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ちびっこライフセーバー、105人が片瀬西浜に集合!2014/05/02

KANAGAWA Junior Youth Lifesaving Spring Camp The 1st 2014.4.29

LSweb子どもも、保護者も、そして指導者もエンジョイ!
大盛況だった初開催の神奈川ジュニア春キャンプ


ゴールデンウイーク前半の最終日となった4月29日、神奈川県藤沢市の片瀬西浜海岸で、県内のジュニアライフセーバーにとって初の試みとなる「第1回神奈川ジュニア/ユース ライフセービング・スプリングキャンプ」が開催された。

大会でもなく、練習でもない、ライフセービングキャンプとは? 大いに盛りあがった当日の様子をレポートしよう。


文・写真=LSweb編集室





3つのプログラムを体験

LSweb 相模湾、東京湾に面した神奈川県は、日本国内で最も盛んにライフセービング活動が行われている都道府県と言っても過言ではないだろう。
 県内で活動するライフセービングクラブが加盟しているのが、日本ライフセービング協会の支部でもある、神奈川県ライフセービング連盟(KLF)だ。

 KLFが主催した今回のキャンプは、同連盟に所属する地域クラブのライフセーバーからの発案で行われることになったという。そのあたりの経緯は後述するとして、まずは県内5クラブ(鎌倉LG、西浜SLSC、湘南ひらつかLSC、大磯LSC、バディ冒険団)、小学1年生から中学3年生まで、男女合わせて105人が集まった、キャンプの内容を紹介しよう。

 春キャンプの目的は「ライフセービングを学ぶ子どもたちの交流を広めたい」というもの。競い合う大会ではなく、同年代のジュニアライフセーバー同士が楽しみながら学んでもらおうと、小学1〜2年生、小学3〜5年生、小学6年生と中学生という3つのグループに分かれ、①ウォーターセーフティー、②ビーチプログラム、③サーフプログラム、それぞれを約45分間ずつ体験していく内容となった。

 ビーチプログラムはビーチフラッグス、サーフプログラムはニッパーボード体験をしてもらうのだが、インストラクターはそれぞれ西浜SLSC所属の植木将人さんと、茅ヶ崎SLSC所属の名須川紗綾さんという日本代表選手たちが務め、ウォーターセーフティーは、西浜SLSC所属のベテラン泉田昌美さんがチーフインストラクターとして現場を仕切った。
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 プログラムの内容は年齢ごとに柔軟に組まれており、例えば小学6年生〜中学生のビーチフラッグスの場合は、かなり本格的なテクニック解説なども行われていた。

「ジュニアメンバーは初心者ではないので、高学年になったら飽きないように技術的なことも教えて、集中して取り組んでもらえるように考えました」
 と植木さん。全日本チャンピオンの解説に、子どもたちの目は真剣そのもの。プログラムを補佐するライフセーバーたちも、聞き耳を立てていたのが印象的だった。
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 年齢に合わせて大胆にメニューを変えていたのが、ウォーターセーフティーのプログラムだ。低学年のグループでは、波打ち際にしゃがませたり、腹ばいにさせて見える波の大きさの違いを観察してもらい、その後で海へ。
 参加人数が一番多く、腕白盛りの小学3〜5年生グループでは、腰〜胸ぐらいの水深で、本気モードの手繋ぎ鬼合戦を繰り広げ、転んだり、海水を飲んだりしながら、大歓声を上げて過ごした。
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 プログラムの最後は、11チームに分かれたランスイムランのファンレース。子どもたちにとって、所属チーム以外のメンバーとの混成チームで行うレースは、普段の大会とはひと味違った面白さを感じられたはずだ。
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指導者たちの熱い思い

LSweb 地域クラブからの発案で開催された今回のキャンプ。発案者の一人で春キャンプ実行委員長を務めた、鎌倉ライフガードの多胡 誠さんに話しを聞いた。

「昨年夏に開催される予定だったジュニアの全日本大会が、悪天候の影響で中止になったことがありましたよね。やむおえない事情でしたが、夏休み期間中、大会を目指して一生懸命練習してきた子どもたちはとてもショックだったようです。

 あの時、近隣クラブのジュニア指導者間でネットワークがあれば、例えば代替えのミニ大会のようなものを開催することもできたでしょう。KLFには県内のクラブがパトロールに関する情報を共有し、連携を深めるための『パトロールネットワーク(通称:パトネット)』があります。ジュニアの指導者間でも、こうしたネットワークを築ければいいな、と考えたのがきっかけの一つです。

 私が携わっている鎌倉LGは、ジュニアプログラムを始めてまだ日も浅いこともあり、試行錯誤で運営しています。ジュニアプログラムの実績があるクラブと交流することで、さまざまな情報を得られるというメリットもあるでしょう。そもそもジュニアをやりたいけれどどうやって立ち上げればいいか分からない、というクラブもあると思います。鎌倉LGがそうだったようにね。
 子どもたちの交流はもちろんですが、指導者の繋がりも深めたい、というのがキャンプのスタートになっています」

LSweb メンバー数100人という全国一の大所帯ジュニアを率いる西浜SLSCの今井恵子さんは、今回、大会実行副委員長を務めた。

「西浜ジュニアは今年、プログラム開始から15年目を迎え、メンバーも定員一杯の100人となり嬉しい悲鳴を上げています。手探りで始めた活動ですが、今では保護者も巻き込んだ西浜スタイルが定着し、後を任せられる指導者も育ってきました。

 そこで今度は、県内でジュニア活動がもっと広がるように、私が西浜ジュニアで学んだこと、習得したノウハウなどを活かしていきたいと思うようになったのです。そんな話しをKLFにしたところ、他クラブからの賛同も得て、話しがとんとん拍子に決まったというわけです。

LSweb 内容は実行委員でいろいろ話し合いました。競技会ではなく、かといってただの練習会ではなく、子どもたちにライフセービングの楽しさや本質を感じてもらうメニューにしたい。保護者にも横の繋がりをもってもらいたい。これからジュニアを立ち上げるクラブにも参考になれば……。やりたいことが沢山ありすぎて、欲張った内容になったかもしれません。

 でも、実行委員長の多胡さんや、同じく副委員長として精力的に動いてくれた湘南ひらつかLSCの大村さやかさんをはじめ、他クラブのメンバーと共にイチから作り上げる過程がとてもやりがいがあり、また同時に自分が所属するクラブとは違うアイディアや、仕事の進め方などが実に刺激的で、非常に充実した楽しい時間を過ごすことができました。課題も多々ありますが、初回としては上手くいったと自画自賛しています」

地引網にBBQ、お楽しみは続く!

 LSwebファンレースも終わり、大いに盛りあがった体験プログラムの後には、さらなるお楽しみが待っていた。それが地引網とBBQだ。

 片瀬西浜で創業して140年の殿網の協力で行った地引網は、漁師さん曰く“今年一番の大漁”で、湘南名物のシラスから、イワシ、アジ、カマス、クロダイなどがワンサカ獲れ、子どもも大人も歓声を上げた。

 ライフセービングを学び、海に親しむ子どもたちでも、こんなに大量の生きた魚を目にする機会はそれほどないだろう。引き揚げられた膨大な数のシラスを指でつまみながら、
「これって、海にいるんだよね。これだけたくさんいるってことは、そこらへんにもいるんだよね。さっき、私たちが入ってところにもいたってことだよね?」
 と友だちと顔を見合わせながら話しをする、小学校高学年のジュニアの姿があるかと思えば、片っ端から魚を掴んで目をキラキラさせるやんちゃ坊主もいた。
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 BBQで活躍したのは、保護者の皆さんだ。
 手際よく、次から次へと食材を焼くお父さん、お母さんの姿は、なんだか楽しそう。子どもたちはと言えば、今日あったばかりの友だちと、仲良くフランクフルトを頬張っていた。その姿を目にした、小学4年の男子の保護者が、
「子どもって、すぐに仲良くなるものですね。元気に砂浜を走り回り、海に入る姿を見ると、なんだか安心するし、こちらまで楽しい気分になりますよ」
 と口にしたのが印象的だった。
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 BBQも終わろうかという時になって、どんよりとした空から雨粒が落ちてきた。ジュニア105人、保護者や大会スタッフも合わせると総勢250人が集まった「第1回神奈川ジュニア/ユース ライフセービング・スプリングキャンプ」は、実行委員会の奮闘で無事に全プログラムが消化された、雨とともに幕を閉じた。パトネットに続き、ジュニアネットも動き始めたKLFである。LSweb