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葉山LSCが協力し、大学ヨット部向けに「救命救急講習会」を実施!2014/02/21

神奈川県三浦郡葉山町・鐙摺葉山新港 2014.2.16

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神奈川県三浦半島の相模湾にある森戸海岸や一色海岸、長者ガ崎海岸など風光明媚なビーチの監視パトロールを行っている葉山ライフセービングクラブ。

葉山はまた、ヨットの盛んなエリアで大学ヨット部が多数活動している海でもある。

今回、葉山LSCが地元で活動している大学ヨット部向けに、水難救済会葉山支部や横須賀海上保安部警備救難課と協力して「救命救急講習会」を行った。

その実施報告及び活動に関するコメントを葉山LSC代表の加藤智美さんから頂いたので、当LSweb編集室でレポートにしてお伝えしたい。

文=LSweb編集室・写真&コメント=加藤智美(葉山LSC)





LSクラブとヨット部、学生同士が教え学び合う

LSweb 2014年2月16日(日)、湘南の葉山で活動する大学ヨット部向けに水難事故における救命救急講習会が、NPO法人葉山ライフセービングなどの協力のもと、開催された。

 神奈川県三浦郡葉山町にある鐙摺葉山港は日本における“ヨット発祥の地”として知られている。港に面する道路脇には石碑もあり、当の港では大学や企業のヨット部を中心に多くのセーラーが活動している。

 ヨット、いわゆる「セーリング」はマリンスポーツを代表するものであり、老若男女を問わず愛好者は多い。当然、海の上で風や波といった自然を相手に行うスポーツなので、沈や落水などもよく起こる。

 昨年9月下旬、葉山港沖である大学ヨット部が練習中、ディンギーヨット1艇が強風にあおられて転覆し、乗っていた女子部員が意識不明で救急搬送されるという事故が発生した。部員は、幸いにも後に意識を取り戻したようだが、練習にしろ、競技大会にしろ、水難事故を防ぐ準備を各自がしていても、不慮の事故は起こってしまうのである。

 こうした経緯から、各大学ヨット部の学生が、(安全に関する)何かができないかということで、地元の葉山ヨットサービス・鈴木健之さんに相談。鈴木さんは水難救済会葉山支部の隊長でもあったことから今回の講習会実施に至った。
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 葉山ライフセービングクラブの代表を務める加藤智美さんは、水難救済会葉山支部に属しており、年一回の訓練を同クラブが担当していることもあって協力する運びとなった。

 そんな加藤さんから今回の講習会について以下のようなコメントを頂いた。LSweb

 「今回、ヨット部の主将の子と打ち合わせをしている中で、いわゆる消防の普通救命講習などでは、真剣に聞かない部員もいるだろうということになり、学生が学生に伝えるという形をとりました。

 これが、今回の講習を行うことになったきっかけです。

 ともあれ、今回の講習では、同年代の学生が教えていることもあり、ヨット部の部員たちの心に残ってくれたのではないかと思います。また、逆に、ライフセービングしか知らないうちのクラブ員にとっても、海水浴場に来る人だけでなく、自分たちより船(ヨット)のことや沖のことを知っている人たちがいるということを分かったのではないでしょうか。

 もうひとつ、この講習会を通して、うちのクラブの学生が、いかに真剣に、そして色々と考えて活動をしているのかということが分かり、クラブメンバー一人一人がとっても立派に見えました」


 ライフセーバーとして学び体得してきた心肺蘇生法などの救命措置を他のマリンスポーツを行う同年代の人々に伝えるという試みは、ライフセーバーとしても、海で行っている様々なスポーツやアクティビティを理解するとともに、新たな横の繋がりを得る良い機会となったようである。
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講習会実施報告

日時 2014年2月16日LSweb

主催 水難救済会葉山救難所
協力 横須賀海上保安部警備救難課
    NPO法人葉山ライフセービングクラブ

参加者 葉山沖で活動する大学ヨット部
     【慶応・中央・明治・東工】 合計100名弱

内容 1.葉山救難所より
・葉山沖の危険海域、救助困難海域について
・事故が起きた時の救助体制について(水難救済会とは)
・葉山沖の漁具、漁場についての注意事項について
   2.横須賀海上保安部より
      Ⅰ津波について 【佐々木様より】
 ・津波とはどのように発生し、到達するかについて
 ・地震発生の確認方法、津波発生時の対処方法について
   Ⅱリスクマネージメントについて 【嶋本様より】
 ・リスクの分類(発生頻度と危険度)
 ・ヒヤリハット(ハインリッヒの法則)
 ・リスクマネージメントとクライシスマネージメント
   3.救命講習

救命講習 【葉山ライフセービングクラブ担当】
講師 メイン 加藤智美 小川裕也 倉田晃志 山本青空
   サブ  久保雄暉 河内莉香子 中村貴昭 平子将人
   その他 市川悦子 金子智保子 本田大陸 公文英一
実施方法
  受講者を25人ずつに分け、4ターム講習を実施。
  講習時間は、1タームにつき 1時間30分。
  手技は、5人組みの班に分かれ、必ず一人1度ずつ実施した。
講習内容
 1.葉山海岸で起きた本当にあった事故の話
 2.心肺蘇生法 AEDの必要性についての話
 3.倒れている人へのアプローチ(回復体位の手技)
 4.呼吸の無い人への対応 (心肺蘇生法の手技)
 5.呼吸の無い人への対応 (AEDの手技)
 6.デモンストレーション
 7.シュミレーショントレーニング
 ・ あぶづり食堂まえで人が倒れていたら
・ 葉山新港のテンダーに倒れている人がいたら
・ 合宿所の目の前で人が倒れていたら

※注
感染バリアなしの想定での講習の為、人工呼吸は説明のみとし、受講者には行わせなかった。
講習終了時に、消防主催の普通救命講習等の受講の必要性を説明した。


 
    









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