RESCUE2012

大会直前 レスキュー2012情報 その3
さらなる飛躍を目指す日本代表チーム
2012/11/03

Rescue 2012 in Adelaide Preview Vol.3

 11月7日に始まるレスキュー2012まで、あと5日。
 日本代表選手団は昨日、オーストラリアのアデレードに向け出発した。今大会、A代表は総合8位内を目指し、新設のユース部門ではB代表が国際試合のデビュー戦を飾る。
 
 大会実行委員会の発表によると、各国のベストメンバーが顔を揃えるナショナルチーム部門に参加するのは42チーム。ユースチーム部門は10チームが参加する(下記参照)。
 
 ナショナルチーム部門への参加は、前大会から1チーム減った。数字的にはそれほど変わらないが、経済危機の影響かヨーロッパ勢が減り、アジア地域からの参加が増えるなど、参加国の顔ぶれは大きく変わっている。日本代表はどう戦うのか、代表チームがSERCの自主練習を行っていた11月21日、アクラブ藤沢にて入谷拓哉代表監督に話しを聞いた。

LSwebLSweb

——代表メンバーの変更があったようですね?LSweb

入谷監督(以下、入谷):ビーチ種目だけでなく、プール競技でも活躍が期待されていたA代表女子の藤原 梢が、ケガのため代表を辞退したのが三洋カップ終了後のことです。一旦はA代表のサブメンバーである藤浪優希が代表入りしましたが、その後、彼女も体調不良となり、もう一人のサブメンバーである名須川紗綾を派遣することになりました。それ以外の変更はありません。

——代表選手の交代によって戦い方が変わってきますか?

入谷:名須川はクラフト系が得意な伸び盛りの選手ですから、オーシャン競技で力を発揮して欲しいと思っています。日本は相対的にサーフ競技が強いチームです。サーフ競技で点数を稼ぎ、プール競技の順位をカバーして、総合成績を押し上げるという戦い方をしてきました。そのパターンは基本的には変わらないと思います。
 ただし、プール競技でもポイントを積み重ねていかないことには、総合8位だった前大会の上を目指すことはできません。プール競技でA決勝(ベスト8)、B決勝(ベスト16)に進出することを目標にチーム作りをし、トレーニングしてきました。その成果がどこまで出るか……ということでしょうか。

——エジプトで開催されたレスキュー2010では、ビーチフラッグスで男女合わせて3つのメダルを獲得しましたね。その時のメンバーで今回、代表入りしているのは男子の植木将人選手だけで、女子で金メダルを獲った藤原選手、そして2位の遊佐雅美選手は参加していません。日本のお家芸とも言えるビーチフラッグスで高得点が稼げないかもしれないのは、正直、厳しくないですか?

入谷:厳しくないと言えば嘘になりますね。エジプトの時には、女子のビーチフラッグスだけで38ポイントを獲得していますから。今回、それだけのポイントを一つの種目で稼ぐことは難しいと思います。そうなると選手一人一人が、それぞれの出場種目でA決勝、B決勝に進出し、1点、2点というポイントを加算していくしかありません。表彰台に上るような華々しい成績は出せないかもしれませんが、全体の力が底上げされていることを証明できれば、総合8位以内も夢ではないと思っています。

 入谷監督の意を汲み、A代表を引っ張るのが長竹康介キャプテンだ。今回で4度目の世界大会となる長竹選手に意気込みを聞いた。LSweb

——入谷監督は総合成績8位以内が目標と明言していますが、キャプテンとしていかがですか?

長竹康介主将(以下、長竹):総合成績で前回を上回ること、まずこれが目標です。そして、個人としては4つぐらいメダルを持ち帰りたいですね。

——4つというのはどの種目ですか?

長竹:ボードレスキュー、レスキューチューブレスキュー、ラインスロー、そしてSERCです。SERCは前回、2位でした。1位のオーストラリアよりも良かったという審判もいたのですが、そこは採点競技の難しさでもあると思います。ただ、悔しい思いをしたのも事実です。ですから今大会に向けては、強化合宿だけでなく、ライフセーバー仲間に手伝ってもらいSERCの自主練習もこなしてきました。本番の状況がどうなるかは分かりませんが、日本の救助力の高さを証明したいですね。

 レスキュー2012は11月7日、そのSERCから開始される。A代表は長竹キャプテンを筆頭に、植木選手、西山 俊 選手、三井結里花選手の4人がSERCに挑む。また同日行われるB代表のSERCには、小林 海 キャプテン、坂本 陸 選手、髙橋愛海選手、そして皆川綾菜選手が挑戦する予定だ。
 
 SERCで良い結果を出すことができれば、その後の競技に大いに弾みがつく。日本代表の戦いぶりが楽しみだ。

【レスキュー2012参加国(ナショナルチーム=A代表)/42カ国】
 オーストラリア:前回総合成績(以下同)1位/総合得点(以下同)800点
 ニュージーランド:2位/776点
 ドイツ:3位/534点
 イタリア:4位/516点LSweb
 南アフリカ:5位/482点
 フランス:6位/468点
 オランダ:7位/311点
 日本:8位/298点
 スペイン:9位/293点
 アメリカ:10位/245点
 イギリス:11位/239点
 ベルギー:12位/158点
 中国:13位/155点
 カナダ:14位/142点
 エジプト:15位/88点
 スイス:16位/73点
 アイルランド:17位/71点
 デンマーク:19位/60点
 ハンガリー:22位/34点
 香港:24位/24点
 台湾:25位/21点
 シンガポール:26位/16点LSweb
 イラン:27位/16点
 スロベニア:28位/14点
 スウェーデン:29位/8点
 ノルウェー:30位/7点
 フィンランド:33位/0点
 マレーシア:34位/0点
 チェコ:35位/0点
 ケニア:36位/0点
 インド:39位/0点
 アルゼンチン:43位/0点
 インドネシア:前回不参加
 カメルーン:前回不参加
 スリランカ:前回不参加
 タイ:前回不参加
 パキスタン:前回不参加
 フィジー:前回不参加
 フィリピン:前回不参加
 ブラジル:前回不参加
 マケドニア:前回不参加
 ラトビア:前回不参加

【レスキュー2012参加国(ユースチーム=B代表)/10カ国】
 オーストラリア
 ニュージーランド
 日本
 スペイン
 アメリカ
 カナダ
 アイルランド
 香港
 ノルウェー
 ケニア
*イギリスはユース大会に参加しないことを10月29日に表明