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鎌倉ライフガード、 海の水泳教室を開催!2012/08/28

2012-8.7-9 神奈川県・材木座海岸

「泳ぎは海でライフセーバーに教えてもらったよ!」
3日間の集中レッスンで小学生62人が海大好きに

 


海に面した古都、鎌倉。
夏になると市内に3つの海水浴場がオープンする。
そこでライフセービング活動している鎌倉ライフガードが、
夏休み期間中、地元の小学生を対象とした
「海の水泳教室」を実施した。
水泳教室ってプールでやるものでは?
と思う方もいるかもしれない。
海で行われた水泳教室の様子を紹介しよう。

文・写真=LSweb編集室




初日は水に顔もつけられなかった子どもも

 鎌倉ライフガードが「海の水泳教室」を初めて行ったのは昨年のこと。同クラブの理事である相川次郞さんは、実施にいたる経緯をこう説明する。
 「最近の子どもは遊び道具がいろいろあるからなのか、習い事が忙しいからなのか、せっかく身近に海があるのに、海で遊ぶことが少ないのです。海に行く機会が少ないから、海を怖がったり、嫌いだったりもします。市立小学校の中にはプールがない学校もあって、水と親しむ機会が少ないようにも思います。鎌倉の海で活動するクラブとして、そういう状況を少しでも改善することができればと思い、昨年、第1回の水泳教室を開催しました」
 小学生38人が参加した昨年のプログラムは、子どもからも保護者からもとても評判が良かった。そこで今年は、募集人数を60人(実際の参加者は62人)に増やしての開催となった。

 鎌倉ライフガードが主催する海の水泳教室は、いわゆる海での安全教育を主体としたライフセービング教室ではなく、純粋に海で楽しく泳げるようになることを目的にしている。1日1時間半のカリキュラムを3日間連続で行うことで、最初は水に顔をつけられなかった子どもも、3日目には歓声を上げて海で遊ぶようになるそうだ。
 子どもたちは泳げるレベルによって、イルカ、シマアジ、シラスの3クラスに分かれ、それぞれのクラスを学生ライフセーバー2〜3人が指導。それをOBや地域のサポーターが海に入って手伝い、校長先生役と教頭先生役の社会人ライフセーバーが全体を統括している。
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10年後の明るい未来を目指して

 カリキュラムはメンバーがアイディアを出し合って決めている。例えば、シラス組では波打ち際でフラフープを使いながら水に慣れる練習をしたり、シマアジ組では胸ぐらいの深さで走ったり泳いだりしながら鬼ごっこをしたり、一番泳げるイルカ組では、足の立たない沖まで泳ぐランスイムランをしたりといった具合だ。
 「参加者は昨年同用、一番泳げないシラス組が最も多かったですね。そういう子どもが海を好きになってくれれば……というのが本来の目的ですからやりがいがあります。またイルカ組にはスイミングスクールに通っていて、結構、泳げる子どももいますが、彼らにはプールと海の違いや、海ではどんなことに気をつけなければいけないのかも伝えています。また海は毎日、表情が違いますよね。3日間連続で行うことで、波が高かったり、風が強かったり、そういう自然の変化を知ってもらい、その場で的確に安全についてのアドバイスをしていきたいと考えています」
 と相川さんは言う。
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 「今年は昨年の経験があったので、だいぶスムースにできました。また2回目を開催してみた分かったことは、リピーター率が高いということです。昨年参加してくれた子どもの7割が、今年も参加してくれました。その計算でいくと、来年はもっと受講希望者が増えることになります。ただ、安全面を考えると60〜70人が限度ではないでしょうか。昨年から運営に携わってくれたメンバーの多くが大学4年生という問題もあります。しかし、こうした経験や知識はクラブで共有しなくては意味がありません。だから、4年生メンバーには今回、必ず後輩を連れてくることをお願いしました」
 最初は大変でも、がんばって10年続ければ卒業生が教える側になってくれる、と相川さん。

 その言葉裏付けるかのように、保護者の一人がこんな話をしてくれた。
 「昨年に続いて2度目の参加です。昨年、このプログラムに参加するまでは、海は波があるしベタベタするから嫌い、プールじゃなきゃ絶対にイヤだと言っていた子どもですが、今では海が大好きになりました。今年もきっと、プログラムが終わってからも毎日、海に行きたいと言うと思います。ライフセーバーの皆さんに憧れているみたいですから」
  “100年続くクラブをめざして”活動する鎌倉ライフガード。海の水泳教室という新たな試みは、早くも芽吹きだしたようだ。
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P.S. 8月31日に「海の水泳教室」の写真をGalleryにUPしました! 満面の笑顔と、ときに真剣な表情をみせながら海と戯れる子供たちのシーン満載です。ぜひご覧下さい。