
全日本の後に開催されるオーシャン競技会として年々盛り上がりを見せているのが、千葉県内のライフセーバーが参加する「BOSO CUP」だ。
さて、今年の大会やいかに?
ホストクラブである、銚子ライフセービングクラブの浅見雄一郎さんにレポートしていただいた。(LSweb編集室)
文=浅見雄一郎(銚子LC)
写真提供=BosoCup
総勢400人超が参加
10月17〜18日に千葉県銚子市にある、銚子マリーナ海水浴場にて第13回千葉県ライフセービング競技会が開催された。この大会はBOSO CUP(房総カップ? 暴走カップ?)という愛称で千葉県内のライフセーバーに親しまれている。
今大会には県内27クラブ、350人の選手、オフィシャルやトレーナーチーム等のスタッフを含めると400人を超える規模となり、全日本の各地方予選に匹敵するほどの大会へと成長した。また、この大会は他の大会にはない、アットホームな雰囲気が漂っているせいか、オフィシャルにも大変人気のある大会でもある。
大会初日〜予選から白熱の戦い〜
大会初日の朝は生憎の雨と冷たい北風が吹く天候となった。そんな中、各種目の予選が始まる。
今大会は、個人種目として、ボードレース、サーフスキーレース、フレッシュマンボードレース、ビーチフラッグス、ランスイムラン、オーシャンマン・オーシャンウーマンの6種目。
団体種目として、ビーチリレー、本来4人のオーシャンマンリレーを、5人で行うタップリン5の2種目。合計8種目で総合優勝を争う形となった。
アットホームな大会とはいえ勝負は真剣そのもの。次ラウンドに進出し歓喜するものもいれば、敗退し涙をのむ選手もいる。そこは全日本選手権や全日本学生選手権と大きな違いはない。
今大会の目玉種目はフレッシュマンボードレース。
このレースの参加資格は今年からライフセービングを始めたライフセービング歴1年未満の選手に限るものであり、必然的に大学1年生が多く参加するレースとなる。筆者の目には、ラインナップする選手の姿は先輩たちとは違い、どこか自信がなく、緊張感を隠しきれていないように映った。
スタートのホーンが鳴り、海に向かいダッシュする選手たち。
フレッシュマンということもあり、マリブボードの扱いに慣れていないせいか、インや勝負所で沈をしたり、最後の波打ち際の処理にもたついて、惜しくも次ラウンドに進出できないなど、通常のボードレースにはないドラマがフレッシュマンレースにはある。
浜辺で後輩のレースを観戦しているチームの先輩の中には「何でそこで沈するんだぁ~~~」と頭を抱えるも人もおり、予想のつかないレース展開には最後まで目を離すことができなかった。
またベテランライフセーバーにとっては、競技会のスイム種目としてお馴染のランスイムランが今大会で復活。
調べてみると、全日本選手権でランスイムランが行われたのは2005年が最後。神奈川県の大会で一時期復活したものの、現在のスイム種目の主流はサーフレースとなっており、競技会でランスイムランが行われるのは非常に貴重な機会となった。
サーフレースとは違い、ランスイムランは読んで字の如く、走って泳いで走る。スタートしてから走る距離が長く、泳ぎ終わり浜に上がってからも、更に走らなくてはいけないため、泳力がある選手が優位にレースを展開できるわけではないのがランスイムランの特徴である。
1位で海から上がってきたのに、ゴール手前で抜かれたり、決勝進出ラインの選手たちの最後の激しいランの攻防が非常にエキサイティングであった。サーフレースとは違い、選手が見えている時間が長いから、観戦がしやすいとの声もあり、来年以降も本大会ではランスイムランが採用されることを期待したい。
選手たちの熱気が天に伝わったのか、大会が進むに連れて天候が回復し、天候も大会の盛り上がりに花を添える形となった。大会初日に各種目の予選が終了し、ボードレースを残し、決勝進出者が出揃った。さて決勝の熱戦は……レポートVol.2「大会最終日」に続く!
BOSO CUP番外編
その1 仮装オフィシャル
今大会はハロウィーンが近いこともあり、最後のタップリン5の折り返し旗がカボチャに変身! オフィシャルからも「優しく回って下さーい」とアナウンスがあった(笑)。
その2 充実の出店で縁日気分!?
大会会場の銚子マリーナには数多くの出店が並んだ! 銚子名物の「ぬれ煎餅」や「いわし団子汁」、「フランクフルト」や「混ぜご飯」、「おでん」などが出店されていた。
中でも人気だったのが、「スモークターキー」と「ベーコン串揚げ」と「ピザ」。若い選手が多いせいかカロリー高めの商品が人気であった。
 カボチャの折返し旗 |  出店の様子 |
その3 オーストラリアに追いつけ! IRBレース
オーストラリアで行われている、IRBを使ったレースも行われた。彼らは普段の大会で安全課として選手の安全を守ってくれる。いわばライフセーバーのライフセーバーだ(IRBとはInflatable Rescue Boatの略称である)。
彼らのテクニックは以下のURLから動画で見てもらいたい。説明するよりも百聞は一見に如かず!