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夏を元気に乗り切るための
ライフセーバーのための食事学 ②
2014/08/02

=夏季集中連載= Eat well!! To get though the Patrol Season!

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毎日、暑い!

人間は暑いと体温調節のために汗をかく。

炎天下で活動するライフセーバーの皆さんは、毎日、たくさん汗をかいていることだろう。

というわけで「ライフセーバーのための食事学」第二弾は、汗をかく季節に不足しがちな栄養素と、その補給方法について紹介していこう。



文=西 朝子(ジュニア・アスリートフードマイスター)
写真=LSweb編集室





ミネラルって何?

LSweb 汗をかくと、水分と一緒に体の中からミネラルが失われる。ではミネラルとは具体的にどんな物質なのだろうか?

 人間に必要な必須ミネラルは16種類。その代表的なものが、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、リンなどで、さらに微量ながら鉄、亜鉛、銅、ヨウ素、マンガンなども体内に蓄積されている。

 どれもこれも、学校の授業でならった元素記号が思い浮かぶ名前ばかりだ。そう、ミネラルとは元素そのもので、人間が体内で作り出すことができない栄養素。だから、食事などできちんと摂取しなければいけないのだ。

 ミネラルが不足すると、体内でさまざまな症状が引き起こされる。分かりやすいのは痙攣だろう。ミネラルの一種であるナトリウム、カリウム、マグネシウムが不足すると、筋肉への神経伝達がスムースに行われなくなり、筋肉がギクシャク引きつって痙攣が起こるというわけ。熱中症の症状の一つでもある。

 痙攣は急性の症状だが、慢性的にミネラルが不足すると、将来的にさまざまな障害を負うリスクが高くなる。例えば、カルシウムが不足すると骨が弱くなることは誰でも知っていると思う。その状態でハードなトレーニングをすると、疲労骨折ということにもなりかねない。

 またナトリウムとカリウムのバランスが崩れると、体内の浸透圧が上手く調整できなくなる。すると血管が圧迫されて頭痛がしたり、さらには血圧が高くなったり、あるいは体がむくんでダルくなったり、といった症状が現れる。

 鉄や銅が不足すると造血機能が低下し貧血になるので、特に生理がある女子ライフセーバーは気をつけたい。一方、男子ライフセーバーは亜鉛不足に注意しよう。亜鉛が不足すると生殖機能に影響が出るようだ。

LSweb 健康な成人の場合、夏の炎天下で10分活動すると、約100ミリリットルの汗をかくと言われている。30分なら300ミリリットル、1時間なら600ミリリットルの汗をかいている計算になる。アスリートは、1時間で最大2〜3リットルの汗をかくと言われているから、走ったり、泳いだりするライフセーバーも同様と考えていいだろう。

 体温調節のためにかく汗の99%は水分で、残り1%がミネラルや水溶性のビタミン、タンパク質などだ。この時期、定期的に水分を補給するのはもはや常識だが、汗と一緒にミネラルも失われていることを覚えておきたい。

 ちなみに、医療機関では体重の2%以上が脱水した場合、水分だけでなくナトリウムなどの塩分も積極的に補給するように指導するそうだ。55キロの人なら1.1リットル、70キロの人なら1.4リットルの汗をかくと体重の2%となる。1回のシフトで、軽くこれくらいの汗をかいているのではないだろうか?

バナナとナッツを常備食に

LSweb 汗とともに失われるミネラルは、体内で作ることのできない栄養素だ。だから食事でしっかり取らないと不足してしまう。以下にミネラルが豊富な食材をピックアップしたので、日々の料理に上手に取り入れてほしい。

 中でも栄養素的にも、また手軽に口にできるという点でも優秀なのが、バナナとナッツ類だ。合宿所にはぜひバナナとナッツを常備し、小腹が空いたら、スナック菓子やカップラーメンなどではなく、バナナやナッツを食べることをオススメしたい。

 もう一つの万能食材が豆腐。味噌汁に入れてもよし、野菜や肉と一緒に炒めてもよし、キムチやカイワレなど薬味を工夫して冷や奴でもよし、と食当にとって頼りになる便利な食材だ。

カルシウムの多い食材
・豆類(特にダイズなど)
・乳製品
・小魚 など

カリウムの多い食材
・豆類(特にアズキ、ソラマメ、インゲンなど)
・海藻類
・イモ類
・ナッツ
・バナナ など

マグネシウムの多い食材
・豆類
・魚介類(特に煮干し、イワシ、干しエビ、アサリなど)
・海藻類
・乳製品
・卵
・バナナ など

LSwebナトリウムの多い食材
・味噌
・醤油 など

鉄分の多い食材
・レバー
・赤身肉
・ほうれん草 など

亜鉛の多い食材
・レバー
・ナッツ
・ゴマ など










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