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目指せ、 大学日本一!
42校が激突!! 第30回全日本インカレ選手権
2015/10/02

第30回全日本学生ライフセービング選手権大会
The 30th Inter College Lifesaving Championships

2015.9.26-27 千葉県・御宿海岸

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大学生ライフセーバーが一堂に会する全日本インカレ選手権。今年は1986年の第1回大会から数えて、30回目の節目の大会を迎えた。

大会会場の千葉県御宿海岸に集結したのは、九州から関東までの大学42校。一向に止まない雨の中、大学日本一の座をかけて熱い戦いが繰り広げられた。



文・写真=LSweb編集室




サーフ競技は長距離決戦

LSweb 御宿の海は今年も手強かった。

 オーバーヘッド、時にはダブルサイズの波がコンスタントに打ち寄せ、強い潮流が東から西へと流れるコンディション。極めつけは、ショアブレイクでの強烈なダンパーだ。

 そんな状況を目にして、荒天のためサーフ競技の大半が実施できず、総合成績がつかなかった、昨年の大会が頭をよぎった関係者もいたのではないだろうか。

 だが、今年はなんとしても総合成績を出してあげたい、という大会スタッフの尽力もあり、ハードコンディションながらも無事、大会が成立した。

 ただし、ブレイクポイントの沖側にブイを設置したため、スイムブイ(連ブイ)までの距離が通常の倍以上になるロングコースに。選手たちにとっては、波だけでなく距離も克服しなければならない、タフなレース展開となった。

 最初の決勝種目は男女のサーフレース。

 女子は泳力に定評のある早稲田大学の高柴瑠衣が鮮やかにボディーサーフィンを決め、まずは一種目目の優勝を手にした。2位は大学1年生ながら最後まで高柴に食らいついた、日本大学の成澤侑花。

 タフなコンディションで無我夢中とおもいきや、「沖から来た波に高柴さんがスーっと乗っていくのが見えた時、さすが日本代表だなぁ、上手いなぁと思いました」と、客観的にレースを振り返る落ち着きぶり。今後の活躍も期待できそうだ。
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 男子は法政大学の松林俊樹、小松海登がワンツーフィニッシュを決めた。

 「昨年2位で悔しい思いをしたので、今年は絶対に勝ちたかったんです。1年に速い後輩がいましたが、先輩の意地がありますから」と松林。

 1年の速い後輩、小松は「インのブレイクでがんばったら、アウトはバテバテで、自分の順位は全然わかりませんでした。でも上がってきたら先輩たちが歓声を上げてくれたので、慌てて走りました」と言った後、「初めてのインカレで表彰台に立てちゃいました!」と満面の笑顔を見せた。
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 2人はともに波崎SLSCに所属する仲間でもある。IMG_5559

 「夏のガードは皆で寝泊まりして、なんか家族になったみたいで楽しかったです」と天真爛漫なコメントを聞かせてくれた小林。ライフセービングが楽しくてしょうがない、そんな新人ライフセーバーの活躍に、先輩や応援に駆けつけたOBOGたちも大いに盛りあがっていた。

 スキー→ボード→スイム→ランと繋いだ、オーシャンマン/オーシャンウーマンリレー。女子はスキーで抜けだした早大が独走態勢で優勝。男子は大阪体育大学と早大が抜きつ、抜かれつの大接戦を演じた。

LSweb 大体大は小林 海がスキーで飛び出し、僅差のリードを保ったまま最後のスイムへ。

 しかし、最後の最後で早大の江藤亜門が波に乗り大体大をかわすと、ランの小澤俊仁がトップでフィニッシュラインを駆け抜け、男女アベック優勝を飾った。

 「タッチの5秒前までは勝てる! と思っていたのですが……。僕が振り向いた時には、早大がもう走り出していました」と悔しそうに唇を噛んだのは、大体大のアンカー、関路哲史だ。

 だが、サーフのリレー種目で同大学が表彰台に上るのは初めてのこと。確実にレベルアップしている大体大が、総合成績でも表彰台に立つ日はそう遠くないかもしれない。

ビーチ競技は混戦模様

LSweb 初日、二日目と予想外に雨が長引いた今回のインカレ。ビーチの砂は重く湿り、足にまとわりつくようなコンディションとなった。

 予選、二次予選、準決勝と長丁場の戦いを勝ち上がり、ビーチフラッグスの決勝に勝ち上がったのは、男女各8人。

 いずれも強者たちだが、日本女子体育大学の川崎汐美と、国際武道大学の堀江星冴は、頭一つ抜けた存在だった。

 2人は8月末にオーストラリアで開催された国際大会にも出場。大柄な外国人選手相手に互角の戦いをしただけあり、落ち着いたレースさばきで優勝を手にした。
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 ビーチスプリントはゴールラインを切るまで、誰が勝ったか分からない僅差の勝負となった。女子は日本体育大学の長野文音が連覇、男子は成城大学の荒井滉太郞が、同大学にインカレ初の金メダルをもたらした。

 「昨年は自分のレースのことだけを考えていれば良かったのですが、今年は学生委員としての仕事や、リレー種目への出場もあり、アップの時間もなかなか取れませんでした。でも、そういう状況で勝てたので自信がつきました」と長野。
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 荒井は、「昨年は2位。その悔しさを忘れずにレースにのぞみました。応援の後押しもあり、念願のタイトルを手にすることができすごく嬉しいです」と頰を緩めた。

 瞬きする余裕すらなかったのが、接戦となったビーチリレー。LSweb

 この種目の勝敗を左右するのが、対面式でのバトンタッチだ。ランナー一人、一人の走力はもちろんだが、いかにスムースに、スピードに乗ってバトンの受け渡しができるかで、順位が大きく入れ替わる。そして途中でバトンを落としたら、挽回するのはかなり厳しい。

 だからこそ、スタートの直前までバトンの受け渡しを入念に確認しているチームの姿も見られた。だが、しっかり練習したつもりでも、思わぬミスが出るのが本番だ。シーンと静まりかえった会場に、スタートガンが鳴る。

 今大会、1走からアンカーまでしっかりとバトンを繋ぎ、ゴールラインを横切ったのは、女子が日体大、日女体、大体大という順番。
 男子は日体大、国士舘大学、東海大学湘南校舎だった。審判から順位札を渡された瞬間、優勝チームは拳を掲げ、喜びを爆発させた。

 チームメイトの声援を受けながら砂浜を走り、駅伝形式で行われるのがインカレ独自の種目1km×3ビーチリレーだ。この種目、ここ数年は日体大のアベック優勝が続いていたが、今年は日女体大、国士大が優勝を手にした。

 「私たち勝てると思っていたので、最初からとにかく飛ばしていきました」と声を弾ませたのは、昨年2位の雪辱を晴らした、日女体大アンカーの大井麻生。直前に出場したサーフ種目の疲れも見せず、ライバルの日体大を振り切った。
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 「2年続けて2位だったので、今年は絶対に勝ちたかったんです」とチームメイトを信じて襷を繋いだのは、国士大4年で2走の鈴木 秀。アンカーの須藤 凪はゴール直前で逆転し、その思いに応えた。襷は来年、後輩たちに引き継がれる。
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総合優勝の行方は……

LSweb サーフ競技は、時間を追うごとにタフさが増した。2日目の午前中に行われたサーフスキーレース決勝。女子は早大の大山玲奈、高柴瑠衣がワンツーフィニッシュ。3位には日女体大の大井麻生が入った。

 「瑠衣と一緒に表彰台に上れたらいいね、とは話していましたが、まさか優勝するなんて!」と自分で驚いた大山。予想では、優勝は新潟産業大学の高橋志穂だと思っていたのだとか。

 その高橋は4位で、「4連覇の夢が途切れちゃいました」とポツリ。

 一方、3位の大井は「インで出られないと勝てないと分かっていました。LSweb(大山)玲奈さんが目の前でブレイクを抜けたので、この人について行こうと。
 アウトはもう腕がパンパンでしたけど、でも波に乗らないと勝てないから死ぬ気でパドルを入れました。尊敬する2人と一緒に表彰台に立てて嬉しいです」と満面の笑み。

 大山、高柴、大井の3人は、社会人が多く集まる藤沢市・境川での自主練にも顔を出し、トレーニングをしてきたのだそうだ。

 男子は大体大の小林 海が3連覇を達成。アウトで離された東海大クレストの渡辺駿典は「来年は僕が勝ちます」と宣言した。
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 オーシャンウーマンでは再び、大山玲奈、高柴瑠衣の早大コンビがワンツーフィニッシュを決めた。LSweb

 「ラストがスイムで、(スイムの得意な)瑠衣が追ってくるのが分かっていたのでドキドキしましたが、諦めずにがんばっていれば波も味方してくれると思っていました」と大山。4年間の努力の成果が、学生最後のインカレで実を結んだ。

 オーシャンマンも早大が2人を表彰台に送り込んだ。優勝は早大の榊原 司。2位に慶応義塾大学の上野 凌、早大の江藤亜門は3位に入った。

 「オーシャンマンはずっと目標にしていたタイトルです。同期の(大山)玲奈と、いつか取りたいねと話していたことが実現して、すっごく嬉しいです」と榊原。チームメイトの大活躍に早大が沸いたのはいうまでもない。
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 男女のレスキューチューブレスキューと、男子のボードレスキューで優勝し、レスキュー種目で強さを発揮したのが日体大だ。LSweb

 「レスキュー種目には特別な思いがあるので、ここだけは落としたくなかったんです」と口にしたのは、主将、副将ペアでボードレスキューを制した山口祐太と坂本 陸。

 女子ボードレスキューは、高柴、大山の早大ペアがまたまた優勝。

 2位は鈴木悠花と藤沢真帆の国士大、3位は成澤侑花と栗原夏希の日大が入った。
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 女子のレスキューチューブレスキューは、全員3年生の日体大の4人が、絶好調の早大を抑えて優勝。

 男子も強豪の神奈川大学、国際武道大学をかわし、日体大が勝利した。LSweb

 「2人が力泳してくれたお陰で、僕ら日本一のドラッガーになることができました!」と喜びを表現したのは、小椋隆継、玉井 颯。そしてペイシェントの幡野圭祐、レスキュワーの宮腰太輔とがっちりと握手を交わした。

 サーフ種目の最終レース、ボードリレーはインのショアブレイクをどう攻略するかが勝敗の分かれ道となった。

 セットにはまり、沈を繰り返して審判から競技の中止を告げられるチームもある中、女子は再び、いや三度(四度?)、早大がトップフィニッシュを成し遂げた。

 2位は最後で離された日女体大。「う〜ん、悔しい……」と肩を落とした日女体大のその横で、歓喜の声を上げていたのが、3位の青山学院大学だ。
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 田村汐帆理、中村 優、白鳥紗貴の3人は、「今までは人数が少なかったので、リレー種目には出られなかったんです。波が高くで緊張しましたが、怖いというよりは、皆で出られて楽しい! という気持ちのほうが大きくて。表彰台に上れて、もう本当に嬉しいです」と抱き合って喜んだ。

LSweb 男子は、セットの感覚が比較的長い海面から沖に出ようと、スタートラインから大きく左に迂回するチームもあった。

 その作戦で前半、リードを奪ったのが法大と大体大だ。3人目のアンカーがスタートしたのは、法大、大体大、国士大の順番。上位2チームは左へ、国士大は正面へ。

 この時、真っ先にブレイクを抜けたのは国士大だった。6位でタッチした日大も正面突破で沖ブイを目指す。勝負はここで決まった。波に乗って最初に戻ってきたのは、国士大。続いて日大。表彰台の最後の一枠を争う法大と大体大は、逆転につぐ逆転の結果、法大が手にした。

 「ブレイクで苦戦している時に国士大が抜けるのは見えましたが、最初から左に迂回する作戦だったので」と法大アンカーの渡邉孝之。
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 「左から出るチームのことは気になっていましたが、自分たちは国士大らしくまっすぐ正面突破でいきました」と話してくれたのは、国士大アンカーの牛越 智だった。

 すべての競技が成立した、第30回全日本学生ライフセービング選手権大会。総合優勝は女子・早稲田大学、男子・日本体育大学で幕を閉じた。

 少数精鋭の早大勢が大活躍した今大会、表彰式では臙脂色のユニフォームに身を包んだメンバーが次々と表彰台に上った。

 その様子はさながら、『都の西北〜♪』で始まる同校の校歌のように、『わせだ〜、わせだっ、わせだ〜、わせだっ、わせだー、わせだー』の勢いを最後まで感じさせるものだった。(敬称略)



【第30回全日本学生ライフセービング選手権大会 成績表】



☆★☆種目別表彰台☆★☆

オーシャンマン&オーシャンウーマン

オーシャンマン&オーシャンウーマン

オーシャンマンリレー&オーシャンウーマンリレー

オーシャンマンリレー&オーシャンウーマンリレー

サーフスキーレース・男女

サーフスキーレース・男女

サーフレース・男女

サーフレース・男女

ボードレスキュー・男女

ボードレスキュー・男女

ボードリレー・男女

ボードリレー・男女

レスキューチューブレスキュー・男女

レスキューチューブレスキュー・男女

インカレグッズ・デザイン表彰

インカレグッズ・デザイン表彰

ビーチフラッグ・男女

ビーチフラッグ・男女

ビーチスプリント・男女

ビーチスプリント・男女

ビーチリレー・男女

ビーチリレー・男女

1km×3ビーチランリレー・男女

1km×3ビーチランリレー・男女








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