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新一年生獲得に向けて
八大学合同新歓海練 開催!
2015/04/30

Let’s invite newcomers to join LS clubs!

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春は新歓の季節。

学生ライフセーバーはあの手、この手でライフセービングの魅力を伝え、一人でも多くの新入生獲得に向けがんばっている。

そんな学生ライフセーバーたちの様子を、海練のメッカ、神奈川県藤沢市の片瀬西浜海岸で取材した。

文・写真=LSweb編集室




西浜で一番大人数だったのは?

LSweb ゴールデンウィーク前半のスタートとなった4月最後の土曜日、湘南の片瀬西浜海岸はマリンスポーツを楽しむ大勢の人で賑わっていた。

 その中でも目に留まったのが、砂浜でダッシュを繰り返したり、波打ち際でチューブやボードといった機材を使いながら勢いよく海に入ったりと、ひときわ活発に活動する集団だ。彼らの正体は……? 首都圏の大学に所属するライフセービングクラブの面々である。

 中でも一番の大所帯だったのが、神奈川大学、中央大学、帝京大学、青山学院大学、國學院大学、文教大学、実践女子大学、慶應義塾大学が合同で開催した「新入生歓迎八大学合同海練」だ。

LSweb 「今回は現役、新入生合わせて100人近くが集まりました。まさか自分たちが西浜で一番大きなグループになるなんて……」と感無量だったのが、実行委員長として今回の合同海練を仕切った神奈川大学3年生の菊地 快さんだ。

 合同海練に参加した大学クラブの共通点は、メンバーが少ないということ。機材の数やサポート体制になどから、単独で新歓を行うのが厳しい状況の学校が集まり、協力して新入生を勧誘しようと5年前から合同海練を企画。
 毎年、継続して開催することで参加者は年々増加し、ついに西浜でも人目を引く人数になったというわけなのだ。

 この日、合同海練に参加した新1年生は、神大の9人を筆頭に、帝京大7人、中大と青学大がそれぞれ5人、國學院大4人、実践女子大3人、文教大と慶応大が2人ずつの計37人(そのうち女子は9人)。
 大学ごとに見れば決して大人数とはいえないが、8校集まれば強豪校にも劣らない新入生の数となる。学校の先輩だけでなく、他大学の学生と交流できるのも合同開催の魅力だ。
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 「ライフセービングは横の繋がりが大事ですよね。夏のガード時期には、他大学や社会人の人と一緒に浜をパトロールすることになりますから、新歓の時からいろいろな人と知り合えるチャンスがある、というのはいいことだと思います」と話す菊地さんたち実行委員のメンバー。

 彼ら、彼女らが春休みを返上して準備を進めてきた海練は、新歓日和の穏やかなコンディションの中で始まった。

クラブに入ってくれるかな?

 開会式、ビーチクリーン、準備体操に続いて行われたのが、ウォーミングアップを兼ねた手つなぎ鬼。
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 心細そうな顔をしていた新入生たちもこのころになると緊張も溶けたようで、歓声を上げながらビーチを走り回っていた。その様子を見ながら、実行委員たちがなにやら準備を進めている。
 と、鬼から逃げる新入生がいなくなったところで、上級生たちによるレスキューシュミレーションが始まった。

 沖で「助けて!」と声を上げる溺者役を目指し、チューブとボードをつかんだ先輩が海へと飛び込んでいく。「何が始まったんだろう?」と興味深そうに見つめる新入生たちの前で、無事にレスキューが完了すると、いよいよ4班に分かれてビーチ、オーシャンでの体験がスタートした。
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 2班合同のビーチ組は、いろいろなパターンのビーチダッシュを繰り返す、なかなかハードなメニューをこなし、チューブとボードに分かれたオーシャン組は、機材の使い方をレクチャーされた後、いざ実践へ。昼食をはさんで、ビーチ組とオーシャン組が入れ替わり、海練体験は午後まで続いた。
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 午前10時から午後4時ごろまで行われた新歓海練。先輩たちの盛り上げと、適切なサポートのお陰で、新入生たちはビーチもオーシャンも存分に体験することができたのではないだろうか。

 「いやぁ楽しかったです。特にボードが楽しかった!(レスキューチューブで)人を引っ張るのは大変でしたね。海なし県の栃木出身なので、海での体験にとても満足し、入部しようという気持ちが固まりました」と宣言してくれたのは、高校時代はサッカーに所属していたという國學院大学の1年生。横にいた同級生も笑顔で首を縦に振っていた。

LSweb 「救命救急を学んでいるので、ライフセービングにも興味がありました。実際に海に来て、レスキューボードの楽しさを知りました。今日はとても良い経験ができたので、続けていきたいと思います」と言うのは、帝京大学の1年生だ。

 「ライフセービングは高校生の時に体験したことがあり、日本でもやってみたいと参加しました」と上手な日本語で話すのは、フランスからの留学生として中央大学に通うワニッブ・モードさん。ライフセービングの精神は世界共通。そんなところも新入生たちの心を引きつけたに違いない。


来年はさらにパワーアップ?

 「今年はなんと3人も入部してくれることになったんです!」と満面の笑みで話してくれたのは、実践女子大学の近藤亜紀さん。女子だけ活動する彼女たちは、時に男子顔負けの力仕事もしなければならないが、足の爪にかわいいネイルを施し、女子大生らしさもアピール。
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 「ライフセーバーと言うと逞しいイメージがありますが、女子力もアップさせてがんばっています」と笑顔を見せた。その足の甲にはボード擦れが……。それがまたライフセーバーらしくてほほ笑ましかった。

 「女子が参加してくれなくて」と話すのは、青山学院大学の上級生たち。
 「男子は5人も参加してくれたのに……。学校のカラーなのか、もっと華やかな活動を求める女子が多いんですよね。日焼けするも敬遠されがちなので、自分がもっと美白になって勧誘すればいいのかな(笑)」と、冗談半分、本気半分で相談。そんな悩みが来年のパワーアップに繋がるのだろう。

 ウェットスーツを人数分用意したり、昨年はニッパーボードを使ってみたりと、毎年、いろいろな工夫や配慮をして行われる合同海練。
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 今年はインフレータブルのレスキューSUPを導入し、サポート体制の強化を図ると共に、閉会式で豪華景品が当たるジャンケン抽選会が行われ、最後まで大いに盛りあがったのだった。


 すべてのスケジュールが無事に終わったビーチでは、ほっと一息つく各大学の実行委員たちに、「ありがとう」と声をかける在校生たちの姿があった。
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LSweb 「そんなのいいよ」と照れながら、「春休み中、何回もミーティングをしたことなんかないよ〜。実行委員で意見が割れてケンカ寸前になったことなんかないよ〜」と笑う実行委員長の菊地さん。

 また、新歓の途中では、幹部である中央大4年生の一人が、「これから就職活動で東京へ行ってきます」といいながら、浜でウエットスーツからビジネススーツに着替えるシーンも。順調に進行していく新歓海連の様子を見届けて、仲間の「行ってらっしゃい!」の声に見送られながら西浜を後にしていた。

 皆の苦労と工夫が実った今年の新歓海練を経て、今年は新入生は何人入ってくれただろうか。確実にメンバーが増えつつある8大学のライフセービングクラブ。今後の活躍が楽しみだ。

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