LSClubs

法政大学SLSC
創立25周年記念パーティーを開催
2018/04/11

Hosei University Surf Lifesaving Club celebrated its 25th anniversary!


卒業式シーズンまっただ中の3月17日、
法政大学サーフライフセービングクラブの
創立25周年パーティーが都内で開催された。

クラブ発足から四半世紀——。
200人以上が巣立ったクラブの歴史を振り返りつつ、
初代から25代まで約80人が和やかに親交を深めた。


文・写真=LSweb編集室





70の手習いはライフセービングが取り持つ縁!?

1期・中條裕太さん

 法政大学サーフライフセービングクラブ(HUSLSC)の活動が始まったのは、1993年のことだ。初代の中條裕太さんは、大学生になったらライフセービング活動をしたいと期待に胸を膨らませて入学したのだが、当時、学校にはライフセービングクラブがなかった。それならば自分たちで作ってしまえ!と、金子昌弘さん、上村雅幸さんらの友人たちと一緒に立ち上げたのがHUSLSCというわけだ。

 経済学部の教授だった苅谷春郎さんが顧問を引き受けてくれたことで、その年の秋には大学公認サークルとなった。当時の様子を中條さんはこう話す。

「多摩校舎のプールを使いたいという一心で、苅谷先生に顧問をお願いしました。ほどんと騙して顧問になってもらったようなものです(笑)」


苅谷春郎さん


 昨年3月に大学を定年退職した苅谷さんは、当時をこう振り返る。
「当時私は経済学部で一番人気のない選択体育という授業を受け持っていました。そこに中條くんたちが入ってきたわけですが、途中から何か魂胆があるなと感じていたところ、顧問になってほしいと頼まれたわけです。いいですよと確かに答えました。顧問になってみると、水泳部が独占的に使っているプールを自分たちも使えるように交渉してくれと。要するに水泳部の顧問や学校関係者の説得係ですね(笑)。あれからもう25年かと感慨深く、クラブの継続・発展をとても嬉しく思っています」

 と言う苅谷さんは、なんと退職後に突然、ボディーボードにはまってしまったのだそうだ。

「水は苦手だったのに、退職後に小さなキャンピングカーで全国を回り、各地の海を眺め波を見ているうちに急にやってみたくなって、今ではすっかりボディーボードの魅力にとりつかれてしまいました。春から秋までは朝4時起きで海へ出かけています。鵠沼へ良く行きますが、大洗や鹿島にも行きましたよ。白髪頭が波間でウロウロしていたら苅谷だと思ってください。まさか老後にこんな趣味ができ、ライフセーバーと同じフィールドにいることになるとは自分でも驚いています」

 そんなスピーチに会場は大盛り上がりだった。

年期のはいった歴代のTシャツ

進行役の20期・岩根千静さんと12期・仲本朗さん



脈々と受け継がれる伝統はとってもお茶目!?

 クラブ創立25周年パーティーはHOPの音頭取りで行われた。HOPとはHuslsc Old Peopleの頭文字からとった名称で、HUSLSCのOB・OG会ということになるだろう。1期から5期までをA世代、6期から10期までをB世代と5期ごとに1グループとし、代によって人数にばらつきがあっても複数代でカバーしながら、集まりや催しの中心的役割を担うシステムを構築している。

色白になった女子の先輩たち

OBから現役まで伊豆白浜チーム集合


 賑やかなパーティー会場でD世代である第20代の荒井美結さんに、社会人生活でライフセービングが役に立っていることは? と聞いたところ、「何事にも我慢強く対処できるようになったこと」という答え。

 そんな先輩たちの背中を見てきた現役世代から、近年の活動実績が報告された。これが実にHUSLSCらしかったのだが、まずは現役キャプテンの小松海登さんの報告を聞こう。

「では次に競技結果の報告をします。2016年度はインカレで男子が総合3位となりました。これはHUSLSC史上最高位です。ビーチ競技での得点が0点だったのにです。昨年度はインカレで男子が総合6位でした。個人種目のみの参加でこの成績です。実は団体年会費未納でチーム種目には出場できませんでした」

 なんと、同クラブは伝統的に”最後の詰めが甘い”のだそうだ。それでも現役世代の小松さん、粂川拓海さん、中村冠さんの3人が日本ライフセービング協会の強化育成チームに選出されており、「一つの大学から3人がハイパフォーマンスチーム入りしているのは法政だけ。つまりHUSLSCは大学クラブでは一番強いのではないでしょうか?(笑)」と小松さんは胸を反らした。

伊藤学さん

 もちろんHUSLSCの伝統は最後の詰めが甘いだけではない。”お洒落で、礼儀正しく、個性的”な気風も脈々と受け継がれている。そんな自由闊達なクラブを現顧問として見守るのが、法政大学の職員でもある伊藤学さんだ。

「私が顧問を引き受けてから10年。クラブ創立から25年。組織というのは歴史を重ねるうちに型にはまっていく傾向が強いですが、HUSLSCは良い意味でお互いがそれぞれの個性を尊重し、のびのびと自由に活動しています。それはなかなか貴重で素晴らしいことだと思います。ただ、大学のHPにクラブの活躍をたくさん載せたいので、団体会費は払い忘れないよう気をつけてください」

 という言葉に、会場がドッと沸いたのはいうまでもない。

 北関東から房総、湘南、そして伊豆まで各地の浜でガードしつつ、クラブとして一致団結するHUSLSCは、卒業後もHOPを通してライフセービングとの繋がりを保っている。節目の時を経て次のステージに一歩を踏み出した同クラブは、この先も個性豊かにHOP、STEP、JUMPしてくれるはずだ。

子ども連れで参加のA世代

仕事で多忙のB世代は少なめの参加


元気ハツラツC世代

社会人生活も慣れてきたD世代




 





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創立20周年を迎えた愛知LSC
中部地方で精力的に活動を続ける
2018/02/27

The AichiLifesaving club's 20th anniversary

LSweb日本で最初のライフセービングクラブが産声をあげてから半世紀以上——。

ライフセービングクラブは、今や水辺の安全確保だけでなく様々な社会貢献活動を展開されるようになり、全国各地でその活動は根付きつつある。

愛知県を中心に活動を行う愛知ライフセービングクラブ(代表・水川雅司氏)もそうだ。同クラブは今年で創立20周年を迎えた。

節目の年を迎えられた感謝を伝えるべく、このほど名古屋市内で創立記念祝賀会を開催。当日の模様を3代目代表の水川さんにレポートで紹介しよう。(LSweb編集室)

文=水川雅司(愛知LSC)・写真=愛知LSC





クラブの発足はファミレスでの熱い議論から!?

LSweb 愛知ライフセービングクラブ(以下、愛知LSC)は去る2月3日、名鉄ニューグランドホテルで「創立20周年祝賀会」を開催。

 当日はご来賓の入谷拓哉日本ライフセービング協会理事長をはじめ、クラブ員、OBら関係者約80人が参集し、旧交を温めることができた。
 はじめに、愛知LSCの歴史について紹介させていただきたい。

 専修大学サーフライフセービング愛好会出身の福山幹氏が、ライフセービングを志す有志と共に「ライフセービングが全く普及されていない愛知県において、クラブ発足に向け、どのようにして活動を展開するのか?」などとファミリーレストランで議論を始めたのが、わがクラブ創設の黎明(れいめい)となった。

 その後、福山氏が日本ライフセービング協会を通じて、愛知県内のライフセーバー有資格者と連絡を取り、1998年4月愛知労済40周年記念事業の支援を受け、福山氏を初代代表とする「愛知ライフセービングクラブ」が発足。国内では珍しい、都道府県名を冠にしたクラブ名が誕生した。発足時のライフセーバー数はわずか数人と聞いている。

LSweb 同年6月には、第1回目となるベーシック・サーフ・ライフセーバー講習会を内海(うつみ)海岸・千鳥ヶ浜(愛知県知多郡南知多町)にて開催。その翌月には、同海岸にて監視活動開始にようやくこぎつけることができた。

 当初は有志らによる完全ボランティア活動であった。

 翌1999年7月には、愛知県知多市の人工海浜公園・新舞子マリンパーク内に開設された新舞子ブルーサンビーチにて監視活動を開始。内海海岸に次いで2カ所目となる活動拠点となった。その後、愛知県田原市や同常滑市内の海浜・海水浴場より、シーズン中の監視業務を受託。現在は6海浜にて監視活動を行っている。

中部地方の水辺イベントで活躍

 また、私たちの活動を語るうえで、オープンウォーター競技における監視救助活動も外せない。

 当クラブでは発足当初より、愛知県のみならず、岐阜県や三重県におけるトライアスロン競技、最近ではオープンウォーター競技のスイムパートにおける救護活動にも多く携わっている。

 選手の安全を確保した大会運営をより重視する主催者のニーズが高まっているなどの追い風もあり、我々が活動に携わる大会は年々増加。

 2017年実績では、中部国際空港周辺を舞台に開催するトライアスロン国際大会「アイアンマン70.3セントレア知多半島ジャパン」など14大会において、競技者の安全を確保する活動を行った。
 これらの活動は我々が必要とされていることが認識できる場でもあり、我々クラブの自信にもつながっている。
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 このほか、JLA認定の資格講習会(JLAアカデミー)も積極的に展開している。愛知ライフセービングクラブ所属の指導員は12名おり、夏季のみならず、年間を通じてライフセービングの普及に尽力している。

 このような活動実績が認められ、2005年5月にはより公益性を高めるためにNPO法人格を取得。クラブ2代目代表でもある鈴木雄三氏を代表理事とする「愛知県ライフセービング協会」(以下愛知LS協会)を発足した。

 2008年2月からは愛知県常滑市にて、陰ながらご支援いただく地元海浜アドバイザーさんの協力を得て、中部国際空港を臨む地に、オーストラリアのライフセービングクラブを思わせる建屋を賃借しクラブハウスを開設。
 これを機にさらに地域に密着した機動的な活動を展開できるようになったことや、クラブ員間のコミュニケーション活性化、練習拠点としての競技力向上、活動範囲の拡大などが実現でき、現在に至っている。
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継続できる環境作りと次世代の育成に注力
 
 前置きが長くなったが、祝賀会では冒頭、鈴木雄三愛知LS協会代表理事が「名門クラブと呼ばれるような、ビッグなクラブにしたい」との熱い想いを込め、開会の挨拶を行った。
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 続いて、日本ライフセービング協会入谷拓哉理事長より、祝辞を頂戴した。入谷理事長ご自身が、愛知県ご出身ということもあり「今後も全力でサポートする」などとの大変心強い言葉は自身の琴線に触れた。

 また、乾杯の音頭をとって頂いた初代代表の福山氏より、クラブ発足時のエピソードが披露された。特に創設時のお話を初めて耳にした多くの参加者は感慨深げだった。

 会場では昔を懐かしむ想い出話で花を咲かせる出席者の姿が見られた。20周年を振り返る映像が上映されると、20年間の歴史を引き継いできた重みを改めて実感した。

 楽しい時間はあっという間に過ぎ去り、井藤秀晃日本ライフセービング協会中部支部長の力強い三本締めをもって閉会した。
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 愛知ライフセービングクラブは、発足以来「人と人との繋がり」をとても大切にしている。

 最近の社会問題の一つである人手不足は、当クラブも例外ではない。クラブ員が長期にわたり活動が継続できる居心地の良い環境づくりに軸足を置きながら、次の10年に向け地道に歩みを進めたい。

 また、今後はジュニア・ユース世代への教育活動や競技力向上にも注力していきたい。

 これまで活動機会が少なかった次世代への教育活動の増加で、ライフセーバーもしくはライフセービング活動への良き理解者の増員につなげ、ひいては水辺の事故ゼロ実現に寄与できるよう、引き続き邁進したい。
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10大学が集合した関東合同新歓海練
SNSも駆使して新入生を勧誘!
2017/05/13

New students, welcom to Lifesaving world!

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学生ライフセーバーにとって「新入生勧誘」は春の一大行事だ。特に部員数が少ない学校は、どうやって新しいメンバーを増やすか頭を悩ませていることだろう。

その一つの解が、複数の大学クラブが集まり合同で体験会を行う「新歓海練」である。

4月最後の日曜日、関東近郊の大学10校が集まり片瀬東浜で開催した「関東合同新歓海練」の様子を取材した。



文・写真=LSweb編集室





今年は総勢130人以上が集合

LSweb ゴールデンウイーク前半の4月30日。晴天に恵まれた神奈川県藤沢市の片瀬東浜海岸は、家族連れやマリンスポーツ愛好家で大いに賑わっていた。その一角に、学生らしき一団がいる。それが、複数の大学ライフセービングクラブが共同でLS体験会を行う「関東合同新歓海練」グループだった。

 今年は神奈川大学、帝京大学、國學院大学、慶応義塾大学、青山学院大学、中央大学、文教大学、実践女子大学、茨城大学、明星大学(順不同)の10校から、新入生66人、上級生65人、計130人以上が集まった。

 関東合同新歓海練は、神奈川大学の音頭取りで2010年にスタートした。

 その趣旨は、人数が少ない大学ライフセービングクラブが集まり、一緒に海練を行うことで、ボードやチューブといった機材を共有し、またサポート人員(上級生)を確保しながら、新入生に楽しくかつ安全にライフセービング体験をしてもらうおうというものだ。
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 新入生が1人でも、2人でも増えてくれれば……という上級生の切実な思いと、同じ悩みを持つ学生ライフセーバーたちの熱意が通じ、当初は全員で30人規模だった参加者が今では4倍以上に、そして参加校も今年は過去最高の10校に増え、開催場所の確保に気を使うほど拡大した。
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楽しんでもらうことが第一目的

LSweb 合同新歓海練は、各大学から選出された実行委員が中心となって実施されている。8回目の今回は神奈川大学の浅香 豪さんが実行委員長として、帝京大学の船津大和さんが副実行委員長として全体を統括した。

 「ここ数年、天気が悪くて寒いことが多かったのですが、今年は気持ち良く晴れてホント良かったです」というのは、実行委員長の浅香さん。

 「新歓海練の第一の目的は、新入生に楽しんでもらうことです。僕自身は1年の時に参加できなかったのですが、同期からは楽しかったので入部を決めたと聞いていたので、とにかく楽しんでもらおうと準備しました」と続ける。

 「新入生の中には、すでに本入部してこの海練に参加している人もいれば、迷っている人もいるし、とりあえず体験してみようかという人もいるので、誰も後が楽しめるようなプログラムを心がけました」と話すのは、実行副委員長の船津さんだ。

 「新入生に楽しんでもらうのはもちろんですが、自分たちも一緒に楽しみます。僕たち(上級生)が楽しんでいれば、新入生にも伝わると思うので。セクションごとにキャプテンやリーダーがいて、それぞれが楽しませる工夫をしているので、僕は全体を盛り上げる役に徹しています」という船津さんは、要所要所でコントを披露。ウケたり、時にスべったりしながら新入生の緊張を解きほぐしていた。

 なにはともあれ楽しんでもらうことを第一目標に、準備を進めた実行委員たち。実際に集まってのミーティングはもちろん、SNSでの連絡も密に取りながらこの日を迎えた。
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本入部を決めた人、続々

LSweb 当日の流れを簡単に紹介しよう。

 午前10時の開会式の後、全員でビーチクリーン。ビーチクリーンを始める前に、「ビーチクリーンの意義は、まず自分たちがケガをしないようにすること、そしていつも利用する海や砂浜に感謝する意味でゴミ拾いをします」と説明があると、新入生も納得の表情だった。

 続いて準備体操で体をほぐし、手つなぎ鬼で緊張をほぐすと、オーシャン組とビーチ組に分かれ本格的な体験会がスタートだ。

 オーシャン組はボード班とチューブ班に分かれ、それぞれ約40分、水辺のアクティビティを体験。ビーチ組も2班に分けれ、前半後半で入れ替わりながら、1班はビーチフラッグス、もう1班は砂浜を駆け回りながらのレクリエーションを楽しんだ。
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LSweb 約1時間の昼食休憩中には、トンビ襲来という湘南名物!? のハプニングもあった。サンドイッチをさらわれたのは中央大学の新入生。

 「先輩たちが気をつけるように言っていたので注意はしていたのですが、びっくりしました。僕の田舎ではこんなことないので……」と顔を見合わせた2人は、九州と四国の出身。キャンパス内の勧誘でライフセービングに興味を持ったそうだ。

 午後からはオーシャン組とビーチ組が交代し、上級生、新入生入り乱れての歓声は、午後2時半の閉会式まで続いたのだった。

 新入生獲得のために奔走した先輩たち。

LSweb 例えば、ボードプログラムを担当した慶應義塾大学の上野真凛さんは、「午後は午前より風が上がると思うので、寒さ対策が必要です」と、午後の部が始まる前の実行委員ミーティングで着替えが早めにできるよう時間調整を提言。

 レスキューチューブプログラムを担当した帝京大学の加藤 駿さんは、「普通にやっていたらボードの楽しさにはかなわないので、ウェーディングレースの時間を長めにとりました」と、どうやって盛り上げるか頭を悩ませたようだ。

 終始、和気あいあいとした雰囲気に「本入部を決めました!」という新入生もいた。本入部の決め手は? と聞いてみると、「海に入れたのが楽しかった」「先輩が優しいし、面白いから」「ほかの大学の人とも交流できたので」といった答え。

 そんな新入生たちの声を聞きながら、明星大学の根岸春果さんは「今年はこれまでに7人が本入部を決めてくれました。やっとインカレでチーム種目にも出られそうです」と笑顔を見せた。
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学校ごとの特色も活かして

LSweb ところで、合同で新歓海練を開催していても、各大学によって活動形態やメンバー構成は様々だ。助け合うところは助け合いながら、学校がごとに特色のある新歓を行っている。

 青山学院大学の場合、今年の新入生勧誘で反応が良かったのはクラブ公式ツイッターだそうだ。
 
 普段から活動内容をつぶやいているのだが、今年は大学の公式ツイッターでリツイードされたことで、より多くの新入生の目に留まったのではないかと、上級生たちは分析している。

 茨城大学は今年、15人の新1年生獲得を目標にしている。現在のところ7人の本入部が確定したが、女子の勧誘に苦戦しているのだとか。
 学校の男女比はほぼ半々だが、上級生も、入部希望の新入生も男子が圧倒的に多い。いかに女子学生に興味を持ってもらうか試行錯誤中だ。

 一方、女子学生しかいない実践女子大学は、新入生8人が合同新歓海練に参加した。

 英文学科の学生だという新入生は、ライフセービングだけでなく国際観光サークルにも入るつもりだと言う。「勉強したことが活かせることと、誰かの役に立つことを両方やってみたいと思ったので」と、学生生活にかける意気込みを語っていた。

 國學院大学は、浜が一緒の他大学の仲間などの協力を得ながら、コツコツと新入生勧誘を続けている。というのもメンバーは全部で17人いるのだが、実は4年生0人、3年生1人、2年生16人という内訳なのだ。各年代を途切れさせないことが今年の新歓の最大の目標なのである。
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 キャンパスが複数あり、活動拠点が異なる悩みを抱える大学も多い。

 文教大学は神奈川と埼玉の二カ所にキャンパスがあるが、クラブで活動するのは海に近い神奈川県内の湘南キャンパスに通う学生たちだ。

 帝京大学もキャンパス間の交流に苦労しているが、板橋キャンパス、八王子キャンパスのそれぞれに副代表を置き(板橋キャンパスには主将もいる)、海での練習をできるだけ多く行うようにすることで、これまで少なかった八王子キャンパスに通うが学生も増えてきた。

LSweb 今年からマネージャーの募集を始めた神奈川大学は、すでに数人がマネージャーとしての入部を希望しているという。
 
 「パトロール活動には参加する自信はなくても、部活には入りたいという人はいますよね。ガードをするかしないかに係わらず、ライフセービングが広がるのはいいなと思うのです」と浅香さん。

 同クラブは、今年中に公認クラブ(体育会)の申請を行う予定ということもあり、規模の拡大に合わせた組織改革も行っている最中だ。

 関東合同新歓海練の規模は年々、拡大している。近い将来、独立する大学も出てくるかもしれない。

 「そうなれば、当初の目標が一つ達成されたことになりますね。でも、横の繋がりはこれからも続けていきたいと思っています。まだアイディアの段階ですが、次ぎは新歓ではない合同海練ができればいいなと話しています。全日本が終わった後、なんとなく気が抜ける時期がいいかな、とか」と、浅香さんと船津さんは口を揃えた。

 学生ライフセーバーの繋がりはどんどん広がり、活動範囲も増えている。体力的にきついこともあるし、意見がぶつかることもあるだろう。でも、その分やりがいもあるはずだ。新入生の皆さん、入部届けはもう出したかな?
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2017年、10大学新歓海練、全員集合!


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慶応大学LSクラブ

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國學院大學LSクラブ

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明星大学LSクラブ

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実践女子大学LSクラブ

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茨城大学LSクラブ

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青山学院大学LSクラブ

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文教大学LSクラブ

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帝京大学LSクラブ

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中央大学LSクラブ

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神奈川大学LSクラブ

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各大学幹部、実行委員の皆さん、お疲れ様!

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来たれ、新入生たち!
今年も八大学合同新歓海練 開催
2016/05/03

Welcome freshmans to join LS clubs!

LSweb入学式が終わったと思ったらはやゴールデンウィークの季節。

この時期、全国のキャンパスでは学生ライフセーバーたちによる新入生獲得に向けてのクラブ勧誘が大詰めを迎えていることだろう。

そんな大学クラブ勧誘において欠かすことのできない重要な行事である新入生向けLS体験会「新歓海練」の様子を今年もまた、取材してみた。

文・写真=LSweb編集室






8大学合同新歓、テーマは“絆”

LSweb ゴールデンウィークを間近に控えた4月24日の日曜日、神奈川県藤沢市の片瀬東浜海岸の一角にたくさんの学生らしき集団の輪ができていた。その傍らにはレスキューボードやレスキューチューブが並んでいる。

 近づいてみると、いかにも初々しい若者たちが着慣れないウェットスーツに四苦八苦しながらも、海に入る準備をしている。この時期、多くの学校ライフセービングクラブがおこなっている、新1年生向けのライフセービング体験イベント「新入生勧誘海練」の集まりだ。

 この日はどんよりと曇っていて風が強く肌寒い陽気。少しばかり不安げな新入生達を気遣って、先輩たちがいろいろと話しかけたり、アドバイスを送ったりしながら走り回っている。

 ただ、この「新入生勧誘海練」の集団をよくよく見てみると、上級生たちが着ているジャージがそれぞれ違っている。神奈川、青山、慶応、実践女子など、各自が所属している大学のライフセービングクラブ名が見てとれる。
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 実はこの新歓海練、関東近郊にある青山学院大学・茨城大学・神奈川大学・慶応義塾大学・國學院大学・実践女子大学・中央大学・帝京大学の8大学が一緒になって行った合同新勧海練だった。

 こうして複数の大学が協力して新歓海練を行うにはワケがある。

 その最大の理由は、いずれの大学も、ライフセービングクラブの部員が少ないということ。だったら小規模で活動しているクラブ同士が協力し合って新入生を勧誘しようと始まった。

 他大学と一緒にやることでのメリットは多い。機材の数が揃うし、サポート体制もしっかり整うから“安心安全”に行うことができるのだ。
 初心者を相手にする体験会では安全が第一。普段なら人手が足りず単独で新歓を行うのが厳しい学校でも合同なら安心して新入生を勧誘できる。そんな新歓海練も今年で6回目を迎えた。
 
 そんな「新入生歓迎八大学合同海練」 の今年のテーマは“絆”。

LSweb 今年、合同新勧海練の実行委員長として奔走した、神奈川大学3年の廣田 諒さんをはじめ、昨年から運営に携わっていたという各大学の主要メンバーは、この企画趣旨を次のように語ってくれた。

 「合同新歓海練は、第一に“いかに楽しく安全にできるか”がすごく大切な部分なので、運営側はみなこれを意識しながら行っています。
 今日参加してくれている新入生は、これを機にライフセービングをやるかやらないかの分岐点になるかもしれないので、ライフセービングはこんなに楽しくて魅力的なんだよっていうのをしっかりと伝えて、少しでも分かってもらえたらいいですね」

 この日、合同海練に参加した新一年生は8大学合わせて55人。平均するとひと大学あたり約6〜7人の参加はよい成果といえよう。

 さまざまなクラブやサークルに負けじと創意工夫と熱意で勧誘した上級生たちの“一緒に活動してくれる仲間を増やしたい”という熱い思いが伝わってくるのがこの合同海練なのだ。
 
先輩に導かれ新入生も充実の笑顔

LSweb 午前10時、各校の先輩たちが春休みを利用して何度もミーティングを重ねつつ、準備を進めてきた海練がいよいよスタート。

 実行委員会リーダーによる開会式から始まり、ビーチクリーン、準備体操に続いて行われたのが、ウォーミングアップを兼ねた手つなぎ鬼。

 緊張している新入生たちの心と体をほぐすのに、手つなぎ鬼はうってつけだ。元気の良い鬼たちに追い回され、走り回っているうちに堅苦しさもどこへやら。いつのまにかみな打ち解け合って歓声を上げている。

 手つなぎ鬼が終わると、上級生によるレスキューシュミレーションが始まった。レスキューチューブを使った救助やボードレスキューなどを次々とリアルに見せていく。

 先輩たちの真剣かつ流れるような救助活動を、新入生たちもまた真剣な表情で見つめている。無事にレスキューが完了し、場の緊張がほどけたところで、各班に分かれて、ビーチ、オーシャンでの体験がスタートした。

 砂浜を使ってのビーチ組は、ウォーミングアップを兼ね、もも上げやスキップなどを取り入れた様々なパターンのダッシュからメニュースタート。
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 適度に身体が温まったら男女に分かれていよいよビーチフラッグス体験会だ。スタート体勢を教わると先輩も交えて試合開始。遠慮がちだった新入生も勝ち上がっていくうちにスイッチが入ったのか、なかなかの熱戦を繰り広げていた。
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 一方、チューブとボードに分かれたオーシャン組は、それぞれ機材の使い方を教わった後、海へ入り実践スタート。ボードに見よう見まねでトライするものの、そう簡単に波には乗れず、乗れてもすぐにバランスを崩しひっくり返る始末。
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 それでも上級生たちの丁寧なサポートのお陰で、しばらくするとボードで波に乗る楽しさを実感し、あちこちで歓声や笑顔が見受けられた。
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 上級生たちは、説明も上手で仲間を楽しませるのが非常に上手い。

 「オーシャンの場合は、必ずバディを作って、その上で上級生をつけてマンツーマンに近い状態で体験させてあげることと、無駄な時間をつくって手持ちぶさたにならないよう気をつけてやっています」と教えてくれたのは、レスキューボード担当の慶応大3年生上野 凌さん。

 各セクションのリーダーたちは、安全面や時間などに配慮しつつ、ファンレースでは新入生たちを巧みにリードしながら、ライフセービングの魅力をしっかりと伝えていた。
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 こうした体験会は昼食をはさんで午後も続いた。
 先輩たちの適切なサポートのお陰で、新入生たちはビーチもオーシャンも存分に体験することができたのではないだろうか。


 各校の新入生たちに参加の動機を聞いたところ、それぞれ以下のように答えてくれたが、そのキッカケは人それぞれ十人十色。

 「今までとは何か違ったことをやってみたいなと思っていたところ、LSクラブの先輩たちの部活紹介が凄く楽しそうでやりがいもありそうだったので参加しました」
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 「自分は救命救急士コースを採っているので、ライフセービングを通していろいろ学ぶこともあると思って参加しました」
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 「もともと競泳をやっていて、海にもよく遊びに行っていたときに見た黄色い(パトロール)ユニフォームがかっこよくて私もやってみたいなと思いました」

 「地元が新潟の柏崎市で友だちがライフセービングをやっていたので興味を持ちました」
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 「キャンパスでの勧誘の時、どのクラブやサークルよりも先輩たちがものすごく楽しそうに話していたので惹かれました」
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 「地元愛知の高校の体育の先生がライフセービングをやっていて、かっこいいなと思っていたので興味を持って参加しました」

 簡単ではあるが、新入生一人ひとりからコメントを貰ってみて、ひとつ共通して感じたことは、みなアクティブで新しいことに進んでチャレンジしようとするポジティブさを持っていること。

 でもこれってライフセービング活動を行っていく上で、とても大切な要素ではないだろうか。水泳の経験がなくたって、新しいことに挑戦するチャレンジ精神があればそれで十分。

 先輩たちの苦労と工夫が詰まった今年の新歓海練を経て、今年は何人の新入生が入ってくれるだろうか。
 入部を決めれば、ベーシック資格取得などなど夏本番を前に大忙しとなるが、きっと充実した学生生活の始まりになるだろう。

 確実にメンバーが増えつつある8大学のライフセービングクラブ。新入生を含め、今後の活躍が楽しみだ。

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館山サーフクラブ
設立10周年記念パーティーを開催
2015/12/30

Ceremony marking the 10th Anniversary of Tateyama Surf Club

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真っ赤なコンペティションキャップでお馴染みの館山サーフクラブが、今年、設立10周年を迎えた。

同クラブは夏季の海水浴場パトロールだけでなく、オーシャンフェスタやジュニア教室など、さまざまな活動を通して水辺での安全意識を高め、また海の楽しさを伝えており、その存在感は年を追うごとに増している。

今月上旬、市内のホテルで約200人が集まり盛大に行われた「館山サーフクラブ10周年記念感謝パーティー」の様子を、同クラブのメンバーであり、広報担当としても活躍する後藤隆明さんにレポートしていただいた。(LSweb編集室)

文・後藤隆明(館山SC)、写真・館山SC





メンバー108人の大所帯に

LSweb 去る2015年12月5日、館山市内のホテルにて「館山サーフクラブ10周年記念感謝パーティー」が行われ、館山市役所職員、クラブ員、サポーター関係者ら約200人が節目の年10周年を振返り祝った。

 本クラブは平成18年に代表の飯沼誠司さん、理事の佐藤和伯さんによって発足、現在のメンバーはジュニアクラブ員も含めて108人まで拡大した。

 地元の子どもたちを中心に構成されるジュニアクラブ員だが、中には小学生の時に入会し、高校生になった現在、社会人・大学生メンバーと共に夏場のパトロールに参加するまでに育った元ジュニアクラブ員もいる。

 「地元密着」「地元からライフセーバーを育てる」といったクラブ発足当初に掲げた目標も順調に進められている。

 式典では10年間支援ご協力を頂いた館山市役所に対して、クラブから記念品の盾を贈呈。

 金丸兼一館山市市長からは、「何よりもこの10年間、海水浴シーズンを死亡事故ゼロという結果で終えたことが喜ばしい」とスピーチしていただき、同クラブの活動を称えてもらった。
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 館山サーフクラブは現在、館山市内の海水浴場8か所、また今年から南房総市の海水浴場2か所で夏の監視活動を中心に行っている。

 式典の終わりには、10年のクラブの歩みについて振返り、今後のさらなる発展を誓った。
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