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伊豆のベテランライフセーバー 三人衆の挑戦!
熱川〜大島 パドルボード横断行 その1
2014/06/29
A2O (Atagawa to Oshima) Challenge Part 1
おじさん(失礼!)たちはスゴかった!
静岡県の伊豆半島を拠点に、長年にわたってライフセービング活動を続けている、熱川LSCの井藤秀晃さん、下田LSCの江田邦明さん、同じく下田LSCの宮部周作さんの3人が、6月21日、スペックボード(マリブ)での熱川〜伊豆大島(元町)横断(直線距離で約27km)に成功した。
平均年齢42歳。何故、3人は5時間にもおよぶロングパドルに挑んだのか?
ロマン溢れるAtagawa to Oshima Challenge (A2O) の記録を三者三様につづってもらった。
まずはA2Oチャレンジの発起人、井藤秀晃さんのレポートからどうぞ。
文=井藤秀晃(熱川LSC)
写真=兵助丸&宮部周作
動機
平成3年の夏、日本ライフセービング協会(JLA)から熱川YOU湯ビーチにライフセーバーとして派遣されて以来ずっと、伊豆大島はビーチの目の前に大きな姿でいつもそこに在った。
熱川ビーチ南側の突堤の先端には、かつて「伊豆大島まで最短の地」という石碑が建っていた。熱川は写真愛好家の方々の間では知る人ぞ知る、伊豆大島撮影の絶景ポイントでもある。
20年以上見つめているうちに、いつの間にか「いつかあそこに漕いで渡りたい」と思い始めていた。また、13年前に後輩がサーフスキーで、大島への横断に達成した。その彼から「井藤さんはボードで」とエールを送られていたので、心の引き出しの中にいつも現実的な目標として、「ボードで渡りたい」という想いがあった。
キッカケ
昨年、縁があって下田LSCの宮部周作くんを中心に、中園晴之くん、池脇 良くん、そして井藤の面々でカヤックプロ社のパドリングエルゴメーターを取り扱うことになり、ライフセービングパドルボードのエルゴメーターを僕らのプライベートジムに設置した。
このエルゴメーターがとても有効なものであったのと、また使っていて楽しいものだったので、今年の1月から週に一回のペースで少しずつ楽しみながら無理ない強度で漕いでいるうちに、だんだんと身体の調子が上がっていった。
そして4月になる頃には心の引き出しが開き、「大島にボードで渡ろう」と決意した。
メンバーの経緯
毎年2〜4月、私は江田邦明くんと風を読みつつ、サーフスキーで伊豆半島沿岸を長距離漕いでいる。彼はライフセービングでもずっと一緒に活動してきた友人だが、それを超えた大切な「漕ぐ友人」。彼に「遠からずボードで大島に渡る」と伝えていた。
それを覚えていた彼から「今年やるなら一緒に渡りたい」と言われて一緒に目指すことになった。
宮部くんはパドリングエルゴジムの運営で協働している。彼はオーストラリアのコーチングを積極的に学んでいる人で、僕はサーフスキーについてその理論・技術を彼にコーチしてもらっている。
多摩川でスキーの練習をする折に伊豆大島の話をしたところ、彼も「一緒に渡りたい」ということになった。
江田くんと宮部くんは伊豆半島で共に20年以上、クラブは違うがライフセービング活動で悲喜こもごもを共有してきた大切な仲間。共に同じような想いで伊豆大島を見つめていた仲間。自然な流れで決まったわけだが、このメンバーで渡りたいと強く思った。
途中、宮部くんが腰を痛めて練習できなくなった期間があったが、一度も後ろ向きなことを告げず、回復を待っていた。
準備
体力的な準備は、1〜5月にカヤックプロ社のサーフライフセービング(SLS)パドルボードエルゴを、週に一回、週を追う毎に強度を上げて実施した。
4月からはそれに加えて水面(おもに多摩川)で週に1〜4回の1時間漕。さらに、週に2回のジョギングと、時間があるときに階段走を行い、途中2週間、種目別選手権向けに短距離漕の練習に費やした。
ゴールデンウィークに、江田くんと20km漕。体力面の準備不足と海況の予報外れで、予想外に時間がかかりとてもハードだった。このことから天気・海況の予測をしっかり行ない、少しでも厳しい状況の場合、当日の決行・中止の判断はシビアに下すことで全員合意した。
江田くんが町内会の知人の船(兵助丸)に伴走を打診。快諾を得る。伴走船についてもらえることになったので、3人共に信頼する中園くんに見届け人を依頼した。
この時期、伊豆半島と伊豆大島の海峡には南下する潮流がある。干潮にスタートすれば北上する潮の上げ込みがあるので、南下する潮流が北上する干満の動きでだいぶ相殺されるだろうと予測。
潮の動きが少ない小潮で、干潮時間が朝方である6月21日を決行日と決めた。あとはこの時期の傾向である南西風の強さ次第。直前に台風7号が通過したが影響は少なかった。
伴走船をお願いしたものの、近くにはいてもらうが、アクシデント以外は援助を受けないこととした。
最長6時間活動すると想定。給水を各自考えてシステムを用意し、約2リットルをボードに搭載(ペットボトル改造型、市販のハイドレーションバッグなど)。エネルギーゼリーを各自必要な量をウエストポーチで携行した。
当日の様子は、宮部くんのレポートに譲りたい。
終えてみて
当日は予報どおり、曇りという天候にも恵まれ、決行するには絶好の海況だった。とはいえ潮流の変り目がいくつかあり、うねりに若干乗れる区間もあれば、漕げども、漕げども進まない区間も……。
しかし、ボードは水面に近いポジションで漕ぐので、海の動きを直に感じられて、穏やかなときでもあれだけの変化があるのだと非常に勉強になった。変化に合わせて漕ぐことを試すことができたのが楽しかった。
僕はLS競技が好きだ。今では主に観戦することだが。選手としては二流三流だったが、8年ほど前から、フィットネスとしてサーフスキーを楽しみながら漕いでいる。
昨年からそれにパドルボードも加わり、とても楽しい毎日を過ごしている。そんな毎日の積み重ねが、僕を伊豆大島に導いてくれた。
大会に出ても出なくても、大会に出て勝っても負けても、楽しくパドリングを続けるという意識は成立するのか? 僕の答えは「成立する!」だ。僕がその証拠だ。
「伊豆急のトンネルの前まで行ってみよう」「となりの浜まで行ってみよう」「沖のうねりに乗って加速して漕ぎ進んでみよう」
きっと目的はたくさん見つかり、その都度、達成感を得られるはずだ。そうするうちに体調が整ってまた大会に出てみたくなるかも知れない。
そうするうちに、所属クラブからパトロールのシフト打診があったとき、体調がいいもんだから「参加してみようかな」と思うかも知れない。
この二つはあくまで「かも知れない」だが、そんな可能性を秘めたフィットネス、それがパドリング。そんなフィットネス、他にあるだろうか? 現状では存在しないと思う。
今、シリアスに競技に打ち込むあなたも、そうでないあなたも、「引退」と言い放ちパドリングをする時間をなくさないで欲しい。
社会人のみなさんにも、楽しくパドリングを続けてもらいたい。楽しみ方が分からないという人は、僕と一緒にあなたらしい楽しみ方を探しましょう。ご連絡下さい。
最後に、伴走を快諾して最高のエスコートをしてくれた兵助丸さんと、社業が忙しい中を見届け人として船から応援してくれた中園晴之くん、そして一緒に漕いでくれた2人に心から感謝します。ありがとうございました。
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