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アリーナレスキュー 日本代表レポート その2
園田 俊選手が感じた手応えと課題
2014/06/27

ARENA RESCUE REPORT Part Ⅱ

LSweb今年6月、フランスのモンペリエで開催されたライフセービングの国際大会「ARENA RESCUE(アリーナレスキュー)」

日本ライフセービング協会は、今年9月に同じくモンペリエで開催される「RESCUE 2014」世界大会を見据えて選手の強化と各国の競技レベルを推察するため、今大会に日本代表選手団を派遣した。

この大会に参加した男子日本代表の和田賢一選手(式根島LSC)と園田 俊選手(新島LSC)の2人から、大会へ参加しての手記をもらうことができた。

パート1の和田選手のレポートに続き、今回は、大会での体験を踏まえて世界戦へ向けての具体的なポイントや課題を見つけだした園田 俊選手のレポートを紹介しよう。

文=園田 俊選手(日本代表/新島LSC)
写真=日本代表選手団(Team JAPAN)






アリーナレスキュー、日本総合2位

 2014年6月2〜11日にかけて、「アリーナレスキュー」という国際大会出場のため、フランスのモンペリエに遠征させて頂いた。

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 この大会は9月に開催されるRESCUE2014フランス大会のプレ大会として位置づけられている。フランスのクラブチームが主であり、ナショナルチームが参加するのは初めてで、日本の他にもオランダ、ドイツといった強豪チームも参加していた。

 そういった強豪チームを抑えて総合2位という結果を得られたことは、すごく意味のある結果となったと共に、世界大会の前に同じ環境での大会に出場できたことが大きな経験値となった。

◆プール競技

 想像していたよりも広くはなかったが、慣れない水深3mのプールに最初は苦戦した。1m変わるだけでこうも違うものかと感じていたが、事前の練習でしっかりと感覚を掴むことができた。客席はプールを挟んで両サイドに分かれており、2階にはサブプールも併設されている。

 実際にレースに出場してみて、特に感じたことがあったのはフィン種目である。マネキントウ・ウィズフィンではチューブが硬く、ピックアップに苦戦した。わかっていても苦戦してしまったのでここは課題である。
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 次にマネキンキャリー・ウィズフィン。なんといっても水深3mの潜水である。事前の練習でもなかなか思うような潜水ができずに本番を迎えたが、結果からいえば、深いプールでの潜水の感覚を掴むことができた。どの程度潜行したら水底に近づいていくのか、ピックアップ後の浮上の仕方など、収穫が多いレースになった。

 今大会のプール競技では、水深3mプールでのレースそのものが、どの種目においても貴重な経験となった。
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◆オーシャン競技

 今回の大会ではオーシャン種目にも出場させて頂いた。プール同様、ビーチもオーシャンも秋に行われる世界大会と同じ環境(エリア)での大会であった。

 海のコンディションはこの時期、午前中は風もなく、波もない状況だった。午後になるにつれて風が吹き始め、うねりも多少出てくる。波長の短い小さなうねりなので、小さなうねりを掴めるパドル力と、それを繋いでいけるテクニックが必要となる。

 気になるショアの地形は、ギリギリ走れるくらいまで深くなった後、浅くなり、また深くなるといった地形であった。
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 スイム種目の場合は特に、相当の距離をウェーディングとドルフィンスルーを使っていくような地形であった。足が長くある程度の深さまでなら走れてしまう海外の選手に打ち勝てるテクニックが重要であると感じた。

 その他に必要なことは、なんといってもスタート直後に他選手の前に出る全力でのランのスピードと爆発的なパワーがポイントとなる。
 
 ランのスピードといえば、オーシャンマン、ウーマンでのトランジットである。ここはかなりのキーポイントだ。いくらスイムやクラフトで並んで浜に上がってもこのトランジットで離されてはもったいない。

 このトランジットで抜かす、あるいは前に出る、最低でも離されないことが重要である。だからこそランがポイントで、課題でもある。ここはこだわっていきたいと思う。
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 最後に天候について、晴れたらものすごく気温があがり、日本よりも日差しが強く感じられた。なんといっても陽が射している時間帯が長く、朝の7時くらいから夜の7時、8時くらいまで明るく日差しが強い。そしてその時間帯まで大会が行われていた。

 世界大会ではわからないが、今大会はそういった大会進行で、競技の進行の仕方も日本とは異なったので非常にタフな大会となった。こうしたことは私たちにとって、とても貴重な経験となった。

すべてに感謝

 今回の遠征に参加させて頂くにあたり、イレギュラーなことが多くある中で、無事に全日程を終了し、帰国できたのもたくさんの方々の支えのお陰である。

 日本チームはフランスの方々やオフィシャルの方々から、ものすごく賞賛して頂き、嬉しいお言葉も頂いた。細かくは触れないが、とにかく日本人らしさだとか、日本のライフセービングスピリッツを忘れずにこれからも精進していきたい。
 そして、結果にも表れているように「チーム力」をキーワードに、一人ひとりが〝誰かのために、チームのために〟という想いで切磋琢磨できればと改めて思った次第である。
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 最後になりましたが、日本ライフセービング協会をはじめ、フランス協会、監督、コーチ、トレーナー、チームメイト、本当にたくさんの方々に感謝申し上げます。また、現地では通訳のお二人にも大いに助けて頂きました。ありがとうございました。

 そして応援して下さる皆さま、今後ともよろしくお願い致します。








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