波に乗る楽しさ、ひいては海の楽しさを教えてくれるニッパーボードは、ジュニアプログラムを運営しているクラブにとって、なくてはならない道具だろう。
これからジュニアプログラムを立ち上げようと考えているクラブにとっても、また、マイボードが欲しい! と思っているジュニアライフセーバーたちにとっても気になる存在のはずだ。
ニッパーボードと一口にいっても、材質や形もいろいろある。国内で手に入る商品を紹介しよう。
文・写真=LSweb編集室
協力=GUARD,KawasakiSports,
BravoboardsJapan
ニッパーボードの種類
ニッパーボードは素材の違いなどから、大きくわけてソフトボードとハードボードの2種類がある。
ソフトボードの素材は発泡プラスチック(ウレタンフォームなど)で、弾力性があり、人などに当たってもケガをしにくい作りとなっている。初心者でも安心して使えるため導入用に最適だが、衝撃で傷や凹みができやすく、そこから劣化が進むデメリットもある。 また最近は、全体的に丸みをおびた、安定性の高い幅広タイプと、マリブに近い細長い形状で、ボトムにPVC加工(ビニール加工)を施し、滑らかにしたタイプがある。前者はより初心者向けといえる。
一方、ハードボードは発泡プラスチックのコア(芯)に、グラスファイバー繊維を巻き、ポリウレタン樹脂などで固めたもの。
マリブボードの小型版なので、ソフトボードと比べるとスピードが出るし、浮力もソフトボードより大きいのが一般的だ。また素材が硬い分、ハードボードの方が回転性能が高い。
ただし、取り扱いには注意が必要。特にジュニアの場合は、うっかり流して仲間や一般の人に当ててしまう、といった事故に気をつけたい。
ニッパーボードもハードの時代へ!?
ところで日本では、これまでニッパーボードと言えばソフトタイプが一般的だった。しかし最近は、年間を通してジュニアプログラムを運営するクラブが増え、小学校低学年から継続してライフセービングに親しむ子どもたちも増えてきた。子どもたちのレベルが上がれば、より性能の高いニッパーボードを使いたくなるのが自然の摂理だ。
ジュニアプログラムが活発になればなるほど、ハードボードの需要も高まるだろう。日本でも今後、オーストラリア並とはいかないまでも、ハードタイプのニッパーボードが普及していくことになりそうだ。
最後に、ハードのニッパーボードを選ぶ基準を、ボードの制作にも関わっているブラボーボードジャパンの小野塚浩一さんに聞いてみた。
「ハード、ソフト(レーシング用)ともにニッパーボードの長さは2mというのが標準です。ソフトボードの場合、体重40kgまで対応しているものが一般的ですが、弊社のハードボードは35kgから5kg刻みに60kgまで揃えています。
ボードを選ぶ際の目安は自分の体重プラス5〜10kgですが、子どもは成長が早いため、頻繁にボードを取り替えるとなると大変ですよね。必ずしも体重に合わせるのではなく、浮力や扱いやすさを考慮して選んでも良いと思います」
ジュニアライフセービングの普及に伴い、「マイボードが欲しい!」という子どもたちが増えるのは確実だ。もっとも、ハードボードの方がソフトボードより価格が高いので、保護者の方々には少々悩ましいことかもしれない……。
【国内で入手できる主なニッパーボード】
★ガード
GUARD Nipper Board | GUARD racing Board |
オリジナルブランドのビギナー用とレーシング用、2種類のソフトボードを販売。ビギナー用はカラーも豊富。
価格:ソフトボードビギナー用 43,200円(税込)/ソフトボードレーシング用 50,760(税込)
ウェブサイト:http://www.guard1997.com/
★カワサキスポーツ
Bennett SoftPro | Bennett racing Board |
オーストラリア・ベネット社製のソフトボード2種類(ビギナー用、レーシング用)に加え、今年からベネット社製ハードボードの販売も開始。
価格:ソフトボードビギナー用 43,200円(税込)/ソフトボードレーシング用 56,160円(税込)/ハードボード 92,000円(+税)
ウェブサイト:http://www.kawaspo.com/lifesaving/
★ブラボーボードジャパン
BRAVO Nipper Board | BRAVO racing Board |
オーストラリア・ブラボードボード社の日本窓口。下のSNSサイトから日本語でオーダー可能。レーシング用のソフトボード、ハードボードを販売。ハードボードにはオリジナル塗装が可能。
価格:ソフトボードレーシング用 A$400(+送料&税)/ハードボード A$850(+送料&税)
SNSサイト:https://www.facebook.com/BravoboardsJapan/info