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第28回全日本学生ライフセービング選手権大会 2日目の結果2013/10/01

The 28th INTER COLLEGE SURF LIFESAVING CHAMPIONSHIPS-DAY2

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42校が参加し、熱戦が繰り広げられた第28回全日本学生ライフセービング選手権大会。

総合成績が決まる2日目は、初日以上に気合いのこもった接戦が繰り広げられた。


文・写真=LSweb編集室




総合優勝は女子・早稲田大学、男子・日本体育大学

 インカレ2日目。前日に比べ、波、潮ともに少し穏やかになった御宿の海だったが、波打ち際が深くえぐれ、その沖側にサンドバンクがあるなど、サーフ種目は相変わらず複雑なコンディションでレースが行われた。

 最初の決勝種目はボードレスキュー。最初にスタートした女子は、上位陣が同じ波に乗って帰ってくる混戦となったが、真中友里と古賀美沙希の東京女子体育大学が、清水友紀と三井結里花の日本大学を僅かにかわして優勝した。

 男子も接戦となったが、タンデムでのボードさばきが勝敗を分けた。このレースを制したのは、塩島 翼と高岡洋介の国士舘大学。勝因は? と聞くと「タンデムで息が合ったことです!」とキッパリ。確かに、溺者役をピックアップしてからの追い上げは見事だった。
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LSweb 今大会、サーフ種目のハイライトと言える名勝負が繰り広げられたのが、オーシャンマンだ。スイム→ボード→スキーの順番で行われた競技では、スイムでサーフレース優勝の大島圭介(神奈川大学)が飛び出し、坂本 陸(日本体育大学)が2位、3位以降は団子状態でボードへ。

 ボードでトップとなったのが、高岡洋介(国士舘大学)だ。その後ろを園田 俊(流通経済大学)、金丸大将(早稲田大学)、亀ノ上僚仁(国際武道大学)らが追う。最後のスキーも高岡がリードを保ったままブイを回り、波をつかんで浜へと一直線に向かってきた。
 必死で食らいつく園田が波をつかみ、高岡に追いついたのは浜まで約10艇身という時だった。そのまま同じ波に乗り、並走する2人。時間にすればほんの数秒のことだが、お互いの胸の内が伝わってくるような、緊迫した場面だった。

 ラン勝負になるのは誰の目にも明らかだった。波打ち際のブレイクでスキーが接触。沖側に落ちた園田が不利かと思ったが、上手くスキーを飛び越え猛然と走り出した。高岡も負けてはいない。互いに一歩も譲らず、肩と肩をぶつけながらゴールを目指す。LSwebともに4年生。最後のインカレ……。ゴール間近でリードを奪ったのは、水色のコンペキャップをかぶった園田だった。

「スキーで追いついた時から、絶対に負けないと思っていました。オーシャンマンのタイトルは、素晴らしい先輩たちが手にしてきたもの。昨年は大好きな先輩の菊地 光さんが勝ちましたから、自分も絶対とりたかったんです。ブレイクで沈した時、うまくスキーを越えられたのでランでは絶対に勝とうと、全力を出しました」
 と興奮冷めやらぬ園田だが、
「素晴らしいライバルがいたからこそ、力を発揮できたのだと思います」
 と高岡を称えることを忘れなかった。LSweb

 あと一歩及ばなかった高岡の心中は察するに余りある。今夏も伊豆下田の弓ヶ浜でガードを続けた。弓ヶ浜のパトロールメンバーには、サーフスキーの全日本チャンピオン、松沢 斉がいる。
「松沢さんと一緒に練習してきたんです……」
 そう言ったきり、次の言葉が続かなかった高岡。
 だが、続くボードリレーでは、トップバッターとしてチームを牽引し、見事に優勝を果たした。最後のインカレは、きっと少しほろ苦い思い出とともに、一生忘れることはないだろう。

 女子ボードリレーは、1走から3走まですべてトップで繋いだ東京女子体育大学が優勝した。
「1走と3走が4年、2走が2年でした。2年生に負担をかけないように、全員が1位でいこうね、と話していたんです」
 と満面の笑みを見せてくれたのは、アンカーの古賀美沙希。有言実行の見事な勝利だった。
 粘りに粘って3位に入ったのが、倉地満理奈、小林マリア、寺本さち子の成城大学チームだ。
「もう無我夢中でした! 表彰台に上ることができたのは、みんなの力です!」
 と声を揃えた3人は全員4年生。4年間のがんばりが花開いたインカレだった。
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LSweb ビーチ種目もサーフ種目に劣らず、接戦に次ぐ接戦が繰り広げられた。予選からレベルの高い戦いが続いたのが、ビーチスプリントだ。
 男子は、石井雄大(日本体育大学)が種目別に続き優勝。昨年の全日本から負けなしの3連勝となった。
「ビーチフラッグスで負けてしまったので、スプリントは絶対に落とせませんでした」
 と石井。3年生の石井は来年、インカレ二連覇を目指す。石井と同じく、ビーチフラッグスの雪辱をスプリントにぶつけたのが、2位となった岡田浩平(中京大学)だ。
「言い訳になりますが、就職活動が忙しくて思うようにトレーニングができていませんでした。この悔しさを忘れずに、社会人になっても続けていきます」
 就職も決まり、ほっとひと安心という岡田。次のステージでの活躍にも期待しよう。

 LSweb女子ビーチスプリントで嬉しい初優勝を遂げたのが、但野安菜(国際武道大学)。
「うれしい! もう、本当にうれしいです」
 と頬の筋肉が緩みっぱなしだった但野。
「国際大会のメンバーに選ばれたこともあり、この夏はビーチスプリントの練習をちゃんとやろうとがんばりました。今までは、実はビーチフラッグスの距離しか走っていなかったんです。90mをしっかり走り込んだ成果が出て、もうめちゃくちゃうれしいです!」
 高校までバスケットボールの選手だったという但野は小柄な体でがんばり、ビーチフラッグスと合わせて二冠を達成した。女子ビーチフラッグスの2位は、利根川莉奈(成城大学)。川崎汐美(日本女子体育大学)は、悔しい3位だった。
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 注目の男子ビーチフラッグスは、昨年のインカレから全日本、種目別と連勝が続いている竹澤康輝(国際武道大学)が、上手いレース展開で国内選手権の連勝記録を4にのばした。
「スタートでまずリードするのが自分の持ち味です。でもそこが速いだけじゃ勝てないと、先週、御宿で開催された国際大会に出場して思い知りました。いつでもミスなくできるように心がけた結果が、成績に結びついたと思います」
 と竹澤。4年生、最後のインカレを連覇で締めくくった。
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 LSwebその竹澤に肉薄する健闘を見せたのが、石橋拓土(東海大学湘南校舎)だ。競技終了後、
「また金が取れませんでした」
 と言った石橋だが、ビーチフラッグス2位は自身の過去最高順位。脚力や俊敏性だけでなく、テクニックも必要な競技では、先人たちがそう簡単には勝たせてくれないものだ。今回、表彰台に上ったことで見えてきたものがあるはずだし、大学3年生でまだ時間もある。もう一つ上を目指して、しっかり精進してほしい。

 最後まで太陽の下で行うことができた今大会。女子が早稲田大学、男子は同点ながら1位の順位が多い日本体育大学が総合優勝を果たした。


 熱戦が繰り広げられたインカレレポートは、しつこくもう1回お届けします。最後は総集編ということで、優勝校の強さの秘密や、学生委員会の奮闘ぶり、完全版の成績表も掲載予定ですので、ご期待ください。


【インカレ2日目の成績】

LSweb☆ 女子ビーチフラッグス
1位:但野安菜(国際武道大学)
2位:利根川莉奈 (成城大学)
3位:川崎汐美(日本女子体育大学)

☆男子ビーチフラッグス
1位:竹澤康輝(国際武道大学)
2位:石橋拓土(東海大学湘南校舎)
3位:望月龍之介(順天堂大学)

☆女子ビーチスプリント
1位:但野安菜(国際武道大学)
2位:山田未来(日本体育大学)
3位:渡邉来美(日本体育大学)

LSweb☆男子ビーチスプリント
1位:石井雄大(日本体育大学)
2位:岡田浩平(中京大学)
3位:岩井大地(東海大学湘南校舎)

☆オーシャンウーマン
1位:三井結里花(日本大学)
2位:大山玲奈(早稲田大学)
3位:中島静香(東海大学湘南校舎)

☆ オーシャンマン
1位:園田 俊(流通経済大学)
2位:高岡洋介(国士舘大学)
3位:亀ノ上僚仁(国際武道大学)

LSweb☆女子ビーチリレー
1位:日本体育大学
2位:大阪体育大学
3位:日本女子体育大学

☆男子ビーチリレー
1位:日本体育大学
2位:国士舘大学
3位:東海大学湘南校舎

☆女子1km×3ビーチリレー
1位:日本体育大学
2位:日本女子体育大学
3位:大阪体育大学

LSweb☆男子1km×3ビーチリレー
1位:日本体育大学
2位:国士舘大学
3位:流通経済大学

☆女子ボードレスキュー
1位:東京女子体育大学
2位:日本大学
3位:早稲田大学

☆男子ボードレスキュー
1位:国士舘大学
2位:国際武道大学
3位:日本体育大学

LSweb☆女子ボードリレー
1位:東京女子体育大学
2位:日本体育大学
3位:成城大学

☆男子ボードリレー
1位:国士舘大学
2位:順天堂大学
3位:国際武道大学

☆ 女子レスキューチューブレスキュー
1位:早稲田大学
2位:日本大学
3位:日本体育大学

LSweb☆男子レスキューチューブレスキュー
1位:国際武道大学
2位:拓殖大学
3位:法政大学

☆女子総合成績
1位:早稲田大学 58p
2位:日本大学 50p
3位:日本体育大学 49p

☆男子総合成績
1位:日本体育大学 61p*
2位:国際武道大学 61p*
3位:国士舘大学 55p
*同点の場合は1位獲得種目の多いほうが上位となる
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