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六大学のライフセーバーが集結!
第3回 東京六大学ライフセービング対抗戦
2015/01/28

明治大学和泉校舎体育館プール 2015.1.25

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大学野球の対抗戦に端を発した東京六大学対抗戦。

今では野球だけでなくさまざまなスポーツで、あるいは文化系イベントでも、六大学間の交流が行われている。

ならばライフセービングでもやろうじゃないか!
と始まったのが、今年で3回目を迎えた「東京六大学ライフセービング対抗戦」だ。




文・写真=LSweb編集室、レセプション写真=岡村真理(法政大学SLSC)





六大学が初めて勢揃い

LSweb 慶應義塾大学、早稲田大学、明治大学、法政大学、立教大学、そして東京大学に所属する学生ライフセーバーたちの親睦と、レスキュー技術の向上を目的に2年前から行われている「東京六大学ライフセービング対抗戦」が、今年も明治大学和泉校舎の体育館プールで開催された。

 六大学対抗戦と銘打ってはいるが、実は過去2回は6校すべてが顔を揃えたわけではなかった。というのも、大学によって活動環境にかなり差があり、メンバーの数もだいぶ違うからだ。

 例えば早大、法大、明大の3校には学校公認のライフセービングクラブ(いずれも同好会サークル)がある。明大は2008年の創部と比較的新しいが、早大と法大はクラブ発足から20年以上の歴史がり、インカレでは他大学の体育会ライフセービング部と互角の成績を納める強豪だ。

 一方、慶大、立大、東大はメンバーが少なく、学校単位での活動はなかなか厳しいのが現状だ。そこで慶大の浦 健太さんは鎌倉LG、立大の矢口広大さんは波崎SLSC、東大の田中えりかさんは大竹SLSCといった具合に、各人が地域クラブでの活動をメインに行っている。

 そんな立場や境遇の違いを超えて、6校すべて、総勢48人の学生ライフセーバーが集合した今大会。会場設置から大会運営、さらに親睦会の準備まですべてを自分たちで行い開催された。
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ユニークなオリジナル種目満載

 六大学対抗戦では、会場となる25mプールに合わせて、さまざまなオリジナル種目が考案され、実施されている。

 例えば、フィンなしでの潜水→スイム→マネキンキャリーを行う「100mMARUHASHIメドレー」や、12.5mごとにプールの底にタッチ(障害物の替わり)する「100m紺碧スイム」、4人のリレーで2泳と4泳がチューブを使用し、マネキンの替わりに前泳者をトウとキャリーする「150mレスキューリレー」など。
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 短水路というだけでなく、水深や機材の不足を逆手に取った、なかなかよく考えられたアイディア種目だ。

 また、欠場者が出たときにはその場でのエントリー変更にも応じ、リレー競技でコースに余裕があれば、“ハイブリット”と呼ぶ即席の混合チームを作って参加するなど、交流試合ならではの臨機応変さが光っていた。
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 さらに全競技終了後には、学校枠、男女枠を取り払った混合4チームによる“オマケ”のマネキンリレーも行われ大盛り上がり。和気あいあいの1日を通し、六大学間の親睦は一気に深まったようだった。

LSweb 運営の中心メンバーとなった実行委員の面々に話しを聞いてみよう。

 「六大学間の交流と、救助力の向上を目指して行っている対抗戦ですが、今回はメンバーの多い、早稲田、法政、明治の3校が実行委員会の中心メンバーとなり、準備を進めてきました。初めて六大学全部のライフセーバーが集まることができ、無事に終わってほっとしています」(実行委員長の早大2年、田中拓耶さん)

 「自分たちで進行するのは初めての経験で、最初はこんなにぐだぐだでいいのかなと不安でしたが、臨機応変にメンバーを入れ替えたり、飛び込みでハイブリッドチームが参加したり、ちょっとゆるい感じでやっていくことで親睦が深まるのかなと思っています。改善点もあるとは思いますが、こんな感じでいいんだなと実感しています」(法大2年、澤木達哉さん)

LSweb 「今回が3回目ということで、学校側からもすぐにプール使用のOKが出ました。所属する地域クラブのつてで、カワサキスポーツさんから総合優勝や全競技の優勝者に賞品をいただきとても感謝しています。冬場にこういう機会があって、学校や浜を超えたライフセーバーと交流できるのは楽しいですね」(明大2年、湯浅泰旺さん)

 選手宣誓からオマケレースまで、終始、賑やかな雰囲気で行われた今回の対抗戦。

 優勝は65ポイントで早大、以下、法大(56ポイント)、明大(23ポイント)、立大(8ポイント)、東大(0ポイント)、慶大(0ポイント、競技参加者なし)と続いた。


LSweb ところで、六大学のライフセーバーが初めて勢揃いした今回の対抗戦だが、前途は必ずしも洋々とはいえないようだ。
 立大の矢口さんは3月で卒業。後輩は残念ながら一人もいない。東大の田中さんも学内に仲間はおらず、4月からは4年生となる。

 対抗戦や地域クラブの繋がりを活かし、人数の多い大学が人数の少ない大学の新歓を手伝う、といった交流は続いているようだが、すぐに成果に結び付かないのも事実のようで、人材確保は学生ライフセーバーにとっても頭の痛い問題だ。

「4月からは社会人になるのでどこまでできるか分かりませんが、資格を活かして指導できるようになれば、少しは役に立つのかなと思っています」
 という慶大の浦さんのような方法も、学校クラブとの関わり方の一つだろう。

 少人数でも活動を続けてきたのは熱血ライフセーバーの証。来年も全校揃った六大学対抗戦が賑やかに開催されることを期待しよう。
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優勝カップを手にする早稲田大学

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対抗戦終了後の表彰式&交流会も楽しみのひとつ








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