LSClubs



LSweb
10大学が集合した関東合同新歓海練
SNSも駆使して新入生を勧誘!
2017/05/13

New students, welcom to Lifesaving world!

LSweb
学生ライフセーバーにとって「新入生勧誘」は春の一大行事だ。特に部員数が少ない学校は、どうやって新しいメンバーを増やすか頭を悩ませていることだろう。

その一つの解が、複数の大学クラブが集まり合同で体験会を行う「新歓海練」である。

4月最後の日曜日、関東近郊の大学10校が集まり片瀬東浜で開催した「関東合同新歓海練」の様子を取材した。



文・写真=LSweb編集室





今年は総勢130人以上が集合

LSweb ゴールデンウイーク前半の4月30日。晴天に恵まれた神奈川県藤沢市の片瀬東浜海岸は、家族連れやマリンスポーツ愛好家で大いに賑わっていた。その一角に、学生らしき一団がいる。それが、複数の大学ライフセービングクラブが共同でLS体験会を行う「関東合同新歓海練」グループだった。

 今年は神奈川大学、帝京大学、國學院大学、慶応義塾大学、青山学院大学、中央大学、文教大学、実践女子大学、茨城大学、明星大学(順不同)の10校から、新入生66人、上級生65人、計130人以上が集まった。

 関東合同新歓海練は、神奈川大学の音頭取りで2010年にスタートした。

 その趣旨は、人数が少ない大学ライフセービングクラブが集まり、一緒に海練を行うことで、ボードやチューブといった機材を共有し、またサポート人員(上級生)を確保しながら、新入生に楽しくかつ安全にライフセービング体験をしてもらうおうというものだ。
LSwebLSweb
 新入生が1人でも、2人でも増えてくれれば……という上級生の切実な思いと、同じ悩みを持つ学生ライフセーバーたちの熱意が通じ、当初は全員で30人規模だった参加者が今では4倍以上に、そして参加校も今年は過去最高の10校に増え、開催場所の確保に気を使うほど拡大した。
LSwebLsweb
楽しんでもらうことが第一目的

LSweb 合同新歓海練は、各大学から選出された実行委員が中心となって実施されている。8回目の今回は神奈川大学の浅香 豪さんが実行委員長として、帝京大学の船津大和さんが副実行委員長として全体を統括した。

 「ここ数年、天気が悪くて寒いことが多かったのですが、今年は気持ち良く晴れてホント良かったです」というのは、実行委員長の浅香さん。

 「新歓海練の第一の目的は、新入生に楽しんでもらうことです。僕自身は1年の時に参加できなかったのですが、同期からは楽しかったので入部を決めたと聞いていたので、とにかく楽しんでもらおうと準備しました」と続ける。

 「新入生の中には、すでに本入部してこの海練に参加している人もいれば、迷っている人もいるし、とりあえず体験してみようかという人もいるので、誰も後が楽しめるようなプログラムを心がけました」と話すのは、実行副委員長の船津さんだ。

 「新入生に楽しんでもらうのはもちろんですが、自分たちも一緒に楽しみます。僕たち(上級生)が楽しんでいれば、新入生にも伝わると思うので。セクションごとにキャプテンやリーダーがいて、それぞれが楽しませる工夫をしているので、僕は全体を盛り上げる役に徹しています」という船津さんは、要所要所でコントを披露。ウケたり、時にスべったりしながら新入生の緊張を解きほぐしていた。

 なにはともあれ楽しんでもらうことを第一目標に、準備を進めた実行委員たち。実際に集まってのミーティングはもちろん、SNSでの連絡も密に取りながらこの日を迎えた。
LSwebLSweb
LSwebLSweb

本入部を決めた人、続々

LSweb 当日の流れを簡単に紹介しよう。

 午前10時の開会式の後、全員でビーチクリーン。ビーチクリーンを始める前に、「ビーチクリーンの意義は、まず自分たちがケガをしないようにすること、そしていつも利用する海や砂浜に感謝する意味でゴミ拾いをします」と説明があると、新入生も納得の表情だった。

 続いて準備体操で体をほぐし、手つなぎ鬼で緊張をほぐすと、オーシャン組とビーチ組に分かれ本格的な体験会がスタートだ。

 オーシャン組はボード班とチューブ班に分かれ、それぞれ約40分、水辺のアクティビティを体験。ビーチ組も2班に分けれ、前半後半で入れ替わりながら、1班はビーチフラッグス、もう1班は砂浜を駆け回りながらのレクリエーションを楽しんだ。
LSwebLSweb

LSweb 約1時間の昼食休憩中には、トンビ襲来という湘南名物!? のハプニングもあった。サンドイッチをさらわれたのは中央大学の新入生。

 「先輩たちが気をつけるように言っていたので注意はしていたのですが、びっくりしました。僕の田舎ではこんなことないので……」と顔を見合わせた2人は、九州と四国の出身。キャンパス内の勧誘でライフセービングに興味を持ったそうだ。

 午後からはオーシャン組とビーチ組が交代し、上級生、新入生入り乱れての歓声は、午後2時半の閉会式まで続いたのだった。

 新入生獲得のために奔走した先輩たち。

LSweb 例えば、ボードプログラムを担当した慶應義塾大学の上野真凛さんは、「午後は午前より風が上がると思うので、寒さ対策が必要です」と、午後の部が始まる前の実行委員ミーティングで着替えが早めにできるよう時間調整を提言。

 レスキューチューブプログラムを担当した帝京大学の加藤 駿さんは、「普通にやっていたらボードの楽しさにはかなわないので、ウェーディングレースの時間を長めにとりました」と、どうやって盛り上げるか頭を悩ませたようだ。

 終始、和気あいあいとした雰囲気に「本入部を決めました!」という新入生もいた。本入部の決め手は? と聞いてみると、「海に入れたのが楽しかった」「先輩が優しいし、面白いから」「ほかの大学の人とも交流できたので」といった答え。

 そんな新入生たちの声を聞きながら、明星大学の根岸春果さんは「今年はこれまでに7人が本入部を決めてくれました。やっとインカレでチーム種目にも出られそうです」と笑顔を見せた。
LSwebLSweb

学校ごとの特色も活かして

LSweb ところで、合同で新歓海練を開催していても、各大学によって活動形態やメンバー構成は様々だ。助け合うところは助け合いながら、学校がごとに特色のある新歓を行っている。

 青山学院大学の場合、今年の新入生勧誘で反応が良かったのはクラブ公式ツイッターだそうだ。
 
 普段から活動内容をつぶやいているのだが、今年は大学の公式ツイッターでリツイードされたことで、より多くの新入生の目に留まったのではないかと、上級生たちは分析している。

 茨城大学は今年、15人の新1年生獲得を目標にしている。現在のところ7人の本入部が確定したが、女子の勧誘に苦戦しているのだとか。
 学校の男女比はほぼ半々だが、上級生も、入部希望の新入生も男子が圧倒的に多い。いかに女子学生に興味を持ってもらうか試行錯誤中だ。

 一方、女子学生しかいない実践女子大学は、新入生8人が合同新歓海練に参加した。

 英文学科の学生だという新入生は、ライフセービングだけでなく国際観光サークルにも入るつもりだと言う。「勉強したことが活かせることと、誰かの役に立つことを両方やってみたいと思ったので」と、学生生活にかける意気込みを語っていた。

 國學院大学は、浜が一緒の他大学の仲間などの協力を得ながら、コツコツと新入生勧誘を続けている。というのもメンバーは全部で17人いるのだが、実は4年生0人、3年生1人、2年生16人という内訳なのだ。各年代を途切れさせないことが今年の新歓の最大の目標なのである。
LSwebLSweb
 キャンパスが複数あり、活動拠点が異なる悩みを抱える大学も多い。

 文教大学は神奈川と埼玉の二カ所にキャンパスがあるが、クラブで活動するのは海に近い神奈川県内の湘南キャンパスに通う学生たちだ。

 帝京大学もキャンパス間の交流に苦労しているが、板橋キャンパス、八王子キャンパスのそれぞれに副代表を置き(板橋キャンパスには主将もいる)、海での練習をできるだけ多く行うようにすることで、これまで少なかった八王子キャンパスに通うが学生も増えてきた。

LSweb 今年からマネージャーの募集を始めた神奈川大学は、すでに数人がマネージャーとしての入部を希望しているという。
 
 「パトロール活動には参加する自信はなくても、部活には入りたいという人はいますよね。ガードをするかしないかに係わらず、ライフセービングが広がるのはいいなと思うのです」と浅香さん。

 同クラブは、今年中に公認クラブ(体育会)の申請を行う予定ということもあり、規模の拡大に合わせた組織改革も行っている最中だ。

 関東合同新歓海練の規模は年々、拡大している。近い将来、独立する大学も出てくるかもしれない。

 「そうなれば、当初の目標が一つ達成されたことになりますね。でも、横の繋がりはこれからも続けていきたいと思っています。まだアイディアの段階ですが、次ぎは新歓ではない合同海練ができればいいなと話しています。全日本が終わった後、なんとなく気が抜ける時期がいいかな、とか」と、浅香さんと船津さんは口を揃えた。

 学生ライフセーバーの繋がりはどんどん広がり、活動範囲も増えている。体力的にきついこともあるし、意見がぶつかることもあるだろう。でも、その分やりがいもあるはずだ。新入生の皆さん、入部届けはもう出したかな?
LSweb

2017年、10大学新歓海練、全員集合!


LSweb

慶応大学LSクラブ

LSweb

國學院大學LSクラブ

LSweb

明星大学LSクラブ

LSweb

実践女子大学LSクラブ

LSweb

茨城大学LSクラブ

LSweb

青山学院大学LSクラブ

LSweb

文教大学LSクラブ

LSweb

帝京大学LSクラブ

LSweb

中央大学LSクラブ

LSweb

神奈川大学LSクラブ

LSweb

各大学幹部、実行委員の皆さん、お疲れ様!

LSweb








LSclubs 記事タイトル一覧

年別アーカイブ