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寒くても、眠くても、練習がんばった!
日々の努力が記録に繋がった、第3回神奈川ジュニア&ユース競技会
2017/02/27

第3回神奈川県ジュニア/ユース ライフセービング・プール競技会
神奈川県・平塚総合体育館温水プール 2017.2.12

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日本列島が寒気にすっぽりと包まれ、西日本を中心に大雪に見舞われた2月中旬。

神奈川県平塚市の平塚総合体育館温水プールにて「第3回神奈川県ジュニア/ユース ライフセービング・プール競技会」が開催された。

神奈川県ライフセービング連盟(KLF)が主催する今大会には、13チーム141人の小中学生が参加。個人・団体、男女合わせて12種目19競技で熱戦が繰り広げられた。

文・写真=LSweb編集室





県外チームも多数参加

LSweb 今年で3回目となる大会には、神奈川県内から6チーム(鎌倉ライフガード、湘南ひらつかライフセービングクラブ、TKSライフセービングクラブ、西浜サーフライフセービング、バディ冒険団、湯河原ライフセービングクラブ)、県外からはそれを上回る7チーム(大竹サーフライフセービングクラブ、柏崎ライフセービングクラブ、キタジマアクアティクス、下田ライフセービングクラブ、世田谷スイミングアカデミー、館山サーフライフセービングクラブ、山形ライフセービングクラブ)が集まった。

 競技は学年別に小学1・2年生、小学3・4年生、小学5・6年生、中学1〜3年生の4クラスに分かれて行われ、個人種目では小学1・2年生が男女一緒にスタート、また団体種目では小学3〜6年生の男女がチームを組んで戦った。

LSweb 開会式で選手宣誓したのはTKSの小学6年生、杉山紅葉選手だ。大会への意気込みを言葉にし、最後は「日頃の練習の成果が発揮できるようがんばります」と締めくくった。

 少し緊張しながらも、しっかりした口調で、最後までつかえることなく宣誓し終えた杉山選手。きっと、何度も繰り返し練習したのだろう。大役を終えると、ホッとした笑顔を見せた。
 杉山選手は続く競技でも練習の成果を発揮。小学5・6年生女子100mレスキューチューブトウで8位に入賞した。

 大会会場となったプールで早朝練習を積んだのが、地元の湘南ひらつかLSCだ。

 市営プールということもあり、これまでは時間外の利用を許可されていなかったが、平塚ビーチパークや海岸公園プールでの夏季パトロールの実績が認められ、今シーズン(冬季)から早朝、オープン前のプールで練習する環境が整ったのだという。

12競技で記録更新

LSweb 同クラブの練習の成果は早くも今大会で現れ、小学1・2年生男女50mジュニアレスキューチューブスイムで優勝した石川真菜選手(優勝タイム39秒03)、小学3・4年生女子50m障害スイムで優勝した伊東紗弥香選手(優勝タイム34秒85)は、それぞれ大会記録を更新する活躍を見せた。

 その後も好記録が次々と生まれ、館山LSCの小学6年生、堺澤舞香選手は、小学5・6年生女子50m障害スイム(優勝タイム31秒96)と小学5・6年生女子100mレスキューチューブトウ(優勝タイム1分20秒21)の2種目で大会新をマーク。

 また遠方から駆けつけた山形LSCの小学4年生、久木朱瑠選手は小学3・4年生女子100mレスキューチューブトウ(優勝タイム1分32秒53)で、柏崎LSCの中学3年生、速水彩選手は中学生女子100m障害スイム(優勝タイム1分07秒39)と中学生女子100mマネキントウ・ウィズフィン(優勝タイム1分15秒02)の2種目で大会記録を大きく更新した。

 男子は西浜SLSCの小学3年生、三宅悠一朗選手が小学3・4年生男子50m障害スイム(優勝タイム35秒15)で、同じく西浜SLSCの小学5年生、志賀海空選手が小学5・6年生男子100mレスキューチューブトウ(優勝タイム1分19秒18)で大会新を出し優勝。
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 キタジマアクアティクスの小学4年生、西森勇太朗選手は小学3・4年男子100mレスキューチューブトウ(優勝タイム1分27秒67)で大会記録を更新し優勝した。

 団体種目でも、中学生女子4×50m障害物リレーと、中学生男子4×50mメドレーリレーで記録が更新されるなど、記録ラッシュの大会となった。

 毎年、寒さが一番厳しい2月に行われる今大会。
 日も短く、気温も低く、そして地域によっては降雪も多い冬季は、プールへ通うだけでも苦労が多い。それでも競技会を目標に一生懸命練習した選手たち。そのがんばりは記録として現れ、そして記録以上の達成感となって心に刻まれたはずだ。
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指導者たちも盛んに交流

LSweb KLFが主催するジュニア/ユース単独のプール競技会は今回で3回目だが、同連盟は以前から、オープンのプール競技大会にジュニアカテゴリーを設けるなど、ライフセービングスポーツの門戸拡大に努めてきた。小中学生の参加が増えたことでスピンアウトしたのがこの大会なのだから、その成果は歴然だ。

 地域クラブに所属するジュニアやユース選手にとって、こうした競技会への参加は活動に対するモチベーションになると同時に、クラブという垣根を越えた出会いの場にもなる。

 そしてそれは、選手だけでなく指導者にもいえることのようで、競技会をきっかけに合同練習を始めたり、互いの地域を行き来して合宿したりという交流も生まれている。もちろん、指導に関する情報交換もしているだろう。

 ジュニアやユースは成長とともに順次、次ぎのステップへと進む。そして入れ替わりに新しいメンバーがやってくる。指導者もしかり。仕事や生活環境の変化、クラブの方針などで引き継ぎが行われたり、新しい指導者が加わったりしているのだ。
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 普段、なかなか顔を合わせる時間がとれない社会人ライフセーバーにとって、ジュニア/ユース競技会は選手たちの頑張りを見ることができると同時に、指導者同士が情報交換できる絶好の機会でもある。

 最後に、今大会の実行委員長で、長年にわたり西浜SLSCでジュニア指導を続けてきた今井恵子さんに話を聞いた。

 「西浜でのジュニア指導は後輩に任せています。コーチたちの身の丈に合った指導ができており、活動は安定していますね。私はこれまでの経験を元に、県内外でジュニアの活動を広げるお手伝いができればと思っています。子どもたちにはすごいエネルギーがあるので、そのパワーをライフセービング活動に取り込められればいいですね」

 KLFが主催する次の大会は、4月29日に藤沢市辻堂海岸で行われるオープンサーフ選手権となる。
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【第3回神奈川県ジュニア/ユース ライフセービング・プール競技会 成績表】