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来たれ、新入生たち!
今年も八大学合同新歓海練 開催
2016/05/03

Welcome freshmans to join LS clubs!

LSweb入学式が終わったと思ったらはやゴールデンウィークの季節。

この時期、全国のキャンパスでは学生ライフセーバーたちによる新入生獲得に向けてのクラブ勧誘が大詰めを迎えていることだろう。

そんな大学クラブ勧誘において欠かすことのできない重要な行事である新入生向けLS体験会「新歓海練」の様子を今年もまた、取材してみた。

文・写真=LSweb編集室






8大学合同新歓、テーマは“絆”

LSweb ゴールデンウィークを間近に控えた4月24日の日曜日、神奈川県藤沢市の片瀬東浜海岸の一角にたくさんの学生らしき集団の輪ができていた。その傍らにはレスキューボードやレスキューチューブが並んでいる。

 近づいてみると、いかにも初々しい若者たちが着慣れないウェットスーツに四苦八苦しながらも、海に入る準備をしている。この時期、多くの学校ライフセービングクラブがおこなっている、新1年生向けのライフセービング体験イベント「新入生勧誘海練」の集まりだ。

 この日はどんよりと曇っていて風が強く肌寒い陽気。少しばかり不安げな新入生達を気遣って、先輩たちがいろいろと話しかけたり、アドバイスを送ったりしながら走り回っている。

 ただ、この「新入生勧誘海練」の集団をよくよく見てみると、上級生たちが着ているジャージがそれぞれ違っている。神奈川、青山、慶応、実践女子など、各自が所属している大学のライフセービングクラブ名が見てとれる。
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 実はこの新歓海練、関東近郊にある青山学院大学・茨城大学・神奈川大学・慶応義塾大学・國學院大学・実践女子大学・中央大学・帝京大学の8大学が一緒になって行った合同新勧海練だった。

 こうして複数の大学が協力して新歓海練を行うにはワケがある。

 その最大の理由は、いずれの大学も、ライフセービングクラブの部員が少ないということ。だったら小規模で活動しているクラブ同士が協力し合って新入生を勧誘しようと始まった。

 他大学と一緒にやることでのメリットは多い。機材の数が揃うし、サポート体制もしっかり整うから“安心安全”に行うことができるのだ。
 初心者を相手にする体験会では安全が第一。普段なら人手が足りず単独で新歓を行うのが厳しい学校でも合同なら安心して新入生を勧誘できる。そんな新歓海練も今年で6回目を迎えた。
 
 そんな「新入生歓迎八大学合同海練」 の今年のテーマは“絆”。

LSweb 今年、合同新勧海練の実行委員長として奔走した、神奈川大学3年の廣田 諒さんをはじめ、昨年から運営に携わっていたという各大学の主要メンバーは、この企画趣旨を次のように語ってくれた。

 「合同新歓海練は、第一に“いかに楽しく安全にできるか”がすごく大切な部分なので、運営側はみなこれを意識しながら行っています。
 今日参加してくれている新入生は、これを機にライフセービングをやるかやらないかの分岐点になるかもしれないので、ライフセービングはこんなに楽しくて魅力的なんだよっていうのをしっかりと伝えて、少しでも分かってもらえたらいいですね」

 この日、合同海練に参加した新一年生は8大学合わせて55人。平均するとひと大学あたり約6〜7人の参加はよい成果といえよう。

 さまざまなクラブやサークルに負けじと創意工夫と熱意で勧誘した上級生たちの“一緒に活動してくれる仲間を増やしたい”という熱い思いが伝わってくるのがこの合同海練なのだ。
 
先輩に導かれ新入生も充実の笑顔

LSweb 午前10時、各校の先輩たちが春休みを利用して何度もミーティングを重ねつつ、準備を進めてきた海練がいよいよスタート。

 実行委員会リーダーによる開会式から始まり、ビーチクリーン、準備体操に続いて行われたのが、ウォーミングアップを兼ねた手つなぎ鬼。

 緊張している新入生たちの心と体をほぐすのに、手つなぎ鬼はうってつけだ。元気の良い鬼たちに追い回され、走り回っているうちに堅苦しさもどこへやら。いつのまにかみな打ち解け合って歓声を上げている。

 手つなぎ鬼が終わると、上級生によるレスキューシュミレーションが始まった。レスキューチューブを使った救助やボードレスキューなどを次々とリアルに見せていく。

 先輩たちの真剣かつ流れるような救助活動を、新入生たちもまた真剣な表情で見つめている。無事にレスキューが完了し、場の緊張がほどけたところで、各班に分かれて、ビーチ、オーシャンでの体験がスタートした。

 砂浜を使ってのビーチ組は、ウォーミングアップを兼ね、もも上げやスキップなどを取り入れた様々なパターンのダッシュからメニュースタート。
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 適度に身体が温まったら男女に分かれていよいよビーチフラッグス体験会だ。スタート体勢を教わると先輩も交えて試合開始。遠慮がちだった新入生も勝ち上がっていくうちにスイッチが入ったのか、なかなかの熱戦を繰り広げていた。
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 一方、チューブとボードに分かれたオーシャン組は、それぞれ機材の使い方を教わった後、海へ入り実践スタート。ボードに見よう見まねでトライするものの、そう簡単に波には乗れず、乗れてもすぐにバランスを崩しひっくり返る始末。
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 それでも上級生たちの丁寧なサポートのお陰で、しばらくするとボードで波に乗る楽しさを実感し、あちこちで歓声や笑顔が見受けられた。
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 上級生たちは、説明も上手で仲間を楽しませるのが非常に上手い。

 「オーシャンの場合は、必ずバディを作って、その上で上級生をつけてマンツーマンに近い状態で体験させてあげることと、無駄な時間をつくって手持ちぶさたにならないよう気をつけてやっています」と教えてくれたのは、レスキューボード担当の慶応大3年生上野 凌さん。

 各セクションのリーダーたちは、安全面や時間などに配慮しつつ、ファンレースでは新入生たちを巧みにリードしながら、ライフセービングの魅力をしっかりと伝えていた。
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 こうした体験会は昼食をはさんで午後も続いた。
 先輩たちの適切なサポートのお陰で、新入生たちはビーチもオーシャンも存分に体験することができたのではないだろうか。


 各校の新入生たちに参加の動機を聞いたところ、それぞれ以下のように答えてくれたが、そのキッカケは人それぞれ十人十色。

 「今までとは何か違ったことをやってみたいなと思っていたところ、LSクラブの先輩たちの部活紹介が凄く楽しそうでやりがいもありそうだったので参加しました」
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 「自分は救命救急士コースを採っているので、ライフセービングを通していろいろ学ぶこともあると思って参加しました」
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 「もともと競泳をやっていて、海にもよく遊びに行っていたときに見た黄色い(パトロール)ユニフォームがかっこよくて私もやってみたいなと思いました」

 「地元が新潟の柏崎市で友だちがライフセービングをやっていたので興味を持ちました」
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 「キャンパスでの勧誘の時、どのクラブやサークルよりも先輩たちがものすごく楽しそうに話していたので惹かれました」
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 「地元愛知の高校の体育の先生がライフセービングをやっていて、かっこいいなと思っていたので興味を持って参加しました」

 簡単ではあるが、新入生一人ひとりからコメントを貰ってみて、ひとつ共通して感じたことは、みなアクティブで新しいことに進んでチャレンジしようとするポジティブさを持っていること。

 でもこれってライフセービング活動を行っていく上で、とても大切な要素ではないだろうか。水泳の経験がなくたって、新しいことに挑戦するチャレンジ精神があればそれで十分。

 先輩たちの苦労と工夫が詰まった今年の新歓海練を経て、今年は何人の新入生が入ってくれるだろうか。
 入部を決めれば、ベーシック資格取得などなど夏本番を前に大忙しとなるが、きっと充実した学生生活の始まりになるだろう。

 確実にメンバーが増えつつある8大学のライフセービングクラブ。新入生を含め、今後の活躍が楽しみだ。

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