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ボケにツッコミ、和気あいあい!
第2回 関西ライフセーバーズ運動会 参戦記
2014/10/28

The 2nd Kansai Lifesavers Sports Day 2014.10.19

LSweb神戸LSC、京都LS、若狭和田LSCの有志で立ち上げた「関西競技実行委員会」が主催する「第2回 関西ライフセーバーズ運動会」が、10月19日、日本海の景勝地、若狭和田で行われた。

関西ライフセーバーズ運動会とは耳慣れない大会ではないか!? そこで、主催者側と参加者側のお二人にレポートをお願いした。

まずは「面白そう!」と参加を決めた、用宗LSCの久保亮介さんの参戦記からお届けしよう。本邦初公開! 関西ライフセーバーズ運動会の実体に迫ってみた。(LSweb編集室)


文・写真=久保亮介(用宗LSC)




Facebookが取り持つ縁

LSweb 10月の3週目。第40回全日本ライフセービング選手権大会が終わり、全国のライフセーバーたちはどのように過ごしているのだろうと気になった私は、何か面白いイベント情報でも入ってこないかとfacebookに記事をアップした。

 するとコメント欄に、各地で行われる面白そうなイベント情報が数件。加えてお誘いまであり、嬉しい限りだった。

 なかでも、神戸LSCの尾田依津子さん、那須祐介さん、毛利 智さん、若狭和田LSCの山本裕紀子さんから熱烈なお誘いを受けた「第2回関西ライフセーバーズ運動会」に行き先を決めた。

 初の日本海、若狭和田。静岡から車で6時間、総距離450キロ。
 一人で運転するのは心許なく、出発2日前というタイミングではあったが、南 理沙(用宗LSC)と牛島純也(榛原LSC)2人の後輩に声をかけて一緒に行くことになった。しかも、そのうちの一人は、応援だけだと騙して……。
 
 彼らは今年、私が指導員を務めたベーシック講習会の教え子。講習会だけの付き合いに終わらない、こんな繋がりにも感謝だ。

 夕方に静岡を出発し、若狭和田へ着いたのは夜中0時を回った頃。道中、山道で鹿数匹と出逢い、いくつものSAに寄りながらの楽しいドライブだった。
 到着した時には既に前夜祭も終わり、参加者たちは観光協会の建物で就寝していたが、私たちの布団がしっかりと敷かれていた。
 「感謝!」
 空気が澄んだ夜空にはたくさんの星が輝いていた。

 朝早くに目が覚め散歩へ。
 観光協会の建物から徒歩5分ほどで、美しい山に囲まれ、真っ白な砂と透き通った水という初めての日本海、若狭湾が広がっていた。

 散歩中、運動会の実行委員長でもある那須祐介さんと尾田依津子さんに会い、
 「よう来たな!」
 「来てくれてホンマありがとう!」と暖かい一言に迎えられた。
 それだけで、また運動会も始まっていないのに、来た甲斐があったなぁと思ってしまった。

さすが関西! ノリノリの運動会

LSweb ライフセーバーズ運動会のエントリー費はワンコインの500円!
 参加クラブをミックスして、3チームに分けての対抗戦だ。静岡の3人は見事にバラバラ。チーム名は「チーム60Hz(ヘルツ)」「チーム豚まん」「チーム薄口しょうゆ」という関西ならではのネーミングだった。

 運動会らしく、ワイワイ盛り上がりながらのレースだったが、真剣勝負の時は全日本さながら。

 ビーチフラッグスでは、西日本予選会の時にルールを知らず「ヘッズダウン」で飛び出して失格したという逸話を持つ、横田浩和さん(若狭和田LSC)が見事に優勝した。
 実は、レース後に先のエピソードが飛び出し、会場全体が笑いに包まれたのだった。

 また、フラッグが取れないと判断すると、エリアを突っ切り、40mほど走った先でフラッグを探すパフォーマンスを見せるなど、運動会を大いに盛り上げてくれた神戸LSCのメンバーもいた。
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 そして、さすが関西。選手たちのボケに対し、抜群のツッコミを入れるのが地元、若狭和田LSCの山本裕紀子DJだ。
 負傷した右足にテーピングをグルグル巻きにしながら、ちびっこたちの相手をしつつ、足を引きずりながらあちこちに移動しては、絶妙なマイクパフォーマンスで運動会を盛り上げてくれた。

 レースには、ビギナー(距離短め)とガチ(公式距離)の2タイプが用意されていたが、周りからの圧力とノリもあって、知らず知らずのうちにすべてがガチのレースとなっていたのも、この大会ならではだろう。

 私は7種目にエントリー。後輩2人も4種目ずつにエントリーし、南は見事にビーフラで準優勝、牛島は全員参加のビーチリレーでアンカーを務め、ラスト大爆走で会場を驚かせる活躍をしてくれた。
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 レース後、一緒に参加した2人の口からは、
「次の大会、この種目にエントリーしてみようかな」
「楽しかった、でも悔しい」という台詞が。
 
レースを通じて友達ができたり、新たな才能や楽しさの発見があったり……。450キロの道のりはこうして有意義なものとなったのだった。

 全日本が終わって気が抜けたかと思いきや、充実した週末を過ごすことができた「第2回 関西ライフセーバーズ運動会」。

 こぢんまりとした規模だからこそ、これだけアットホームで魅力的な大会ができるのだとは分かっているが、でもこの楽しさを、もっともっと多くのライフセーバーに伝えたいとも思った。

 後日、大会で出会った多くの関西メンバーから「今後ともよろしく!」とfacebookを通じて連絡があり、また輪が広がったことを実感した。
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軽快な関西ノリで場を盛り上げる若狭和田LSCの山本裕紀子DJ。まいど〜!

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みんなで協力し合って食事の準備。いいですね〜、このアットホームな感じ

 
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この大会の楽しさを、全国のライフセーバー仲間に伝えたい!
来年もぜひ参加したいです!!







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インカレ番外編 競技会の舞台裏2014/10/01

PEOPLE who work behind the scenes.

LSwebインカレの大会会場となった御宿海岸は、台風17号の影響により、風・波とも吹き荒れ非常に厳しいコンディションとなった。

刻々と変わる気象・海象条件の中、参加選手たちのために“安全を確保した中でなんとか最後まで競技を成立させてあげたい”と思い、懸命に奮闘してくれていた運営の裏方さんがいたことを忘れてはいけないと思う。

大会運営に関わるすべての人に敬意を表して、インカレ番外編をお届けしよう。皆さん、お疲れさまでした。

文・写真=LSweb編集室




頼れる職人集団、安全課

LSweb インカレ2日目の朝————。
 
 学生たちが頰を引きつらせながら、ドカンドカンと打ち寄せる波を見ている場所からそう遠くないところで、
 「いやぁ〜、うっかりブイを打てちゃったもんで、今日もレースができちゃいますねぇ」
 と、おどけた調子で笑顔を見せる集団がいた。
 今大会の安全課を担当する、九十九里LSCを中心とした強者たちだ。

 安全課の朝は誰よりも早い。夜が明けきる前から浜へ足を運び、その日の気象海象を実際にチェック。もちろん、天気予報の確認も怠らない。

 明るくなったところでブイやアンカー、ロープなどの備品を確認し、IRBやPWCを準備。そしてウェットに着替え、ライフジャケットを身にまとい、必要に応じてヘルメットを被り、海へと出ていくのだ。

 選手たちが浜へと集まってくるころには、もうブイを打ち終わっているという手際の良さである。そして何食わぬ顔でまったりとコーヒーなどを飲みながら、冗談交じりのバカ話しをしているという具合だ。
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 安全課の人たちは、実に男気溢れる人々だ。
 「舞台裏なんか見せるもんじゃねえよぉ」
 心の中ではきっとそう思っているのではないだろうか。もちろん、安全課には女性もいて大活躍しているのだが、彼女たちも面倒見が良くて気っぷのいい体育会系女子なのだと思う。

 まあ、気質の話はさておき、今回のインカレのように厳しい気象条件の時は、体力的にも、精神的にも苦労が多かったはずだ。

 最終的に2日目に予定されていたすべてのオーシャン競技が中止となってしまったが、インカレという出場機会が限られる大会でなんとか総合成績が出るようにと、実行委員会はギリギリまで競技続行の方法を模索した。
 その中で、いかに選手たちの安全を確保するかは、全員が注力したことである。

 今回、安全課を率いた“タイタン”こと森 良祐さんに話を聞いてみた。LSweb
 「インカレというのは特別な大会です。選手たちは、チームを代表して出ているという責任感から無理をしてしまうことも多く、それが危険に繋がる場合もあります。
 ですから、選手が大丈夫だと言っても、安全課、あるいはIRBに乗っているウォータージャッジの判断で、危ないと思ったらピックアップすることにしています。
 そのあたりの判断は、経験を積まなければ分からないこともありますね。夏のガードと一緒です。また安全課特有のスキルも必要になります。
 普段はそうした経験を積んでもらうために、ベテランと若手がコンビを組んで海に出るようにしているのですが、今回は海況が厳しいことと、判断が難しいということを踏まえて、ベテラン×ベテランのコンビで対応しました。
 インカレは特別な大会だけに、結果的にレースを続行することができず、申し訳なかったな……と思っています」
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 ブイの設置・管理から、選手の安全確保、さらには次々と流れてくるサーファーへの対応など、安全課の的確な対応には頭の下がる思いがした。
 そのことは学生たちも十分に感じていたようで、大会終了後、学生室の代表者が大きな声で感謝の意を伝えている姿が印象的だった。

 ところで、安全課はいつでも若手の“入門”を歓迎してくれるそうだ。

 九十九里LSCだけでなく、西浜SLSCや愛知LSCなど、海の知識が豊富なベテラン勢が、親切丁寧かつ厳しく (^_-) 仕込んでくれるそうなので、卒業後もライフセービングに関わっていきたいと考えている学生の皆さん、安全課のテントをこっそり覗いてみてはいかがだろう。
 きっと、すぐに首根っこを捕まえてくれるはずだ。LSweb

学生諸君、BLSマスターを目指そう!

LSweb 競技会の運営には、安全課だけでなく多くのスタッフが関わっている。審判員、医務ドクター、トレーナーステーションの皆さん、会場設営のスタッフなどなど。実況で会場の雰囲気を大いに盛り上げてくれる、スポーツDJもいる。

 そしてBLS(ベーシック・ライフ・サポート)アセスメントを担当する、インストラクターの存在も忘れてはいけないだろう。

 今大会では、清水博史、関口義和、森 洋行、來島慎太郎の各インストラクターが、実技を行った男女合わせて75校のBLSを採点し、それぞれにフィードバックを行った。

 アセスメントでA評価となった大学はインカレレポートの成績表欄に掲載したので参考にしてほしいが、インストラクター4氏は、結果に満足していない様子だった。
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 「男子は37チーム中A評価が12チーム(33%)、B評価が20チーム(54%)、C評価が5チーム(13%)、女子は38チーム中A評価が18チーム(47%)、B評価が16チーム(41%)、C評価が5チーム(12%)という結果でした。
 結果だけを見ると、A、B、Cの評価率は昨年とほぼ変わりません。向上しないといけないわけですから、私たち自身、どう対策をとっていくか頭を悩ませています」
 と、清水インストラクター。

 A評価がとれない最も多い理由は、古い手技をそのまま行っているというものだ。日本蘇生協議会と日本救急医療財団がつくる「蘇生ガイドライン」は数年に一度、見直しが行われている。

 毎年、新入生が入学する大学でなぜ古い手技が? と疑問に思うところだが、地域クラブで活動する中で、社会人を含む先輩たちから古いやり方を教わるのではないか、というのが清水さんたちの考えだ。

 「海やプールでの練習だけでなく、CPRやAEDの練習も定期的にやってほしいですし、話を聞く限り、定期的にやっている学校はA評価を取っています。ただ昔のように、アセスメントに選出されて『うわぁ、ハズレた〜』という反応はほとんど見られなくなりました。
 得点が加算されるということもあり、『よし、8点取るぞ!』と意気込んでくる学生が多くなりましたね。点数ありきではありませんが、でも学生たちのやる気を引き出すという点ではとても効果があったと思います」
 と、清水インストラクターは言う。
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 「今後の課題は、どうやって評価率を上げるか、ひいてはライフセーバーなら誰もがBLSを正しく行えるようにすることです。若手だけではなく、社会人にも参加してもらえるような、更新講習会のような機会をもっと積極的に作り出していかないといけないのかもしれません」
 と、思案顔の4人。

 技術は日々進化している。スマホなどの扱い方やSNSでの情報発信能力など、若者のほうが圧倒的に進んでいることもある。
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 学生ライフセーバーの皆さん、正しい知識を身につけ、しっかり練習して、自信を持って、ベテラン社会人ライフセーバーにBLSのお手本が見せられるようになろうではないか!







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湯河原は秋晴れなり!
賑やかに開催されたソーリー・カーニバル
2014/09/23

第2回 湯河原ライフセービング選手権〜Solly Carnival 2014〜 神奈川県・湯河原町吉浜海岸 2014.9.21

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9月21日、神奈川県湯河原町の吉浜海岸で、湯河原ライフセービングクラブ主催の「第2回 湯河原ライフセービング選手権〜ソーリー・カーニバル 2014〜」が開催された。

昨年に続き2回目の開催となるローカルイベントには、関東近郊で活動する小学生から社会人まで約130人のライフセーバーが参加。

爽やかな秋空の下、真剣かつ和気あいあいとしたファンレースが行われたのだった。



文・写真=LSweb編集室





ソーリー氏は不在ながら……


LSweb 静岡県との県境に位置する神奈川県の湯河原町で、1996年から組織的な活動を続ける湯河原LSC。

 全日本選手権の優勝経験もある強豪クラブが、手作りのファンレース「ソーリー・カーニバル」を開催することになった背景には、イベント名にもなっている同クラブ顧問の“ソーリーさん”こと、アーネスト・スティーブンスさんの存在が大きい。

 ソーリーさんはサーフライフセービングの本場、オーストラリアのワンダSLSCに長年所属するベテランライフセーバーだ。ライフセービングを勉強したい、極めたいという日本の若手ライフセーバーたちを、長年にわたって自宅に受け入れ、指導してきた人物である。

 LSweb御年83歳(!)だが、今でも毎年、夏になると来日し、数カ月を日本で過ごしながら、顧問を務めている湯河原LSCのメンバーを中心に、本場のライフセービングスピリットを伝授してくれる奇特な人なのだ。そんなソーリーさんから薫陶を受けたライフセーバーたちは、日本全国で活躍しているが、その数が多いのは、やはり湯河原LSCだろう。

 その一人が、同クラブで理事を務める青木将展さんだ。小学生時代にライフセービングと出会い、ソーリーさんと知り合い、社会人となった現在も家族ぐるみの付き合いを続けている彼は、オーストラリアでは当たり前のように行われている、誰もが気軽に参加できるローカルレースを、いつかは自分たちで主催したいと思い続けてきた。そして昨年、第1回大会の開催にこぎつけたのだ。

 初回の昨年は約80人が参加。今年は、当日エントリーも含め約130人が吉浜海岸に集合した。残念ながら、今年はソーリーさんが不在だったが(審判として世界大会に参加していたため)、開催2年目で100人以上が集まる大会に成長したソーリー・カーニバル。その特徴を見ていこう。
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工夫を凝らしたレース運営

LSweb ソーリー・カーニバルを開催するにあたって湯河原LSCが目指したのは、オーストラリアのライフセービングクラブが開催しているような、誰でも気軽に参加できるが、真剣勝負の腕試しができるイベントだ。

 実施競技は、大人がサーフレース、ボードレース、サーフスキーレースの3種目、小中学生はサーフレースとニッパーボードレースの2種目と、オーシャン競技の個人種目だけとした。これは、クラブメンバーだけで無理なく運営できる規模とするためだ。

 参加者はライフセービングクラブに所属している人なら、小学生から社会人まで、誰でもOK。仕事の都合などで予定が立ちにくい社会人でも参加しやすいようにと、当日エントリーも可能とした。
 今回は神奈川県内をはじめ千葉県、静岡県、茨城県などから10クラブが参加。当日エントリーでの参加は約10人だった。

 エントリー種目は一人3種目まで。少しでも多くレース経験が積めるようにと、予選の順位に応じたクラス分けで決勝レースを行う方式を採用した。
 つまり、上位はA決勝、中位はB決勝……と、予選落ちがないシステムだ。予選レースで選手のレベル分けができるため、実力が拮抗した選手同士でもう一度レースができるわけで、絶好の腕試しとなるだろう。
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 小中学生はU-15のカテゴリーで小学生と中学生の男女にクラス分けしているが、中学生の希望者には(大人の)ボードレースへの門戸も開放している。

「現在、国内で行われているユース(中高生対象)の競技会は、6月に開催される全日本ユース選手権のみです。高校生は大人の大会にも出場できますが、中学生は参加資格がないため、夏の練習の成果を確認する機会がないのです。ならば、ということでボードレースへの参加を認めました。ジュニアから続けている、大人顔負けに上手な子もいますからね」
 と言うのは、実行委員の一人として準備に奔走した関根紗織さんだ。
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 準備は関根さんを含め4人の実行委員がフル回転で行い、当日はクラブメンバーが一丸となって運営しているソーリー・カーニバル。

 実行委員長の青木将展さんは、
「メンバー総出でやっているので、オフィシャルなどはコアになる人以外は資格を持っていないこともあります。でも、競技に出るならルールをしっかり頭に入れること、というのがクラブの方針ですから、無資格でも競技ルールは分かっているはずですし、こういう機会にオフィシャルを経験することで、大会でのオフィシャルの役割やありがたさを感じてくれればと思っています」
 と話してくれた。
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サーファーも注目のイベント

LSweb ソーリー・カーニバルの人気の秘密は、こうした運営側の工夫だけではないようだ。ホストクラブ以外でもっとも多くのメンバーが参加した西浜SLSCの篠 岳瑠さんは、
「ジュニアも学生も社会人も、同じ場所で同じ大会に出られるというのが良いですね」
 と言う。

 確かに、同じクラブに所属していても、世代を超えて同じことができる機会はそれほどないのかもしれない。ジュニア、ユース、社会人、そしてジュニアの保護者も一帯となれる、そんな貴重な場も提供しているようだ。

 また、小学生のニッパーボード優勝者には、賞品としてブラボーボード・ジャパンのニッパーボードが贈られるなど、豪華賞品にも注目が集まっていた。

 さらに、2回目となる今年はスポンサー探しにも力を入れたようで、参加者にはエナジードリンクでお馴染みのレッドブルが配られ人気を集めていた。
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 ビーチに立てられた同社のテントは、同じ浜で開催されていたサーフィン大会の参加者からも大いに注目を浴びていたようだ。知名度のあるスポンサーがつけば、ライフセービングの認知度も上がる。
 こうした実行委員の努力が、次の大会のさらなる盛り上がりに繋がっていくのだろう。

 インカレや全日本に向けて、良い腕試しになったという参加者も多かったソーリー・カーニバル。来年も9月に開催されることが決定している。当日の盛り上がりは、写真でとくとご覧いただきたい。
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★☆「Solly Carnival 2014」成績表☆★





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夏を元気に乗り切るための
ライフセーバーのための食事学 ②
2014/08/02

=夏季集中連載= Eat well!! To get though the Patrol Season!

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毎日、暑い!

人間は暑いと体温調節のために汗をかく。

炎天下で活動するライフセーバーの皆さんは、毎日、たくさん汗をかいていることだろう。

というわけで「ライフセーバーのための食事学」第二弾は、汗をかく季節に不足しがちな栄養素と、その補給方法について紹介していこう。



文=西 朝子(ジュニア・アスリートフードマイスター)
写真=LSweb編集室





ミネラルって何?

LSweb 汗をかくと、水分と一緒に体の中からミネラルが失われる。ではミネラルとは具体的にどんな物質なのだろうか?

 人間に必要な必須ミネラルは16種類。その代表的なものが、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、リンなどで、さらに微量ながら鉄、亜鉛、銅、ヨウ素、マンガンなども体内に蓄積されている。

 どれもこれも、学校の授業でならった元素記号が思い浮かぶ名前ばかりだ。そう、ミネラルとは元素そのもので、人間が体内で作り出すことができない栄養素。だから、食事などできちんと摂取しなければいけないのだ。

 ミネラルが不足すると、体内でさまざまな症状が引き起こされる。分かりやすいのは痙攣だろう。ミネラルの一種であるナトリウム、カリウム、マグネシウムが不足すると、筋肉への神経伝達がスムースに行われなくなり、筋肉がギクシャク引きつって痙攣が起こるというわけ。熱中症の症状の一つでもある。

 痙攣は急性の症状だが、慢性的にミネラルが不足すると、将来的にさまざまな障害を負うリスクが高くなる。例えば、カルシウムが不足すると骨が弱くなることは誰でも知っていると思う。その状態でハードなトレーニングをすると、疲労骨折ということにもなりかねない。

 またナトリウムとカリウムのバランスが崩れると、体内の浸透圧が上手く調整できなくなる。すると血管が圧迫されて頭痛がしたり、さらには血圧が高くなったり、あるいは体がむくんでダルくなったり、といった症状が現れる。

 鉄や銅が不足すると造血機能が低下し貧血になるので、特に生理がある女子ライフセーバーは気をつけたい。一方、男子ライフセーバーは亜鉛不足に注意しよう。亜鉛が不足すると生殖機能に影響が出るようだ。

LSweb 健康な成人の場合、夏の炎天下で10分活動すると、約100ミリリットルの汗をかくと言われている。30分なら300ミリリットル、1時間なら600ミリリットルの汗をかいている計算になる。アスリートは、1時間で最大2〜3リットルの汗をかくと言われているから、走ったり、泳いだりするライフセーバーも同様と考えていいだろう。

 体温調節のためにかく汗の99%は水分で、残り1%がミネラルや水溶性のビタミン、タンパク質などだ。この時期、定期的に水分を補給するのはもはや常識だが、汗と一緒にミネラルも失われていることを覚えておきたい。

 ちなみに、医療機関では体重の2%以上が脱水した場合、水分だけでなくナトリウムなどの塩分も積極的に補給するように指導するそうだ。55キロの人なら1.1リットル、70キロの人なら1.4リットルの汗をかくと体重の2%となる。1回のシフトで、軽くこれくらいの汗をかいているのではないだろうか?

バナナとナッツを常備食に

LSweb 汗とともに失われるミネラルは、体内で作ることのできない栄養素だ。だから食事でしっかり取らないと不足してしまう。以下にミネラルが豊富な食材をピックアップしたので、日々の料理に上手に取り入れてほしい。

 中でも栄養素的にも、また手軽に口にできるという点でも優秀なのが、バナナとナッツ類だ。合宿所にはぜひバナナとナッツを常備し、小腹が空いたら、スナック菓子やカップラーメンなどではなく、バナナやナッツを食べることをオススメしたい。

 もう一つの万能食材が豆腐。味噌汁に入れてもよし、野菜や肉と一緒に炒めてもよし、キムチやカイワレなど薬味を工夫して冷や奴でもよし、と食当にとって頼りになる便利な食材だ。

カルシウムの多い食材
・豆類(特にダイズなど)
・乳製品
・小魚 など

カリウムの多い食材
・豆類(特にアズキ、ソラマメ、インゲンなど)
・海藻類
・イモ類
・ナッツ
・バナナ など

マグネシウムの多い食材
・豆類
・魚介類(特に煮干し、イワシ、干しエビ、アサリなど)
・海藻類
・乳製品
・卵
・バナナ など

LSwebナトリウムの多い食材
・味噌
・醤油 など

鉄分の多い食材
・レバー
・赤身肉
・ほうれん草 など

亜鉛の多い食材
・レバー
・ナッツ
・ゴマ など







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夏を元気に乗り切るための
ライフセーバーのための食事学 ①
2014/07/28

Eat well!! To get though the Patrol Season!

=夏季集中連載=

LSweb強い日差しの下で、あるいは波や風の強い状況下で、早朝から夕暮れ時まで活動するライフセーバーにとって、食事は活力の源だ。いい加減な食事をしていたために、いざという時に動けなかったり、夏バテで体調を崩しては元も子もない。

昔から“腹が減っては戦ができぬ”というではないか。だからこそ、疲れていても、時間に余裕がなくても、ライフセーバーたるもの、食事を疎かにしてはいけないのである。

では人一倍元気に夏を乗り切るためには、何を、どんなふうに食べればいいのだろうか? 多忙なライフセーバーたちに向けたヒントを紹介していこう。

文=西 朝子(ジュニア・アスリートフードマイスター)
写真=LSweb編集室




必要なエネルギー量を把握しよう

LSweb 夏休みに猛暑とくれば、にぎわうのは海やプールだ。7月も下旬、すでに疲れが溜まってきた……というライフセーバーもいるかもしれない。ライフセーバーにとっては、これからお盆までの数週間が体力的にも、精神的にも正念場となる。そんな時こそ、しっかりとした食事を心がけたい。

 ところで、ライフセーバーの皆さんはパトロール期間中、どういう食事をしているのだろうか。合宿しながら食当が作ったご飯を食べる? 自宅から通っているので朝夕はお母さんに作ってもらう? それとも、一人暮らしなので外食やコンビニなどですましているのだろうか?

 人間は活動するためにエネルギーを必要とする。活動量が多ければ、当然、必要とするエネルギー量も多くなる。では、海水浴場の営業時間内はもちろん、その前後も活動するライフセーバーたちは、どのくらいのエネルギーを摂取すればいいのだろうか?

 農林水産庁の資料によると、18〜29歳の成人の場合、男性は1日2650kcal(キロカロリー)、女性は1日1950kcalのエネルギー量が必要とされている。ただし、これは一般的な活動をする人の場合で、アスリートなど活動量の多い人の場合は、男性3000kcal、女性2250kcalが必要と記載されている。

 ライフセーバーの場合は1日中体を動かしているので、ある意味、集中的にトレーニングするアスリートよりも活動量が多いかもしれない。どういう食事形態にせよ、まずは男性3000kcal、女性2250kcalを目安に、しっかりエネルギーを摂取するようにしたい。

 とはいっても、栄養士でもないかぎり食事から素早くカロリーを計算できる人はいないと思う。そんな時、上手に利用したいのがコンビニやファミレスだ。
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 コンビニの調理食品(おにぎりやパン、お弁当など)には必ずカロリー表示がされている。ファミレスのメニューも同様だ。最近は、その内訳まで個別に表示されていることが多い。例えば、熱量○kcal、タンパク質○g、炭水化物○g、脂質○g、ナトリウム○mgというように。こんなありがたいものを利用しない手はない。

 7月はメンバーも少なく食当がおけないので、コンビニを利用することが多いというクラブもあるだろう。そんな時は、値段や好みだけでなく、食品の栄養素や量もチェックすることをオススメする。おにぎり1個は何カロリーで、具材によって違いが出ることなどが分かったら、普段の食生活にも応用できるはずだ。

バランスの良い食事とは?

 健康な体はバランスの良い食事から——とは良く聞く標語だが、では、バランスの良い食事とはどんなものだろうか?

 まず覚えておいてほしいのが、人間の体が必要とする5大栄養素だ。LSweb

①タンパク質
②脂質
③炭水化物
④ビタミン
⑤ミネラル


 この5大栄養素の主な働きは以下のとおり。

タンパク質=筋肉など体の組織をつくる
脂質=体を動かすためのエネルギー源(瞬発系)
炭水化物=体を動かすためのエネルギー源(持久系)
ビタミン=組織の再生や代謝を高めるなど体の調子を整える
ミネラル=骨や歯などの生成および体の機能を調節する


 そして、それぞれを代表する主な食材が次のものだ。

タンパク質=肉・魚・卵・大豆製品など
脂質=バター・マーガリン・植物油・肉の脂身など
炭水化物=米・パン・麺類・イモ類・砂糖など
ビタミン=緑黄色野菜・果物・レバーなど
ミネラル=牛乳・乳製品・海藻・小魚など


 これらをバランス良く食べる見本が、農林水産庁が作成した「食事バランスガイド」(図1)だ。
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図1 食事バランスガイド
(農林水産省・厚生労働省「食事バランスガイド」より)


 主食で炭水化物、副菜でビタミンとミネラル、主菜でタンパク質を摂取し、牛乳&乳製品と果物でタンパク質、ビタミンやミネラルを追加している。ただしこれらは一般成人を対象としたメニューなので、活動量の多いライフセーバーは1.5割増しの量を目安にしたい。

 食事バランスガイドをもっと単純化すると、1日に口にする食事のうち、55%が炭水化物、15%がタンパク質、残りの30%がビタミンやミネラル、脂質という計算になる。

 脂質はドレッシングや調理油など、意識せずとも口にしているものなので、積極的に取らなくていいことを考えると、1日の食事全体の半分以上がご飯やパン、麺類などで、メインのおかずとなる肉や魚は毎食ごとに最低1品、そして野菜やキノコ類、果物、乳製品などは肉や魚以上に食べるのがバランスの良い食事、ということになる。

 夏を元気に乗り切るためには、エネルギー不足にならないよう、必要カロリーはきちんと摂取すること。そして、5大栄養素をバランス良く食べること。まずはこの基本を心がけよう。















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