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中高生、躍動!
第6回全日本ユースライフセービング選手権大会 開催
2014/06/10

The 6th Japan National Youth Lifesaving Championships

LSweb


館山・世田谷LTと
成城学園LSCが総合優勝!


6月7日、8日の両日、中学生・高校生を対象とした、全日本ユースライフセービング選手権大会が千葉県南房総市の岩井海岸で開催された。

関東地方は大会2日前に梅雨入りし、初日は終日雨、2日目も競技終盤まで小雨交じりの曇りという生憎の天候となったが、肌寒さを吹き飛ばすような熱戦が繰り広げられたのだった。


文・写真=LSweb編集室




19チーム212人が参加

LSweb 今年で6回目を迎えた全日本ユースライフセービング選手権大会。
 この大会は、日本ライフセービング協会(JLA)の学生室が企画した高校生プログラムから発展したもので、今大会は中学生、高校生を対象に19チーム、212人が参加する規模に成長した。

 盛岡LSC、山形LSC、柏崎LSC、下田LSCなど、関東以外からも多くのチームが駆けつけた大会は、館山・世田谷ライフセービングチームに所属する徳応涼輔選手の選手宣誓でスタートした。

 大会初日は気温も低く、時折大粒の雨が交じる天候。スイムウエア1枚で競技に参加する選手たちは寒かったにちがいない。それでも泣き言一つ言わず、もくもくと競技に挑むユース選手のお陰もあり、予定どおりスケジュールが消化されていった。
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 この日は中学1年生を対象としたフレッシュマンのランスイムラン、続いてサーフレース、1kmビーチランの3種目で決勝レースが行われ、1kmビーチランでは、中学生女子の部で館山・世田谷LTの深作 蕗選手、高校生女子の部で同じく館山・世田谷LTの深作 萌選手が優勝。姉妹で金メダルを獲得した。

 大会2日目。小雨交じりの天気の中、まずは中学生男女のビーチリレーが行われた。
 事前の練習で、スムースなバトンタッチを見せていたのが下田LSCだ。対面式のバトンタッチはライフセービング競技特有。バトンの受け渡しが、リレーのカギを握っているといってもいいだろう。LSweb

 スタートの号砲がなった。
 女子は俊足メンバーを揃えた館山・世田谷LTがトップでゴールを駆け抜け、男子は部活動としてライフセービングを行っている成城学園LSCがチームワークの良さを見せ優勝した。直前練習で好調だった下田LSCは男子3位という結果だったが、バトンは最後までスムースに渡っていた。

 女子5チーム、男子8チームがエントリーした高校生男女のボードレース。

 女子は湯河原LSCの伊藤優子選手と吉本綾乃選手ペアが、男子は柏崎LSCの片山雄起選手と加藤 豪選手ペアが、それぞれタンデムボードで息の合ったところを見せて危なげなく優勝した。
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 特に片山選手と加藤選手のタンデムボードは、パドリングがぴったり合ってぐんぐんスピードに乗り、後続チームをみるみる引き離してのフィニッシュ。末楽しみな高2、高1コンビの誕生だ。

 高校で水球部に所属しているという片山選手。「両立は大変ですが、でもやりがいがあります」と話す。どちらが好き? という野暮な質問には、「ライフセービングの方が好きです!」とキッパリ言って、ニコリと笑った。

 団体種目で大人顔負けのスリリングなレース展開を見せたのが、中学生男女のタップリンリレーだ。
 ユース大会ではサーフスキーはなく、今回はボード→スイム→ランの競技順で行われたが、スイムが2番目ということもあり、ランとのタッチをどこでするかが勝敗の分かれ道となった。

LSweb 今回はユースの大会ということもあり、競技開始前にオフィシャルから改めて「スイム競技者が第3ブイを回った後ならば、どこでタッチしてもいいとルールブックにも記載されています」という説明があったが、この種目、数年前の全日本(ライフセービング選手権大会)で、下田LSCがスイム→ランのロングリリーフを成功させたこともある、駆け引きも重要な競技なのである。
 とはいっても、競うのは中学生だ。接戦になってくれば、戦術うんぬんを冷静に考える暇はないだろう。

 そして、まさに抜き抜かれつの激戦となったのが、男子の西浜SLSCと下田LSCだ。
 ボードでリードした西浜SLSCに、スイムで追いついた下田LSC。ランへのタッチ直前で、下田の鈴木智弘選手が西浜SLSCの相馬翔太選手に並ぶと、2人はしばし並泳。その間、浜からは各チームの指導者たちの絶叫気味のアドバイスが飛んだ。

 タッチは下田LSCが僅かに早く、ランの土屋俊輔選手がドルフィンスルーへ。その直後にタッチした西浜SLSCの並松竜太郎選手は、水しぶきを上げてウェーディングへ。ここで勝負が決まった。波打ち際の攻防は、西浜SLSCへ軍配が上がった。

LSweb まだまだ体格差の大きいユース選手たち。ウェーディングできる水深も、体格によって大きく変わってくる。また切迫した状況の中で、コーチの声を聞き、相手の選手の動きを見ながら、自分の力を発揮するのはなかなか難しいことだ。

 上手くウェーディングにもっていった並松選手だが、土屋選手のドルフィンスルーを見て、一瞬、迷った様子もうかがえた。土屋選手にタッチした鈴木選手は、「ゴーグルが曇って前がよく見えず、安全課のテントを目指してしまいました。最短コースで浜を目指していれば……」と悔しがった。

 勝った者も、そして負けた者も、一戦、一戦が大きな財産になっていく。まだまだ中学生。これからもどんどん経験を積んで、クラブの大黒柱に育つことを期待しよう。

個人種目も白熱した展開に

 個人種目でも手に汗握るレースが展開された。中でも面白い展開となったのがボードレースだ。

 通常、ボードレースでは中学生はニッパーボードを、高校生はマリブボードを使用する。しかし、中学生も高学年ともなれば、明らかにニッパーボードでは体格に合わない選手も出てくる。そこで今大会から、本人が望めば、中学生でも高校生に混ざって(マリブ)ボードレースに出場することができるようになったのだ。

 地域クラブに所属する選手が中心となったが、中学生も複数参加したボードレース。女子は3人の中学生が健闘を見せた。
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LSweb 女子ボードレースの1位は上野真凛選手(西浜SLSC)。2位は前川紗槻選手(柏崎LSC)。3位は名須川茉莉乃選手(茅ヶ崎SLSC)。表彰台はいずれも、HPT(強化育成選手枠)の高校生だったが、以下、4位に鵜木海緒選手(館山・世田谷LT)、5位に津嶋笑満花選手(館山・世田谷LT)、6位に内堀夏怜選手(西浜SLSC)と3人の中学生が入賞した。

 まだあどけない表情の3人だが、ボードに乗る姿は堂に入ったもの。これまた末楽しみな選手の出現だ。

 一方、男子はやはり高校生が強かった。このレース1位の皆川貴海選手(西浜SLSC)は、「僕たち、同い年なんです」と2位の加藤選手(柏崎LSC)と肩を組む。

 「同い年のライバルがいるなんて、僕は幸せだなぁ」と、大人が聞いたら思わず吹き出しそうなことを笑顔で言うが、彼らはHPT所属で厳しい練習を共にこなす間柄。ライバルであり、仲の良い友だちでもあるのだ。
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 今大会では、クラブや学校という枠を越え、仲良く談笑する選手たちの姿をそこかしこで目にした。レース後に握手とともに交わす一言、空き時間に一緒にボードに乗る姿。

 メンバーの少ないチームは、時に心細く、時に圧倒されることもあっただろう。でも、ライフセービングという繋がりで200人以上の仲間が集まったことも分かったはずだ。

 2日間にわたって開催された今大会。最終種目のビーチフラッグス決勝が行われるころには、晴れ間が見えてきた。
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 予選、準決勝を勝ち上がってきた選手たちは、ユースをいえどもいずれも強者たちだ。中学生、高校生ともに熱戦が繰り広げられ、ルールに基づき失格も厳しく判定された。

 中学生女子のビーチフラッグスを制したのは、高山萌々選手(館山・世田谷LT)。
 腰を痛めているという高山選手だったが、昨年に続いての優勝となった。中学生男子はタップリンリレーでも活躍した並松選手(西浜SLSC)が優勝。こちらも二連覇を達成した。

 高校生女子は深作選手(館山・世田谷LT)が、川島美春選手、杉崎友梨選手の成城学園LSC勢を退け優勝した。

LSweb この年代では頭一つ抜け出た感のある深作選手だが、レース後に「今日のレースを振り返ると、スタートの起き上がりと、後半にスピードが乗れないことがある、といういつもコーチから言われていることが、やっぱりできていない時がありました。もっとしっかり練習して、いつかは世界を目指したいと思います」と、頼もしいコメントを聞かせてくれた。

 深作選手は現在、高校2年生。中学生の部を制した高山選手は中学3年生。来年は、チームメイトでもある2人の対決が見られることになりそうだ。

 高校生男子は吉川喬哉選手(昭和第一学園LSC)、高橋友美生選手(成城学園LSC)、桜井雄大選手(成城学園LSC)、和田拓海(西浜SLSC)が接戦を勝ち上がり、メダルを賭けた一戦に臨んだ。LSweb

 ベストスリーを争うレースでは、惜しくも和田選手がフラッグを掴み損ねたが、続くレースで高橋選手が不正スタートのため失格に。最後の1本は吉川選手と桜井選手の一騎打ちとなった。

「コンペティターズ レディー ヘッズダウン ピー!」
 起き上がりはほぼ互角。回転から数歩は吉川選手のほうが若干速かったが、後半で桜井選手が伸び、ほとんど差のない状態で2人はフラッグに飛び込んだ。上がる砂煙……フラッグをがっちり握ったのは、しっかりと狙いを定めた吉川選手だった。

 ビーチエリアを担当したオフィシャルが、「彼は高校生プログラムの時から速くて、注目していたんですよ」と言うとおり、吉川選手の動きには光ものがあった。しかし、2位の桜井選手もほぼ互角の戦いをしていた。

「(高橋)友美生はHPTのメンバーでもあり、いつも一緒に練習してもなかなか勝てません。でも自分は1本、1本集中して、全力を出そうと決めていました。結果は2位でしたが、全力を出せたので後悔はありません」と話す桜井選手は、「本当にありがとう」と言って表彰式の後に吉川選手に握手を求めた。
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「実は一番焦ったのは決勝の1本目でした。緊張して上手くタイミングが取れなくて、ダメかと思いました。それ以後は少し落ち着いてやることができました」と吉川選手。

 海が遠いため、普段は学校の人工芝の上で、主に起き上がりの練習と、そこからスピードに乗って走り出す練習をしているという吉川選手に、目標とする人は? と聞くと「競技種目は違いますが、今年3月に卒業した河上尚輝先輩です。大学でライフセービングを続けていて、とにかくその姿勢が格好いいんです」と答えてくれた。

 高校生2人でユース大会に初参加した鎌倉LG、中学生1人で大会に臨んだ熱川LSCと大竹SLSC、高校生1人でがんばった湘南ひらつかLSC、さらには中学生・高校生各1人ずつで男子総合8位に入賞したバディ冒険団、たった一人で女子総合8位と大健闘した茅ヶ崎SLSCのメンバーもいた。
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 またユース大会常連の攻玉社LTは高校生男子レスキューチューブレスキューで3位の成績を残し、十文字高校LSC勢は女子総合4位に食い込んだ。
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 最後に晴れ間がのぞいた第6回全日本ユースライフセービング選手権大会。総合優勝は、女子=館山・世田谷LT、男子=成城学園LSCで幕を閉じた。
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★☆「第6回全日本ユースライフセービング選手権大会」成績表☆★









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