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11月開催のプールインカレ
37チーム、708人が千葉に集結!
2015/11/19

第7回全日本学生ライフセービング・プール競技選手権大会
The 7th Japan National Intercollege Pool Lifesaving Championships

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7回目を数えるプールインカレが、
2015年11月14〜15日、千葉県国際水泳場にて開催された。

開催時期は過去、最も早い11月。
海インカレから2カ月、全日本から1カ月。

夏のパトロールから続いた怒濤の今シーズンが、
この日、フィナーレを迎えた。

2015.11.14-15 千葉県習志野市・千葉県国際総合水泳場

文・写真=LSweb編集室




大学1・2年生、大活躍

LSweb 個人6種目、団体5種目、男女合わせて計22種目で競われるプールインカレ。

 そのうち、4×25mマネキンリレーと、メドレーリレー・インカレバージョン以外はタイム決勝で争われる。

 タイム決勝の場合、申請時の申告タイムによりヒート順が決定されるのだが、この大会が初のプール競技出場となる大学1年生や、競技経験の浅い大学2年生は、本番で自己記録を大幅に更新することも多い。

 ヒートが早い段階で好タイムを出すのは決まって、1、2年生だ。頼もしい若手の出現に、会場の雰囲気がザワつく。

 今年のインカレでは、早くも最初の種目200m障害物スイムでそんなザワつきが起こった。

 女子は第6ヒートに登場した日本大学1年の成澤侑花が、大会記録に迫る2分16秒40をマークし、そのまま優勝を決めた。
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 同じく大学1年生、日本女子体育大学の黒岩美緒が2位、3位は東海大学湘南校舎2年の塩原あかりと続いた。
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 男子は第4ヒートで泳いだ日大1年の池端拓海が、これまた大会記録に迫る2分03秒57を記録し優勝。2位には神奈川大学2年の廣田 諒が入った。最上級生の意地を見せた、早稲田大学4年の江藤亜門は3位だった。
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 この種目、女子はなんと1位から7位まですべて大学1、2年生が占め、男子も入賞者8人のうち5人が大学1、2年生という顔ぶれ。来年以降の記録更新に期待がかかる。

 4×50m障害物リレーを制したのは、女子は東海大クレスト、男子は神奈川大学。塩原あかり、中島静香、遠口紀子、船津美と繋いだ東海大クレストは、大会記録に0.01秒及ばなかったものの2分00秒31で2位の日大に2秒以上の差をつけた。
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 男子は1位から4位までが大会記録を更新する激戦となった。
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 優勝したのは2ヒート目に泳ぎ、大島圭介、徳元将太郎、北畑優成、廣田 諒と繋いだ神大。東海大クレスト、中京大学、日大がデッドヒートを繰り広げた最終ヒートは、逆転で東海大クレストがヒートを制したものの、神大には僅かに及ばなかった。
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繋がれ!学生ライフセーバーの輪

 続いて行われた200mスーパーライフセーバーは、泳力だけでなく、レスキューチューブやマネキンといった道具を使うテクニックが問われるこの種目だ。

 上級生に一日の長があるかと思いきや、女子は新潟産業大学2年の高橋志穂が優勝、2位には日体大の井熊理子、3位には日大1年の成澤侑花が入った。
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 大学2年生とはいえ、ジュニア出身でユース代表も経験している高橋はトランジットが上手い。だが本人は「スイムそのものの強化を図ったことが勝因だと思います」と分析。プール競技での初タイトルに笑顔を見せた。

 男子は日本体育大学4年の坂本 陸が優勝。同種目4連覇を達成した。
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 学生時代しか出場することのできないインカレでの4連覇は快挙。ジュニア時代からの経験と、たゆまぬ努力の成果だろう。2位は早大の榊原 司、3位は明治大学の湯浅泰旺と、表彰台の顔ぶれは奇しくも前回とまったく同じだった。

 タイム決勝で争われた4×50mメドレーリレーは、総合得点に加算されないため若手メンバーで組む大学が多い。それでも勝負は真剣だし、もちろんタイムは公式記録に認定される。
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 女子は山口 茜、津川茉由子、黒岩美緒、金子紗瑛の4人で泳いだ日女体が、1分52秒30の大会新記録で優勝。男子は木村荘太、岡田充弘、五藤恵輔、中村 嶺と繋いだ中京大が、同大学初となる金メダルを獲得した。

 関東圏以外では、ライフセービングクラブのある大学はまだまだ少ない。東海地方も例外ではなく、愛知県で活動している大学クラブは中京大の他、日本福祉大学、そして金城学院大学の3校だけ。合同練習などもしているが、新しい技術や情報などに触れる機会が少ないのが悩みだそうだ。

 JLA学生室のメンバーはいないのか? という問いかけに、
 「どうやったら学生室のメンバーになれるのか、そこからして分からない状態で……」と口にした中京大の岡田充弘。

 「だから召集の時とかに隣の人に一生懸命声をかけて、仲良くなろうとしています」と、リレーメンバーと顔を見合わせながら話してくれた。
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 今大会のテーマは「繋〜瞬間を大切に〜」。

 リレー2種目でメダルを獲得した中京大のメンバーたちは、きっと一緒に表彰台に上った大学との繋がりを持ったはずだ。関東から全国各地へ、学生ライフセーバーの輪がどんどん繋がっていけばいいなと思う。

学生界にも高反発フィン登場

 女子20ヒート、男子29ヒートが行われたのがマネキントウ・ウィズフィンだ。女子は東海大クレストの船津美帆が1分07秒29で、男子は日本大学の山口 渓が59秒73で優勝した。
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 2人はどちらも国際大会などで主流となっているロケットフィンを使用。学生ライフセーバーも高速フィンを履く時代になったのだ。

LSweb 反発力が強いこの手のフィンは、正しく使いこなさないと威力を発揮しないし、故障を誘発することもある。

 「フィンのお陰です」と船津は謙遜したが、レースで結果を残すには、かなりの時間を練習に費やしたはずだ。

 「所属する湯河原LSCの先輩から、いろいろアドバイスをもらいました。履いて足を動かすだけで1カ月、それからようやく潜水ができるようになりましたが、まだまだ改善の余地が山ほどあります。
 50mきっちり潜水できることや、マネキンをピックアップした後のキック力の強化など、来年に向けてしっかりトレーニングを積んでいきたいです」と言った後、「フィンだけと言われないように、ほかの種目もがんばります」と付け加えた。
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 大会初日を締めくくった4×25mマネキンリレーは、大歓声の中、予選を突破した8校が激突した。

 優勝は女子が佐藤 遥、遠口紀子、中島静香、塩原あかりと繋いだ東海大クレスト、男子は荒生拓人、中村夏貴、大野祥吾、那須凛斗の4人がマネキンをリレーした日大が、それぞれ後続に2秒、3秒差をつけて優勝した。
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 女子は日体大が2位、日女体大が3位、男子は東海大クレストが2位、日体大が3位となった。

「5月に行われたプール全日本と同じメンバー、同じ順番で泳いで、タイムを2.2秒縮めました!」と破顔した日大の4人だが、実力スイマー揃いの日大はクラブ内セレクションが非常に厳しく、全日本で優勝したメンバーといえども安泰ではないのだそう。
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「またこのメンバーで出たいね、と話していたので、記録が更新できてすごく嬉しいです」と1泳の荒生。2年生1人、3年生3人というメンバーで来年も出場チャンスがある彼らは、「4連勝を狙いますか!」と意気込んだ。

LSweb ところで、男子3位の日体大は、メンバー4人のうち3人が高校時代まで球技に打ち込んでいたノンスイマーという編成だった。

 2泳の七海元紀と3泳の山口祐太は野球部、4泳の大竹達士はサッカー部出身で、スイムは大の苦手。50mを30秒以内で泳ぐという目標がなかなか達成できなかったそうだ。

 それでも4年間コツコツと努力を続けた結果、プールインカレでもメダルを手にすることができた。このメダルは海インカレのビーチ競技で得たメダルと共に、一生の宝物になるに違いない。

 大会初日は女子・東海大クレスト、男子・日大のリードで終えた。このまま逃げ切ることができるのだろうか?

 競技は白熱の大会二日目へと続く。(敬称略)

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