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夏を元気に乗り切るための
ライフセーバーのための食事学 ①
2014/07/28

Eat well!! To get though the Patrol Season!

=夏季集中連載=

LSweb強い日差しの下で、あるいは波や風の強い状況下で、早朝から夕暮れ時まで活動するライフセーバーにとって、食事は活力の源だ。いい加減な食事をしていたために、いざという時に動けなかったり、夏バテで体調を崩しては元も子もない。

昔から“腹が減っては戦ができぬ”というではないか。だからこそ、疲れていても、時間に余裕がなくても、ライフセーバーたるもの、食事を疎かにしてはいけないのである。

では人一倍元気に夏を乗り切るためには、何を、どんなふうに食べればいいのだろうか? 多忙なライフセーバーたちに向けたヒントを紹介していこう。

文=西 朝子(ジュニア・アスリートフードマイスター)
写真=LSweb編集室




必要なエネルギー量を把握しよう

LSweb 夏休みに猛暑とくれば、にぎわうのは海やプールだ。7月も下旬、すでに疲れが溜まってきた……というライフセーバーもいるかもしれない。ライフセーバーにとっては、これからお盆までの数週間が体力的にも、精神的にも正念場となる。そんな時こそ、しっかりとした食事を心がけたい。

 ところで、ライフセーバーの皆さんはパトロール期間中、どういう食事をしているのだろうか。合宿しながら食当が作ったご飯を食べる? 自宅から通っているので朝夕はお母さんに作ってもらう? それとも、一人暮らしなので外食やコンビニなどですましているのだろうか?

 人間は活動するためにエネルギーを必要とする。活動量が多ければ、当然、必要とするエネルギー量も多くなる。では、海水浴場の営業時間内はもちろん、その前後も活動するライフセーバーたちは、どのくらいのエネルギーを摂取すればいいのだろうか?

 農林水産庁の資料によると、18〜29歳の成人の場合、男性は1日2650kcal(キロカロリー)、女性は1日1950kcalのエネルギー量が必要とされている。ただし、これは一般的な活動をする人の場合で、アスリートなど活動量の多い人の場合は、男性3000kcal、女性2250kcalが必要と記載されている。

 ライフセーバーの場合は1日中体を動かしているので、ある意味、集中的にトレーニングするアスリートよりも活動量が多いかもしれない。どういう食事形態にせよ、まずは男性3000kcal、女性2250kcalを目安に、しっかりエネルギーを摂取するようにしたい。

 とはいっても、栄養士でもないかぎり食事から素早くカロリーを計算できる人はいないと思う。そんな時、上手に利用したいのがコンビニやファミレスだ。
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 コンビニの調理食品(おにぎりやパン、お弁当など)には必ずカロリー表示がされている。ファミレスのメニューも同様だ。最近は、その内訳まで個別に表示されていることが多い。例えば、熱量○kcal、タンパク質○g、炭水化物○g、脂質○g、ナトリウム○mgというように。こんなありがたいものを利用しない手はない。

 7月はメンバーも少なく食当がおけないので、コンビニを利用することが多いというクラブもあるだろう。そんな時は、値段や好みだけでなく、食品の栄養素や量もチェックすることをオススメする。おにぎり1個は何カロリーで、具材によって違いが出ることなどが分かったら、普段の食生活にも応用できるはずだ。

バランスの良い食事とは?

 健康な体はバランスの良い食事から——とは良く聞く標語だが、では、バランスの良い食事とはどんなものだろうか?

 まず覚えておいてほしいのが、人間の体が必要とする5大栄養素だ。LSweb

①タンパク質
②脂質
③炭水化物
④ビタミン
⑤ミネラル


 この5大栄養素の主な働きは以下のとおり。

タンパク質=筋肉など体の組織をつくる
脂質=体を動かすためのエネルギー源(瞬発系)
炭水化物=体を動かすためのエネルギー源(持久系)
ビタミン=組織の再生や代謝を高めるなど体の調子を整える
ミネラル=骨や歯などの生成および体の機能を調節する


 そして、それぞれを代表する主な食材が次のものだ。

タンパク質=肉・魚・卵・大豆製品など
脂質=バター・マーガリン・植物油・肉の脂身など
炭水化物=米・パン・麺類・イモ類・砂糖など
ビタミン=緑黄色野菜・果物・レバーなど
ミネラル=牛乳・乳製品・海藻・小魚など


 これらをバランス良く食べる見本が、農林水産庁が作成した「食事バランスガイド」(図1)だ。
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図1 食事バランスガイド
(農林水産省・厚生労働省「食事バランスガイド」より)


 主食で炭水化物、副菜でビタミンとミネラル、主菜でタンパク質を摂取し、牛乳&乳製品と果物でタンパク質、ビタミンやミネラルを追加している。ただしこれらは一般成人を対象としたメニューなので、活動量の多いライフセーバーは1.5割増しの量を目安にしたい。

 食事バランスガイドをもっと単純化すると、1日に口にする食事のうち、55%が炭水化物、15%がタンパク質、残りの30%がビタミンやミネラル、脂質という計算になる。

 脂質はドレッシングや調理油など、意識せずとも口にしているものなので、積極的に取らなくていいことを考えると、1日の食事全体の半分以上がご飯やパン、麺類などで、メインのおかずとなる肉や魚は毎食ごとに最低1品、そして野菜やキノコ類、果物、乳製品などは肉や魚以上に食べるのがバランスの良い食事、ということになる。

 夏を元気に乗り切るためには、エネルギー不足にならないよう、必要カロリーはきちんと摂取すること。そして、5大栄養素をバランス良く食べること。まずはこの基本を心がけよう。













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