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創立20周年を迎えた愛知LSC
中部地方で精力的に活動を続ける
2018/02/27

The AichiLifesaving club's 20th anniversary

LSweb日本で最初のライフセービングクラブが産声をあげてから半世紀以上——。

ライフセービングクラブは、今や水辺の安全確保だけでなく様々な社会貢献活動を展開されるようになり、全国各地でその活動は根付きつつある。

愛知県を中心に活動を行う愛知ライフセービングクラブ(代表・水川雅司氏)もそうだ。同クラブは今年で創立20周年を迎えた。

節目の年を迎えられた感謝を伝えるべく、このほど名古屋市内で創立記念祝賀会を開催。当日の模様を3代目代表の水川さんにレポートで紹介しよう。(LSweb編集室)

文=水川雅司(愛知LSC)・写真=愛知LSC





クラブの発足はファミレスでの熱い議論から!?

LSweb 愛知ライフセービングクラブ(以下、愛知LSC)は去る2月3日、名鉄ニューグランドホテルで「創立20周年祝賀会」を開催。

 当日はご来賓の入谷拓哉日本ライフセービング協会理事長をはじめ、クラブ員、OBら関係者約80人が参集し、旧交を温めることができた。
 はじめに、愛知LSCの歴史について紹介させていただきたい。

 専修大学サーフライフセービング愛好会出身の福山幹氏が、ライフセービングを志す有志と共に「ライフセービングが全く普及されていない愛知県において、クラブ発足に向け、どのようにして活動を展開するのか?」などとファミリーレストランで議論を始めたのが、わがクラブ創設の黎明(れいめい)となった。

 その後、福山氏が日本ライフセービング協会を通じて、愛知県内のライフセーバー有資格者と連絡を取り、1998年4月愛知労済40周年記念事業の支援を受け、福山氏を初代代表とする「愛知ライフセービングクラブ」が発足。国内では珍しい、都道府県名を冠にしたクラブ名が誕生した。発足時のライフセーバー数はわずか数人と聞いている。

LSweb 同年6月には、第1回目となるベーシック・サーフ・ライフセーバー講習会を内海(うつみ)海岸・千鳥ヶ浜(愛知県知多郡南知多町)にて開催。その翌月には、同海岸にて監視活動開始にようやくこぎつけることができた。

 当初は有志らによる完全ボランティア活動であった。

 翌1999年7月には、愛知県知多市の人工海浜公園・新舞子マリンパーク内に開設された新舞子ブルーサンビーチにて監視活動を開始。内海海岸に次いで2カ所目となる活動拠点となった。その後、愛知県田原市や同常滑市内の海浜・海水浴場より、シーズン中の監視業務を受託。現在は6海浜にて監視活動を行っている。

中部地方の水辺イベントで活躍

 また、私たちの活動を語るうえで、オープンウォーター競技における監視救助活動も外せない。

 当クラブでは発足当初より、愛知県のみならず、岐阜県や三重県におけるトライアスロン競技、最近ではオープンウォーター競技のスイムパートにおける救護活動にも多く携わっている。

 選手の安全を確保した大会運営をより重視する主催者のニーズが高まっているなどの追い風もあり、我々が活動に携わる大会は年々増加。

 2017年実績では、中部国際空港周辺を舞台に開催するトライアスロン国際大会「アイアンマン70.3セントレア知多半島ジャパン」など14大会において、競技者の安全を確保する活動を行った。
 これらの活動は我々が必要とされていることが認識できる場でもあり、我々クラブの自信にもつながっている。
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 このほか、JLA認定の資格講習会(JLAアカデミー)も積極的に展開している。愛知ライフセービングクラブ所属の指導員は12名おり、夏季のみならず、年間を通じてライフセービングの普及に尽力している。

 このような活動実績が認められ、2005年5月にはより公益性を高めるためにNPO法人格を取得。クラブ2代目代表でもある鈴木雄三氏を代表理事とする「愛知県ライフセービング協会」(以下愛知LS協会)を発足した。

 2008年2月からは愛知県常滑市にて、陰ながらご支援いただく地元海浜アドバイザーさんの協力を得て、中部国際空港を臨む地に、オーストラリアのライフセービングクラブを思わせる建屋を賃借しクラブハウスを開設。
 これを機にさらに地域に密着した機動的な活動を展開できるようになったことや、クラブ員間のコミュニケーション活性化、練習拠点としての競技力向上、活動範囲の拡大などが実現でき、現在に至っている。
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継続できる環境作りと次世代の育成に注力
 
 前置きが長くなったが、祝賀会では冒頭、鈴木雄三愛知LS協会代表理事が「名門クラブと呼ばれるような、ビッグなクラブにしたい」との熱い想いを込め、開会の挨拶を行った。
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 続いて、日本ライフセービング協会入谷拓哉理事長より、祝辞を頂戴した。入谷理事長ご自身が、愛知県ご出身ということもあり「今後も全力でサポートする」などとの大変心強い言葉は自身の琴線に触れた。

 また、乾杯の音頭をとって頂いた初代代表の福山氏より、クラブ発足時のエピソードが披露された。特に創設時のお話を初めて耳にした多くの参加者は感慨深げだった。

 会場では昔を懐かしむ想い出話で花を咲かせる出席者の姿が見られた。20周年を振り返る映像が上映されると、20年間の歴史を引き継いできた重みを改めて実感した。

 楽しい時間はあっという間に過ぎ去り、井藤秀晃日本ライフセービング協会中部支部長の力強い三本締めをもって閉会した。
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 愛知ライフセービングクラブは、発足以来「人と人との繋がり」をとても大切にしている。

 最近の社会問題の一つである人手不足は、当クラブも例外ではない。クラブ員が長期にわたり活動が継続できる居心地の良い環境づくりに軸足を置きながら、次の10年に向け地道に歩みを進めたい。

 また、今後はジュニア・ユース世代への教育活動や競技力向上にも注力していきたい。

 これまで活動機会が少なかった次世代への教育活動の増加で、ライフセーバーもしくはライフセービング活動への良き理解者の増員につなげ、ひいては水辺の事故ゼロ実現に寄与できるよう、引き続き邁進したい。
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