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工夫をこらして新入生獲得へ
学生ライフセーバー大奮闘!
2015/05/02

Newcomers, welcome to LS clubs!

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八大学合同新歓海練が開催されていたのと同じ日、神奈川県藤沢市の片瀬西浜海岸では国士舘大学、杏林大学、成城大学、成蹊大学のライフセービングクラブも新一年生を迎えて海練を行っていた。

大学ごとにカラーがあるように、新歓海練の様子もそれぞれに特色があった。各校ごとに紹介しよう。

文・写真=LSweb編集室




海練はいつも2校で
成城大学&成蹊大学


LSweb 大学や専門学校に通う学生ライフセーバーにとって、春は新入生勧誘の大事な時期。

 部活、サークルに関わらず、一人でも多くの仲間を増やそうと春休みから準備に余念がない。新一年生にとっても、部活やサークル活動はキャンパスライフを充実させる大事な要素の一つだ。どのクラブに入ろうかと、先輩たちの勧誘の声に真剣な面持ちで耳を傾けているのではないだろうか。

 赤と黄色のユニフォームに身を包み、大きなボードを手にするライフセービングクラブは、キャンパス内での勧誘合戦でひときわ目を引く存在だ。
 
 ビジュアル系で新入生の興味を引いたら、次は活動の様子を熱く語る。“レスキュー”という言葉の響きに反応してくれたら、いざ海練へ。

 海辺の楽しさを十分に感じてもらい、いかに本入部へと繋げるか、ここが2、3年生の腕の見せ所といえる。だから、新歓海練は上級生にとってもひときわ緊張するのだ。
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 そんな中、ひときわ和気あいあいと活動するグループがいた。成城大学と成蹊大学の合同チームだ。実はこの2校、普段から週1回、一緒に海練を行う間柄なのである。

 数代前の先輩たちが機材の貸し借りをしたことから、合同練習が始まったという成城大と成蹊大。大学のカラーがなんとなく似ているのは、両校ともに付属の小学〜高等学校があるからだろうか。きっと顔見知りの先輩、後輩がいるのだろう、アットホームな雰囲気で海練を行っていた。

「今日の海練に参加してくれた1年生は10人。そのうち女子3人がマネージャー志望です。実は海練の前に食事会などの勧誘作戦もしていますが、ごはんだけ食べて海練には来てくれない新入生もけっこういるんです。海練に来てくれたら、かなり脈がありますよね」と、成蹊大の代表を務める塚田大揮さん。

 入部希望だという成蹊大の新1年生に話しを聞いてみると「サークルと違って、まじめに活動できるのがいいと思い参加しました。やってみたら想像以上に楽しくて」と笑顔。
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 今シーズン2度目の新歓海練となるこの日は、2校合わせて約20人の新入生が参加。先輩たちからマンツーマンでボードの乗り方を教えてもらうなど、約2時間のメニューをこなしていた。

他大学も受け入れる!?
懐の深〜い杏林大学


LSweb 女子9人、男子13人と20人以上の新入生が集まったのが、杏林大学のライフセービング部だ。

 三鷹と八王子の二カ所にキャンパスのある同大学だが、ライフセービング部に所属するのは、八王子キャンパスに通う学生たち。保健学部の救命救急学科で勉強する学生が多いのが特徴だ。

「救命救急士を目指しているので、ライフセービングにも興味がありました。先輩たちの話を聞き、これは自分の引き出しを増やすことができる活動だなと思い参加しました」と話してくれたのは、ウェットスーツで海から上がってきた新1年生。救命救急士を目指すだけあり、キリリとした表情が印象的だ。

LSweb そんな新一年生の姿を見ながら、「医学系の大学ということもあり、ライフセービングに興味を持ってくれた人は、みんな真面目に取り組んでくれます。でもそれだけではなく、楽しんでももらいたい。そこで今年の体験会では、レース形式を多めに取り入れてみました」と、副代表の小林風矢さん。

 勧誘にはLINEなどのSNSも使い、いつでもウェルカムの体制を整えているそうだ。

 そんな杏林大の楽しげな雰囲気に惹かれたのだろうか、実はこの日、他大学の新入生が紛れ込むハプニングがあった。自分の学校の新歓に参加するはずだったのだが、先輩の顔もうろ覚え、片瀬西浜に来るのも初めて、まして同じ浜でいくつもの大学が練習している……となれば、それも致し方ないことだろう。
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 もしかしたら少し違和感があったかもしれないが、飛び入り参加した他大学の新1年生は、最後まで杏林大の海練を満喫し、その後、自分の大学へと無事戻っていったそうだ。

 この話には続きがある。昼過ぎにひょっこり現れた新1年生を見つけ、事情を聞いた先輩は、すかさず杏林大へ。「うちのがお世話になりました! って挨拶しといたよ〜」とおどけて見せる。

 こんな楽しいエピソードも、横の繋がりが密なライフセーバーならではだ。

国士舘大学は
ビラ作戦で女子を勧誘


LSweb 西浜でひときわ大きなグループを結成していたのが、国士舘大学ライフセービング部。この日の海練に参加した新入生は約30人だ。

 ずらりと顔を揃えた新入生に海練に参加した動機を聞いてみると、「新歓で見たビデオがめちゃ格好良くて、ライフセーバーに憧れました」や「高校まで水泳をやっていたので、自分の特技が活かせるかなと思って」というコメントに混ざり、「救命救急士を目指しているので」という声も。
 国士大は国内の四年制大学として初めて、救命救急士の国家資格が取得できるスポーツ医科学科を設置した大学でもあるのだ。
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「国士と言えば野郎ばっか、というイメージですよね。確かに、今日も男子学生が圧倒的に多いですが、学校には女子もいます。少ないですが……。そこで今年は、新歓で男子用と女子用の2種類のビラを配りアピールしたんですよ」と、代表の益子大地さん。

 海練に参加していた2人の新1年生女子に話を聞いてみると、「えっ、2種類のビラがあったんですか? そういえば、上半身裸の写真が多用してあるものと、女子もがんばっています!というのを見たかな」という返事。
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 それでも、今年はすでに3人の女子学生から入部届けを受け取ったというから、先輩たちのアイディアは女子メンバー獲得に功を奏したといえるだろう。

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 この春、全国各地でたくさんの大学ライフセービングクラブが新歓海練を開催したはずだ。

 新歓が終わってホッと一息といきたいところだが、入部を決めた1年生たちを待ち受けるのは、夏までに取得しなければいけない資格の数々。

先輩ライフセーバーの皆さん、彼ら、彼女らが無事に夏のパトロールを経験し、ライフセービングの本質が味わえるよう、時に励まし、時に厳しく指導しながら、支えてあげてほしい。








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