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オレンジパワー全開!
創立20周年を迎えた法政大学SLSC
2013/03/31

法政大SLSC創立20周年記念パーティー

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昨年行われた第27回全日本学生LS競技大会にて、男子総合4位と過去最高の成績を上げた法政大学サーフライフセービングクラブ。

学生2人からスタートし、着実に歩みを進めた同クラブの創立20周年を祝う会が盛大に開催された。

文・写真=LSweb編集室





良き師、良き友、集い結べり
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 「自由と進歩」を理念に掲げ、1880年に建学された法政大学に、サーフライフセービングクラブが誕生したのは1993年のこと。以来、大学の公認サークルとして活動を続け、20周年という節目の年を迎えた。
 
 3月16日に都内で行われたパーティーには、社会人として多忙な日々を過ごす第1期生から、間もなく新2年生となる第20期の現役学生まで、そして顧問の先生やOBのご両親など80人近くが集まり、世代を超えた賑やかな交流が繰り広げられたのだった。

 法大SLSC(HUSLSC)が活動を開始した1993年は、6月に皇太子殿下がご成婚、8月にレインボーブリッジが開通、10月にはサッカー日本代表がロスタイムでW杯出場を逃がす「ドーハの悲劇」が起こった年でもあった。

 LSwebその1年前の1992年、伊豆の下田で世界選手権大会「Rescue 1992」が開催されている。そして、高校3年生の時にこの大会を偶然テレビで目にしたのが、同クラブを創立した第1期生の中條裕太さんだ。
「世界大会の様子を目にして、大学へ行ったら絶対にこの活動をしようと決めました。高校まで競泳をやっていた、自分の経験が生かせると思って。法政なら大きな大学だから、クラブもあるだとうと思っていたのですが、入学してみるとない。それならば自分で作ろうと決意しました」
 という中條さんは水泳部の先輩のつてを頼り、また友人の金子昌弘さんに声をかけて活動を開始、夏には初めてのガードも体験した。クラブが正式に立ち上がったのは、同年秋のことだ。
 
 翌春には初めての新入生勧誘も行った。さらに大学3年の時には学校を休学し、オーストラリアへライフセービング留学した中條さん。現在は損保会社に勤務しながら、大洗の海で夏季の監視活動を続けている根っからのライフセーバーである。

 中條さんや同期の金子さんと共に創生期を支えたメンバーの一人、第3期の日置三千雄さんは、当時の思い出をこう話す。
「若いクラブでしたから、私たちの代はとにかくHUSLSCの存在を知ってもらおうと、メンバー一人一人が違う浜に散らばり、ガードをするようにしていましたね」

 クラブが発展する過程で先輩たちが築き上げたスタイルは、今でも脈々と受け継がれており、現役世代が活動する浜は、白浜、鹿島、横浜海の公園、新島、式根島、三浦海岸、銚子、湯河原、九十九里、波崎などなど多岐にわたっている。

進取の気象、質実の風

 そんな現役世代を引っ張るのが、4月から新3年生となる第19期の幹部世代だ。ビーチ競技を得意とする主将の石井 颯さんに今年の目標を聞くと、「9月のインカレで2位になること」という答え。
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 一見、中途半端な2位を目標とするには、それなりの理由がある。「ぜひ表彰台に上がりたいからです。昨年は3位という目標で4位でした。2位を目指せば(他大学ががんばっても)表彰台に残れるのではないかと思って…」と真面目に話す同期の丸橋侑生さんは、個人でも、サーフ種目で表彰台を狙っている。
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「大学内に、HUSLSCほど人間の命と向かい合っているサークルはないと思います。時に若者らしい振る舞いをすることもありますが、命を大切にする、そのことを軸にしている皆さんから私自身、実に多くのことを教わりました」
 と話すのは2代目顧問の小林 明 氏。

 LSweb法政大学スポーツ健康学部の学部長であり、初代顧問の苅谷春郎教授も、
「ライフセービングというのは21世紀型の活動だと思います。若者たちが自主的に始めたものであり、縦社会ではなく横の繋がりで広がっていった活動ですよね。活動の拠点となる海水浴場には既得権も多い。そこで新しい活動を始め、認知されるようになったわけですから、ライフセーバーが日本の海辺を変えたといってもいいのではないでしょうか。そういう観点からも、彼らの今後の活躍に期待しています」
 とエールを贈ったのだった。
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 世代を超え親睦を深めたパーティーは、あっという前にお開きの時間に…。最後は、幹事を務めた第9期の落合慶二さんが、こんな言葉で締めくった。

「僕は学生時代、中條さんに“法政ライフはお洒落で、かつ礼儀正しくあれ”と教わりました。ストイックに活動を追求している仲間も、バイトに精を出し、たまにしか練習に顔を出さない仲間も、お互いが居心地悪くならないように思いやることができる、それもHUSLSCらしさだと思っています。でも20周年を迎え、僕はもう一つそこに加えたいと思います。“法政ライフはお洒落で、かつ礼儀正しく、そして強くあれ”と」

 パーティーの終盤には、全員で校歌を合唱する場面があった。
 法政大学の校歌にはこんな一節がある。——青年、日本の代表者——
 そしてスクールカラーは暁の太陽を表すオレンジ(と青空を表すブルー)だ。オレンジパワー全開で奮闘する同クラブの活躍に大いに期待しよう。
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