ向けてスタートを切ったばかり。夏のパトロールへ向けて、また、それぞれの目標に向かって、みんなファイト〜ッ!!











年別アーカイブ