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三浦海岸SLSC
クラブ設立20周年式典を開催!
2014/03/21

Miura Kaigan SLSC 20th Anniversary 神奈川県三浦市 2014.3.16

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東京湾に面した神奈川県三浦市の三浦海岸。

マリンスポーツのメッカであるこの海岸を拠点にライフセービング活動を続けているのが、今年、クラブ設立20周年を迎えた三浦海岸SLSCだ。


文・写真=LSweb編集室




100年続くクラブを目指して

LSweb 南からの強風でコートがいらないほど気温が上がった3月16日、三浦海岸を見下ろすホテルで「三浦海岸サーフライフセービングクラブ設立20周年式典」が行われた。

 節目の年を祝う会場には、パトロール歴1年の大学生から、パトロール歴20年以上の社会人メンバーまで、またOB・OG、地元の関係者、ライフセービング仲間など50人以上が集った。

 海水浴が一大レジャーだった昭和の時代、首都圏からのアクセスが良い三浦海岸は家族連れや若者でごった返した。郷ひろみやキャンディーズのコンサートが海辺で行われ、京浜急行は朝のラッシュ並にぎゅうぎゅう詰め————。
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 三浦海岸海水浴場運営委員会・大島敬三委員長のそんな回想で始まったパーティーは、続いて、日本ライフセービング協会(JLA)の小峯力理事長からのお祝いのメッセージを川地政夫事業部長が読み上げ、さらに神奈川県ライフセービング連盟(KLF)の加藤道夫理事長の祝辞へ。その後、和やかな懇談へと移っていった。

 ここで少し、三浦海岸SLSCの歴史を紹介しよう。

 三浦海岸の最寄り駅、京浜急行・三浦海岸駅が開業したのは、今から約50年前の1966年のことだ。以来、農業と漁業で生計を立てていた、東京湾に面した静かな町に観光客が訪れるようになり、特に夏は海水浴を目当てに多くに人がやってくるようになった。長い砂浜には足の踏み場がないほどビーチパラソルが立ち並び、波打ち際はそれこそ“芋洗い”状態。残念ながら、溺水事故も起こっていた。
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 1979年、日本赤十字社水上安全法に則った監視活動が三浦海岸海水浴場で始まった。この時に活動した有志たちが、三浦海岸SLSCの生みの親ということになるだろうか。

 三浦海岸海水浴場は、海の家を主体とした海水浴場組合や民宿組合、商店街組合などから構成される三浦海岸海水浴場運営委員会によって開設されている。その運営委員会から、直接雇用されるようになったのが1989年のこと。以後、運営委員会との関係は現在まで続いている。そして1994年、活動母体が組織化され、三浦海岸SLSCが誕生。2014年の今年、クラブ設立20周年を迎えたというわけだ。

LSweb クラブ代表の上村雅幸さんによると、監視業務が開始された1979年からクラブ設立までを「三浦SLSC第一世代」、クラブ設立の1994年から2011年までを「三浦SLSC第二世代」、それ以降を「三浦SLSC第三世代」と位置付けているという。

「日赤の水上安全法をベースに、監視艇なども利用してパトロールしていた第一世代、JLAの資格を取得し、レスキューボードやPWCを導入した第二世代、その歴史を踏まえた上で、2011年の東日本大震災を経験し、海辺だけの活動ではなく災害時にも率先して活動できるクラブを目指す、という理念を掲げた今(第三世代)があります。今年はクラブ設立20周年であるとともに、三浦海岸で監視活動を開始してから35年目の年でもあります。
 これからも、先輩たちから受け着いた活動を発展させ、そして人を育てて、この先100年続くクラブを目指すのが私たち第三世代の役目だと思っています」
 と上村さんは言う。
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 三浦海岸SLSCでは毎年、ジュニアよりも下の未就学児を対象とした海辺の安全啓蒙「キッズ教室」を開催している。また、防災無線の担当者が亡くなるという東日本大震災の教訓を活かし、避難誘導用のアナウンスCDを作成。いざという時には監視本部からこのCDを流し、ライフセーバーたちは周囲の人たちと共に率先して避難できるような対策を講じている。

 こうした一つ一つの取り組みが、これからの10年、20年、そして100年先まで続くクラブの活動を支えていくのだろう。

 楽しいパーティーの時間はあっという間に過ぎた。
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 久しぶりの再開を懐かしむメンバー、大先輩と緊張した面持ちで言葉をかわす学生メンバー、今後のクラブのあり方について熱く語るメンバー……。賑やかな会場の雰囲気は、想像に難くないと思う。

 パーティーの終盤、今年のパトロールメンバーが整列し自己紹介した。そして今夏の監視長、日本女子体育大学4年の杉山怜美佳さんが「今年も皆で力を合わせて、三浦に受け継がれている言葉“早期発見、早期救助”を実行していきます」と力強く宣言。先輩たち、委員会の方たちから期待を込めた拍手が贈られたのだった。LSweb 
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 ところで、帰路につく参加者には名物の三浦大根が手渡された。三浦大根のように太く、逞しく、地域にしっかりと根を下ろした三浦海岸SLSC。今後のさらなる発展に期待したい。 

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