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千葉の海を守るライフセーバーたちが大集合!
大盛況の第12回房総カップ in 御宿
2014/11/06

The 12th BOSO Cup 2014.10.25-26 御宿中央海岸

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10月最後の週末、千葉県の御宿海岸で第12回房総カップが開催された。

ローカルの大会ながら、選手384人、スタッフ85人、総勢469人が参加し、日本ライフセービング協会(JLA)が主催する競技会に匹敵する規模となった一大イベントの様子を、審判長として参加した中島典子さんと、選手として活躍した亀ノ上僚仁さん、田家友也さんにレポートしてもらった。

年々、参加者が増える房総カップの人気の秘密を紹介しよう。(LSweb編集室)


レポート=中島典子(館山SLSC)
写真=松永 祐、鎌田 優(共に九十九里LSC)




千葉県内のクラブが一同に集結

LSweb 多くのライフセービングの競技会がそうであるように、房総カップも水辺の事故防止と安全思想の普及を目的として、海水浴場を中心に活動するライフセーバーが集い、日ごろより行っている救助技術のトレーニングの成果を競うために行われているものだ。

 加えて房総カップは、千葉県内のクラブ間の連携強化、大会運営のノウハウ共有を目的に2003年より毎年10月に行われ、今回で12回目を迎えた。

 房総カップの特徴の一つが、県内で活動するクラブが持ち回りで開催しているということ。つまり、開催地が毎年変わるのだ。

 開催にあたっては、房総カップ実行委員会が開催地クラブをサポートしており、第1回大会から3回までは蓮沼殿下、それ以降は勝浦守谷→銚子マリーナ→岩井海岸→富浦原岡→館山北条→白浜根本→山武本須加→勝浦守谷→御宿中央とラウンドし、来年の第13回大会は銚子マリーナでの開催が決定している。

 房総カップのもう一つの特徴が、地形や環境に合わせて考案されるオリジナル種目だ。
 今回は「房総チャンピオンライフセーバー」や「スキーリレー」が行われ、第10回の本須加大会では、外房の広い海を利用して4km程度の「スキーレース」も行われた。
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  チーム種目を増やした大会では、通常4人で行われるビーチリレーを6人で行ったり、男女混合種目が多いのも特徴といえるだろう。

 ところで、今回行われたオリジナル種目の一つ「スキーリレー」だが、考案時にはメンバー3人それぞれがスキーを用意することを想定していた。ところが直前になって、「ハンドラーが担いで走り、スキー1艇を乗り継ぐ方法で出場してもいいか?」との問い合わせが入った。

 考えようによっては遅延行為どころか、危険行為だと言われそうだが、そこは房総カップ(笑)、ほかの選手の妨害にならないこと、大きく遅れるようであれば途中であっても止めること、を前提に出場をOKし、1チームは見事に決勝に残った。
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10月下旬といえば……!

LSweb 房総カップはここ3年ほど、沖の三角ブイが(オレンジの)カボチャに変身している。実はこれ、実行委員委員たちの発案で、一通り準備がすんだ夜11時頃、こっそり安全課のテントに忍び込み、気づいた時の選手たちの顔を想像しながら細工しているのだ

 携帯のライトで照らしつつ「目がズレた」の「鼻が剥がれた」のと言い合う作業は、何度目になってもワクワクして仕方がない(笑)。

 今年はノリの良い選手の存在も手伝ってハロウィン色が強く出たが、競技種目から演出まで、ホストクラブが自由にしていいのも房総カップの魅力の一つだ(実行委員自ら「暴走カップ」と表記するほどだった)。

 昨年の勝浦大会ではホストクラブから、地元名物「勝浦タンタン麺」が振る舞われた。辛さにむせるとは分かっていても、豪雨で極寒の大会、並んでまで食べたのはここだけの話だ。

 あまり言うと、来年のホストクラブである銚子メンバーから苦情が入りそうなのでここまでにするが……、来年以後の大会もぜひ楽しみにしていただきたい!
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オフィシャルとして大会に参加して

LSweb 私はオフィシャルなので少々偏るけれど、実行委員として運営に携わるようになって今年で5〜6年目となる。

 ちょうどその頃から、大会へのエントリー人数が大きく増えはじめ、各クラブからの選出だけではオフィシャルが足りなくなり、オフィシャル限定で千葉県外の方々へもお声がけし、お力を借りるようになった。
 今大会も3つのエリアのうち、2つのセクションレフリー(兼チーフジャッジ)は県外クラブ所属の方にお願いせざるを得なかった。

 房総カップは千葉県内で活動するクラブを対象とした大会だ。
 このまま甘え続けるのではなく、2017年に開催予定の第15回大会までには、各エリアのセクションレフリーは、県内クラブ選出メンバーで行えるようにしていきたい(もちろん県外クラブ所属のオフィシャル受け付けは継続します!(笑))。

 先輩方をさしおいて私が言うのは甚だおこがましいのだが、ライフセービングの大会運営にあたり、オフィシャルの人数・経験不足は深刻だ。ルールが細かいため、きちんと把握しきれていない選手もチラホラ見受けられる。
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 ローカル大会といえども、房総カップは規模も大きく、決勝となれば全日本本戦の決勝に残るメンバーも多い。
 10回以上を数えることになった今だからこそ、ただのお祭りとして騒ぐだけではなく、必要最低限のことは公式大会に揃え、参加者全員の経験値を高め、ひいては千葉県内にとどまらず幅広くライフセービング界に貢献できるように、そんな大会にするにはどうするべきか考えていきたい。

 

 もちろん、パワー全開で楽しむことも忘れずに!


 シーズン節目となる房総カップ。
 この大会では、とても晴れやかな顔が多いのが自慢だ。これからもずっと、誰もが楽しめるこの大会を大切にしていきたい。
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房総カップに参加して

「お祭り気分で楽しんで」
 朝一に行われた代表者会議で、審判長の中島典子さんが言った一言。これぞ房総カップだ!

 大会会場の設営はインカレや全日本と同じようで特に変わりはないが、シーズンも終わりに近づき、選手やオフィシャルたちがリラックスして和気あいあいと参加できるのが房総カップである。

 今回、私が出場したのは「房総チャンピオンライフセーバー」という、林 昌広 実行委員長が考えた種目だった。
 簡単に言うと、サーブ、ボード、スキーそしてオーシャンマンを一人が行う競技で、この種目に出場する場合は、他の種目に出場することができない。

 ボードレース、サーフレース、サーフスキーレースをそれぞれ行い、順位に応じたポイントで総合順位を決定。最終のオーシャンマン/ウーマンレースは、総合順位のポイント差を秒数換算して(1ポイント=2秒)、時間差スタートし、フィニッシュの順位を競うのだが、全体的にランの距離が長いことと、1日ですべての種目をこなすため、疲労の溜まり方がハンパない。
 それでも、7人の参加者が励まし合いながらがんばり、全員がフィニッシュ。そして嬉しいことに、私は優勝することができた。

LSweb この種目をこなしながら思ったのは、自分たちも楽しめたが、周りで応援してくれた人たちも楽しそうだったということだ。
 また来年も皆で盛り上がれるよう、自分にできることをしていきたいと思った。

 もう一つ思ったことは、大学に入学して4年目となるが、勝浦LSCチームにこんなにも社会人が集まったのは始めてということだ。これもきっと房総カップだからできたことなのだろう。

 これを勝浦LSCが変わるきっかけにし、来年以降もさらに多くのメンバーで参加できるようにしていきたい。[文・亀ノ上僚仁(勝浦LSC)]


 
    


    
 
房総カップの魅力

 房総カップの魅力は、なんと言っても独特の「緩い雰囲気」である。

 手作りの柿やリンゴのコンペキャップの選手がいたり、ゴールする選手を迎えるためにみんなでアーチをつくったり、審判が仮装したり、総合優勝チームには景品で伊勢エビがでたり……。
 そして何より海にゴリラがいる! これらは房総カップだからこそできることだ。

 今年の房総カップは初の2日間開催ということで、例年よりも種目数が増えた。私は個人種目とチーム種目、合わせた5種目に出場した。

 ボードレースでは優勝が狙える位置にいたので、アウトで1番に走り出したものの直後にインショアホールに足を取られ転倒……。結果は4位! 安全課の方に言われたとおり、勝敗を分けたポイントはボードを降りるタイミングだった。あ〜あ。

 サーフスキーリレーは房総カップのオリジナル種目で、サーフスキーを複数艇用意し、かつ男女混合でスキーを漕げる人を3人用意しなければならないという、参加するだけで一苦労のレースだった。
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 しかし、サーフスキーを1艇しか用意できないチームは、ハンドラー2人がスキーを持って疾走し、1艇を3人でまわすという面白いチームもいた。そんなイレギュラーなことが許されてしまうのも、房総カップの楽しさだ。

 全日本選手権や学生選手権では考えられない雰囲気や、種目があることで、今年も房総カップは大いに盛りあがった。大成功の大会を支えてくれた皆さんに感謝したい。[文・田家友也(九十九里LSC)]


 
    









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