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SERCを攻略せよ! 全日本プール 直前プレビュー2016/05/20

LSweb明日から第29回全日本プール競技選手権大会が開催される。

レスキューアスリートの皆さん、準備は万全だろうか?

この大会の見所の一つが国内で年1回だけ行われるSERC競技だ。

ライフセーバーの本質が試されるこの競技。

SERCチームを率いた篠田敦子さんのコメントと、昨年の優勝チーム西浜SLSCの競技風景をチェックし、
イメージトレーニングに役立ててほしい。

文・写真=LSweb編集室




自助、共助を大切に

LSweb 昨年の大会では、海でもプールでもない水辺の自然公園が舞台となった。その設定に驚いたチーム多かったのではないだろうか。

 通常とは違う設定にした理由を篠田さんはこう話す。

 「自助、共助という言葉は、今、日本ライフセービング協会でとても大切にしている言葉です。自らの命を守った上で、他の人の命を救うという考え方が頭の中に残っていると、今回の設定が十分に理解できるのではないかと思います」

 「しかも今回の設定では、救助機材、いわゆるレスキューチューブとかレスキューボートといった、私たちライフセーバーが思い浮かべるようなレスキュー機材は何一つ準備していない状態でした。
 必然的に身近にあるもの、ペットボトルやクーラーボックスなど、日常的に身近にあるものがレスキュー機材になるということが分かったと思います」

LSweb 前回、特徴的だったのは認知症の人を配置したということだ。その対処の仕方が、採点に少なからず影響した。

 「今回は唯一、西浜SLSCだけが歩いている人が認知症だと気づきました。高齢者や、外国人が増えている社会情勢など、全体を把握する力を鍛えておくと、パトロール時にも大いに役立つと思います。また救急隊への引きつぎも頭に入れて夏を迎えてほしいという思いから、救急隊への引き継ぎも設定しました」

 認知症だと気づいた西浜SLSCの小田切伸矢選手は、

 「僕は職業柄(養護学校教員)、目を離したらまずそうだなという人は体を確保する習慣がついています。相手がどういう状況なのかを感じることも、ライフセービング活動していくためには大事なのだと、改めて認識しました」
 と話していた。

LSweb もう一つ特徴的だったのが、ウォーターセーフティーに重きを置いていた点だ。再び篠田さんに聞いた。

 「レスキューよりも、まずウォーターセーフティーが大事だという認識を、すべてのライフセーバーに持ってほしいと思います。ライフセーバーだからこそレスキューありきの考えではなく、特に今回のようにレスキュー機材のない状況では、自分の身を守ることを第一に考えて行動してほしいです。

 また情報収集能力も磨いてほしいですね。認知症の家族を見つけたチームや、CPRができる人に手伝ってもらっていたチームもありました。すべてが夏のパトロールに繋がることだと思います」

 さて、今年はどんなレスキュー現場が想定されるだろうか。最後に昨年SERCで優勝した西浜SLSCの競技動画を掲載しておくのでぜひ参考にしてほしい。
 
 選手の皆さんはどんな設定に際してもあせらず、基本をしっかり思い出して、当日に望んでほしい。


 ☆★☆ 2015年全日本SERC第1位・西浜SLSCの競技 ☆★☆













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