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第29回全日本LSプール Day1
初日から好記録続出! ハイレベルな戦い
2016/05/26

第29回全日本ライフセービング・プール競技選手権大会 2016.5.21-22 横浜国際プール

LSweb2016年5月22〜23日、神奈川県横浜市の横浜国際プールにて「第29回全日本ライフセービング・プール競技選手権大会」が開催された。

中学生から社会人まで、50チーム、594人がエントリーした今大会。

タイムを競う個人種目から熱戦が期待されるリレー、全日本プールでしか見ることのできない「シミュレーション・エマージェンシー・レスキュー(SERC)」など、見どころ一杯の大会をお伝えしていこう。

まずは大会初日のレポートからどうぞ。


文・写真=LSweb編集室





大会シーズンインを告げる全日本プール

LSweb 5月半ばを過ぎて差す日の光も力強く、はや夏の気配も感じられる時期。今年も全日本ライフセービング・プール選手権の季節がやってきた。

 溺水救助を想定したライフセービングのプール競技種目は、個人競技男女各6種目、リレー競技男女各3種目、その他にラインスローと溺水事故を想定した演習競技「シミュレーション・エマージェンシー・レスキュー(SERC)」で構成されている。

 年を追う毎にハイレベルな競争が繰り広げられているが、今大会も男女合わせて5種目の日本記録が更新された。

 こうした記録誕生の裏には、それを成し遂げた選手たち一人ひとりに、競技に賭ける熱い思いや日々のひたむきな努力、そして仲間や周囲の理解と協力に支えられたそれぞれのストーリーが存在しているのである。

 大会最初の種目は200m障害物スイム。

 女子は日大SLSCの成澤侑花が2分16秒99で優勝。しっかりと16秒台のタイムに乗せたのは立派だ。2位には0.0.29差で昨年、大会記録で優勝した銚子LSCの栗真千里が入った。3位は日女体大LSCの黒岩美緒という結果だった。
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 男子は湯河原LSCの安藤 秀が2分01秒77で優勝。2位には日大SLSCの池端拓海が、3位には法政大SLSCの渡邉孝之が入った。
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課題や目標に挑む者の強さ

LSweb 女子100mマネキントウ・ウィズフィンは、勝浦LSCの我妻菜登が自身の持つ日本記録1分03秒37を更新する1分03秒23の日本新記録で優勝した。

 じつは我妻選手の旧姓は水間。昨年結婚して名字は変わってもその泳ぎっぷりは変わらず健在。みごと新記録で大会3連覇を果たした。ご結婚、そして日本新更新での優勝、おめでとうー!

 2位には茅ヶ崎SLSCの名須川紗綾が、3位には岩井LSCの渡邉来美が続く結果となった。

 男子の100mマネキントウ・ウィズフィンは、ヒート数25という大会屈指のエントリー数を誇る競技だ。

 その頂点に立ったのは、湯河原LSCの西山 俊。
 
 自身の持つ54秒42という日本記録に挑んだが、おしくも0.02およばず記録更新とはならなかったものの54秒44の好タイムで堂々の優勝を飾った。

LSweb 4月末にオーストラリアから帰ってきたばかりの西山選手。

 「くーっ、(新記録に)あと0.02でもうちょっとだったので悔しいですね。
 でも、オーストラリアから帰国して間もなく、フィンを履いての調整も2週間足らずしかできていないなかでのこの結果なので、まあ、まずまずです。ピーク時の2割程度の調子ですから現状でこのタイムならよしとしなければいけないでしょう」

 結果には満足しつつも、新記録更新を逃した悔しさがその表情に表れていた。

 ちなみにこのタイムだと世界大会レベルでもA決勝にギリギリ残れるタイムだということで、今年行われる世界大会へ向けてしっかりと調整して更なる記録短縮を目指していくという。

 男子のライフセービング競技日本代表を牽引する西山、その目はしっかりと世界を見据えている。

 2位には昨年の同種目優勝者だった西浜SLSCの上野 凌が、3位にはフィンスイミング日本代表にも選出されている東京消防庁LSCの平野修也が続いた。

 溺者に見立てたマネキンを抱えて泳ぐ50mマネキンキャリー。

 道具を使わずシンプルであるがゆえに、ライフセーバーの泳力と体力、技術やスピードが総合的に問われる競技でもある。
 
LSweb 女子のマネキンキャリーを制したのは、九十九里LSCの三井結里花だった。しかも大会新記録のオマケつきでの優勝だ。

 レース終了直後にコメントを貰いに行くと、開口一番「うーん、悔しい〜〜」といいながら大きく息を吐いた。

 「じつは、4月に行われたハイパフォーマンスチーム(代表強化指定)の記録会で36秒台がでていたんです。ここまで調整も順調でしたし調子も良かったのでタイム的には悔しいですね。悪くても37秒台はいけると思っていたので記録的にはぜんぜん納得していません」

 三井といえば、日大の学生時代からプール、オーシャンを問わず数々の素晴らしい実績を誇ってきたが、海ではオーシャンウーマン、プールでは200mスーパーライフセーバーといった長い距離で圧倒的な強さを発揮している印象が強い。

 「自分はどちらかというと長距離系が得意で、プールではスーパーライフセーバーがメイン種目なんです。でもオールマイティーにこなせるようにプールでは50mにも合わせていくという課題を持って臨んできました。でも、(本番では)なかなか難しいですね」

LSweb いやいや、短距離にもしっかり適合させているし課題もクリアしていると思うのだが、さすがはトップアスリート、妥協は許さないようだ。

 2位には若狭和田LSCの山本裕紀子が38秒74でフィニッシュ。

 聞くところによると、レース直前にレーシングスイムウェアが破れるアクシデントで、急遽、練習用水着で泳いだのだとか。お陰で水の抵抗をだいぶ受けたようで後半の追い上げならず。
 3位は日体大LSCの坂本佳凪子が続いた。

 男子50mマネキンキャリーを制したのは、湯河原LSCの大島圭介。優勝タイムは31秒38。続いて、31秒75で愛知LSCの岡田充弘が2位、3位には32秒22で西浜SLSCの廣田 諒が入った。
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〝激アツ〟のリレー種目

LSweb プール競技でより白熱するのはリレー種目だ。

 初日に行われたリレーは、4×50障害物リレーと4×25mマネキンリレーの男女。

 女子は、昨年に続き、日体大LSCが2種目とも大会新記録で制すという好成績で優勝を飾った。

 男子は湯河原LSCが4×50障害物リレーで大会新を、4×25mマネキンリレーではみごと日本新記録をたたき出し、これまた2種目を制覇した。

 女子4×50障害物リレー、日体大の優勝タイムは2分00秒80、泳者は坂本佳凪子、阿形芽生、井熊理子、寺坂恵実。2位には日女体大LSC、3位に銚子LSCが続いた。
 
 女子4×25mマネキンリレー、日体大の優勝タイムは1分31秒78で泳者は、鈴木理乃、坂本佳凪子、寺坂恵実、具志堅 夕。2位、西浜SLSC、3位に日女体大LSCという結果。

 男子4×50障害物リレーの湯河原LSC(大島圭介、西山 俊、徳元将太郎、安藤 秀)の大会新での優勝タイムは1分42秒97。2位の西浜SLSCもこれまでの大会記録を上回る1分43秒84という好タイムで続いた。
 
 さらに表彰台3位を巡る攻防は最後まで目を離せない激しい展開となった。6コースの法政大SLSCと7コースの日本大学LSCがアンカー勝負へ。お互い一歩も譲らずほぼ同時にゴール。さあ、電光掲示板の記録はどっちだ!? 

 掲示板を確認するとなんと同着! タイムは1分47秒19。両チームとも最後まで諦めず泳いだ結果が表彰台へと繋がった。3位のお立ち台では、両チームの選手が交互に並んで肩を組み、笑顔で記念撮影に応じてくれた。
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 男子4×25mマネキンリレーは1分12秒98という日本新を出した湯河原LSC(大島圭介、徳元将太郎、西山 俊、安藤 秀)が優勝、2位もまた、これまでの日本新を更新した西浜SLSCが入り、3位に日体大LSCが大会新の好タイムで続いた。
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  好記録続出だった初日のリレー。特に男子は湘南地区のライバルクラブ同士がしのぎを削る見応えのあるレースとなった。


 大会はまだまだ続くのだが、その様子はDay2のレポートでお届けしよう。(敬称略)

☆★☆ 全日本LSプール競技大会・初日の表彰台 ☆★☆

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200m障害物スイム・男女

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100mマネキントウ・ウィズフィン 男女

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50mマネキンキャリー

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4×50m障害物リレー・男女

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4×25mマネキンリレー・男女























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