Competitions

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第4回全日本学生ライフセービング・プール競技選手権大会
競技会レポートVol.1
2013/03/05

2013.3.2-3 静岡県・富士水泳場

自己ベストを目指し
そしてチームの勝利のために
LSweb

速報でお伝えしたように、第4回全日本学生ライフセービング・プール競技選手権大会は、流通経済大学が男子総合初優勝、女子は日本体育大学が初回からの四連覇を達成し閉幕した。

総合成績を見れば分かるように、上位陣の点差は僅か。一種目でも順位が入れ替われば、総合成績も変動するというスリリングな展開だった。富士のすそ野で行われた、接戦の様子を振り返ろう。



文・写真=LSweb編集室





進化した特別種目メドレーリレー

 今大会は、3人がチームを組むインカレ特別種目の200mメドレーリレーから始まった。通常のメドレーリレーは4人1組だが、メンバーが少ない学校でも団体種目に出場できるようにと、プールインカレが開始された当時の学生委員たちが考案したのが、第1泳者と第4泳者が同一人物という、インカレバージョン・メドレーリレーだ。
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 この特別種目が今年、さらにバージョンアップした。決勝に残れなかった予選9位、10位、11位の各校から1人ずつ選出し、学生選抜チームとして決勝に参加してもらおうという試みが実行されたのだ。
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 「選抜チーム枠を設けるにあたっては、学生委員だけでなく、JLAの競技役員や運営役員の方たちと話し合いに話し合いを重ね、学生側の希望を大幅に受け入れていただきました。でも実際に競技をやってみるまでは、選手たちから賛同を得ることができるか不安で……。点数がつかないオープン参加ですし、選抜されたら時間がない中で練習もしなくてはなりませんから」
 と話すのは、学生室競技部部長の西 玄汰(東海大学清水校舎)だ。

 しかし、学生委員たちの不安は取り越し苦労だった。選抜チームで参加した選手たちは、異口同音に「他大学の人とチームを組めたのは新鮮で楽しかった」と笑顔を見せ、また即席チームにもかかわらず男女ともに好タイムを叩き出し、決勝レースに良い刺激を与えてくれたのだった。

 この試みに食いついたのは現役学生だけではなかった。なんと、母校を応援しようと会場に足を運んでいた卒業生たちが、「俺たちも出たかった!」「卒業生選抜チーム枠はできないのか?」と、真顔で話していたのだ。卒業生もうらやむ特別種目の進化。インカレバージョン・メドレーリレーの今後の展開に注目したい。

日本新も飛び出た初日の記録ラッシュ

 大会初日は、男女各6種目の決勝が行われた。そのうち5種目がタイム決勝の個人種目。狙うは自己ベスト、そして大会新記録、日本新記録だ。
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 最初の決勝種目、女子100mマネキンキャリー・ウィズフィンでは、1位の三井結里花(日本大学)、2位の小林夏実(日本体育大学)、3位の大塚彩加(東海大学湘南校舎)までが大会新を更新する高速レースが繰り広げられた。三井、小林、大塚ともに大学3年生。同学年のライバル対決は、ひとまず日本代表の三井に軍配が上がった。

 一方、男子100mマネキンキャリー・ウィズフィンでは大会新こそ出なかったが、1位の菊地 光(日大)、2位の中野達矢(日体大)、3位の多田創一(玉川大学)が1分を切る好タイムで競技を終えた。3人はいずれも大学4年生。4年間の集大成をかけ、熱い泳ぎをした結果がタイムに現れた。

 女子100mマネキントウ・ウィズフィンは、名須川紗綾(文教大学)が優勝した。オーシャン競技での活躍が印象深い名須川だが、昨年は日本代表として世界大会にも出場。泳力も確実に上がり、今大会では50mマネキンキャリーとの2冠を達成した。
 2位の渡邉来美(日体大)、3位の平野夏実(東海大湘南)は大学2年生。4位の木下瑛理子(日大)は大学1年生と将来有望だ。
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 LSweb男子100mマネキントウ・ウィズフィンは、中野達矢(日体大)が大会新となる59秒82で優勝した。
 「マネキンのピックアップをすごく練習しました。本番ではちょっとミスってしまったけれど、でも最後の最後で後輩に残すものができて良かったです」
 と声を弾ませた。4月からは不動産会社の営業として社会人生活をスタートさせるそうだ。

 大会初日、もっとも会場がどよめいたのが、男女の200mスーパーライフセーバーで日本記録が更新された時だろう。

 女子は三井が自身の持つ日本記録を2秒半弱縮める、2分35秒94で優勝した。
 150mでマネキンにレスキューチューブを装着する時、かなり手間取っていたにもかかわらずの日本新だ。レース終了後にその時の状況を聞くと、フックがうまくかからず、自分でチューブにマネキンを乗せたのだとか。

 あそこで手間取らなければ、あと2秒ぐらいタイムを縮められたのでは? という質問には、
 「いや2分30秒台を狙っていましたから」
 と元気に一言。そして笑いながら、
 「私、いつも言うことが大きいのですよね」
 と続けた。2分30秒台なら世界大会で決勝に残るタイムだ。大口、大いに結構。ぜひ実現してほしい。

 男子は大学1年の坂本 陸(日体大)が、清水雅也(館山SLSC)が持つ2分24秒00の記録を上回る2分22秒64で1位となった。自己ベストを10秒も更新したというから驚きだ。LSweb

 「僕はスイムがそれほど速くないので、年が明けてから、ハイパフォーマンスチームのコーチでもある入谷(拓哉)さんに指導してもらい、フィンの練習を猛烈にやりました。その成果が出たと思います」
 と嬉しそうに話した後、
 「妹(日本代表選手の坂本佳凪子)が日本記録を2つも持っていますからね」
 と照れた笑顔を見せた。世界大会ならベスト16に入るタイム。兄の面目躍如である。

 活躍したのは若手ばかりではない。最終学年の4年生が貫禄のレース展開を見せたのが、男女の100mレスキューメドレーだ。男子は石川直人(神奈川大学)が1分08秒76の大会新で1位、橋本将吾(拓殖大学)が1分09秒41で2位。また女子は、栗真千里(日体大)が2位以下を3秒以上引き離し優勝した。
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 「後半は思ったよりバテましたけれど、優勝できてホッとしました。今まではタイムが出てもいつも失格で、悔しいというか、不甲斐ない思いをしていましたから、最後の最後で結果が出せて嬉しいです。4月からはサラリーマンになりますが、泳ぐことは続けていきたいですね」
 と話す石川。
 
 彼以外にも、卒業間近の最後の大会で自己ベストを更新した4年生は多い。4年間、コツコツと続けてきた努力が花開いたのだ。



団体戦を制するものが総合成績も制す?

 学生選抜以外に今大会で新しく導入されたのが、団体種目の得点が個人種目の得点の倍となるダブルポイントシステムだ。
 
 絶対的なエースがいなくても、チーム力を強化することで上位を狙えるようにと取り入れられたのが、1位ならば16点、2位は14点、8位でも2点が加算される本システムだ。しかし当然のことながら、失格の場合は0点となる。
  
 接戦を繰り広げる上位校の場合、表彰台と失格では一気に10点以上の点差となる。勝つためにも失格はできないわけだ。
 失格を減らす、失格を出さないということは、ライフセービングの本質にも繋がることである。

 初日に行われた団体種目は4×25mマネキンリレーの1種目。女子は東海大学湘南校舎が優勝、日本女子体育大学が2位、早稲田大学が3位に。また男子は拓殖大学が優勝、東海大学湘南校舎が2位、流通経済大学が3位という結果となった。この種目、女子2チーム、男子1チームが失格した。いずれも予選を勝ち抜いた強豪校だけに、総合優勝の行方にどう影響が出たのか気になるとことだ。
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=敬称略。(「競技会レポートVol.2」へ続く……)











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