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〜Smiles for All〜
第六回インカレプール大会フォトムービー
2014/12/12

The 6th Japan National Inter College Pool Lifesaving Championships Photo Movie

LSweb 2014年12月6-7日ーーー。

 一段と冷え込みが厳しくなった師走の始め、静岡県浜松市にある古橋廣之進記念浜松市総合水泳場で第6回目となるインカレプール大会が開催された。

 インカレは、学生による学生のための競技大会であり、学生在学時しか出場できない大会だ。しかもこのインカレプールは、年度最後の大会ということもあり、4年生はこの競技会をもって引退する。

 4年生にとっては長年のLS競技活動の集大成の場であり、後輩たちと組んで出場する最後の舞台となる。

 母校のプライドをかけ、これまで一緒に切磋琢磨してきた同期や後輩たちとともに全力で挑む4年生。その姿に引っ張られるかのように下級生も普段以上の実力を発揮して、初日からパワー全開、好記録連発の充実した競技会となった。

 若いエネルギーで熱気ムンムンとなったToBiO(トビオ)での大会2日間のほんの一部分をセレクトし、簡単ではあるがフォトムービーにまとめてみた。

 大会に参加した人、応援に徹した人、現地に行かれなかった人もこのフォトムービーを通して大会の雰囲気を少しでも感じ取って頂ければ幸いです。

文・写真=LSweb編集室




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★☆ 第6回全日本学生ライフセービング・プール競技選手権大会 ☆★




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全37チームが参加したプールインカレ
日体大、五大会ぶりにアベック優勝達成!
2014/12/10

The 6th Japan National Intercollege Pool Lifesaving Championships DAY-2

第6回全日本学生ライフセービング・プール競技選手権大会・2日目

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記録ラッシュの大会初日を終え一歩リードしたのが、女子は48ポイントの東海大学湘南校舎、男子は46ポイントの日本体育大学だ。

だが、女子は4点差で日本体育大学と早稲田大学が首位を狙い、男子は昨年覇者の日本大学が5点差で追いかける。

総合優勝に向けた2日目のレースが始まった。

2014.12.6-7 静岡県浜松市・浜松総合水泳場


文・写真=LSweb編集室




ラインスロー、一投に魂を込めて


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高い技術とチームワークで優勝した武道大ペア

 ラインスローから始まった大会二日目。この種目は男女ともに本命校が大会記録を更新し優勝した。

 女子は9月に行われた世界大会でメダルを獲得した国際武道大学4年の但野安菜が、大学1年の丹羽久美とペアを組み、12秒52の大会新をマーク。好記録に一瞬、笑みがこぼれたが、全ヒートが終わるまでは安心できない。

 武道大の2人がプールサイドから見つめる中、最終ヒートがスタート。早々に一投目を成功させたのが、日本体育大学の奥秋李果と市川沙耶の大学3年ペアだ。記録は12秒75。大会記録を更新したものの、僅かに武道大に届かなかった。その瞬間、但野と丹羽が満面の笑みで喜びを爆発させた。

「私は8回巻いて投げています。7回でも届きますが、8回のほうが成功率が高いので。11秒60が練習時のベストタイムだったので、11秒台を狙っていましたが、でも優勝できて嬉しいです」と但野。

 一方、日体大の奥秋は「私は9回巻いて投げています。8回で成功する時には11秒台も出ますが、確率が低い。だったら確実に届かせるためにと、9回で大会に臨みました。今回、9回巻きで12秒台が出たので、もっと練習して次は11秒台を目指します」と力強くコメントした。

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流経大4年生ペアが最後のインカレで会心の勝利

 男子はこの種目でコンスタントに表彰台に上る流通経済大学が、今大会でも実力を発揮した。学生最後の大会となる高橋源暉と池田知裕の4年ペアは、11秒64の大会新で優勝が決まると、「ただただ、相方に感謝です」と満足げに顔を見合わせた。

 2位は武道大の亀ノ上僚仁、安里 翼ペア。3位には専修大学の大学1、2年ペア、マッキー・トニーと半谷重章が入った。

 大学2年の半谷は「今日は8回巻いて投げました。7回で練習しているのですが、床にロープが当たったりして上手く巻けなかった時など、状況に応じて巻く数を増やしています」とコメント。その冷静さが表彰台に結びついたようだ。

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力強い牽引で3位入賞の専修大ペア

 ラインスローは経験と練習量だけでなく、競技の特性を考察し、試行錯誤することで記録が伸びる競技だ。

 今回は表彰台に上ることができなかったが、この種目を得意とする新潟産業大学1年の高橋志穂は、右利きながら、飛び込み台の左側に立ってロープを投げる。
 その理由をたずねると「ロープを投げる時に右寄りにいくクセがあるので、スタート台の右側に立つとコースを外れる可能性があります。ロープが溺者役にまっすぐ届くよう、スタート台の左側に立って、体を少し右側にねじるようにして競技しています」という答え。

 投げ方や巻き取り方にもさまざまなやり方があるし、来年5月の全日本まで練習時間もたっぷりある。学生ライフセーバーには、ラインスローを科学して成功率を高めるとともに、ぜひ10秒台を切るような記録を狙ってほしいと思う。

記録更新ラッシュの個人種目

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4年間の成果を発揮し優勝した日体大の渡邉

 大会2日目に行われた個人種目では、男女とものすべての種目で大会記録が更新された。

 1位から4位まで大会新をマークしたのが、女子100mマネキンキャリー・ウィズフィン。ハイレベルな戦いを制したのは、日体大4年の渡邉来美だ。泳力もあるが、脚力もある渡邉はフィン競技向きの選手。

 「ハイパフォーマンスチームに所属したことで、フィンスイムの原理を学ぶことができました。その時得た知識を元に、いろいろ考えながら泳いだ結果です」と渡邉。クラブの練習では、スイムがあまり得意でない、陸上や球技系競技出身の後輩たちにも、フィン競技の手ほどきをしているそうだ。高いレベルで得た技術を後輩たちに伝え残していくのも、最上級生の大切な役割のひとつだろう。

接戦を制し大会新で優勝した早稲田の

接戦を制し大会新で優勝した早稲田の榊原

 男子100mマネキンキャリー・ウィズフィンを制したのは、早稲田大学3年の榊原 司。先行する日体大4年の鈴木健一をタッチの差でかわし、53秒66の大会新記録で優勝した。

 ところでこの種目、男子では世界のニュートレンドである、バタフライ(ドルフィンキック)泳法を取り入れる選手もいた。現在の日本記録はバタフライ泳法によるもの。ブレイクスルーはチャレンジから生まれるのが常。今後の記録更新が楽しみだ。

 泳力がものを言う100mレスキューメドレー。女子は国士舘大学3年の鈴木悠花が、大会新の1分19秒37を叩きだし、2位以下に4秒以上の差をつけて笑顔の完勝。
 男子は神奈川大学3年の大島圭介が後半グングン伸び、大会記録を2秒以上縮める1分06秒73の大会新記録で優勝した。
ぶっちぎりのタイムで完勝した国士舘の鈴木

ぶっちぎりのタイムで完勝した国士舘の鈴木

日本新に迫る好タイムで優勝の神大、大島

日本新に迫る好タイムで優勝の神大、大島

 「今日は思いどおりのレースができました。前半は心拍数を上げない大きな泳ぎができ、苦手のターンも上手く決まったので、スピードに乗ったまま潜水に移行できました。マネキンのピックアップ後も失速しなかったのが勝因だと思います。日本記録と同じ1分6秒台に乗せることができたので、次に繋げたいです」と手応えを掴んだ大島だった。

 大島は続く50mマネキンキャリーでも好調を維持し、日本記録に迫る31秒60で優勝。大会記録を更新した。

 女子は日体大2年の坂本佳凪子が、自身の持つ大会記録を塗り替える37秒98の好タイムで完勝。プールから上がると、チームメイトだけでなくライバルたちからも祝福され、満面の笑顔を見せた。
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37秒台で優勝した日体大の坂本佳凪子

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良きライバルでありかけがえのない仲間たちと

 「記録が出たのは泳ぎ方を変えたからだと思います。今までは、マネキンを持っていない方の腕のストロークが大きく、プッシュに頼った泳ぎをしていましたが、今はプルを重視したコンパクトな泳ぎをしています。兄の陸からアドバイスを得て、トライしたら上手くいきました」と坂本。ちなみに、アドバイスをおくった兄で、日体大3年の坂本 陸は同種目2位だった。

 前回大会で同種目2位の東海大クレスト3年古泉俊二郎は、今回は5位。「周りのレベルが確実に上がっていることと、僕の場合、ルール改正前の(マネキンを水没させない)泳ぎが抜け切れていないのが敗因です。キックを止めずに、頭を少し下げ気味にして泳ぐ方法なのですが、それだと肩が水の抵抗になるんですね。大会前に後輩に指摘されましたが、練習が足りずに不甲斐ない結果となりました」と残念そう。「全日本までにしっかり泳ぎ込みます」と気合いを新たにした。

悔し涙も、歓喜の涙も

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ひときわ盛り上がりを見せるリレー種目

 プールインカレ最後の種目は、1チーム3人で行う特別種目のメドレーリレー・インカレバージョンだ。総合成績のかかるダブルポイントのチーム種目。応援は最高潮に達し、浜松市総合水泳場内には歓声がこだました。

 この特別種目は、メンバーの少ないチームでも団体種目に出場できるようにと、学生室が考案したもの。今大会では、女子23チーム、男子26チームが予選に参加し、それぞれ8チーム+学生選抜チーム(9位から11位までの大学の代表者1名ずつ)の9チームが決勝へと駒を進めた。

 大接戦となった女子は、大学2年の坂本佳凪子→大学4年の小林愛菜→大学4年の江部愛里菜と繋いだ日体大が1分49秒55の大会新を出し、大学1年の塩原あかり→大学4年の平野夏実→大学3年の中島静香と繋いだ東海大クレストを僅差でかわし、優勝を手にした。
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インカレメドレーリレーを制した日体大(坂本、江部、小林)

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2位となるも大いにレースを盛り上げてくれた東海大クレスト

 歓喜の日体大トリオ。その横で、1泳と4泳の重責を担った東海大クレスト1年の塩原が、「すみません」と涙をこぼした。そんな塩原の頭を、「大丈夫!あかりのせいじゃないよ」となでる先輩たち。勝っても負けても、一生の思い出になるレースだったに違いない。

 大トリの男子は、神奈川大学が1分38秒37で初優勝した。神大は大学3年の大島圭介→大学1年の北畑優成→大学1年の廣田 諒という若いメンバー。2位の日体大、3位の日大、そして4位の中京大学までが1分38秒台という激戦を制した。
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激闘を制し優勝した神大

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嬉し涙の神大リレーチーム(廣田、大島、北畑)

 プールから上がったとたんに泣きじゃくったのは、優勝メンバーの一人である廣田。「個人種目は悔しいことばかりで、最後にリレーで優勝できて、嬉しくて、嬉しくて……」と、しゃくり上げる廣田の肩を、「君は勝っても負けても泣くんだねぇ」と笑顔で叩く仲間たちの姿があった。

 団体種目での勝利は格別。そんな盛り上がりを、観客席の端から眺めていたのが、メンバーが少なく団体種目に出られない学校の学生たちだ。

競技を取り仕切った日体大3年の西山学生室競技部長

学生室競技部長の西山

 「あの輪の中に入りたいと、指をくわえていた学生たちには、ぜひその手を隣りの人に伸ばして、仲間を増やしてもらいたいと思います」と話すのは、学生室長の丸田重夫JLA理事。

 学生室競技部長としてインカレを仕切った日体大3年の西山晃祐も、「今後は大所帯のチームも、少数精鋭のチームも、もっともっと交流して、皆で大いに盛り上がれるように、工夫していきたいと思います」と話していた。

 記録更新ラッシュとなった第6回プールインカレ。総合優勝は、男女ともに日本体育大学で、目標としたアベック優勝を果たした。女子は負けなしの六連覇! そして久しぶりに女子と肩を並べた男子は、誇らしげに優勝カップを掲げた。

 日体大の強さは、何といっても層の厚さだろう。メンバーも多いし、監督・コーチ陣も熱心に指導している。こういうチームが一致団結すると、他チームはなかなか太刀打ちできないに違いない。でも強い相手だからこそ、ライバルたちにとっても挑みがいがあるのだ。
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おめでとう、日体大ライフセービング部


「正直、悔しいです。でも、ベストは尽くしました。今はやりきった感のほうが強いかな。悔しいですけど……」と口にしたのは、男子二連覇を目標としていた日大4年の田家友也。

「BLSアセスメントで得点を加算できなかったこと、それとラインスローでもう少し順位を上げられたら……。でも、頼もしい後輩たちがいるので、来年はきっと大丈夫です」と次世代に夢を託したのは、東海大クレスト4年の平野夏実。

 打倒・日体大!を掲げた強豪校。連覇を狙う日体大。そして、入賞を目標に、あるいはチーム種目出場を目指す学生ライフセーバーたち。来年のインカレもきっと、さまざまなドラマが繰り広げられるに違いない。

=敬称略
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【第6回全日本学生ライフセービング・プール競技選手権大会 成績表】



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男女ラインスロー

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男女100mマネキンキャリー・ウィズフィン

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男女100mレスキューメドレー

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男女50mマネキンキャリー

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男女メドレーリレー(インカレ・バージョン)

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男女4×50mメドレーリレー(オープン種目)

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男女総合成績

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白熱!プールインカレ
進化し続ける学生ライフセーバーたち
2014/12/09

The 6th Japan National Intercollege Pool Lifesaving Championships DAY-1

第6回全日本学生ライフセービング・プール競技選手権大会・初日


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この冬最初の本格的な寒波が到来した12月6〜7日、静岡県浜松市の浜松市総合水泳場(TOBiO)で、例年より2カ月早く「第6回全日本学生ライフセービング・プール競技選手権大会」が行われた。

浜松は2010年にプールインカレが初めて開催された場所。

原点回帰の今大会では、初日の第1種目から日本記録が更新されるハイレベルな戦いが繰り広げられた。

2014.12.6-7 静岡県浜松市・浜松総合水泳場

文・写真=LSweb編集室





ニュージェネレーション、台頭

LSweb 大会初日。

 浜松は遠州名物の冷たい“からっ風”が吹き荒れていた。一方、大会会場は競技開始前からすでに熱気が充満。2014年最後の、そして大学4年生にとっては学生最後のレースが始まろうとしていた。

 プールインカレはこれまで、毎年2月に行われていた。しかし今年は全日本が終わってからちょうど2カ月後の開催。学生たちはどの程度、プールでの泳ぎ込みができているのだろうか? 好記録は出るのだろうか?

 そんな密かな心配は最初の種目、200m障害物スイムで見事に打ち破られた。女子200m障害物スイムで、いきなり日本記録が更新されたのだ。

 2分16秒08と会心の泳ぎを見せたのは、早稲田大学3年の高柴瑠衣。得意の200mで連覇を達成した。今年2月に行われた第5回大会で「自己ベストを4秒近く更新しました」と話していた彼女。

 今回はそこからさらに2秒近くタイムを縮め、目標の日本記録を更新した。泳ぐ度に記録を更新する高柴。2分15秒台も目の前だ。
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女子障害で日本記録を更新した早大の高柴

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成蹊大1年の森田が男子障害を制した

 2分04秒37で男子200m障害物スイムを制したのは、成蹊大学1年生の森田。第3ヒート(全6ヒート)に登場し、好記録をマークした。

 「競泳で個人メドレーを得意としていたので、200mまだならなんとかいけます」と森田。

 プールでの公式戦デビューは、先月行われた神奈川県ライフセービング連盟主催の競技会ということで、エントリータイムの関係から第3ヒートでの泳ぎとなってしまったが、「最終組ならもっとタイムが上がったと思います。大会新を出したかったな」と自信を覗かせた。

 今大会では、森田を筆頭に同種目で2位に入った日本大学2年の荒生拓人や、男子200mスーパーライフセーバーで3位となった明治大学2年の湯浅泰旺、同じく4位に入賞した慶應義塾大学1年の上野 凌など、ニュージェネレーションの台頭も目に付いた。
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リレー種目でも活躍した日大2年の荒生

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西浜Jr出身の上野は慶應大1年

 また、ニュージェネレーションと言えば、4×50mメドレーリレーも忘れてはならないだろう。今大会では得点が加算されないオープン種目ということもあり、大学1年生や2年生のフレッシュなメンバーが多数参加。緊張する大舞台でのレース経験は、今後の活躍にきっと結びつくはずだ。

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オープン種目の女子4×50メドレーリレーを制した日女体大

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オープン種目の男子4×50メドレーリレーを制した大体大


初日三冠達成の坂本兄

 初日2つ目の日本新は、男子200mスーパーライフセーバーで飛び出した。

 最終ヒートで激突したのが、日本記録保持者の早稲田大学3年・榊原 司と、大会記録保持者の日本体育大学3年・坂本 陸。同い年のライバル対決は、2位の榊原に2秒以上の差をつけ、2分18秒62の日本新をマークした坂本に軍配が上がった。
スーパーライフセーバー2位の早大・榊原

スーパーLSで2位となった早大の榊原

スーパーライフセーバーで日本新を記録した日体大・坂本

日本新を見事に更新した日体大の坂本

 「調子は悪くなかったのですが…(記録保持者ということで)少し慢心していたのかもしれません」と榊原。

 大学3年生の就活はすでに水面下で始まっているそうで、大会だけに集中するわけにはいかない事情もあったようだ。だが、「陸に記録を出されて、すごく刺激になりました」と唇を噛みしめる。来年5月の全日本に向けて、闘志を新たにした榊原だった。

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マネキントウ・ウィズフィンで大会新を出した日大の宇治川

 男女ともに大会記録が更新されたのが、100mマネキントウ・ウィズフィンだ。男子は日大3年の宇治川仁人が57秒74、女子は日体大2年の坂本佳凪子が1分04秒01で優勝した。

 ところで、インカレの醍醐味といえば団体種目での盛り上がりだろう。今大会も前回同様、団体種目の得点が倍になるダブルポイントシステムを採用。選手の気合いは十分で、応援もさらにヒートアップする。

 そんな独特の雰囲気の中で行われた初日の団体種目が、4×50m障害物リレーと、4×25mマネキンリレーだ。この2種目、どちらも女子は東海大学湘南校舎、男子は日体大が制した。

 東海大クレストは、平野夏実(大学4年)→竹内梨夏(大学4年)→塩原あかり(大学1年)→中島静香(大学3年)と繋ぎ、2分00秒30の大会新記録で女子4×50m障害物リレー優勝。

 女子4×25mマネキンリレーは、平野→佐藤 遥(大学3年)→竹内→中島とマネキンをリレーし、大会記録を塗り替える1分29秒38をマークした。
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障害物リレーを制した東海大クレストメンバー(左から竹内、中島、塩原、平野)

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マネキンリレーも制し二冠を達成した東海大クレスト(左から中島、佐藤、竹内、平野)

 両種目とも2位は日体大。抜きつ抜かれつの手に汗握るレース展開となった。特に4×25mマネキンリレーは、途中、日体大が逆転に成功したが、東海大クレストの4泳、中島の力泳で再逆転の優勝となった。中島はプールから上がると応援席に向かって高々とガッツポーズを掲げ、チームメイトと抱き合って喜びを爆発させた。

 日体大も大会記録を更新する力泳を見せたが、僅かに及ばなかった。3位早大、4位日大と、1位から4位までは2種目とも同じ顔ぶれ。4校のライバル関係はしばらく続きそうだ。

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幡野、川島、坂本、鈴木のメンバーで障害物リレーを制した日体大

 実力拮抗の男子も大接戦のレースが展開されたが、こちらは日体大が2種目を制覇。

 男子4×50m障害物リレーは、鈴木健一(大学4年)→坂本 陸(大学3年)→川島駿介(大学1年)→幡野圭祐(大学2年)と繋ぎ、1分45秒85の大会新で優勝。
 男子4×25mマネキンリレーは、坂本→鈴木友三郎(大学4年)→鈴木→幡野の4人で1分13秒48の日本新をマークした。

 男子4×50m障害物リレー2位は東海大クレスト。こちらも大会新を記録したが、0.07秒差で優勝には手が届かなかった。男子4×25mマネキンリレーで涙を飲んだのは日大。日本記録を更新したものの、こちらは0.41秒差で金メダルを逃した。

「今大会はとにかくチーム種目にかけています」と言うのは、個人・団体合わせて初日に三冠を達成した日体大、坂本 陸。

 「女子は総合五連覇していますが、男子は第1回大会以来、総合優勝できていないんです。浜松はプールインカレ発祥の地。そして日体大男子が唯一、総合優勝している場所です。ここで優勝して復活したい! というのがチーム全員の思いです」と、副主将としての熱い思いを口にした坂本だった。

 結果はご存じの通りだが、日体大男子の復活劇は決した簡単な道のりではなかった。その様子は大会2日目のレポートでじっくりお伝えしよう。=敬称略
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スーパーライフセーバーで健闘を称え合う坂本(左)と上野

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女子のマネキンリレーでデッドヒートを演じる東海大クレスト(左)と日体大


☆★大会初日の各競技表彰☆★

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男女200m障害物スイム

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男女4×50m障害物リレー

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男女200mスーパーライフセーバー

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男女100mマネキントゥ・ウィズフィン

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男女4×25mマネキンリレー



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日本新記録も飛び出した
第12回神奈川ライフセービング・プール大会
2014/11/08

The 12th Kanagawa Pool Lifesaving Championships

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第12回神奈川県ライフセービング・プール競技選手権大会



2014年11月2日、神奈川県相模原市のさがみはらグリーンプールにて、神奈川県ライフセービング連盟が主催する「第12回神奈川県ライフセービング・プール競技選手権大会」が開催された。

秋も深まる11月。競技会の舞台が海からプールへとシフトチェンジする最初の大会で、好記録が樹立された。


文・写真=LSweb編集室




31秒台に突入した50mマネキン

LSweb 神奈川県ライフセービング連盟(KLF)主催の競技会には、県下で活動するクラブを中心に、毎回、多くの参加者が集まる。

 今大会には千葉や茨城といった関東圏だけでなく、静岡や愛知などの中部圏で活動するクラブからの参加もあり、エントリー数は33クラブ、男女合わせて448人。出場者数が最も多い50mマネキンキャリーでは、女子15ヒート、男子28ヒートが実施された。

 秋にプールで行われる競技会として、すっかり定着したこの大会。
 近年はジュニア競技会も同時開催されていたが、参加者の増加、特にジュニア参加者の急増をふまえ、それぞれ独立した大会として行われることになった。

LSweb ジュニア大会と切り離されたことで、会場はよりシビアな雰囲気となり、好記録が連発。大会記録、さらには日本記録も更新される実り多い大会となった。

 競技開始早々、オリジナル種目の男子100m障害物スイムで大会記録を塗り替えたのが、東京消防庁LSC・平野修也だ。

 しかし、プールから上がってくると、
「いやぁ、大失敗のレースでした。50mのターンをした直後の障害に頭から突っ込んでしまって……。あと2秒は縮められたはずです」
 と、苦笑い。得意の短距離だけに、記録更新でも納得が行かない様子だった。

 その平野が31秒27の日本新をマークしたのが、男子50mマネキンキャリー。2位の湯河原LSC・安藤 秀も、0.27秒及ばずながら日本記録を更新する31秒台をたたき出した。平野、安藤ともに競泳で活躍した選手だが、6歳違いということもあり、これまでは同じ大会に出場したことはなかったとか。
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 平野は200m障害物スイムの日本記録保持者、安藤は100mレスキューメドレーの日本記録保持者。2人とも日本代表の強化指定選手で、その実力は折り紙付きだ。

 今回はタイム決勝で同組対決とはならなかったが、今後、ライフセービング競技を舞台に、2人のデッドヒートが見られそうである。

LSweb「自己ベストは更新しましたが、2人の壁はなかなか高いですね。全日本でも競うことになるでしょうから、少しでも近づけるように努力していきます」
 と話すのは、2人と一緒に表彰台に登った3位の波崎SLSC・葺本康隆。すでに半年後を見すえての発言だった。

 この種目に出場した選手で忘れてはいけないのが、新島LSC・田村浩志だ。「タムじい」の愛称で多くの後輩たちから慕われているベテランライフセーバーは、あくまでも現場主義を貫きゴーグルなしで出場。安定感のある泳ぎで、最後まで力強く、マネキンをキャリーしていた。

バタフライスタイルで日本新!

 今大会で記録されたもう一つの日本新が、男子100mマネキンキャリー・ウィズフィンの48秒63だ。湯河原LSC・西山 俊が出した。

 西山はこの種目、日本の公式競技会では(たぶん)初めてとなるバタフライスタイルで泳ぎ、自身が持つ記録を1秒以上更新した。

「9月に出場した世界大会で、バタフライ泳法の選手が優勝したのを見てから、練習を始めました。もともとドルフィンキックが得意ということもあり、競泳時代にはバタフライもやっていたので、すぐにフィットすることができ、やり始めた当初から(バタフライの方が)速いと感じていました」
 と西山。
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 今後は、バタフライスタイルが世界の主流になると感じているそうで、いろいろ改善してさらにタイムを上げていきたいと豊富を語った。

 新しい道具や理論、テクニックをいち早く取り入れて咀嚼できる、積極性と柔軟性を持っていることが、自己ベストを更新し続ける西山の強みといえるだろう。

LSweb 11月から西山のクラブメイトとなったのが、館山SLSCから移籍した青木 邦(旧姓:毛利)だ。

 コンペキャップの色が変わっても、もちろん彼女の実力は健在で、100mマネキンキャリー・ウィズフィンと50mマネキンキャリーで大会新記録を記録。青木の加盟でさらに選手層に厚みが増した湯河原LSCは、女子のリレー種目(2種目)を完全制覇した。

 女子4×100mメドレーリレーで2位と健闘したのが、井上裕梨、今野 恵、木ノ本百香、上倉海月という大学1年生2人、大学2年生2人でチームを組んだ鎌倉LGだ。

 競泳出身という彼女たち。ライフセービングを初めて間もないということもあり、「夏のガードは最後まで頼りなかったと思います」と眉をひそめていたが、得意のプールで本領を発揮し、自信を取り戻したのではないだろうか。
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県外から参加する目的

LSweb ところで、前述したとおり今大会には県外からも多数のライフセーバーたちが参加していた。

 その背景には、海での競技会シーズンが一段落した後、先陣を切って行われるプールの大会ということも関係しているのだろう。今年は12月にインカレのプール大会が開催されることから、
「来月のインカレに向けて参加しました」
 という学生ライフセーバーも多かった。

 また学生ライフセーバーの場合、日本ライフセービング協会(JLA)主催の大会には、学校クラブで出場ことが義務づけられている場合もあり、
「ガードメンバーで出られるが楽しい」
「社会人の先輩と一緒に出られるのが嬉しい」
 と、活動浜のクラブで参加できることを喜ぶ声も多く聞かれた。

 一方、社会人ライフセーバーは、
「参加できる大会が少ないので、活動を継続するモチベーションを維持するためにも、こういう機会は逃したくないですね」
 と話す。

 ライフセービングが盛んな神奈川県だからこそ、たくさんのクラブが参加する大会を開催でき、参加人数が多いからこそ、日本記録が更新されるようなハイレベルが維持できるわけで、それが、さらにライフセーバーを引きつける……という好循環を生んでいる神奈川の大会だった。
(敬称略)
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【第12回神奈川県ライフセービング・プール競技選手権大会 成績表】



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100m障害物スイム・男女

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100mマネキンキャリー・ウィズフィン・男女

 
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50mマネキンキャリー・男女

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4×25mマネキンリレー・男女

 
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4×50mメドレーリレー・男女

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節目の第40回全日本、
白熱のシーンをフォトムービーで再現!
2014/10/23

The 40th JAPAN NATIONAL LIFESAVING CHAMPIONSHIPS Photo Movie

 2014年10月11-12日───。LSweb

 体育の日を含む3連休、神奈川県藤沢市の片瀬西浜海岸で全日本ライフセービング選手権大会が開催された。

 ライフセービング競技会としては日本最大の規模を誇る同大会。今年は40回目という節目を迎える記念大会として、通常より1日多い3日間の開催を予定していた。

 しかし、残念なことにまたもや台風が日本列島を縦断した。9月下旬、千葉で行われたインカレに続き、今年2度目の台風通過。
 しかも935hPaという猛烈な勢力の19号は、殆んど衰えることなく九州から淡路、岐阜と日本列島を舐めるように北上し、関東へ接近。当初は大会そのものの開催も危ぶまれたのである。

 それでも、選手や大会関係者の願いが通じたのか、台風の通過速度が遅かったこともあり、1日短縮し例年通りの2日間大会としてやり遂げることができた。

 会場の西浜海岸は、台風の影響で大きなうねりとともにオーバーヘッドからダブル、時にはそれ以上のビッグウェーブが入る激しいコンディションとなった。2日間の熱戦の模様をほんの一部ではあるが、簡単にフォトムービーとしてまとめてみた。

 2014年、西浜に集った精鋭アスリート達の実力と迫力あるレースや競技のワンシーンをぜひご覧下さい。

From LSweb編集室



 
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★☆ 第40回全日本LS選手権大会・フォトムービー ☆★



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