レスキュー2012が開幕した。初日の競技はSERC。A代表が参加するオープンクラスは24チーム、B代表が参加するU19クラスは7チームが参加し、ライフセービングの本質である救助の技を競ったのだった。
救助現場は50mプール全面。競技時間は2分間。アクセス可能区域は10mほどの一画に限られるという設定は、オープン、U19ともに同じだ。
要救助者はオープンクラスの場合、軽溺7人、重溺(水没マネキン)2人、陸上に傷病者1人という配置。使用できる機材は、水上にレスキューチューブ、軽溺者が使用していたと思われる浮き輪、マット×2、ビート板が浮いており、陸上には1m程度の棒とバケツが置かれていた。
一方、U19の要救助者は軽溺6人、重溺(水没マネキン)2人、陸上に傷病者1人という設定。使用できる機材は、陸上にロープとゴムボール、水上には浮き輪×2、ライフジャケット、レスキューチューブが浮かんでいた。
オープンクラスから競技が始まったが、日本代表は24チーム(エントリー26チームのうち2チームが危険)中21番目の登場。前回大会で入賞したオーストラリア、カナダ、アイルランド、南アフリカ、スペインはいずれも日本の前に競技を終えており、その中では軽溺、重溺を含めすべての溺者を救助したオーストラリアが一歩リードしているように見えた。
そして登場したA代表。リーダー役の植木将人選手の指示を受け、長竹康介選手、西山 俊 選手、三井結里花選手が水に飛び込む。長竹、三井両選手はプールの右サイド、西山選手は左サイドを中心に救助活動を行う。競技中盤、軽溺者を救助していた三井選手から「重溺発見!」の声。すかさず、すでに軽溺者1人を救助し終えた長竹選手がサポート入った。
A代表の動きは悪くないように見えた。しかし、50mプール全面を使用した設定に、救助しきれない溺者がいたのも事実。軽溺6人、重溺1人を救助した時点で競技時間が終了した。
日本A代表が救助することのできなかった軽溺1人と重溺1人は、実は多くのチームも救助できなかった。
重溺者がいる位置がエントリーできる場所からかなり離れていること、また水に完全に沈んでから再び浮き上がってくる軽溺者の演技が迫真に迫っており、瞬間的に見ただけではなかなか発見することができなかったことがその理由だ。
短い休憩を挟んでU19クラスのSERCが始まった。競技順は香港、カナダ、スペイン、ニュージーランド、オーストラリア、日本、アメリカ。
ユースチームながら、どの国も落ち着いて救助活動を行っているのが印象的だった。中でも、カナダは機材を上手に使いスムースな救助を行い、オーストラリアはオープンクラス同様、重溺を含むすべての溺者にアプローチしていた。
最後から2番目となった日本B代表のリーダーは高橋愛海選手。小林 海 選手、坂本 陸 選手、皆川彩菜選手が水中での救助を担当した。中でもプール左サイドを受け持った坂本選手が、軽溺と重溺を一度に救助する活躍を見せ、B代表は時間内にすべての溺者にアプローチした。
競技終了後、会場から大きな拍手をもらう出来栄えに、選手たち、そしてコーチ陣も手応えを掴んだようだった。
結果はオープンクラスが8位、U19クラスが3位。B代表は優勝が期待できる活躍だっただけに残念な気持ちも残るが、表彰台に登る3位は立派な成績。気落ちせずに明日からもがんばって欲しい。
競技内容と採点基準に関しては、オフィシャルにインタビューしてからご報告する。今しばらくお待ちいただきたい。
[SERC成績表]
オープンクラス
1位:オーストラリア(261.3ポイント)
2位:ノルウェー(246.0ポイント)
3位:カナダ(225.8ポイント)
4位:ニュージーランド(225.5ポイント)
5位:イギリス(224.5ポイント)
6位:フランス(206.8ポイント)
7位:アイルランド(204.3ポイント)
8位:日本(197.8ポイント)
U19クラス
1位:オーストラリア
2位:カナダ
3位:日本
4位:ニュージーランド
5位:スペイン
6位:アメリカ
7位:香港