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JrComp012
第9回ジュニア・ライフセービング競技会 with 第4回JLAクラシック2012/09/04

2012.09.02 神奈川県・腰越海岸

キッズ197人が腰越海岸に集合
楽しくて、ちょっぴり悔しい、競技会!?



9月最初の日曜日、
南は沖縄から北は岩手まで全国各地の小学生197人が参加した、
第9回ジュニア・ライフセービング競技会が開催された。
スタートラインに並ぶ子どもたちの表情は一様に不安そうだったが、
ゴールに飛び込む時の顔は誰もが誇らしげ。
その姿に保護者はもちろん関係者一同が胸を熱くした大会だった。
同時開催された第4回JLAクラシックでは、
35歳以上のベテランライフセーバーが必至の形相でがんばった。
子どもも大人も満喫した大会の様子を紹介しよう。

文・写真=LSweb編集室




ニッパーボード、波に乗るって、楽しいな

 海水浴場が営業を終えた直後の9月2日、9回目を迎えたジュニア・ライフセービング競技会が鎌倉市の腰越海岸で開催された。今年から対象者を小学1〜6年生に限定。それでも200人近い子どもたちがエントリーした。
 
 9月の始まりが週末だったことから、今年は夏休みが2日多かったというラッキーな小学生もいたのではないだろうか。そんな子どもたちにとって、この大会は夏休み最後のイベント。すでに学校が始まっている子どもたちにとっても、ワクワク、ドキドキ、心待ちにしていた大会に違いない。
 ところが、大会当日の朝は傘が役に立たないほどの激しい雨。雨音で目を覚ました保護者も多かったことと思う。幸い、天候は不安定ながら雷が鳴るようなことはなく、ビーチ競技、オーシャン競技共に予定されていた全レースが消化された。
 
 サーフエリアで最初に行われたのは、男女混合小学3、4年生クラスのニッパーボードレース。続いて男女別々で小学5、6年生クラスのニッパーボードレースが行われた。
 子どもたちはニッパーボードで遊ぶのが大好きだ。水辺の事故防止を目的に、夏休み期間中に各地で開かれたジュニア・ライフセービング教室でも、子どもたちに大人気なのがニッパーボードを取り入れたメニューだった。波に乗る感覚はほかの遊びでは味わえない。だからレースでも皆、楽しそうにニッパーボードに乗っていた。
 
 しかし、やはり速いのは、定期的にニッパーボードで練習をしているライフセービングクラブ所属のジュニアたちだ。5、6年生クラスでは表彰台に上がった全員がライフセービングクラブのジュニアたちだった。3、4年生クラスの決勝では、最後の波で4〜5人が横一線に並ぶ場面があったが、西浜SLSCジュニアの志賀海征選手が上手く波をつかみ優勝。ゴール後、「最後に波が押してくれたんだ」と笑顔を見せた。
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あと少し、ブイを数えて、ランスイムラン

 ジュニア競技会は一般にも広く門戸を開放している。今大会にはスイミングスクールやスポーツクラブ、野外活動グループ、そしてライフセービング教室に参加して興味を持ったという普通の小学生たちもたくさん参加していた。
 得意のスイムを生かし、ランスイムランの男子5、6年生クラスでワンツーゴールしたのが、世田谷スイミングアカデミーの深沢大和選手と板場貴大選手。女子5、6年生クラスではチームうみがめの桑原菜緒選手が3位に入った。
 
 海で実力を発揮する子どもがいる反面、足が立たない場所では思うように泳げなくなってしまう子どももいた。特に予選では沖のブイまではたどり着いても、そこから先に進めなくなってしまう子どもの姿が散見された。ブイにつかまり必死な顔の小学生。なんとかゴールさせたいと、安全係のライフセーバーがフォローする。

 「本当に危ない時以外は、やめる、やめないの判断は子ども自身にさせるようにしています。なんとか泳ぎ切って自信をつけてもらいたいので、あそこのブイまで行こう、よし次のブイまで行こうという具合に励ましながら少しずつ進むのです」
 と話すのは、レスキューボードで伴走していた西浜SLSCの風間隆宏さんだ。クラゲに刺されて怖くなり、完泳できない子どももいたが、スイムブイを回りきることができれば、水深が徐々に浅くなるのでもう大丈夫。声援に後押しされ、最後のランを走りきった子どもたちの顔は、順位に関係なく皆、達成感で輝いていた。
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悔しいな、ビーチフラッグス、負けちゃった

 小学1、2年生から参加できるビーチフラッグスは、参加者が最も多い種目だ。この競技は瞬発力だけでなく持久力も必要になる。そこで、スタートラインからフラッグまでは15mと、通常より5m短い距離に設定。スタートの合図はこの競技の第一人者、日本代表の植木将人さん(西浜SLSC)が行った。

 「ヘッズダウン」の声で、一斉に重ねた手の甲に顎をつける子どもたち。目は真剣そのもの。そして笛の合図で振り向く時には、大人顔負けの俊敏性を見せてくれた。しかし、今の子どもたちはその後がおとなしい。競争する機会が少ないためか、1本のフラッグを掴んだまま顔を見合わせているというシーンが何度もあり、その度に再レースが行われた。
 ところが面白いもので、再レースになると子どもたちの顔つきが変わってくるのだ。眠っていた闘争心に火が付くのだろうか? 目つきが厳しくなり、唇をギュッと噛みしめる子もいた。勝てば嬉しいし、負ければ悔しい。だからこそ、子どもたちの顔はどんどん真剣になっていくのだ。
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 男子小学5、6年生クラスの決勝レースではこんなことがあった。優勝した下田LSCの笹本裕太選手は、3位決定戦で2回、優勝決定戦で3回、合計5回も再レースを行った。大人でも集中力を意地するのに苦労する状況だが、本人は尻上がりに集中力を高め、最後は会心のスタートでフラッグを手にした。ビーチフラッグスはたったの数秒で決着がつく。その短い時間にもかかわらず、笹本選手は1レースごとに確実に成長していくのが分かった。そして優勝した瞬間、緊張の糸が切れたのか大粒の涙を流し、小学生本来の幼い顔に戻ったのが印象的だった。

 このほか、波打ち際を走るウェーディングレースや、ニッパーボードに乗った子どもを親が押す親子チャレンジなど、表彰のないファンレースも大いに盛り上がった。2日おまけの夏休みで、子どもたちは大きく成長したに違いない。
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筋肉痛、出るのは明後日!? クラシック

 ジュニア競技会と同様、いやそれ以上に盛り上がったのが4回目を数えたJLAクラシックだ。出場資格は35歳以上であること。今回は男子31人、女子10人、合計41人と過去最大の参加者が集まり、サーフスキーレース、ランスイムラン、ビーチフラッグスの個人種目と、レスキューボードリレー、スイムリレーの団体種目で熱戦を繰り広げた。
 
 主催者側から「ケガをしないように気をつけましょう」という注意事項もあり、和気あいあいとした雰囲気で始まった大会だが、腕に覚えのある元日本代表も多く、知らず知らずのうちにレースは白熱。特にリレー種目は抜きつ、抜かれつのデッドヒートで、40代以上の中年(失礼!)組はあえぎながらのゴールとなった。それでも、参加者の顔には満面の笑みが浮かび、実に満足げな表情。体は思うように動かなくても、心は完全に10年前、あるいは20年前にタイムスリップしているようだった。
 
 親はJLAクラシック、子どもはジュニア競技会という親子参加者が増えてきたのも近年の特徴だ。館山SLSCでは今年、ジュニアメンバーの保護者が2人、ベーシックサーフライフセーバー資格を取得した。その一人、斎藤健一郎さんは娘のひなの選手と親子で参加。「子どもたちがメキメキと力をつけてきたので、負けないように資格を取りました。娘と一緒に、できるだけ長くライフセービングを続けていければいいと思っているのですが……」と切ない親心をのぞかせる。
 
 女子ビーチフラッグスで優勝した福島恵里さんは、夫の福島勝一さん、息子の勝太選手と親子3人で参加していた。「子どもがライフセービング教室に参加したことがきっかけで、この大会に出るようになりました。私自身はライフセービングの経験はまったくありませんが楽しいですね」とコメント。ちなみに勝太選手は男女混合3、4年生クラスのビーチフラッグスで2位。足の速さはきっとお母さん譲りなのだろう。

 「全日本に向けての助走になれば」と本気モードだったのは、サーフスキーレースで優勝した、東海大学湘南校舎LSC OB会の大西 明さんだ。「この年になると、練習をやめたらもう元には戻れません。だから継続するしかないんですね。僕の目標は全豪に出続けているグラント・ケニー。彼の背中を見て育ったオージーは多いはずです。自分もそうなれればいいと思っています」と日に焼けた顔をほころばせた。
 
 年々、参加人数が増えるJLAクラシック。100人規模の大会になる日もそう遠くないかもしれない。

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P.S. 「第9回ジュニア・ライフセービング競技会 with 第4回JLAクラシック」の大会写真を、GalleryにUPしました! Galleryカテゴリでは、JLAクラシック編、ジュニア・ライフセービング競技会編に分けてアップしてあります。子どもたちの真剣ではつらつとした表情は、見ているだけで元気を貰えますね。JLAクラシック編では、久しぶりに現役時代を思い出し奮闘した往年のお兄さん、お姉さん!?ライフセーバーの様子をぜひご覧下さい。クラッシックのビーチフラッグス表彰選手のコメント動画も公開中です。どうぞお楽しみ下さい。









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