Competitions

第27回全日本学生ライフセービング選手権大会
競技会レポートその2
2012/09/24

2012.9.22-23 千葉県・御宿中央海岸

日体大がアベック優勝で雪辱を果たす



夏の間、各地の浜に散り
ガードを行った学生ライフセーバーたちは、
学校という絆で再び結集し、インカレに望む。
母校の伝統とプライドを胸に……。


文・写真=LSweb編集室





日本体育大学vs国際武道大学。覇者を巡る戦い

 時折、雨脚が強くなる中、オーシャン競技でも熱戦が繰り広げられた。個人種目のサーフレース。最初にスタートした女子は、ブイを回った後も大集団のままゴールを目指す展開となった。混戦の中、最後の最後で波に乗り、逆転したのが栗真千里(日本体育大学)だ。水から上がるタイミングは、2位の三井結里花(日本大学)とほぼ同じだったが、先にゴールラインを駆け抜けたのは小柄な栗真だった。
 プール競技では表彰台常連の栗真だが、サーフ種目では嬉しい初優勝。2位は三井、3位は大塚彩加(東海大学湘南校舎)が続いた。
 
 男子サーフレースは日本代表でもある菊地 光(日本大学)が、追いすがる後続勢をかわし1位でゴールし、種目別との二冠を達成した。2位は石川直人(神奈川大学)、3位は丸橋侑生(法政大学)。実は男子サーフレースの1〜3位はいずれも九十九里LSCの所属。強力なスイマー軍団を擁する同クラブの、全日本での活躍に注目したい。

 個人種目の最後となるオーシャンウーマン、オーシャンマンレースは、ボード→スキー→スイムの順番で行われた。オーシャンウーマン、最初のボードでリードしたのが宮田沙依(日本体育大学)。スキーに入ると日本代表の三井が実力を発揮し、宮田を抜いて先頭に。3位は名須川だ。名須川はボードのスタートでアクシデントがあり大幅に出遅れたが、得意のスキーでごぼう抜きし3位まで順位を上げてきた。そして最後のスイムは三井が危なげなく泳ぎきり、オーシャンウーマンの学生チャンピオンに輝いた。2位の宮田、3位の名須川に順位の変動がなかった。
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 一段と雨脚の強くなったオーシャンマン。スタートから首位を守り、優勝したのが菊地だ。スキーではサーフスキーレース2位の加藤に並ばれる場面もあったが、波を確実に掴んでリードを保ち、スイムでもアウトの最後で波に乗り2位以下との差を広げてゴールした。大学4年生の菊地にとって、インカレのオーシャン競技はこれが最後。昨年の3位から1位に躍進した。
 2位の加藤は、
「ボードで出遅れたのが敗因です。得意のスキーで余力を残し、スイムで逆転する作戦だったのですが、ボードで出遅れたためにスキーも全力投球となってしまい、スイムに入った時には追い上げる体力が残っていませんでした」
 と悔しそう。

 反対に3位に入った園田 俊(流通経済大学)は、
「自分はとにかく最初から全力で行くしかありませんでした。ただ、夏前に膝をケガして、夏はスキーもボードもほとんど乗れなかったのです。その替わりに、ひたすら泳いでいました。今回、スイムが最後だったのは自分にとっては良い順番だったと思います。来年、もう1年あるのでがんばりたいです」
 とメダルを獲得したことで、新たなモチベーションを得たようだ。

 総合優勝の行方を占う団体種目は、熾烈な戦いとなった。特に男子は昨年、国際武道大学が、日本体育大学が2000年から10年間守り続けてきた総合優勝の座を奪取。連覇を狙う国際武道大学と、奪還を誓う日本体育大学が、最後の最後までガチンコ勝負を繰り広げた。
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 LSweb男子ボードレスキューでは、1位の早稲田大学に続き、日本体育大学が2位に入り、両校のスクラッチレースは日本体育大学が一歩リード。続く男子ボードリレーでは、どちらも表彰台に上がることができずドロー。男子レスキューチューブレスキューでは国際武道大学が1位、日本体育大学は表彰台を逃した。そしてついに最終種目の男子1km×3ビーチランリレーとなった。絶叫に近い応援を背にビーチを走る学生たち。この種目1位となったのは、脚力自慢を揃え、部員全員の気持ちを襷(たすき)で繋いだ日本体育大学だった。LSweb
 この時点で日本体育大学男子の総合優勝が確定した。国際武道大学は5ポイント差で2位。もったいないレースもあっただけに、悔しい結果となった。3位は2位と2点差で早稲田大学。4位は法政大学が入った。早稲田と法政は同点だったが、上位入賞者の多い早稲田が3位に。それでもクラブ史上最高位を獲得した法政は喜びを爆発させた。その他、入賞したチームはいずれも僅差。男子は今後も群雄割拠の時代が続きそうだ。
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 女子はというと、団体種目すべてで優勝した日本体育大学が2位に23ポイントの差をつけ優勝。三井の活躍が目覚ましかった日本大学が2位、日本女子体育大学が3位だった。

LSweb「男女アベック優勝することを目指して練習してきたので嬉しいです。国際武道大学はもちろんマークしていましたが、菊地、三井という代表選手がいる日本大学も気になる存在でした。法政大学がビーチランリレーで上がってきた時にはびっくりしましたね。途中、ヒヤヒヤしたこともありましたけれど、ひとまず総合優勝できてホッとしています」
 と笑顔を見せるのは日本体育大学の男子主将、上原脩太だ。

 日本体育大学の強さは、なんといっても層が厚いこと。現在の部員数は106人。今年入った1年生も29人が残っているという。部員が多ければバラエティーに富んだ選手が集まり、それぞれの強みを生かすことができる。もちろん、人数が多いぶん部内競争は厳しく、上級生だからレースに出られるという保証はない。それでも一致団結できる結束力は、ライフセービング競技がただのスポーツではないからだろう。
「うちには絶対的なエース、という存在はいないかもしれません。でも総合力ならどこにも負けない。そういう心意気で活動しています」
 と話すのは、同大OBでもある草柳尚志コーチ。絶対的なエースがいないということは、代が替わってもほぼ同じレベルを維持できるということだ。日本体育大学がインカレで勝ち続ける理由は、そんなところにもあるのかもしれない。
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※下記成績表の速報は上位3名(表彰台)のみ掲載。入賞者の成績は、日本ライフセービング協会のHPをご覧ください。








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