RESCUE2012

レスキュー2012ナショナルチーム部門が閉幕
日本A代表は総合10位、B代表は4位
総合優勝は7大会ぶりにニュージーランドへ!
2012/11/12

レスキュー2012 現地レポート⑤

 2年に一度開催されるライフセービングの世界大会「Rescue 2012」のナショナルチーム部門が、5日間にわたる日程をすべて終了し閉幕した。LSweb

 大会5日目となる最終日は、昨日に引き続きグレネルグビーチでオーシャン競技が行われ、最後の最後まで参加国による激しいバトルが繰り広げられた。
 オーシャン競技2日目に行われたのは、男子サーフレース、男子ボードレース、女子サーフスキー、そして男女のビーチフラッグス、オーシャンマン/ウーマン、オーシャンマン/ウーマンリレー。
 
 オーシャン競技初日で、プール競技終了時点から一つ順位を落としてしまった日本A代表は、挽回を目指して最終日に挑み、メダルラッシュの沸く日本B代表も、さらなる飛躍を求めて最後の力を出し切った。

 LSweb日本期待のビーチフラッグスでは、オープンクラスにこの種目の第一人者である植木将人選手が登場した。実は今回の日本A代表は、ケガのため女子メンバーの入れ替わりがあり、ビーチ種目を得意とする選手は男女合わせて彼一人という構成。また、参加国の間でも「日本はビーチフラッグスが強い」という認識が共通しており、植木選手は大会開始前からマークされる存在だった。
 
 さらに、今回は伏兵の存在があった。初参加のイランが、陸上選手を中心とした強力な布陣でビーチ種目にエントリーしてきたのだ。元々の情報が少ないということもあり、イランの選手に関しては日本だけでなく、オセアニア勢やヨーロッパ勢もノーマークだったと思う。しかし、オーシャン競技初日に行われたビーチスプリントの予選を目にして、誰もがイラン人たちのスピードに目を奪われた。
 
 オープンクラス男子でビーチスプリント優勝、ビーチリレー優勝というセンセーショナルなデビューを飾ったイランチームの中心メンバー、Ghasemi Reza選手(ビーチスプリント優勝)は、ロンドン五輪の陸上100mで10秒31のタイムを出した選手だったのだ。
 
 もちろんスプリントが速いからといって、必ずしもビーチフラッグスが強いとは限らない。ビーチフラッグスはテクニックも必要な競技だからだ。だが、スプリントが速い選手は、ビーチフラッグスで戦える下地があるということでもある。そして事実、オープンクラスの男子ビーチフラッグスでは、イラン人2人がB決勝まで勝ち上がり、女子は3位で表彰台に上がる活躍を見せた。

 一方、男子A決勝に残ったのは、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカなど、ライフセービング先進国の選手たち。そしてもちろん、植木選手の姿もあった。
 
 植木選手は相変わらず切れのあるスタートを見せ、次々とフラッグを手にしていく。しかし決勝レース3本目で一瞬、フラッグを見失い、ランオフ(再レース)となった。ベスト5となる1本は、植木選手が圧倒。そしてベスト4を決める次ぎのレースで、1コースに位置した植木選手は2コースのオーストラリア選手と同時にダイブした。舞い上がる砂煙が落ち着いた時、フラッグを握っていたのは植木選手ではなかった。

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 3大会連続で世界大会に出場した植木選手だが、今大会にかける思いは、過去2大会に勝るとも劣らないものだったと思う。LSwebドイツ大会、エジプト大会ともに銀メダル。2大会連続で金メダルを獲得した女子の分もがんばり、今度こそ自分が金メダルを獲ると心に誓っていたはずだ。
 
 世界4位は称賛に値する成績で、植木選手には胸を張って帰国してほしい。だが同時に、そんな言葉では植木選手の無念さは晴れないだろうことも想像できる。この悔しさを払うことができるのは、結局、自分自身しかいないのだ。そのことは、今回、世界大会に出場したすべての日本代表選手が分かっているだろう。悔しいから、満足できないから、次を目指す。これで終わりではなく、これが始まりなのだ。

 そして、ここからまさに始まるのが、ユースクラスに出場したU19のメンバーたちだ。大会最終日、女子ビーチフラッグスで利根川莉奈選手が見事に銀メダルを獲得。池谷(遊佐)雅美、藤原 梢と受け継がれてきたニッポン女子ビーチフラッグスの伝統は、新たな後継者を得ることができたようだ。
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 スタートもランも速い利根川選手。優勝を決めるレースでも最後まで僅かにリードしていたが、フラッグを掴む瞬間、オーストラリア選手に体を入れられ奪い獲られてしまった。ビーチフラッグスの醍醐味は、競った状態でいかにフラッグを手にするか。利根川選手には、まだまだ伸びしろがあるはずだ。
 
 10代のうちに世界大会を経験できたことは、B代表すべての選手にとって大きな、大きな財産になったはずだ。飯沼誠司ユース監督が言うように、彼らには次の日本代表を目指す使命があると思う。楽しかった、あるいは悔しかっただけでなく、その先を目指して、良きチームメイトと共に世界の壁を乗り越えていってほしい。
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 今大会の成績を見る限り、世界の壁がはやはり高かった。得意のオーシャン競技でも、日本A代表はB決勝に残れない種目があり、思うようにポイントを稼ぐことができなかった。それは、これまでオーシャン競技はあまり得意ではなかったヨーロッパ勢の躍進、そしてアジアや中近東勢の台頭など、ライフセービング界の勢力図に変化の兆しが見えたことと関係しているのだと思う。
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 オーシャン競技の三強、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカは相変わらず強い。しかし、チーム力が試される団体種目のレスキューチューブレスキューではイタリアが1位に、オーシャンウーマンリレーではスペインが3位に、そしてビーチリレーではエジプトが1位になるなど、今までとは明らかに違ったレースが展開されるようになった。この変化に、日本はどこまで対応することができるのか、今後の課題の一つはそこではないだろうか。

 変化は総合優勝にも現れた。常勝、オーストラリアを破り優勝したのが、7大会にわたって2位の苦渋をなめてきたニュージーランドだ。ニュージーランドチームは今回、「One」というロゴ入りユニフォームに身を包み、絶対勝つぞの意気込みで世界大会に乗り込んできた。
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 大会直前レポート⑤でも既報のとおり、ナンバーワンになるため6年がかりでチーム作りを行ってきたというニュージーランドは、五輪選手4人をチームに加え(スイマー3人、カヤッカー1人)、プール競技でオーストラリアに180点近い差を付けて後半に突入。オーシャン競技でもほとんどの種目で必ずベスト3に入る安定した力を発揮し、2位のオーストラリアに80ポイント差の846ポイントで1998年以来の優勝を手にした。
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 総合成績566ポイントで3位に浮上したのがフランスだ。ヨーロッパ勢の中では、むしろプール競技よりオーシャン競技が得意なフランスは、次の世界大会、レスキュー2014の開催国でもある。10年ぶりにヨーロッパで開催される世界大会に向け、弾みのつく結果となった。

 日本はA代表がSERC:8位、プール競技:12位、オーシャン競技:8位、トータル216ポイントで総合10位。B代表はSERC:3位、プール競技:5位、オーシャン競技:4位、トータル604ポイント、総合4位で大会を終えた。
 A代表は総合成績で9位のスペインに1点差、オーシャン競技でも7位のカナダに1点差という惜しい結果だった。
 
 レスキュー2014は、2014年9月に地中海に面したフランスのモンパリエで開催される。次の大会まですでに2年を切った。それまでに日本代表はどこまで強くなれるのか、見守っていきたい。

文・写真=LSweb編集室




【レスキュー2012総合成績】

オープンクラス

1位:ニュージーランド(846ポイント)
2位:オーストラリア(766ポイント)
3位:フランス(566ポイント)
4位:イタリア(503ポイント)
5位:ドイツ(448ポイント)
6位:南アフリカ(418ポイント)
7位:オランダ(351ポイント)
8位:カナダ(303)ポイント
9位:スペイン(217)ポイント
10位:日本(216)ポイント

ユースクラス
1位:オーストラリア(1061ポイント)
2位:ニュージーランド(991ポイント)
3位:スペイン(800ポイント)
4位:日本(604ポイント)
5位:カナダ(582ポイント)
6位:アメリカ(306ポイント)
7位:香港(263ポイント)
8位:アイルランド(122ポイント)
9位:スリランカ(90ポイント)
10位:ノルウェー(59ポイント)

*大会最終日の日本代表の結果は、改めてお知らせします。




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オーシャン競技初日
陸・海コンビが金メダル獲得!
日本A代表は苦戦を強いられる
2012/11/11

レスキュー2012 現地レポート④

 大会4日目からは競技会場をグレネルグビーチに移し、オーシャン競技が開始された。朝からきれいに晴れ渡ったグレネルグの町は、午前中は風もなく、海面はフラット。午後からはシーブリーズが吹き始め、徐々に波が立つコンディションとなった。
 
 そんな中、男子はサーフスキーレース、女子はボードレースから競技がスタートした。サーフスキーレースの予選でいきなり迫力のパドリングを見せてくれたのが、ニュージーランド代表のスティーブン・ファーガソン選手。カヌー競技で五輪に出場した彼は、スタートから独走態勢で余裕のレース運びを見せた。

 オーシャン競技初日にサーフスキーレースが行われたのは、男子のみ。日本A代表は長竹康介選手と西山 俊 選手が、日本B代表は坂本 陸 選手と小林 海 選手がそれぞれオープンクラス、ユースクラスに出場し決勝を駒を進めた。

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 そして午後に行われた決勝レース。オープン、ユースともに表彰台に立ったのは隣国同士、激しい火花を散らしたオーストラリアとニュージーランドだった。結果、ユースクラスではニュージーランドが1、2位を独占。オーストラリアは3、4位に甘んじた。
 
 一方、オープンクラスではオーストラリアが雪辱を果たし、オーストラリアのシャノン・エクステイン選手が、僅差でチームメイトのヒュー・ダリティー選手、オリンピアンのファーガソン選手を押さえ、勝利のガッツポーズ。見応えのある実に面白いレースが展開された。オーストラリア国民的なヒーロー、エクステイン選手の優勝に観客が大歓声を挙げたのは言うまでもない。

 日本勢はというと、参加選手が少なく一発決勝だったユースクラスでは、ニュージーランド、オーストラリア、アイルランドに続き坂本選手が6位、小林選手が7位に入賞。オープンクラスでは西山選手が11位、長竹選手が14位となった。

 女子のボードレースには、日本A代表から坂本佳凪子選手と佐伯芽維選手、日本B代表から高橋志穂選手と皆川綾菜選手が出場した。
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 こちらも上位独占はオーストラリア、ニュージーランドのアンザック勢。オープンクラスでは、地元オーストラリアのスター、クリスティー・スミス選手がニュージーランドのニキ・コックス選手を振り切り、その実力を見せつけた。オープンクラスの坂本、佐伯選手は決勝に進出することができなかったが、ユースクラスは皆川選手が6位、高橋選手が8位に入賞した。

 オーシャン競技初日はこのほか、男女それぞれビーチスプリント、ビーチリレー、サーフレース、ボードレスキューが行われた。
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 オーシャン競技初日のハイライトは、なんといってもユースクラスのボードレスキューで日本が表彰台の真ん中に立ったことだろう。溺者役は坂本 陸 選手、救助者役は小林 海 選手。
 午後から行われた決勝レースは逆光で視界が非常に悪く、溺者役の動きがまともに見えなかったが、日本はニュージーランド、スペインに続き三番手でボードに。その後、オーストラリアがボードで救助に向かった。
 
 メダル獲得の期待が高まるが、2人の動きは逆光のため良く分からない。目を凝らして見ていると、両手で同時に水をかくシルエットが先頭で戻ってくるではないか。オーストラリア、ニュージーランドは左右交互に水をかくスタイルだから、日本チームがトップということになる。
 
 ビーチに近づくにしたがって顔の判別もつくようになり、日本が確かにリードしていることが分かる。後続はニュージーランドとオーストラリア。最後まで安心できない相手だが、坂本、小林両選手は最後まで落ち着いてレースを続け、二強を従えてフィニッシュ。
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 ユース選手の快挙に興奮したのは、日本人応援団よりも、むしろ地元の観客たちだった。
「ニュースだ! ニュースだ!」
 と騒いで、大急ぎでツイッターを始めたのは、大会公式ウェブサイトでSNSを担当する広報マン。ニュースは瞬く間に世界へ配信された。

 坂本選手と小林選手は、西浜SLSCジュニアの第一世代。小学生時代からニッパーボードに親しみ成長してきた2人は、実はオーストラリアのユースと比べても何ら遜色のない経験を積んできているし、9月に日本国内で開催された国際大会「三洋物産カップ」でも、オーストラリアを破り優勝している。
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 決してまぐれの優勝ではなく、きちんとしたジュニア育成プログラムがあれば(そしてもちろん個人個人が努力をすれば)、日本勢も世界で通用することが証明できたわけだ。
 西浜ジュニア出身の皆川綾菜選手、高橋愛海選手がユース女子ボードレスキューで3位に入ったのも、同じ背景と言えるだろう。
 今、日本では各地でジュニアライフセービングが芽生えている。日本の未来は明るいと言えるのではないだろうか。

 男子ビーチリレーでも銅メダルを獲得し、オーシャン競技で3つのメダルを獲得した日本B代表。一方、日本A代表はプール競技に続き苦戦を強いられている。ヨーロッパ勢でオーシャン競技が強かったのは、これまではフランスとイギリスだけという印象だったが、今大会ではオランダやスペイン、イタリアなども力をつけており、クラフト競技などで中位につけるようになった。その結果、日本が目標としていたA決勝どころか、B決勝の残れない種目があるのが痛いところだ。
 
 残すは大会最終日のみ。ユース世代が目標としてきた先輩たちの強さを、ぜひ見せて欲しい。


【日本代表の成績(大会4日目)】

☆ビーチリレー
4位:B代表女子(速水 愛、皆川綾菜、内藤由里恵、髙橋愛海)
3位:B代表男子(小林 海、坂本 陸、桜井 希、富沢泰介)
11位:A代表女子(水間菜登、佐伯芽維、毛利 邦、名須川紗綾)
11位:A代表男子(植木将人、鈴木陵平、西山 俊、菊池 光)

☆ボードレスキュー
3位:B代表女子(皆川綾菜、髙橋愛海)
1位:B代表女子(小林 海、坂本 陸)
12位:A代表女子(坂本佳凪子、佐伯芽維)
7位:A代表男子(菊池 光、西山 俊)

☆ビーチスプリント
B代表女子
9位:利根川里奈
11位:内藤由里恵
B代表男子
記録修正中
A代表男子
14位:植木将人
予選敗退:鈴木陵平

☆サーフスキーレース
B代表男子
6位:坂本 陸
7位:小林 海
A代表男子
11位:西山 俊
14位:長竹康介

☆サーフレース
B代表女子
8位:皆川綾菜
10位:内藤由里恵
B代表男子
10位:坂本 陸
11位:富沢泰介
A代表女子
9位:三井結里花
予選敗退:坂本佳凪子

☆サーフボードレース
B代表女子
6位:髙橋愛海
8位:髙橋志穂
A代表女子
予選敗退:佐伯芽維
予選敗退:名須川紗綾



プール競技3日目
日本A代表は12位、B代表は5位で競技終了
1位はイタリア、オーストラリアは4位でサーフ競技へ突入
2012/11/10

レスキュー2012 現地レポート③

 プール競技最終日となる大会3日目は、100mマネキンキャリー・ウィズフィン、50mマネキンキャリー、ラインスロー、200mスーパーライフセーバー、そして4×50mメドレーリレーの5種目が行われた。

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 プール競技で10位以内に入れば、来年、コロンビアで行われるワールドゲームスのライフセービング種目に出場することができる。日本代表のひとつの目標が、このワールドゲームスに出場すること。そのために、コーチ陣はスイム力を重視したチーム編制を行ってきたのだ。
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 しかし、個人種目ではなかなか世界の壁を越えることができなかった。A代表で決勝の残ることができたのは、100mマネキンキャリー・ウィズフィンの西山 俊 選手と、50mマネキンキャリーの毛利 邦 選手だけ。毛利選手はB決勝トップの総合9位、西山選手はB決勝6位の総合13位で、貴重なポイントを上げることができた。
 
 個人種目とは反対に、日本のねばり強さを発揮できたのがリレー種目だ。4×25mマネキンリレー(プール競技2日目に行われたが、抗議のため結果発表が今日になった)では、A代表男子がA決勝の残り、1分16秒06の日本記録を更新。
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 また4×50mメドレーリレーではA代表女子がB決勝に進出し12位、男子はA決勝に残り総合7位の大健闘を見せた。ただし、メダルを期待したラインスローでは、A代表男女ともに記録なし、または失格となり残念な結果に終わった。

 一方、ユースクラスではメダルを4個も獲得するなど、B代表の活躍が目立った。
 A代表の参加が42チームになのに対し、B代表の参加は14チームにとどまるなど規模は大きく異なるが、初日のSERCで銅、2日目の4×25mマネキンリレーで銀、3日目のラインスローで銀、4×50mメドレーリレーで銅と4種目でメダルを獲得したのは称賛に値する。
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 伸び盛りの選手たちがメダルを手にしたことで、やる気を大いに高め、自信を深めてくれたことは、日本のライフセービング界にとっても大きな収穫だったと思う。

 3日間かけて行われたプール競技のスコアは、1位がイタリアで418ポイント、2位がニュージーランドで355ポイント、3位がドイツで314ポイント、優勝筆頭のオーストラリアは274ポイントで、明日から得意のサーフ競技に突入する。
 日本はA代表が64ポイントで12位、B代表は268ポイントで5位につけている。
 
 明日から2日間は、グレネルグビーチで日本が得意とするサーフ競技が行われる。ここで巻き返しを図り、ひとつでもふたつでも順位を上げることを期待したい。

【日本代表の成績(大会3日目)】


☆4×25mマネキンリレー(2日目)
4位:B代表女子=高橋志穂、皆川綾菜、内藤由里恵、高橋愛海(1分45秒03)
2位:B代表男子=小林 海、坂本 陸、菅 卓也、富沢泰介(1分21秒13)
失格:A代表女子=三井結里花、毛利 邦、水間菜登、佐伯芽維LSweb
8位:A代表男子=菊池 光、西山 俊、鈴木陵平、清水雅也(1分16秒06)*日本新

☆100mマネキンキャリー・ウィズフィン
B代表女子
5位:高橋愛海(1分11秒72)
7位:速水 愛(1分12秒72)
B代表男子
9位:菅 卓也(1分03秒62)
棄権:小林 海
A代表女子
予選敗退:水間菜登(1分09秒08)
予選敗退:毛利 邦(1分07秒62)
A代表男子
13位:西山 俊(52秒80)
棄権:鈴木陵平

☆50mマネキンキャリーLSweb
B代表女子
7位:内藤由里恵(43秒50)
11位:高橋志穂(49秒06)
B代表男子
6位:坂本 陸(34秒08)
10位:菅 卓也(38秒53)
A代表女子
9位:毛利 邦(38秒30)
予選敗退:三井結里花(40秒39)
A代表男子
予選敗退:菊池 光(33秒92)
予選敗退:清水雅也(33秒37)

☆ラインスロー
5位:B代表女子=髙橋愛海、皆川綾菜(30秒01)
2位:B代表男子=小林 海、坂本 陸(11秒66)
失格:A代表女子=三井結里花、佐伯芽維
記録なし:A代表=長竹康介、植木将人LSweb

☆200mスーパーライフセーバー
B代表女子
10位:高橋志穂(2分58秒30)
11位:皆川綾菜(2分59秒34)
B代表男子
失格:坂本 陸
失格:富沢泰介
A代表女子
予選敗退:三井結里花(2分42秒82)
予選敗退:佐伯芽維:(2分44秒69)
A代表男子
予選敗退:清水雅也(2分26秒89)
失格:長竹康介

☆4×50mメドレーリレー
4位:B代表女子=速水 愛、皆川綾菜、内藤由里恵、髙橋愛海(1分53秒96)
3位:B代表男子=小林 海、坂本 陸、菅 卓也、富沢泰介(1分39秒43)
12位:A代表女子=坂本佳凪子、毛利 邦、佐伯芽維、水間菜登(1分50秒34)
7位:A代表男子=鈴木陵平、西山 俊、菊池 光、清水雅也(1分35秒82)



文・写真=LSweb編集室






プール競技2日目
日本記録更新で健闘する日本代表
トップを走るのはイタリア
2012/11/09

レスキュー2012 現地レポート②

 プール競技5種目が行われた大会2日目。会場のサウスオーストラリア・アクアティックレジャーセンターでは、午前中の予選から白熱した接戦が繰り広げられた。

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 朝一番で行われたのが200m障害物スイム予選。その第1ヒートに登場したのが、B代表の内藤由里恵選手と髙橋志穂選手だ。初めての世界大会で、初めてスタート台に立つ2人は少し緊張したのだろうか、自己ベストに及ばないタイムで最初のレースを終えた。
 
 プール競技は、種目ごとにユース女子、ユース男子、オープン女子、オープン男子の順番でレースが行われていく。続く200m障害物スイムのユース男子には、B代表の森野友也選手と富沢泰介選手が出場した。こちらは適度な緊張感でレースにのぞめたようで、自己記録を大幅に縮める泳ぎを見せてくれた。

 オープンクラスになるとヒート数も多くなり、決勝進出をかけた戦いが激しさを増す。その雰囲気に気後れしたのか、同種目で日本記録を持つ坂本佳凪子選手、三井結里花選手ともに自己記録を更新することなく予選で敗退してしまった。だが、男子の清水雅也選手、菊池 光 選手ががんばり2人とも午後のB決勝に進出。最終成績は菊池選手が総合12位、清水選手が総合16位で6ポイントを獲得した。

 大会2日目に行われたプール競技は、先の200m障害物スイムのほか、4×50m障害物リレー、100mマネキントウ・ウィズフィン、100mレスキューメドレー、そして4×25mマネキンリレーの5種目。4×25mマネキンリレーはオープン女子ニュージーランドの抗議により成績発表が3日目に持ち越しとなったが、残る4種目で成績が確定した。
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 日本代表は100mマネキントウ・ウィズフィンと、4×50m障害物リレーで日本記録を更新した。100mマネキントウ・ウィズフィンでは、坂本佳凪子選手が予選ヒートで、チームメイトである水間菜登選手が持つ1分05秒80を100分の1秒上回る1分05秒79をマーク。また西山選手もチームメイトの鈴木陵平選手が持つ57秒61を上回る56秒88を予選でマークし、B決勝へと駒を進めた。
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 4×50m障害物リレーは、A代表男女が日本記録を更新。女子は水間選手、毛利 邦選手、三井選手、坂本選手がB決勝で1分57秒44をマークし9位に、男子は菊池選手、西山選手、清水選手、鈴木選手がA決勝で1分42秒38を出し8位入賞を果たした(プール競技2日目の日本代表の成績は下記のとおり)。
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 更新されたのは日本記録だけではない。大会2日目には世界新が3つ出た。
 1つ目はオープン女子の100mマネキントウ・ウィズフィンで、ニュージーランドのリー選手が1分11秒23を記録。2つ目はオープン女子4×50m障害物リレーで、五輪スイマー率いるニュージーランドチームが1分50秒39という素晴らしいタイムで記録を更新した。3つ目はオープン男子の200m障害物スイム。決勝レースには五輪スイマーが複数人登場したが、1分53秒44をマークした中国のシン選手が激戦を制した。

 大会2日目を終え、オープンクラスで総合トップに立ったのは211ポイントのイタリア。
 以下、ニュージーランド(194ポイント)、ドイツ(148ポイント)、オーストラリア(144ポイント)と続いている。日本A代表は37ポイントで12位につけている。U19クラスは274ポイントのオーストラリアがリード。以下、ニュージーランド(236ポイント)、スペイン(219ポイント)、カナダ(153ポイント)、日本は131ポイントで5位という順位だ。

【日本代表の成績(大会2日目)】

☆200m障害物スイム
B代表女子LSweb
9位:内藤由里恵(2分24秒96)
12位:髙橋志穂(2分36秒06)
B代表男子
10位:富沢泰介(2分14秒96)
12位:森野友也(2分17秒86)
A代表女子
予選敗退:三井結里花(2分19秒59)
予選敗退:坂本佳凪子(2分21秒23)
A代表男子
12位:菊池 光(2分04秒05)
16位:清水雅也(2分06秒78)

☆4×50m障害物リレー
4位:B代表男子=小林 海、坂本 陸、菅 卓也、富沢泰介(1分49秒52)
5位:B代表女子=速水 愛、皆川綾菜、内藤由里恵、髙橋愛海(2分07秒11)
8位:A代表男子=菊池 光、西山 俊、鈴木陵平、清水雅也(1分42秒38)
9位:A代表女子=水間菜登、毛利 邦、三井結里花、坂本佳凪子(1分57秒44)

☆100mマネキントウ・ウィズフィンB代表女子LSweb
12位:速水 愛(1分14秒55)
失格:髙橋愛海
B代表男子
6位:坂本 陸(1分01秒79)
7位:小林 海(1分03秒62)
A代表女子
予選敗退:坂本佳凪子(1分05秒79 日本新)
予選敗退:水間菜登(1分06秒64)
A代表男子
14位:西山 俊(57秒39)*予選ヒート56秒88が日本新
予選敗退:鈴木陵平(57秒39)

LSweb☆100mレスキューメドレー
B代表女子
9位:内藤由里恵(1分29秒75)
11位:皆川綾菜(1分34秒52)
B代表男子
8位:菅 卓也(1分15秒21)
失格:桜井 希
A代表女子
予選敗退:三井結里花(1分22秒57)
失格:毛利 邦
予選敗退:清水雅也(1分09秒96)
予選敗退:鈴木陵平(1分13秒21)



SERCで日本ユースが銅メダル獲得!
A代表は8位入賞
1位はともにオーストラリア
2012/11/07

RESCUE2012 現地レポート①

 レスキュー2012が開幕した。初日の競技はSERC。A代表が参加するオープンクラスは24チーム、B代表が参加するU19クラスは7チームが参加し、ライフセービングの本質である救助の技を競ったのだった。

 救助現場は50mプール全面。競技時間は2分間。アクセス可能区域は10mほどの一画に限られるという設定は、オープン、U19ともに同じだ。
 
 要救助者はオープンクラスの場合、軽溺7人、重溺(水没マネキン)2人、陸上に傷病者1人という配置。使用できる機材は、水上にレスキューチューブ、軽溺者が使用していたと思われる浮き輪、マット×2、ビート板が浮いており、陸上には1m程度の棒とバケツが置かれていた。
 
 一方、U19の要救助者は軽溺6人、重溺(水没マネキン)2人、陸上に傷病者1人という設定。使用できる機材は、陸上にロープとゴムボール、水上には浮き輪×2、ライフジャケット、レスキューチューブが浮かんでいた。

 オープンクラスから競技が始まったが、日本代表は24チーム(エントリー26チームのうち2チームが危険)中21番目の登場。前回大会で入賞したオーストラリア、カナダ、アイルランド、南アフリカ、スペインはいずれも日本の前に競技を終えており、その中では軽溺、重溺を含めすべての溺者を救助したオーストラリアが一歩リードしているように見えた。

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 そして登場したA代表。リーダー役の植木将人選手の指示を受け、長竹康介選手、西山 俊 選手、三井結里花選手が水に飛び込む。長竹、三井両選手はプールの右サイド、西山選手は左サイドを中心に救助活動を行う。競技中盤、軽溺者を救助していた三井選手から「重溺発見!」の声。すかさず、すでに軽溺者1人を救助し終えた長竹選手がサポート入った。
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 A代表の動きは悪くないように見えた。しかし、50mプール全面を使用した設定に、救助しきれない溺者がいたのも事実。軽溺6人、重溺1人を救助した時点で競技時間が終了した。

 日本A代表が救助することのできなかった軽溺1人と重溺1人は、実は多くのチームも救助できなかった。
 重溺者がいる位置がエントリーできる場所からかなり離れていること、また水に完全に沈んでから再び浮き上がってくる軽溺者の演技が迫真に迫っており、瞬間的に見ただけではなかなか発見することができなかったことがその理由だ。LSweb

 短い休憩を挟んでU19クラスのSERCが始まった。競技順は香港、カナダ、スペイン、ニュージーランド、オーストラリア、日本、アメリカ。

 ユースチームながら、どの国も落ち着いて救助活動を行っているのが印象的だった。中でも、カナダは機材を上手に使いスムースな救助を行い、オーストラリアはオープンクラス同様、重溺を含むすべての溺者にアプローチしていた。
 
 最後から2番目となった日本B代表のリーダーは高橋愛海選手。小林 海 選手、坂本 陸 選手、皆川彩菜選手が水中での救助を担当した。中でもプール左サイドを受け持った坂本選手が、軽溺と重溺を一度に救助する活躍を見せ、B代表は時間内にすべての溺者にアプローチした。
 競技終了後、会場から大きな拍手をもらう出来栄えに、選手たち、そしてコーチ陣も手応えを掴んだようだった。
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 結果はオープンクラスが8位、U19クラスが3位。B代表は優勝が期待できる活躍だっただけに残念な気持ちも残るが、表彰台に登る3位は立派な成績。気落ちせずに明日からもがんばって欲しい。LSweb

 競技内容と採点基準に関しては、オフィシャルにインタビューしてからご報告する。今しばらくお待ちいただきたい。

[SERC成績表]LSweb
オープンクラス
1位:オーストラリア(261.3ポイント)
2位:ノルウェー(246.0ポイント)
3位:カナダ(225.8ポイント)
4位:ニュージーランド(225.5ポイント)
5位:イギリス(224.5ポイント)
6位:フランス(206.8ポイント)
7位:アイルランド(204.3ポイント)
8位:日本(197.8ポイント)

U19クラス
1位:オーストラリア
2位:カナダLSweb
3位:日本
4位:ニュージーランド
5位:スペイン
6位:アメリカ
7位:香港