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パトロール現場訪問 2016年 夏 Vol.02
千葉県勝浦市・守谷海水浴場
2016/08/12

2016 Summer 勝浦LSC

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全国的に真夏日が続く今年のお盆シーズン。

太陽は朝からギラギラと容赦なく照りつけ、立っているだけでも汗がダラダラしたたり落ちる毎日だ。

そんな中、全国各地の海水浴場では“無事故”を目指して、大勢のライフセーバーたちが活動している。

夏真っ盛り、ライフセーバーたちの奮闘ぶりを紹介しよう。



文・写真=LSweb編集室
special thanks to Yu Matsunaga






房総半島の老舗ライフセービングクラブ

LSweb 534kmにわたって海岸線が続く千葉県。その南半分は南房総国定公園に指定されている。国定公園内でも特に海の景観が美しく特徴的なことから、海域公園に指定されているのが勝浦一帯だ。

 勝浦市は県内第2位の漁獲高を誇る勝浦港を中心に、漁業や農業などが盛んな自然豊かな地域で、今年で市政施行58年周年を迎えた。
 市内の下本町通りと仲本町通りで開かれる朝市は、なんと戦国時代の天正19(1591)年から400年以上も続く「日本三大朝市」の一つだ。

 勝浦と言えば、日本有数の水揚げ高を誇るカツオが有名。市の公認キャラクター「勝浦カッピー」にもなっている。
 勝浦と聞いて「タンタンメン」を思い浮かべる人も多いかもしれない。そのルーツは約50年前。漁師さんや海女さんが、寒い海仕事の後に冷えた体を温めるために食べたメニューと聞けば、同じ海を活動の場とする全国のライフセーバーも一度は食べてみたくなるはずだ。

LSweb そんな勝浦市では今年、勝浦中央、鵜原(うばら)、守谷(もりや)、興津(おきつ)の4つの海水浴場が開設されている。

 そこで活動するのが国際武道大学ライフセービング部とそのOB、OGを中心とした「勝浦ライフセービングクラブ」。創立30周年になる、房総半島で最も早く活動を始めたライフセービングクラブだ。

 勝浦LSCは市内の4浜と、隣町の御宿町にある屋外プール「ウォーターパーク」のガードを行っている。学生ライフセーバー約40人、社会人を加えると80人近いアクティブメンバーがいる大所帯のクラブである。
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町の活性化を担うライフセーバー

LSweb 8月最初の日曜日、夏休みを楽しもうという家族連れや若者で、房総半島の海沿いの道はどこも大混雑。特に海岸線近くまで山が迫る勝浦市内は道幅が狭いこともあり、海水浴目当ての行楽客を乗せた車で大渋滞が発生していた。

 それでもなんとか守谷海水浴場に到着すると、そこは砂浜が見えないほどのビーチパラソルの花、花、花!
 あまりの混雑ぶりと、台風の影響で高波が押し寄せる状況を見て、ライフセーバーに声をかけるのがためらわれたのだが、なるべくパトロールの妨げにならないようにと、手短に話しを聞くことにした。

 応えてくれたのは、国際武道大学4年の田中陽大監視長だ。

LSweb 「今日はこの夏一番の賑わいです。守谷海岸の海水浴客は約2万人というところでしょうか。ここは岩場や磯のある美しい入り江で、家族連れから若い人まで人気があります。監視タワーは4つ。今日は15人体制でガードをしています」

 勝浦LSCでは学生ライフセーバーは1〜2年の間はいろいろな浜でのガードを経験し、3〜4年生になると固定浜でのパトロール活動を行う。各浜の監視長を務めるのは最上級生の4年生たちだ。

「海水浴場のほぼ中央に川が流れ込んでいます。そこを中心に海に向かって左側を第1エリア、右側を第2エリアと呼んでいますが、第1エリアは波打ち際から一旦深くなったあとに浅くなり、再び深くなるという、カレントが発生しやすい地形です。子どもなど、スッと流れてしまうことがあるので目が離せません」

「快水浴場百選」と「日本の渚百選」をダブル受賞している風光明媚な守谷海水浴場。沖合170mにある鳥居が目印の渡島は、大潮の時には岸と陸続きになるそうだ。

「第2エリアは渡島までの海底が岩場になっているので、切り傷などのケガに注意をしています。
 普段は水の透明度が高く、変化に富んだ浜なので子どもから大人までいろいろ楽しめるのですが、今日は波が高いので、緊張しますね。週末ということもあり、社会人の先輩方がガードに入ってくれているのが心強いです」
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 通常、朝練や夕練は勝浦中央海水浴場で行っており、浜と浜の行き来には原付バイクが活躍するのだとか。勝浦の町で原付バイクに乗る日に焼けた人を見かけたら、たぶんきっと水辺の安全を守るライフセーバーに違いない。

★☆ 守谷海水浴場 ☆★
開設期間:7月16日〜8月21日
遊泳時間:8時〜17時

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