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必読!女性ライフセーバーの健康管理
第4回 骨盤をととのえる方法
2018/03/25

How to manage in good shape for female lifesavers



女性ライフセーバーに知ってもらたい健康管理の方法を、大竹SLSCのライフセーバーであり、助産師として働く齋藤愛子さんの解説でお届けする本連載。

今回は健康的で美しいライフセーバーになるための骨盤ケアの後編。前編と合わせて読んで“ヘルシー&ビューティー”を目指そう!(LSweb編集室)


骨盤ケア①の記事はこちら


文=齋藤愛子(大竹SLSC)




日々の生活から骨盤ケアを

 前回は骨盤の役割と、その骨盤を支えている骨盤底筋群を鍛えることの大切さについて紹介した。今回はどのように骨盤底筋群を鍛え、骨盤の柔軟性を高めるとよいのか、骨盤のメンテナンスの仕方をお伝えする。
 まず、みなさんに質問したい。雑巾がけを行うこと。これは骨盤に良いか?悪いか?
 正解は、雑巾がけを行うことは骨盤に”良い”だ。雑巾がけをすることで骨盤や背骨の周囲の筋肉が鍛えられるため、骨盤をしっかりと支えられるようになる。

 では洋式トイレと和式トイレはどちらが骨盤に良いか?
 正解は、骨盤に良いのは”和式トイレ”である。和式トイレでのしゃがんだ姿勢は、股関節の柔軟性を高めるだけでなく足腰を鍛えることにも繋がる。



 しかし、掃除の手段として雑巾がけをしている人はいるだろうか?私の最終雑巾がけ歴は大学時代の剣道の授業時であり、それ以降雑巾がけをしていない。和式トイレと洋式トイレで、積極的に和式トイレを選んでいるだろうか?掃除に雑巾がけをとり入れたり和式トイレを使用する習慣をつけたりするなど、意識して日常生活で骨盤をととのえる動きをしてほしい。

 ほかにも、座るときはあぐらにして股関節の柔軟性を高めたり、足を組んで座ったり床で横座りしたりせずに左右の骨盤に均等に力が加わるように姿勢に気をつけるだけでも、骨盤をととのえることに繋がる。


骨盤体操で骨盤をととのえる

 では、ストレッチとしての骨盤体操をいくつか紹介したい。
たくさんのストレッチ動作があるが、ここでは助産師として、妊娠中(妊娠中期以降)でも行える骨盤体操を紹介しようと思う(もちろん、妊娠していない人にも効果があるもの)。

【四つん這いのポーズで腰まわし:骨盤のゆがみをととのえる】
・両手両膝を床につけ、四つん這いの姿勢になる。
・両手と両膝を肩幅に開き足先はまっすぐ床に伸ばす。
・お腹と腰をゆったりさせて、気持ち良い方向に気持ちよく回す。(肘が曲がらないように)。同様に反対側にも行う。













【しっぽさがし:骨盤の左右差をととのえる】
・四つん這いのまま自分のお尻にしっぽをイメージし、そのしっぽを見るように左右に振りかえる。左右のどちらが楽か確かめる。
・楽に振り返ることができた方向へ、自分のイメージしたしっぽを見るようにゆっくりと息を吐きながら振り返り、その姿勢のまま2-3呼吸する。
・最後の吐く息と一緒に体を正面に向けながらふわっと脱力。頭も自然にだらりと下げる。そのまま2呼吸。これを3回繰り返す。
・つぎに反対側を一回のみ行う。
・しっぽを見るつもりで振り返り、2呼吸キープ。最後に吐く息と同時に脱力、体をまっすぐに戻し、頭を下げてそのまま2呼吸。













【ねこのポーズ:骨盤周りの筋肉をのばし、腰痛も予防できる】
・四つん這いの姿勢で腕と腿は床と90度。
・先に息を吐いて息を吸いながら天井のほうを見上げるようにして背中をそらせる。
・反対に息を吐きながら、お臍を見ながら背中を丸めて、手で床を押していく(背中を十分に丸める)。
・息を吸って天井を見るように自分のペースで繰り返す。
・吐いてゆっくり吸って終了する。

 どの動作も、息を吐きながら動きをすることがキーポイントだ。吐くときは口をすぼめてろうそくの火を吹き消すように「ふーっ」と吐いていく。息を吐いているときは副交感神経が高まるので心をリラックスさせ、からだの筋肉をゆるませることができる。骨盤体操のときだけでなく、ランニングや海練の際も、呼吸が苦しくなったらとにかく吐くほうに集中すること。息を吐いた分だけ吸うことで、体内の二酸化炭素も排出され呼吸が楽になる。
 骨盤は私たちのからだを支え、臓器を保護する大切なもの。その骨盤がゆがんだ状態でトレーニングを続けていると、背骨に悪影響が生じライフセーバーに多い腰痛の原因になるだけでなく、そのゆがみは女性の妊娠・出産にも大きく影響する。女子ライフセーバーのみなさんは特に日々の生活の中で「骨盤とととのえる」意識をし、「骨盤にいい」姿勢や動作を習慣づけてほしい。


    
 
齊藤愛子(さいとうあいこ)

大竹SLSC所属。筑波大学入学後にライフセービングを始め、今年でライフセービング歴15年。競技ではオーシャンウーマンやスーパーライフセーバーを得意とした。
大学卒業後、会社勤務を経て、より深く命に係わる仕事をしたいと看護師免許、その後、助産師免許を取得。現在、産婦人科(神奈川県)にて助産師として命の誕生に寄りそう現場に携わっている。内閣府が実施する国際交流事業「東南アジア青年の船」に参加した経験も持つ。JLA国際室所属。サーフインストラクター。B級審判。

 
    








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