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片瀬西浜はライフセーバーで大賑わい!
2014年・各大学LS部 新勧海練訪問記
2014/04/28

Welcome!, to the world of lifesaving

LSweb入学式も終わり、ゴールデンウィークも間近となった4月中旬の週末。

江の島を間近に臨む神奈川県藤沢市の片瀬西浜海岸には、ボードやレスキューチューブの器材を持った若者たちが大勢集まっていた。

彼ら彼女たちは、首都圏の大学ライフセービング部の部員たち。

この日は、上級生にとっては2014年の新シーズンの始まりを告げる海練習のスタートであり、新入生にとっては初めて体験するライフセービング活動の始まりなのである。


文・写真=LSweb編集室





4月19日(土)、
まずは国士舘と日女体大の練習へ


 LSweb2014年4月中旬の週末。
 湘南の片瀬西浜海岸には、朝から多くのライフセーバーたちが集い、あちこちに大小の人の輪ができていた。これらのほとんどが大学ライフセービング部の集まりだ。

 入学式を終えたこの時期、各大学では、“新入生の勧誘”という非常に重要な任務が遂行されている。一人でも多くの仲間を増やすべく、部員総出でライフセービングの魅力を伝える。クラブの発展には欠かせない非常に重要な活動の一環なのである。

 学内での勧誘活動がひと段落すると、お次は、いよいよ実体験が待っている。
 皆があの手この手で口説き落とした新入生を初めて海に招待し、ライフセービングの素晴らしさや楽しさの一端を感じて貰うべく「体験会」を開催するのだ。

 この日のために先輩たちが趣向を凝らした各大学のLS体験会「新入生勧誘海練習」、通称“新勧海練”をさっそく覗かしてもらった。

LSweb まずは、大人数で目立っていた国士舘大学に突撃!
 円陣を組むその人数は、ざっと見積もっただけでも70〜80人はいるだろうか。よく見ると借り物のウェットスーツなのだろうが、ウェット姿が板についていない初々しい感じの子も見受けられる。きっと新入生なのだろう。

 声をかけると、国士舘大学ライフセービング部の勝田郁也主将が対応してくれたので話を伺った。

 「今日の海練習は新勧を兼ねています。まだ仮入部という形ですが、新入生は30人ほど参加してくれています。
 我々3年生の代から入部が増えて、毎年コンスタントに30人前後が入部してくれているので今年も期待したいですね」と現状を説明してくれた勝田主将。

 現在は、3年生の35人を筆頭に各学年でそれぞれ30人ほどが在籍しており、新たに1年生が入ってくると100人を超える大所帯となる。そんなビッククラブを束ねる勝田主将に今年の目標について聞いてみた。LSweb
 「まずはインカレ優勝です! 前回の成績が3位という結果に終わってしまったので、今年こそは優勝を目指して頑張っていきたいと思います」と、力強く語ってくれた。
 今年も各大会はもちろん、パトロール活動でも大いに活躍してくれそうだ。

 お次は、ライフセービング界のなでしこたちの輪に突撃〜。
 
 いつもながら明るく華やかな雰囲気で活動をしていたのは、日本女子体育大学ライフセービング部のライフセーバーたちだ。

 新入生を交えての海練習ということもあり、海に入る際の基本的な注意事項から先輩たちによるデモンストレーションに至るまで、各パートを楽しく盛り上げながら教えているのがとても印象的だ。うまく新入生の好奇心を掴んでいるようでさすが、女子力である。
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 「今日(4/19)が最後の新勧なんですが、20人ほどの1年生が参加してくれています。毎年、20人弱の新入生が入部してくれるので、今年も20人は欲しいなと思っています。
 昨年、4年生が卒業する前は64名の部員で活動していました。現在、新2年生から新4年生まで3学年合わせて51人いるので、新入生が20人ぐらい入ってくれれば(去年と)同じくらいの部員数で活動できるので、そうなればいいですね」

 「学内での勧誘方法は、パトロールユニフォームを着てアピールしながら、日女体LS部の練習メニューなどを紹介したりしています。ただ、入ってから後悔してほしくないので、こんな厳しい部分もあるよということもしっかりと伝えて、その上で入部を決意してもらえるように真剣に勧誘していました」と語ってくれたのは、日女体大LS部の主将を務める篠崎亜衣さん(4年生)だ。LSweb
 どんな大会でも選手と応援が一体となって元気よく盛り上げてくれる日女体大LS部。このインタビューの最中も、周りではテキパキと指導する上級生の声や楽しそうな笑い声が絶え間なく聞こえていた。

 最後に、今年はインカレでぜひ3位以内に入ってメダルを取りたいと、目標を語ってくれた篠崎主将。いつものパワーで競技会はもちろん、ライフセービング界全体を元気よく盛り上げていって欲しい。期待度◎(にじゅうまる)!!

成城と成蹊大は合同で、日体大もガッツリ海連! 

LSweb 一番江の島よりで練習していたのは、成城大と成蹊大のライフセービング部だ。この2校は夏のパトロールが西伊豆で一緒ということもあり、先輩の代からずっと受け継がれている合同練習なのだそう。 

今年のそれぞれの勧誘状況について、聞いてみた。

「今年の成城は、男子の新入生が自ら積極的に来てくれていますね。今のところ男女合わせて10人前後は入部してくれるかなといった感じです。成城としてはよい手応えです」というのは、成城大学3年生の寺尾主将。

LSweb「成蹊は去年の勧誘が今ひとつ上手くいかなかったので、新2年生が3人しかいません。部活動としてキチンと存続させていくにあたり、部員の確保というのは非常に大事なので、今年は成城大学にも勧誘を手伝って貰いました。お陰で10人程度入部して貰えそうなので、手応えは感じています。
 ただ、ライフセービングそのものを知らない人が多いので、いかにしっかりとその活動を伝えられるかが鍵だと思うのですが、なかなか難しいところですね」と語ってくれたのは成蹊大学3年の斉藤隼平主将だ。

 斉藤主将のいうように、小規模の学校クラブの場合、毎年の人材確保は非常に重要なこと。なにせ部の存続に直接関わってくるからなおさらである。

 彼の抱える問題は、ライフセービング活動全体における人材確保という点に置いても考慮していかなければならないことだろう。

 ライフセービングの認知度を広く世間一般に浸透させていくアイディアと努力をよりしっかりと推し進めるべきである。我々もウェブサイトを通じて微力ではあるが、できる限りのサポートを続けていけるよう努力していきたい。LSweb

 そんなことを思いながら、日体大の練習場所へ移動。
 
 全体練習とはいえ、人数が多いのでビーチとオーシャンに分かれて練習している。ビーチフラッグスの練習をしばらく見ていると、沖の方からボードの集団がこちらを目指してパドリングしてきた。ボード練習を終えて集合場所へ帰ってきたようだ。

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 日体大ライフセービング部4年生の吉岡才智主将に今年の目標をズバリ聞いてみた。

 「日体大としては、5月の全日本プールからインカレなど4大会すべて優勝という気持ちでやっていこうと、この4月に部員全員で確認したばかりです。
 また、日体大は部員数が多いので、練習も単独で行うことが多く、他大学との交流が少なくなりがちですけど、最近は個々の部員が積極的に横の繋がりを持ち、他の浜に出かけて練習するなど各自がモチベーションの維持に努めています。こうした交流で学生ライフセーバー全体のボトムアップができたらいいなと思っています」

 自他ともに認める学生ライフセービング部のトップに位置する日体大。競技会では常に“優勝”の二文字を使命としているが、学生全体のレベルアップを常に目指して行動しているところに日体大ライフの意識の高さを改めて感じた次第。

LSweb 取材した4月19日の海練習では、まだ新入生は合流していなかったが、吉岡主将によれば、勧誘の手応えもしっかりと感じているようで、新1年生を加えると総勢100人を超える部員数になりそうだという。

 今年もインカレを中心とした競技会において、強力な力で立ちはだかるであろう日体大に、各大学がどのような形で挑んでいくのか、白熱した戦いを見るのが今から楽しみである。

4月20日(日)、
早稲田の隣には成城学園、高校生の姿も


 日付が変わって翌日曜日。今日はどんよりと曇っていて昨日以上に肌寒い。こんな状況でももちろんライフセーバーたちは元気いっぱい。西浜には今日もたくさんのライフセーバーが集まっている。

 その中で見つけたのが、昨年、女子がインカレで優勝するなど、著しい成長を遂げた早稲田大学ライフセービング部。部員数はそれほど多くなくとも、競技会において十分結果を残せるということを体現して見せた。我々も昨年の競技会取材において印象に残ったひとコマである。

 そんな早稲田も片瀬西浜で新勧海練習を行っていた。丁度、ビーチフラッグスの体験練習を行っていたのだが、この方法がまた面白かったのでまずご紹介したい。
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 写真でもご覧頂けると思うが、フラッグがなな、なんと、うまい棒なのである。もちろん、取った人がそのうまい棒をゲットできちゃうのである。
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 「新入生に楽しくライフセービングを知って貰うために、ビーチフラッグスでは、フラッグをうまい棒にしてみました」と教えてくれた上級生。
 評判は上々のようだが、ひとつだけ難点があるという。勢いよく掴むと粉々に壊れてしまい、後で食べづらいんだとか。勧誘は最初が肝。ライフセービングのさまざまな活動を楽しく理解してもらえるよう、創意工夫している。

 上昇気流に乗っている早稲田ライフ、今年は何人の新入生が入ってくるのだろうか。楽しみにしてみたい。

 LSweb早稲田の横では、青いテントを建てている集団を発見。傍らにはボードが置かれてあるのでどこかのライフセーバーだと確信しつつお邪魔してみた。

 てっきり大学生だとばかり思っていたら、なんと成城学園の高校生たちだった。そして傍らには、引率の松本貴行先生を発見。高校での部活動について簡単に話を聞かせて頂いた。

 「今日は一年生も来ています。成城学園の場合は、付属中学の水泳部から入ってくる子が多いですね。高校では土曜日にプール練習を行い、日曜日には海に来て練習をしています。高校生にしては練習環境が整っていると思うので、いろいろな意味で結果が出せるよう頑張ってほしいです」と、松本先生は生徒たちに期待をよせていた。

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 高校生の海練習には付き添いが不可欠なので、引率の先生のご苦労も大きいと思うが、15〜16歳から学校の中で本格的にライフセービングを学べるのは貴重なこと。楽しみながらライフセービングについての知識を深め、技術を習得していって欲しい。


 この2日間だけでも本当に多くのライフセーバーの練習風景を見させてもらった。
 ゴールデンウィークを間近に控えたこの時期、各大学では新入部員を迎えて、新たな目標をたてつつ、2014年シーズンへ向けてスタートを切ったばかり。夏のパトロールへ向けて、また、それぞれの目標に向かって、みんなファイト〜ッ!!









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