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第5回全日本ユースライフセービング選手権大会 競技会レポート 高校生編
2013/06/12
The 5th Japan National Youth Lifesaving Championships
中学生の部は、館山SLSC
高校生の部は、成城学園LSCが総合優勝
千葉県南房総市の岩井海岸で開催された「第5回全日本ユースライフセービング選手権大会」。
中高生を対象としたこの大会だが、まだ頼りなさの残る中学生と比べると、高校生は体格も表情もぐっと大人びる。
そんな彼らは時に、大人と遜色ないレースを繰り広げるのだった。
2013.6.9 千葉県南房総市・岩井海岸
文・写真=LSweb編集室
全日本出場選手も参加し
高校生ナンバーワンが決定!
高校生ライフセーバーには2つのパターンがある。
ひとつは小中学生のころからライフセービングに親しみ、地域クラブに所属しているジュニア卒業生タイプ。もうひとつは入学した高校でライフセービングと出会った部活動タイプだ。
ジュニア卒業生で学校のライフセービング部に所属しているパターンもあるかもしれないが、主流は前述の2つだろう。今大会に参加したチームでは、西浜SLSCがジュニア卒業生タイプの代表、成城学園LSCが部活動タイプの代表ということになるだろうか。
ジュニア卒業生タイプは、小さいころから海に親しんでいるため、クラフトの扱いが上手く、イン・アウトの基本もできている。だから、どちらかというとオーシャン競技で力を発揮する選手が多い。大学生や社会人の先輩たちと一緒に、全日本クラスの大会に出場した経験を持つ選手も少なからずいる。
一方、部活動タイプは、海での練習時間に限りがあるため、まずはプール競技やビーチ競技で結果を出す選手が多いようだ。
その傾向が顕著に表れたのが、今大会だった。
最初に行われたサーフレース高校生女子では、西浜SLSCの上野真凜選手が1位、茅ヶ崎SLSCの名須川茉莉乃選手が2位、柏崎LSCの髙橋志穂選手が3位となった。全日本クラスの大会でも活躍する3人が、頭一つ抜き出た格好だ。彼女たちは続くボードレースでも上位を独占。ただし今度は、髙橋選手が1位、上野選手が2位、名須川選手が3位という順番だった。
サーフレース、ボードレースでともに4位となったのが、柏崎LSCの前川紗槻選手。髙橋選手や、今春から大学に進学した速水 愛選手などに続く、同クラブのジュニア卒業生第2世代だ。
高校生女子のサーフレースでは、成城学園LSCの勝又日葉選手が5位、世田谷スイミングアカデミーの水落遊理選手が6位と健闘。ボードレースでは湯河原LSCの伊藤優子選手、吉本彩乃選手が5位、6位に入賞した。
高校生男子で共にサーフレースとボードレースのメダルを獲得したのが、ユースの強化指定選手でもあるバディ冒険団LSCの森野友也選手と永石哲朗選手だ。森野選手はサーフレースで2位、ボードレースで3位、永石選手はサーフレースで胸差の3位、ボードレースでは見事に1位を獲得した。
その2人にサーフレースで勝利したのが、山形LSCの半澤和也選手だ。
「僕は競泳をやっているので泳力では負けない自信がありました。ただ、インやアウトは苦手。だから、スタート直後は速い選手に遅れをとらないようについていき、スイムブイのちょうど中間ぐらいで逆転に成功したのです。ところが、ブイを回ってからゴールの旗を見失ってしまいました。
ずっとヘッドアップで泳いでいましたけど、焦りました。後ろを気にしている余裕はまったくありませんでした。ビーチに上がったら、走れ、走れという声が聞こえてきて、夢中で走ったんです。すぐ後ろに人がいるのかと思いましたが、実際は少し離れていましたね」
とレースを振り返った半澤選手。
山形LSCのメンバーは、競泳や水球を主体に活動し、週1回、プールでライフセービングの練習をしているそうだ。
「マネキンを引いたり、ビート板で障害物を設置したりしてトレーニングしています。水に入る前には必ずCPRの練習をします。自分の能力のひとつとして、CPRができるのはとても良いことだと思っています」
と話す半澤選手は、今回27人で参加した山形LSCのキャプテンとしてがんばった。2回目の参加となる山形LSCは、東北でもライフセーバーの芽がドンドン育っていることを実感させてくれる、頼もしいクラブだった。
高校生男子サーフレース4位は、一人で参加した三多摩LSCの森岡岳大選手。またボードレースでは、柏崎LSCの片山雄起選手が2位に入る健闘を見せた。
ジュニア卒業生タイプの活躍が目立ったオーシャン競技とは反対に、ビーチ競技では、部活動タイプの高校生たちが大活躍した。
高校生女子ビーチフラッグス。
決勝に進出したベスト8の顔ぶれは、成城学園LSCが3人、昭和第一学園高校LSCが3人、そして館山SLSC、湯河原LSCが1人ずつだった。
競技が始まる前に、「私たち1人ずつだから、なんか圧倒されちゃって……」と肩を寄せ合っていたのが、館山SLSCの深作 萌選手と湯河原LSCの吉本彩乃選手だ。
いざ競技始まると、2人はベスト4まで順調に勝ち上がった。だが、昭和第一学園高校LSCの小形梨沙選手、成城学園LSCの今井夏樹選手も速い。ベスト3を決めるレースで吉本選手が敗退。続いて今井選手が負けると、深作選手と小形選手の一騎打ちとなった。
スタート前のルーティンワークが一定で、落ち着いた表情の深作選手。昨年のチャンピオンである小形選手。どちらも集中して最後の一本に望んだ。笛の合図で体を回転させ、走り出した2人。最後までどちらが勝つか分からない接戦となったが、砂煙の後にフラッグを握っていたのは、上手く体を入れた深作選手だった。
お父さんが陸上選手だったという深作選手。俊足DNAだけでなく、競った時の駆け引きにセンスが感じられた。
持久力が問われる高校生女子1kmビーチランでは、成城学園LSCの沖廣南美選手と北川 恵選手がワンツーフィニッシュ。世田谷スイミングアカデミーの水落選手が3位と、心肺能力の高さを発揮した。
高校生男子1kmビーチランは、昭和第一学園高校LSCメンバーが入賞者8人のうち6人という圧倒的な強さを見せた。表彰台も同クラブが独占。中でも2位以下に差をつけて優勝した河上尚輝選手は、昨年秋の全日本でも2位となった実績を持つ選手だ。
流通経済大学LSCの主将で、母校の昭和第一学園高校で教育実習をしている園田 俊さんは、「ビーチ種目だけでなくオーシャン種目でも、僕らの時より、確実にレベルが上がっていますよ」と、後輩たちの活躍に頬を緩ませた。
高校生男子ビーチフラッグスでは、昭和第一学園高校LSCの3人と、成城学園LSCの5人という部活動対決が実現した。その中で、決勝レースの最初から目を引く動きをしていのが、成城学園LSCの高梨友美生選手だ。オフィシャルとしてスターターを任されていた西浜SLSCの植木将人選手も、「彼は速いね」と太鼓判を押すキレの良さだった。
高梨選手が頭一つ抜けた状態でレースは進行し、最後は選手宣誓をしたクラブメイトの赤尾翔一郞選手との勝負に。しかし、最後まで勢いの落ちなかった高梨選手が確実に最後のフラッグを手中に収めた。
「ずっと植木さんを研究して練習してきました。植木さんはまだまだ雲の上の存在ですが、今後は着々とステップアップしていきたいと思っています」と高梨選手。昨年秋の全日本は? という問いかけには「良く言えばベスト32、悪く言うと2次予選敗退です」と軽妙なトークで応じてくれた。
「友美生は、本当にずーっとビーチフラッグスを研究しているんです。僕が負けるのも当然ですよ」と話すのは、最後の1本を争った赤尾選手。
「彼は自分でもビデオを撮るし、友だちが撮った映像なども手に入れて、ずっと見ています。見ながら、延々と解説してくれる。私には、とても無理ですよ」と言うのは、ユースの世界選手権でビーチフラッグス銀メダルを獲得した、成城学園LSCの先輩である利根川莉奈さんだ。
良い意味で“ビーチフラッグスオタク”の高校2年生、高菜選手の今後に注目したい。
高校生の団体種目は、ボードレスキューとレスキューチューブレスキューの2種目が行われた。
レスキューチューブレスキュー男子は、高梨選手もドラッガーとして奮闘した成城学園LSCが優勝。同じく女子も成城学園LSCが制した。
ボードレスキュー男子は昭和第一学園高校LSC、山形LSC、成城学園LSC、ボードレスキュー女子は湯河原LSC、柏崎LSC、成城学園LSCという順番だった。
表彰式では、今年から総合順位も発表、表彰されることになった。栄えある初代総合優勝は、中学生の部が館山SLSC(80点)、高校生の部が成城学園LSC(112点)であった。
高校生ライフセーバーの育成はまだ発展途上だが、最近は、高校生でもベーシック資格が取得できるなど環境に変化が見られる。資格を取得し、海水浴場のパトロールに参加する機会が増えてくれば、ジュニア卒業生タイプと部活動タイプの垣根も徐々になくなっていくはずだ。
部活動タイプの高校生でもオーシャン競技が得意な選手が現れるだろうし、ジュニア卒業生タイプの高校生が、例えば、学校の陸上部や水泳部に所属すれば、得意分野をさらに伸ばすことにも繋がるだろう。
いずれにしても、本人のやる気と努力、そしてコーチや保護者のサポートが、高校生の可能性を大きく伸ばす重要なファクターとなることは確かだ。
そして彼らのモチベーションを上げる一つの材料が、高校生ナンバーワンを決める今大会のような競技会なのである。
★第5回全日本ユースライフセービング選手権大会 成績表
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