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2012YokoUMI02
2012夏 パトロール浜訪問
横浜海の公園
2012/09/01

広い砂浜と波静かな海が広がる
横浜市内唯一の海水浴場

東京湾に面した横浜海の公園は、
埋め立て事業の一環として横浜市が整備した人工の海浜公園だ。
園内には運動公園やバーベキュー場、親水広場、
ビーチバレーコート、ウインドサーフィン用の艇庫などがあり、
一年を通して人が集まる市民の憩いの場所。
夏季には、横浜市内唯一の海水浴場もオープンする。
ここで活動するのが「横浜海の公園ライフセービングクラブ」だ。

2012.8 神奈川県・横浜海の公園

文・写真=LSweb編集室





広大な遊泳エリアをカバーするために
監視はバディ制、PWCやIRBもフル活用


 横浜市金沢区にある横浜海の公園は、約1kmにわたって続く人工ビーチが目玉の海浜レジャー拠点。潮干狩りのメッカとしても知られている。東京湾に面してはいるものの、八景島と追浜の埋め立て地の奥に位置しているため、波は常に穏やか。家族連れやグループで遊びに来た人たちも、安心して過ごせる環境を提供している。
 
 千葉県から運んだ砂を入れたビーチは、満潮時でも波打ち際からの幅が60mもあり、大潮の干潮時ともなればその幅が約200mまで広がるそうだ。海水浴期間は毎年7月中旬から8月下旬まで(2012年は7月14日〜8月31日)。シーズン中は、ウインドサーフィンが出入りする南側の一部をのぞき、1kmの砂浜ほぼ全域から、沖き合い約100m付近までが遊泳エリアとなる。
 
 8月の最終土曜日。恒例の金沢祭りと花火大会を目当てに、大勢の人が集まる中、日に焼けたライフセーバーたちが炎天下でのガードを続けていた。横浜海の公園LSCの代表を務める、小関大輔さんに話を聞いた。
「ここの海は通常、ご覧のようにまったく波が立ちません。外海に面した海水浴場ならば、遊泳区域内であっても波が崩れる場所より沖にはなかなか行かないものですが、見た目がプールのようということもあり、ここでは遊泳区域全体に海水浴客が散らばって遊びます。遊泳区域そのものもとても広いということもあり、PWCとIRBは必需品です」
 
 同クラブは現在、PWC(水上オートバイ)とIRB(船外機付きのインフレータブルボート)を各2台導入し、ガードに当たっている。
「浜にいると、遊泳区域ギリギリで泳いでいる人の頭は親指の先ぐらいにしか見えないので、沖のブイと見分けが付かない時もあります。ですから、常に遊泳ブイの際のあたりでPWCとIRBを使った監視を行っています。見落としがないように、タワーでの監視も基本的に2人一組のバディ制を採用しているのですよ」
LSwebLSweb
 
 小関さんから話を聞きながら気になったのが、波打ち際に大量に打ち上がっている黄緑色の海草類だ。
「アオサとアマモです。アオサは八景島の沖に根があり、風向きによってちぎれたものがこのエリアに流れてきます。アマモは近年、水質改善のために環境保護団体が植えているものなのです。遊泳エリアの沖に移植しているのですが、最近は遊泳エリア内まで増殖してきているようですね。水質改善という意味では確かに効力があると思います。しかし、海水浴場としては良いことばかりとは言えないこともあるのです」
 と小関さん。LSweb

 例えば、波打ち際に打ち上がったアオサで滑って転んだり、その下に貝殻などがある場合は足を切ったり、また潮が引いている時には水面ギリギリまでアマモが生い茂り、泳ぎに支障をきたすこともあると言う。
「自然のものですから共存しなければいけないのですが、悩ましい存在であることは確かです。PWCやIRBの運転にも気をつかいますしね」


集客人数は海水浴より潮干狩りが多い
4月の第1週から週末のガードを開始


 「横浜海の公園は潮干狩りで有名です。初春の大潮の時には、2万人、3万人と人が集まります。1日の人出は、海水浴シーズンよりも潮干狩りの時のほうが多いのです。遠浅の海ですから、大潮の時には砂浜が広大になります。でも潮が満ちてくるスピードも速いので、貝を掘っていた中州から岸に戻る途中に深くなっている場所があり、そこで足を取られたり、ということが起こります。そこで、4月から週末のボランティアガードを始めているのです」LSweb
 と小関さんは続ける。

 1988年から活動を続ける同クラブのメンバーは100人近くいるが、社会人が多いため、海水浴期間中にガードに入れるメンバーはだいぶ少なくなる。学生は玉川大学、神奈川大学、国士舘大学、法政大学など複数校のライフセービングクラブから参加。そこで、ガード技術の習得と練習、親睦を兼ねた週末ガードを、毎年、4月から行っているというわけなのだ。

  「4月からのボランティアガードは“マイト”と呼んでいます。Marine Activity Training Educationの頭文字をとってMATE。発音はオーストラリア流にマイトです。夏に向けたトレーニングを兼ねた集まりですね。1980〜90年代からにライフセービング交流で日本に来たオーストラリア人ライフセーバーが伝えてくれたもので、今でもこの名称が残っているのはうちのクラブぐらいではないでしょうか」
 と話すのは、同クラブの事務局長を務める座間吉成さんだ。

  「ここでのガードは、この浜ならではの経験とスキルも必要になってきます。夏の第一目標は無事故で終わらせることですが、先輩から教えられたことをしっかり引き継ぎ、後輩に繋げていけるよう、これからもがんばっていきたいです」
 と真っ黒に焼けた顔を引き締めるのは、今年、監視長を務めた玉川大学4年生の多田創一さん。
 
 その横で、同じように日に焼けた座間さんはこう言う。
「一頃に比べると、海水浴客の数は減っています。しかし、マリンスポーツや海浜でのレジャーなど、年間を通して海に来る人の数はむしろ増えているのではないでしょうか。海の公園という場所柄を考えれば、夏季だけでなくもっと幅広い用途に応じたライフセービング活動ができればと考えています」

 親水を目的とした市民の憩いの場である、横浜海の公園。ここを活動拠点にする同クラブの今後の取り組みにも注目していきたい。
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