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2012indivi010
第25回全日本ライフセービング種目別選手権大会2012/08/20

2012.6.9-10 新潟県・柏崎中央海岸

佐渡を望む柏崎の海に
全国のライフセーバーが集結!


今年、25回目を迎えた種目別選手権大会が新潟県柏崎市の柏崎中央海岸で開催された。
海に囲まれた日本だが、全日本と名前の付くライフセービング大会が
日本海で開催されたのは初めてのこと。
佐渡を遠望する海で熱戦が繰り広げられた。

文・写真=LSweb編集室




初夏の日本海はフラットだった。オーシャン競技はスタミナ勝負!?

 大会会場となった新潟県柏崎市は、日本海側の海水浴場発祥の地といわれる場所。42kmにおよぶ風光明媚な海岸線には15カ所の海水浴場が設置され、夏になると、県内だけでなく群馬や栃木、埼玉などから100万人以上の海水浴客が訪れる。日本海というと白波砕ける荒れた海というイメージがあるが、夏の日本海は海水浴に適した穏やかな海。種目別選手権が開催された2日間も、波はなくフラットな海面が広がっていた。

 個人種目を中心に行われる種目別選手権。初日、各種目の予選は雨が降ったり止んだりのコンディションで行われた。翌日は曇り。最初の決勝種目、サーフレースは少し肌寒い天候でのスタートとなった。男女ともに接戦が予想されたこの種目を制したのは、女子が高校3年生の坂本佳凪子(西浜SLSC)、男子が菊地 光(日本大学SLSC)の2人。
LSweb 「今日はインがうまくいきました。波打ち際が少し掘れていて、また浅くなっていたんです。掘れているところをうまく越え、スムースにドルフィンスルーに入っていければ……と思い描いていたとおりのレースができました」
 という菊地は大学4年生。教育実習のため、あまり練習の時間が取れず不安だったと話すが、会心のレース運びでオーストラリア帰りの西山 俊(湯河原LSC)に勝った。

 ジュニア時代からライフセービングに親しみ、高校の水泳部に所属する坂本は、日本代表選手として海外試合にも出場している毛利 邦(館山SLSC)や、三井結里花(日本大学SLSC)、水間菜登(勝浦LSC)といった実力者を押さえての勝利。ジュニア仲間の上野真凛(西浜SLSC)も3位に入るなど、若手の活躍が目覚ましい種目だった。

 スタートダッシュが勝敗を左右する、フラットなコンディションでのサーフスキーレース。女子はクラフト系を得意とする名須川沙綾(茅ヶ崎SLSC)が、チームメイトの猪又美佳(茅ヶ崎SLSC)と共にスタートダッシュを決め、船団を引っ張る展開となった。久保美沙代(和田浦LSC)、小松崎あゆみ(下田LSC)、佐伯芽維(白浜LSC)ら力のある選手が追いかけるが、トップの座を譲ることなくゴール。だが、猪又とのワンツーフィニッシュが達成できず、自分の優勝はそっちのけで悔しそうな表情を見せた。
 ベテランの尾田依津子(神戸LSC)は6位入賞。しかし、
「表彰台に上るようじゃないと大きな顔ができませんね」
と笑顔でリベンジを誓っていた。

 一方男子はこの種目の第一人者、松沢 斉(下田LSC)以下、強豪がズラリと顔を並べる白熱のレースとなった。松沢は新艇の国産スキーを引っさげての参戦。
「クラブの先輩である江田邦明さんがデザインしたスキーですから、負けるわけにはいかないというプレッシャーがありました。でも特に今日のようなコンディションでは波切が良く、スピードが出ましたね」
 と優勝してほっとした表情を見せた。サーフスキーの入賞者8人は、すべて社会人。なかでも、2位の落合慶二、7位の後関祐輔、8位の菊地 太と3人を送り込んだ東京消防庁LSCの活躍が目を引いた。
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オーシャンマン、オーシャンウーマン、逆転に次ぐ逆転を制したのは?

 オーシャン種目で最もヒートの数が多いのがボードレースだ。決勝レースは予想どおり男女ともに接戦となった。まず行われた女子の決勝を制したのは坂本。サーフレースに続き二冠を達成した。2位は宮田沙依(日本体育大学LSC)、3位は3月に大学を卒業した佐伯という順位。続く男子は長竹康介(西浜SLSC)が安定した力を発揮し、2位の菊地、3位の小出大祐(東京消防庁LSC)らを押さえ優勝した。

 スキー、スイム、ボードの順番で行われたオーシャンマン、オーシャンウーマンレースでは種目ごとに順位が入れ替わる見応えのあるレースが展開された。まず女子がスタート。スキーで飛び出した名須川を、小松崎、三井、毛利が追う展開でスイムに入ると、三井がすかさず逆転。毛利も3位まで順位を上げた。僅差の勝負となったボードでは、名須川がアウトで三井をとらえ逆転に成功。そのままゴールに走り込み、オーシャンウーマン初優勝を飾った。
「めちゃくちゃがんばって泳ぎました」
 という言葉のとおり、スイムで三井に離されず、毛利にも抜かれなかったのが名須川の勝因。僅差で逆転負けした三井は、悔し涙にくれた。
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 男子はさらに目まぐるしく順位が入れ替わるレースとなった。スキーは落合、長竹、西山の順番。続くスイムで西山がトップに躍り出たが、ここまで2位につけていた長竹がボードで一気にスパート。狙い通りのレース展開で、逆転優勝を手にした。長竹とは学生時代からのライバルである落合は、ボードで西山を抜き2位。西山は僅差の3位。4位には大学1年生の坂本 陸(日本体育大学LSC)、加藤 凌(早稲田大学LSC)と石川直人(神奈川大学LSC)の大学生が6位と7位に入る健闘を見せた。

 唯一の団体種目であるオーシャンマンリレーとオーシャンウーマンリレーは、男子が勝浦LSC、女子が下田LSCの優勝。地元の柏崎LSCが男女ともに入賞を果たし、大きな声援を浴びていたのが印象的だった。特にリレーメンバーの全員が高校生で8位となった柏崎LSCの女子チームは、今後の活躍が楽しみだ。
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大混戦のビーチ競技。勝者の顔には笑顔と涙

 LSweb ビーチ競技、まず行われたのがビーチスプリントの決勝だった。昨日の雨でビーチのコンディションは固め。女子は大学生と社会人、それぞれ4人ずつがスタートラインについた。号砲がなり90mの直線を真っ先に駆け抜けたのは、俊足の藤原 梢(館山SLSC)。2位は遊佐雅美(西浜SLSC)、3位は神戸友美(西浜SLSC)。表彰台は全員社会人だった。

 男子はビデオ判定となる大接戦が繰り広げられた。長時間にわたる判定の結果、同着の3位が岩井大地(東海大学湘南校舎LSC)と石井雄大(日本体育大学)の2人。松本雄二郎(和田浦LSC)が2位、優勝は岡田浩平(愛知LSC)。岡田は昨年のインカレ、全日本から三連勝を成し遂げた。30代として決勝レースただ一人残った北矢宗志(西浜SLSC)は、意地で7位に食い込んだ。

 女子のビーチフラッグスでは、種目別選手権大会に久しぶりに出場した遊佐が、決勝レース、最後の一本で抜群の集中力を見せ、藤原を圧倒。女王健在ぶりをアピールした。3位には新星、利根川莉奈(成城学園)が入った。

 波乱が起きたのは男子のビーチフラッグスだ。決勝レースの1本目でインカレチャンピオンの岡田が落ちると、続いて北矢と本多辰也(東京消防庁LSC)のライバル対決で北矢が失格に。LSweb最後の1本は、全日本チャンピオンの植木将人と、ライフセービングを初めて4年目という和田賢一(式根島LSC)の対決となった。その勝負を制したのは和田。フラッグをつかんだ瞬間、顔を覆った和田に植木が握手を求めた。
「20代のうちに、自分の得意な分野で世界一になろうと思っていました。世界一になるためには、まず日本一にならなければいけません。植木さんは間違いなく、今、日本で一番速い人です。尊敬する植木さんに勝ててうれしいです」
 と一言一言、噛みしめるように離してくれた和田だ。

 最終種目、2kmビーチランを制したのは女子が佐々木聡美(白浜LSC)、男子が鈴木友三朗(日本体育大学LSC)。表彰式が始まるころには、日本海に浮かぶ佐渡島をはっきりと目にすることができた。参加競技者数538人。日本海で開催された初めての全日本大会は、地元、柏崎LSCの尽力もあり、ライフセービング活動のアピールに大いに貢献した大会となった。








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