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西浜SLSCの風間隆宏さんが
「Lifesaver of the Year 2012」受賞
2012/12/21

LSweb日本ライフセービング協会(JLA)は毎年、ライフセービングの普及、発展に特に貢献した個人または団体の功労を称えるために、「ライフセーバーアワード」の表彰を行っている。

2012年12月15日、一年を締めくくる納会の席上で「ライフセーバーアワード2012」の表彰が行われた。

また、今年10月に行なわれた全日本ライフセービング選手権大会において、総合ポイント集計ミスのため優勝順位が入れ替わってしまったトップ2クラブへの正式順位による表彰が改めて行なわれた。


文・写真=LSweb編集室






修正順位に基づき、全日本の再表彰行なわれる

 例年にない寒さに見舞われた2012年12月15日(土)、日本ライフセービング協会恒例の2012年度納会が東京都千代田区霞が関で行なわれた。
 
 各委員会からの年次報告に続き、今年10月に行なわれた「第38回全日本ライフセービング選手権大会」において、大会終了後総合ポイントの集計ミスが発覚、上位6チームのうち、1位と2位、4〜6位のクラブチームの順位が入れ替わるという深刻な事態へと繋がった件に関して、JLA副理事長でスポーツ推進本部長の入谷拓哉副理事長より、経過説明と謝罪、そして今後このようなことが二度と起こらぬよう再発防止に努めていく旨の挨拶があった。

 その後、当事者である湯河原LSCと西浜SLSCへ正式順位に沿った再表彰が行なわれた後、改めて小峯 力理事長より、関係各位に対する謝罪の言葉とともに、湯河原、西浜を筆頭に直接影響を被った各クラブのスポーツマンシップに乗っ取った立派な対応に触れ、感動したと同時に非常に救われた気持ちになったと語り、こうした仲間の期待や信頼を裏切らないためにも2度と同じ過ちを繰り返してはならないと強く誓っていた。
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功労賞・特別功労賞が新設

 JLAは今年、設立から21年を迎えた。組織が継続、発展していく過程には、多くの縁の下の力持ちがいたはずだ。その功をねぎらうために、今年から功労賞、特別功労賞が新設された。
 栄えある第1回の受賞者のお名前を紹介しよう。

【功労賞】LSweb
山本利春 氏(元副理事長/JLA指導委員長)
天坂辰雄 氏(元監事/元顧問弁護士)
小森康充 氏(元監事)
篠原 忍 氏(元監事/元顧問税理士)
山岡圭一 氏(元理事)
稲垣裕美 氏(元理事)
豊見山明久 氏(元理事/JLA沖縄県支部長)
高野絵美 氏(元理事/JLA広報室長)
小嶋和也 氏(元監事/元顧問弁護士)
泉田昌美 氏(元理事/JLA競技力強化委員長)



【特別功労賞】LSweb
松浦俊郎 氏(元豪日交流基金副所長)
小島祐嘉 氏(元日本赤十字社神奈川県支部事業部長/水上安全法高等科講師)
深山元良 氏(元国際ライフセービング連盟スポーツ委員会委員)
遊佐雅美(柏崎LSC)

 特別功労賞が贈られた松浦俊郎さんは、1980年代、豪日交流基金副所長として両国のライフセービング交流プログラムを支援。日本とオーストラリアの架け橋となった方だ。
 
 小島祐嘉さんは、日本赤十字社神奈川県支部の職員として、日本のライフセービング創生期から多くの新米ライフセーバーに水上安全法を指導。
 第1回豪日交流プログラムでは日赤側窓口として奔走し、1990年のJLA設立にも力を尽くされている。
 
 深山元良さんは、1992年にドイツで開催されたライフセービング世界大会「レスキュー92」に出場し、日本人初の金メダル(2kmビーチラン)を獲得。その後も技術力の向上、競技規則の国際化、審判員の育成などに力を注ぎ、また4年間にわたり国際ライフセービング連盟(ILS)のスポーツ委員を務めるなど、日本の競技力向上に貢献した。
 
 遊佐(池谷)雅美さんは世界大会4回、全日本19回のビーチフラッグスチャンピオンで、現在も現役の選手として優勝記録を更新中。また競技力強化委員として若手の育成にも力を注いでいる。


新たに2人のライフメンバーが誕生

 昨年、初めて行われたライフメンバーの表彰。日本のライフセービング発展に著しい功績を残した方に贈られるこの賞が、今年は2人の方に贈られた。
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【ライフメンバー】
中見隆男 氏(日本ライフガード協会副会長/元JLA専務理事)
田中 裕 氏(日本ライフガード協会初代副会長/元JLA理事)

 JLAの前身である日本ライフガード協会の初代副会長、またJLA理事であった田中 裕さんは、18歳の時からパトロール現場一筋で活動を継続。特に、オーストラリアで学んだIRBのレスキュー技術を、講習会や競技運営を通じて若手に伝授した功績は多大だ。
 その田中さんは受賞後、こう語った。

 「私がIRBでのレスキューを初めて目にしたのは、1980年代に豪日交流プログラムでオーストラリアに行った時のことです。まるで恋人に出会ったようなインパクトを感じ、以後、普及に努めてきましたが、IRBのドライバーはほぼ私一人という時代もありました。今年、約5年ぶりに全日本LS競技会を観戦。IRBでの運営が実に機敏に的確に行われている様子を目にし、嬉しく思いました。
 
 私事ですが、5年程前からさらにライフセービングの発展を目指し、東南アジアでの指導を模索しており、それならばライフセービングだけでなく日本語も教えようと日本語教師の資格を取得したところ、その直後に病気を宣告されました。今年3月まで入院生活を余技なくされましたが、夢は捨てきれません。
 病気になって改めて、できる、できないではなく、夢は持ち続けることが大切なのだと実感しました。どうぞ皆さんも夢を持ち、その夢に向かって進んでください。私もライフセービングを広めるという夢を持ち続けていきます」

 日本ライフガード協会の副会長、JLAの専務理事、JLA初代技術局長などを歴任した中見隆男さんは、現在もJLAのスーパーバイザーとしてライフセービング界の発展に貢献している。中見さんの受賞後のコメントも紹介しよう。

「ライフメンバーという非常に名誉ある賞をいただけたことに感謝しています。私は競泳の世界から、ライフセーバーたちの熱意に感化されライフセービングを始めるようになった人間です。しかし、この活動を続けるうちにいつしか、こんな思いを持つようになりました。
 
 今の時代は結果や成果ばかりに目がいきがちですが、その陰で毎日、毎日、種を植え続けることがいかに大切かを忘れてはいけない……と。ライフセービングを通して、救助はもちろんですが、人を育て、地域を活性化し、そして日本を強くする。そのために、これからも皆さんの力を借りていきたいと思います」


オブ ザ イヤーは投票制に

 ライフセーバーアワード2012に選ばれたのは以下の3人の方々だ。LSweb

【ライフセーバーアワード2012】
ライフセーバーオブ ザ イヤー2012:風間隆宏 氏

救命賞:風間隆宏 氏(西浜SLSC)
スポーツ賞:中島重之 氏(JLA競技運営審判委員会)
教育賞:関口義和 氏(三浦海岸SLSC)

 救命賞を受賞した風間隆宏さんは、地域クラブと行政や公的救助機関との連携を積極的に実施。また海水浴場での溺水事故調査からパトロールシステムの課題などを見つけ出し、レスキューミーティングで全国のライフセーバーと共有を図るなどの活動を行ったことが、表彰の理由だ。
 
 スポーツ賞を受賞した中島重之さんは、審判員として継続的にJLA競技会を運営し、リーダーシップを発揮。今年、審判員の登録管理、基盤整備にも尽力した。
 
 教育賞を受賞した関口義和さんは、所属クラブを通じて、JLAアカデミーの資格認定講習会指導を年18回、約230人の受講生に実施。水辺の事故防止、安全教育の普及、啓発に貢献した。

 今年からは、アワード受賞者の中からJLA団体会員代表および正会員の投票により、最も投票数が多かった人にライフセーバーオブ ザ イヤーが贈られることになった。
 
 投票制に移行した最初のライフセーバーオブ ザ イヤーは、救命賞の風間さんが受賞。盛大な拍手に迎えられ、盾を手にした風間さんはW受賞となり、

 「僕のようなものが、こんな名誉な賞がいただけるなんて、びっくりしているというのが正直な気持ちです。
 地道に活動を継続してきたことが評価に繋がったのだと思い、これからも続けていこうと気持ちを新たにしました。そして、後に続く人たちが続けやすい環境を整えていくことにも努力していきたいです」
 とコメント。喜びと同時に2013年に向けて気持ちを新たにした様子だった。






ライフセーバーたちも多数参加!
第16回 赤十字救急法競技会、開催
2012/12/04

日赤救急法競技会 2012.12.02

LSweb

日本赤十字社神奈川県支部が主催する
「第16回 赤十字救急法競技会」が、
12月2日、神奈川県藤沢市にある
神奈川県立体育センタースポーツアリーナで開催された。

県内で活動する赤十字奉仕団などが集い、
日ごろの訓練の成果を競うこの大会に、
神奈川県内で活動するライフセーバーたちも参加すると聞き、
取材に出かけた。



文・写真=LSweb編集室




小学生からシニアまでが応急手当ての技を競う

 LSweb世界最大のネットワークを持つ人道機関「赤十字」。その日本法人である日本赤十字社の神奈川県支部では、応急手当てや心配蘇生法などの救急法を学んだ人たちが、さらに知識や技術を高め、また仲間との交流を深めながら活動する機会を得てもらおうと、毎年「救急法競技会」を開催している。

 神奈川県ライフセービング連盟の相澤重男会長や加藤道夫理事長、そして西浜サーフライフセービングクラブの土志田仁理事長が来賓として出席した救急法競技会とは、いったいどんな大会なのだろうか。

 小学生からシニアまでが参加できるこの競技会の目的は、競技を通して救助法の技術や知識を高めてもらうこと。タイムを計るリレー競技もあるが、採点の主眼はあくまでも正しい知識を元に、チームが協力しながら、正確で迅速な手当てを行っているかに置かれている。
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 競技種目は、4人1組が傷病部位に応じた三角巾での応急手当てを順番に行っていく「三角巾リレー競技」や、傷病者発見から救急隊に引き継ぐまでの一連の手当てを行う「救命応急手当競技」、また同時に複数の傷病者が発生する災害時を想定した、陸版のSERCともいえる「災害救助競技」、そして2人1組でCRPとAEDを用いた手当てを行う「心肺蘇生競技」など。
 
 さらに今年は三角巾を利用した「本結びリレー競技」が追加されるなど、誰もがより楽しんで参加できる内容となり、神奈川県内で活動する赤十字奉仕団や、看護学校生、課外活動として救急法を学ぶ小中学生、高校生や大学生など、71チーム、317人がエントリー。参加人数は過去最高を記録した。

 参加者の中には、神奈川県内の海水浴場で活動するライフセーバーたちの姿もあった。
 今年、競技会に参加したのは「鎌倉ライフガード」「サーフ90鎌倉ライフセービングクラブ」「東海大学湘南校舎ライフセービングクラブ」「辻堂ライフセービングクラブ」「湘南ひらつかライフセービングクラブ」「大磯ライフセービングクラブ」「湯河原ライフセービングクラブ」そして「つづきの丘ジュニアライフセービングクラブ」の面々。辻堂LSCとつづきの丘ジュニアLSCは2チームずつ、鎌倉LGは、一般、ジュニア合わせて8チームという大所帯でのエントリーとなった。
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「CPRや三角巾での手当てなどは、競技会に出場するという目標があったほうが身につきやすいですし、災害現場を想定した競技などは、夏の監視にも応用できます。今年から活動を始めたジュニアメンバーは、JLAが主催する秋のライフセービング競技会と、この救急法競技会への出場を目指してがんばってきました。だから皆、楽しみにしていたのですよ」
 と話すのは、鎌倉LGの多胡 誠さん。

 「初めて参加した昨年は1チームだけでしたが、ライフセービングにもとても役立つ内容だと感じ、今年はクラブ員が活動する各浜でもエントリーすることにしました」
 と言うのは大磯、湘南ひらつか、湯河原などで活動する東海大学湘南校舎LSCのメンバーたちだ。
 
 サーフ90鎌倉LSCの栗原 誠さんは、
「昨年からライフセーバーたちの参加が増えてきました。それ以前は、うちと鎌倉ライフガードさんぐらいでしたが、仲間が増えるのは嬉しいですね」
 と笑顔で話してくれた。

 日本赤十字社神奈川県支部には、勝浦ライフセービングクラブに所属する内田直人さんなどが職員として勤務しており、ライフセービング活動にも役立つこの競技会への参加を、積極的にアピールしているのだという。その結果、昨年、今年とLSCチームの参加が急増。この調子でいけば、来年はさらに参加人数が増えそうだ。


さらなる救助技術と知識の向上を目指して

 
 LSweb赤十字救急法競技会は、その名のとおり正確で迅速な応急手当て方法を競う大会。心肺蘇生法や三角巾の結び方など、ライフセービング活動に必要不可欠な知識や技術を試す、またとない機会である。また救命応急手当競技や、災害救助競技などは、臨機応変に対応する救助力や、チームワークも養われる実践的なもので、ライフセービング活動に大いに役立つ内容となっている。

 三角巾リレー競技では、ジュニアライフセーバーたちも大健闘した。結び方を何度も練習したのだろう、真剣な表情で傷病者役の大人に三角巾を巻きながら、上手にできれば「よしできた!」と笑顔でチームメイトにバトンタッチする子がいる一方、LSweb三角巾を2枚使う難しい部位の担当となっても途中であきらめず、目を潤ませながら最後までやり通すガッツを見せてくれる子もいた。

 陸版のSERC・災害救助競技では、軽傷者よりも、意識なし・呼吸なしのといった緊急度の高い傷病者への手当てが優先されるなど、ライフセーバーにとって勝手の違うこともあったが、救助の基本や迅速な判断、応急処置の正確さが求められることに変わりはない。

 「2回目の参加となりますが、あたふたしている間に終わってしまった昨年とは違い、今年はいろいろな課題を見つけることができました。応急手当てや災害救助などは、経験するほどに知識も増え、応用も利くようになると思いますし、三角巾はまだまだ練習不足。そのあたりの反省点も多いです」
 辻堂LSCの原田 剛さんは、競技終了後にこんな感想を聞かせてくれた。
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 また、つづきの丘ジュニアLSCのメンバーは、
「今年は三角巾の手当てをがんばろうと思っていたのだけど、競技時間内に私まで順番が回ってこなかったのです。練習の成果を発揮できなくてちょっと残念。でもいろいろな競技に出られてよかったです。来年こそ三角巾リレーをやりたいな」
 と、早くも来年への挑戦を決意した様子だった。

 第16回 赤十字救急法競技会では、「本結びリレー競技」一般の部で辻堂LSCが2位に、また「救命応急手当競技」一般の部で東海大学湘南校舎LSCチームが3位、鎌倉ライフガード稲村ヶ崎チームが2位に、そして「総合成績」少年の部で鎌倉ライフガードくろまぐろチームが6位に入賞した。
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LSweb「毎年、参加者が増えているのはありがたいことです。昨年の震災以降、救命救急に対する感心が高まっていることも影響しているのかもしれません。いずれにしても参加者が増え、その参加者たちが事前に練習して本番に臨んでくれることが、一番大きな成果だと思っています。
 資格を取っただけでなく、いざという時に役に立つ、知識と技術を確実に身につけてほしいですから、エントリーチームには機材を利用したり、講師が立ち会う練習の機会を提供しています。マネキンには胸骨圧迫の強さや、吹き込みの量などを測定するメーターが付随していますので、自分のCPR技術を確認することもできるでしょう。ぜひこの機会を利用してください」
 と話すのは大会実行委員長であり、ライフセーバーでもある日本赤十字社神奈川県支部事業部長の工藤孝志さんである。

 日本のライフセービングは、日本赤十字社の水上安全法から出発している。来年度の開催日程はまだ決まっていないが、こうした救急法競技会は、神奈川県支部以外の日赤支部でも開催されるようになっているそうなので、興味があるライフセーバーの皆さんは、一度、最寄りの支部に問い合わせてみてはいかがだろうか。
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真の日本一を決める大会!?
第7回西浜カップ、開催
2012/10/29

寒さなんて吹き飛ばせ! 大人も子どもも真剣勝負

この秋一番の冷え込みとなった10月最後の日曜日、西浜SLSCが主催する「第7回西浜カップ」が、
同クラブのホームゲレンデである藤沢市の片瀬西浜海岸で開催された。

競技会とその後の懇親会を合わせると、200人近くの関係者が集まった大盛況のイベント。
曇り空の下、熱く、楽しい一日となった。

2010.10.28 神奈川県・片瀬西浜海岸

文・写真=LSweb編集室





 クラブメンバーが一堂に会し、親睦を深めることを目的に始まった西浜カップは、今年7回目を迎えた。ここ数年はジュニアを中心としたプログラムで開催されてきたが、同クラブが設立50周年を迎える今年のコンセプトは“原点回帰”。大人も楽しめる大会にしようと、小学生から社会人、ジュニアの保護者まで1チーム10人の男女混合チームが8チーム編成され、団体戦による真剣勝負が行われたのだった。
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 10人が力を合わせて戦う団体種目は、サーフリレー、ボードリレー、ビーチリレー、そしてオリジナル種目の袋リレー(下半身をゴミ袋に入れてジャンプする)と、タップリンリレー(タンデムボード、スイム、ランの3種目)の5種目。
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 ゴミ袋が破けたら失格になる袋リレーなど、ファンレースならではの和やかさもあったが、上位3チームにはメダルが授与されるとあって、ジュニアをごぼう抜きする大人がいるなど全員が本気モード。最後まで順位が入れ替わる熱戦が繰り広げられた。
 また年齢別、男女別で行われた個人種目のビーチフラッグスでは、各クラスの上位3人に協賛のビラボンから賞品が送られた。
 
 ビーチで上がる歓声と、かぶり物をつけて競技するアンカーの様子に、ライダー系のイベントでもあるのかと、散歩途中の人々が足を止める姿も見受けられた今年の西浜カップ。総合優勝は30ポイントと2位と同点ながら、種目優勝が多かったチーム5が手にした。
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 「全日本で優勝した西浜SLSCの中での1位は嬉しい!」とチーム5の面々。MVPは2人の息子と共に参加し、競技に準備に活躍したチーム5の和田弘子さんに贈られた。MVPは栄えある西浜カップを持ち帰り、1年間自宅に飾ることができる。カップを見つめながら「どこに飾りましょう」と声を弾ませる和田さんだ。
 
 競技終了後はお待ちかねのBBQタイム。賑やかな懇親会の合間には、西浜SLSC伝統のサーフボートもお披露目された。スイーブの中村 遥さんが4人のクルーたち(土志田 仁 理事長を筆頭とした理事たち)を従え出艇。沖で同クラブのマークともなっている「キア立て」を披露した。サーフボートを初めて目にするジュニアは興味津々。久しぶりにオールを手にしたベテランたちは、「やっぱりいいな〜」とご満悦だった。

 「キア立て」とは、オールを空に向かって垂直に立てることで、敬礼や万歳の意味がある。海軍などでは櫂(かい)立てと言うが、西浜では伝統的にキア立てと言っている、と風間 隆宏さん。
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 手際よく準備されたBBQでお腹を満たす人、ビール片手に談笑する人、そして西浜SLSC伝統のサーフボートトレーニングで海へ漕ぎ出す人と、充実した秋の一日を過ごした西浜SLSCのメンバーたちだった。



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西浜CUP 総合成績

1位(30ポイント):チーム5
2位(30ポイント):チーム7
3位(24ポイント):チーム3
4位(22ポイント):チーム8
5位(20ポイント):チーム4
6位(20ポイント):チーム6
7位(18ポイント):チーム2
8位(16ポイント):チーム1
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LSwebビーチフラッグス小学1、2年生男女
1位:榊原 颯
2位:布施心太郎
3位:江頭由太朗

ビーチフラッグス小学3、4年生男女
1位:クレイ コナ 大波
2位:高田千愛
3位:榊原爽真

ビーチフラッグス小学5、6年生女子
1位:渡辺穂乃夏
2位:伊藤結希
3位:天川葉月

LSwebビーチフラッグス小学5、6年生男子
1位:クレイ アーロン 竜波
2位:菅原佳澄
3位:竹内優希

ビーチフラッグス中学生女子
1位:河田楓采
2位:野口美波
3位:森川波音

ビーチフラッグス中学生男子
1位:和田拓海
2位:細田聖也
3位:翠尾龍二
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ビーチフラッグス大人女子
1位:篠 郁蘭
2位:中村 遥
3位:上野真凜

ビーチフラッグス大人男子
1位:石川修平
2位:浜地憲太郎
3位:江頭祐一
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泉田姐さんの
第5回九州ライフセービング大会 応援記
2012/10/17

2012.9.30 宮崎県・日南海岸 青島海水浴場 渚の交番前

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今年で5回目を迎えた「九州ライフセービング大会」が、9月最後の日曜日である30日に、宮崎県の青島海水浴場で行われた。

前日には台風17号が九州地方に接近し開催が危ぶまれたが、参加者の中に強力な晴れ男あるいは晴れ女がいたようで、当日は台風一過の晴天の下、和気あいあいとした大会を楽しむことができた。

この大会にオフィシャルとして駆けつけたのが、
ライフセービング界の頼れる姐御、泉田昌美さんだ。
大会の応援は2度目という泉田さんにレポートをお願いした。            (LSweb編集室)



文・写真=泉田昌美






オリジナル種目あり、サーフパンツOK
アットホームなライフセービング競技会


 2007年、日本ライフセービング協会(JLA)の九州支部が立ち上がったことを契機に、この地域で活動するライフセービングクラブ同士のコニュニケーションを図ろうと企画されたのが、今年で5回目の開催となる「九州ライフセービング大会」です。
 
 当時の各クラブ代表が中心となり、
①九州におけるライフセービング活動の普及を図ること、
②ライフセーバーの活動や意義を地元の方に知っていただくこと、
③日頃のトレーニングの成果を確認すること、
④他クラブとの交流によりライフセービング活動の質の向上を図ること、
という目的を掲げて始めた競技会は、今年、10クラブがエントリーするまでに成長しました。
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「参加クラブ」
 コバルトブルー下関LSC(山口県)
 福岡LSC(福岡県)
 新宮LSC(福岡県)
 九州産業大学LSC(福岡県)
 大分LSC(大分県)
 宮崎LSC(宮崎県)
 かごしま磯LSC(鹿児島県)
 鹿児島国際大学LSC(鹿児島県)

「台風のため不参加(エントリー済)となったクラブ」
 宗像LSC(福岡県)
 玄海LSシステムズ(福岡県)

 九州大会では、ライフセーバーたちが気軽に参加できるようにと、ライフセービング競技の特色であるコンペティション用のキャップ(チーム識別帽子)を着用しておらず、また水着だけではなくサーフパンツでの参加も認めているなど、公式大会では見られない、ローカル大会ならではの良さがあります。
 競技種目は、ビーチフラッグス、レスキューボードレスキュー、ボードレスキューといった公式種目だけでなく、4人1組で行うボードリレー(575m×4)や、ラン−スイム−ラン−ボード−ラン(ラン200m−スイム300m−ラン200m−ボード300m−ラン200m)というなかなかハードな個人競技もあり、楽しむための工夫をしています。そして皆が大いに大会を楽しんだ結果、総合成績は以下のとおりとなりました。

「総合成績」
 1位:宮崎LSC
 2位:新宮LSC
 3位:大分LSC
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今後の進化が楽しみな
九州のライフセービング


 私が九州大会を目にするのは一昨年の2010年に続き2度目でしたが、2年前に比べてパフォーマンスが上がっていることに驚きました。大会は大いに盛り上がり、また一昨年よりも若い世代が多く、特に大学生が増えていたことが印象的でした。LSweb
 
 そんな中に、全日本などでも見たことのある顔を発見しました。東海大学海洋学部LSC出身の野村 力さんと、井上美如さんです。2人は現在、宮崎LSCに所属しています。2人の顔を見つけて「まだ続けていてくれたのだ」と嬉しく思うと同時に、心強くも感じました。
 
 今大会の主催クラブ、宮崎LSCの藤田和人代表によると、「アットホームな大会なので、九州支部以外のクラブの参加も歓迎です」とのこと。将来的には公式種目を導入し、JLA公式大会として「九州地区予選」などの位置づけにしていきたいという展望を持っているそうです。公認・公式大会にするためには、公式種目ができる場所を選ぶことも大きな課題となってきます。しかし、ジュニアやユース競技会も開催したいと話す九州ライフセーバーの大きな夢を聞くうちに、私自身、ぜひとも実現したいという気持ちが膨らんできました。

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 その背景には、大会会場で、大分LSCに所属するジュニアライフセーバーに出会ったことも大きいかもしれません。小学4年生(10歳)の東村 拓くんにライフセービングを始めたきかっけを聞いてみると、「学校のプールで監視をしていたライフセーバーにクロールを教えてもらったの。それで、そのお兄さんをカッコイイと思って」という答え。
 その後、田ノ浦ビーチでライフセービングを学んだ拓くんは、ライフセービングが大好きになったそうです。クラブにはもう一人、ちひろちゃんという女の子がいるそうです。「大人になったらライフセーバーになりたい!」とキラキラ光る瞳で、胸を張って離してくれた拓くん。これからもがんばってね!


 九州ライフセービング大会を通して、九州地域でも確実にライフセービング活動が広がっていることが分かりました。ローカルならではのアットホームさを大事にしつつ、新しいこともたくさん取り入れたいと話す九州ライフセーバーたち。九州のライフセービングがどのように進化していくのか、とても楽しみです。
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 それにしても、神の島「青島」を目の前に、人を救うスポーツができるなんて皆さん幸せです。
 海の神様、これからも九州ライフセービングの発展を見守ってくださいね!
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2012 Summer! 学生ライフセーバーの夏は、まだまだ終わらない。2012/09/12

'12年 夏の海水浴シーズンを終えた葉山LSCと青学大SLSC合宿



海水浴シーズンが終わり、ひと気がまばらになった海岸で
ひたすらランニングとボード練習を繰り返す学生たち。
競技会シーズン本番へ向けて、ライフセーバーたちの夏はまだまだ終わらない……。

文・写真=LSweb編集室





ひと夏を過ごした葉山で青学大生が再始動!

 まだまだ真夏の日差しが厳しい8月下旬の葉山一色海岸。
 ひと気の少なくなったビーチの一角で、来たる全日本LS競技大会に向けて行われていた青山学院大学サーフライフセービングクラブの夏合宿にお邪魔させてもらった。
 本当はこの日、葉山ライフセービングクラブの監視パトロールの現場を取材させてもらおうと思っていた。
 そこで、同クラブ代表の加藤智美さんにその旨を告げるため連絡すると、
「あら、葉山の海水浴場は8月第4週目の週末で終了したので、ガード業務も終わっちゃいました」
 と、いうご返事。

 あちゃ〜、鎌倉や藤沢の海水浴場と同じく8月一杯は活動しているものだと、思いこんでいたLSweb編集室のイージーミスだ。痛恨の失敗に言葉を失いかけていると、
「でも今、当クラブ所属の青学大のメンバーが、夏合宿で練習中ですよ。私も後片付けをしながら、練習に参加しています」というではないか。
 これはありがたい。残念ながら葉山のガード取材は来年へ持ち越しとなったものの、代わりに学生の合宿練習を取材できることになり、ことなきを得た担当スタッフなのであった。
 
 いそいそと駆けつけると、ビーチ中央にある一色海岸監視所建物で片付けをしていた加藤さんとお会いすることができた。
 加藤さんが代表を務める葉山LSCは、神奈川県三浦郡葉山町の海水浴場で、水難救助活動を行うため1986年に創設されたクラブ。現在は、実質60〜70人のメンバーで精力的に活動している。
 担当している浜は、本部のある一色海岸のほか、森戸海岸、大浜・長者ヶ崎海岸の三つだ。
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 「今年は、震災のあった昨年に比べて随分と浜に遊びに来る人が戻ってきましたね。今年は、お盆を過ぎてシーズン終了間際の人出が特に多くなりました。例年以上に暑い日が続いたことが大きいと思います」と、加藤さん。
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 シーズン中のライフセーバーの数について質問してみると、
 「8月に入ってお盆の頃になると、社会人のメンバーも休みを利用して来てくれるのですが、メインとなる学生がテストなどで忙しい7月中のメンバー確保がなかなか大変です。私たちの頃は、7月中旬になると大学はほとんど休みの状態に入っていたと思うんですけど、最近では、7月一杯はテストや授業があったりするところも多いようですね。
 それに加えて、海開き直後の7月中旬には、強風の影響で監視タワーが倒れて破損してしまうという予期せぬアクシデントもありましたので、今年の7月はちょっと苦労しました」
 
 統括責任者として三つの浜に絶えず気を配っていた加藤さんは、すっかり日焼けした顔を時折ほころばせながら語ってくれた。その表情には、ワンシーズンを乗り切ってホッとした安堵の表情と充実感が浮かんでいた。

一年生が主導の“裕也合宿”

 監視所の前で加藤さんと立ち話をしていると、4人のメンバーがボード練習を終えてあがってきた。
 彼らが、この日から3日間の日程で合宿を行っている青山学院大生で、葉山LSC所属の中村優希さん(3年生)、小川裕也さん(1年生)、矢澤悠太郎さん(1年生)、峰岸智志さん(1年生)だ。
 
 “2012夏裕也合宿”と名付けられたこの合宿は、その名の通り、1年生の小川裕也さんが中心となり、全日本の東日本予選への強化合宿第一弾として行われたもの。パトロールシーズンを終えると、すぐに秋の大会シーズンが幕を開ける。8月後半から9月下旬にかけて大学生たちはまだ夏休み期間中のところも多く、各校のライフセービングクラブでは、競技会に向けての合宿やセレクション(選手選考)が行われる時期なのだろう。
 
 余談ではあるが、LSwebでは、今後各クラブの合宿の様子なども精力的に取材していきたいと思っています。皆さん、その際はご協力よろしくお願いします!
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 さて、青学大SLSCの裕也合宿初日の練習内容は、以下の通り。
 午前中はボード主体で、ニーパドル・ストロークでのインアウト練習をこなした後、近くの名島へ。この日は沖合が少し荒れ気味だったため、無理せず名島付近でUターンして浜へ戻ってひと休み。
 
 ここで加藤代表が合流、「まだまだこれから、これから!」と全員にハッパをかけてランボードランへ突入。ランは、浜の左右に張られた遊泳区域ブイの間を走り、ボードを手に取ると沖のブイを回ってくるという、かなり長いコースを約30分休みなしで行う。ちなみに加藤代表が入ってボードが一つ少なくなったため、ビリは必然的にスイムとなる。この厳しい練習を終始リードしていたのは、もちろん加藤代表。
 練習が終わると、
「まだまだ学生には負けられません!」と力強い一言。
 その横で、学生たちは息を切らせながら苦笑いだ。
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 落ち着いたところで、中村さんに葉山LSCについて少し話を聞いてみた。
 「僕は、葉山に所属して3年目です。昨年、青学生は僕一人でなんとなく肩身が狭かったんですが、今年は、1年生3人が葉山に来てくれたので心強いです。おかげで、青学大は(葉山LSCで)一気に一大勢力となりましたから(笑)」

 そんな中村さんは今年、一色海岸の監視長を務めた。
「一年生の時は波崎SLSCに入っていたのですが、競技に強い先輩方もいて、練習が正直きつかったです。もう少し自分にあったレベルで練習や活動ができるクラブはないかと探していたとき、縁あって葉山LSCに参加させてもらいました。監視施設などもしっかりしていて環境も整っているし、加藤さんのような責任感の強いしっかりした人がいてくれるので心強いです。いつも怒られてばかりですけどね」
と、笑顔で語ってくれた。
 
 監視パトロールはいうまでもないが、それ以外に競技にこだわったり、裏方としてクラブ運営に力を注いだり、ジュニア育成にやり甲斐を見いだしたりと、 ライフセービングの本分さえ忘れずにいれば、アプローチの仕方は人それぞれあっていいと思う。
 大切なのは、自分に合ったスタンスで常にスキルを磨きながら楽しく活動できること。そして願わくは、これから先も長くライフセービング活動を続けていって欲しい。
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 ライフセーバーたちの夏は、まだまだ続く……。












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