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SERCを攻略せよ! 全日本プール 直前プレビュー2016/05/20

LSweb明日から第29回全日本プール競技選手権大会が開催される。

レスキューアスリートの皆さん、準備は万全だろうか?

この大会の見所の一つが国内で年1回だけ行われるSERC競技だ。

ライフセーバーの本質が試されるこの競技。

SERCチームを率いた篠田敦子さんのコメントと、昨年の優勝チーム西浜SLSCの競技風景をチェックし、
イメージトレーニングに役立ててほしい。

文・写真=LSweb編集室




自助、共助を大切に

LSweb 昨年の大会では、海でもプールでもない水辺の自然公園が舞台となった。その設定に驚いたチーム多かったのではないだろうか。

 通常とは違う設定にした理由を篠田さんはこう話す。

 「自助、共助という言葉は、今、日本ライフセービング協会でとても大切にしている言葉です。自らの命を守った上で、他の人の命を救うという考え方が頭の中に残っていると、今回の設定が十分に理解できるのではないかと思います」

 「しかも今回の設定では、救助機材、いわゆるレスキューチューブとかレスキューボートといった、私たちライフセーバーが思い浮かべるようなレスキュー機材は何一つ準備していない状態でした。
 必然的に身近にあるもの、ペットボトルやクーラーボックスなど、日常的に身近にあるものがレスキュー機材になるということが分かったと思います」

LSweb 前回、特徴的だったのは認知症の人を配置したということだ。その対処の仕方が、採点に少なからず影響した。

 「今回は唯一、西浜SLSCだけが歩いている人が認知症だと気づきました。高齢者や、外国人が増えている社会情勢など、全体を把握する力を鍛えておくと、パトロール時にも大いに役立つと思います。また救急隊への引きつぎも頭に入れて夏を迎えてほしいという思いから、救急隊への引き継ぎも設定しました」

 認知症だと気づいた西浜SLSCの小田切伸矢選手は、

 「僕は職業柄(養護学校教員)、目を離したらまずそうだなという人は体を確保する習慣がついています。相手がどういう状況なのかを感じることも、ライフセービング活動していくためには大事なのだと、改めて認識しました」
 と話していた。

LSweb もう一つ特徴的だったのが、ウォーターセーフティーに重きを置いていた点だ。再び篠田さんに聞いた。

 「レスキューよりも、まずウォーターセーフティーが大事だという認識を、すべてのライフセーバーに持ってほしいと思います。ライフセーバーだからこそレスキューありきの考えではなく、特に今回のようにレスキュー機材のない状況では、自分の身を守ることを第一に考えて行動してほしいです。

 また情報収集能力も磨いてほしいですね。認知症の家族を見つけたチームや、CPRができる人に手伝ってもらっていたチームもありました。すべてが夏のパトロールに繋がることだと思います」

 さて、今年はどんなレスキュー現場が想定されるだろうか。最後に昨年SERCで優勝した西浜SLSCの競技動画を掲載しておくのでぜひ参考にしてほしい。
 
 選手の皆さんはどんな設定に際してもあせらず、基本をしっかり思い出して、当日に望んでほしい。


 ☆★☆ 2015年全日本SERC第1位・西浜SLSCの競技 ☆★☆








熱戦は友情へと繋がる
ライフセービングスピリッツ、ここにあり!
2015/11/21

第7回全日本学生ライフセービング・プール競技選手権大会
The 7th Japan National Intercollege Pool Lifesaving Championships-DAY2

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連覇を狙う日体大、王者奪還を狙う日大、
初タイトルを目指す東海大クレストに神大、
学生ライフセーバーの熱き戦いは二日目に突入した。

最上級生にとっては、学生として出場する最後の大会。

さまざまな思いを胸に今このときに集中する。


文・写真=LSweb編集室





ラインスローで日本記録更新!

 ラインスローから始まった大会二日目、最初の種目で日本記録が更新された。

 女子5ヒート目、日本体育大学の市川沙耶、奥秋李果ペアが、迅速な巻き取りからの一投目を成功させ、12秒30の日本記録をマークした。
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 「日体大代表として6回、ラインスローに出場しているのですが、これまで一度も金メダルに届きませんでした。
 今回が(日体大代表)最後のチャンスなので、とにかく納得するまで練習したことが勝因だと思います。練習の時には、男子より速いこともあったんですよ」と、大学4年生の奥秋。

 競技終了後、拳を強く握り小さくガッツポーズをしていた姿が印象的だった。

 女子の好調を引き継ぎ、男子も日体大の七海元紀、青木竜河ペアが11秒22の大会記録で優勝した。

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 「5月の全日本の時、学内セレクションで2位になり学校代表になれませんでした。それがとても悔しくて、そのすぐ後から休み時間なども含め、ずっと練習していたんです。
 全日本の時に2位になった先輩の小椋(隆継)さんから、小指側から巻き取ると絡みにくいよとアドバイスをもらい、試してみたら手応えがあったので、あとはひたすら反復練習をしました。
 自分はけっこうあがり症ですが、今回は緊張せずにできました。来年の全日本に向け、学内セレクションを突破できるように練習を続けたいです」と笑顔を見せたのは、高校時代は野球部でファーストを守っていたという3年生の青木竜河だ。



★☆ラインスロー優勝チーム動画☆★






ラストレースは笑顔とともに

 100mマネキンキャリー・ウィズフィンは、男女ともに大会記録が更新された。

 女子は東海大学湘南校舎の船津美帆が1分03秒08の大会新で優勝。初日に続きフィン種目二冠を達成した。
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 男子は日本大学の宇治川仁人が51秒18、成蹊大学の森田大地が52秒75でワンツーフィニッシュ。どちらも大会記録を更新した。

P1010045 この種目の女子第3ヒートに出場したのが、たった一人で4年間続けてきた金城学院大学の兼田紗也花。

 学生最後となるレースを終え、「ちょっと感慨深いものがありますね。このコンペキャップともお別れかと思うと……。一回ぐらいラインスローにも出たかったな」とポツリ。

 その後「卒業しても、できるかぎりライフセービングは続けていきたいです」と言葉を繋いだ。

 泳力が問われる100mレスキューメドレー。
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 女子は国士舘大学の鈴木悠花、東海大クレストの遠口紀子、法政大学の荒井美結が表彰台に。男子は神奈川大学の大島圭介が1分06秒64の大会新、それに続いたのが日大の那須凛斗と法大の渡邉孝之だ。LSweb

 国士大の鈴木は、圧倒的に男子が多い国士大で同期の堤 茅咲と共に4年間がんばってきた。

 「確かに男子が多いですけど、う〜ん、特にやりにくいことはなかったです」と笑顔。堤は50mマネキンキャリーで3位となり、学生最後のインカレで笑顔とともにメダルを手にした。


手に汗握る最終ヒートを制したのは?

 プール競技の中で唯一、エントリータイムを設けていない種目が、ライフセーバーのベーシック技術を競う50mマネキンキャリーだ。
 今大会は女子23ヒート(181人)、男子32ヒート(254人)が行われた。

 この種目に限ったことではないが、マネキンのセットから、泳法チェック、記録にいたるまで、オフィシャルなくして大会運営は成り立たない。LSweb

 この種目一つとっても、泳法審判は単純計算で55ヒート×50m往復で5.5kmの距離を歩いていることになるわけだ。

 そんな泳法審判の中に一人の高校生がいた。柏崎LSCに所属する片山雄起だ。

 「来年は大学生になります。だからインカレの雰囲気を経験しておきたかったし、泳法審判をやることで自分の泳ぎも客観的に見ることができるのではないかと思ったのです」と話す片山は、先輩審判員の教えを請いながら、真剣の眼差しをプールに注いでいた。
 頼もしき高校3年生である。

 この種目、女子は日体大の坂本佳凪子が自身の持つ大会記録には及ばなかったものの、3連覇を達成。LSweb2位は東海大クレストの中島静香、3位は国士大の堤 茅咲が続いた。

 男子は最終ヒートで、記録審判も「鳥肌がたった」という好レースが繰り広げられた。主役は神大の大島圭介と、日体大の坂本 陸。

 スタートからマネキンピックアップまでリードしていたのは、4コースの大島だったが、後半、猛烈に追い上げてきたのが5コースの坂本だ。タッチの直後、会場内の誰もが電光掲示板へと目をやった。勝ったのは……?

 おお〜というどよめきが上がったのは、2人が31秒37の同着1位だったからだ。

 「視界の中で陸がチラついてきたので、追い上げてきていることは分かっていました。タッチの直後、陸がガッツポーズをしたので、ああ(負けたか?)と思い掲示板を見たら、2人とも1位! 自分一人で1位になるより嬉しかったですよ」と大島が言えば、

 「僕は後半追い上げ型ですが、今日は前半から突っ込んできました。圭介との差がそれほど開いていなかったので、なんとか追いつきたいと猛チャージをかけたんです。ガッツポーズをしたのは、同着だったから。とても興奮しました」と坂本が言葉を繋いだ。
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 「陸とは、日本代表に召集された時期が一緒。ユース時代から活躍していた彼は目標でもありました。学生最後の大会で、一番高い表彰台に2人で立てるとは思っていませんでした」と笑顔を見せる大島と坂本。

 サブプールで仲良く談笑する2人に、一緒に戦ったライバルたちが次々と声をかけ、輪が広がっていく様は、なんとも気持ち良い光景だった。
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女子はクレスト、男子は日大が総合優勝

 お約束の最終種目、メドレーリレーインカレバージョンの出場チームがアナウンスされると、盛り上がりは最高潮に達した。

 1泳と4泳がフィン装着の同一人物というこの種目、女子は船津美帆(東海大クレスト)、男子は宇治川仁人(日大)といったフィン個人種目で活躍したスイマーが最後の力を振り絞り力泳。両チームの優勝に貢献した。
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 2位の神大に3秒以上の差をつけ大会新で優勝した日大メンバーは「宣言通りです!」と拳と突き上げ、辛くも日体大の猛追をかわした東海大クレストは、抱き合って勝利を喜んだ。LSweb

 総合優勝はリレーの勢いのまま、男子は日大が第5回大会以来の王者復活。女子は6連覇中の日体大を破り、東海大クレストが悲願の初優勝を成し遂げた。

「ずっと勝てそうで勝てなかったので、今は本当に嬉しいの一言です」と安堵の表彰を浮かべたのは、女子リーダーとしてチームを引っ張った東海大クレストの中島静香。後輩たちから感謝の寄せ書きが贈られると、大きな目が一瞬潤んだようだった。
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「優勝できたのは……皆の熱い気持ちが一つになったからです」と言うのは、優勝カップを手にした日大の齋田流星。「日大は千葉国際プールと相性がいいんですよ。前回優勝したのもここでした」と笑顔を見せた。

 それぞれの思いで挑んだプールインカレ。例年より少し早くすべての競技会が終了した大学生ライフセーバーたちは、すでに次へとスタートを切った。
 4年生は卒業旅行の計画を練りつつ、自分たちが持つ技術を後輩へ託し、後輩たちは来たるべきシーズンへ向けての準備を始める。

 ライフセービングスピリッツは、しっかりと次世代へと受け継がれていくのだろう。(敬称略)


女子総合優勝の東海大クレストのメンバー集合。男子も総合3位と健闘した

女子総合優勝の東海大クレストのメンバー集合。男子も総合3位と健闘した


男子総合優勝の日本大学クラブメンバー勢揃い

男子総合優勝の日本大学クラブメンバー勢揃い



【第7回全日本学生ライフセービング・プール競技選手権大会 成績表】



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200m障害物スイム・男女

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200mスーパーライフセーバー・男女

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100mマネキントウ・ウィズフィン・男女

100mマネキンキャリー・ウィズフィン・男女

100mマネキンキャリー・ウィズフィン・男女

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100mレスキューメドレー・男女

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50mマネキンキャリー・男女

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ラインスロー・男女


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4×50m障害物リレー・男女

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4×25mマネキンリレー・男女

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メドレーリレー(インカレヴァージョン)・男女

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総合成績上位3チーム



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11月開催のプールインカレ
37チーム、708人が千葉に集結!
2015/11/19

第7回全日本学生ライフセービング・プール競技選手権大会
The 7th Japan National Intercollege Pool Lifesaving Championships

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7回目を数えるプールインカレが、
2015年11月14〜15日、千葉県国際水泳場にて開催された。

開催時期は過去、最も早い11月。
海インカレから2カ月、全日本から1カ月。

夏のパトロールから続いた怒濤の今シーズンが、
この日、フィナーレを迎えた。

2015.11.14-15 千葉県習志野市・千葉県国際総合水泳場

文・写真=LSweb編集室




大学1・2年生、大活躍

LSweb 個人6種目、団体5種目、男女合わせて計22種目で競われるプールインカレ。

 そのうち、4×25mマネキンリレーと、メドレーリレー・インカレバージョン以外はタイム決勝で争われる。

 タイム決勝の場合、申請時の申告タイムによりヒート順が決定されるのだが、この大会が初のプール競技出場となる大学1年生や、競技経験の浅い大学2年生は、本番で自己記録を大幅に更新することも多い。

 ヒートが早い段階で好タイムを出すのは決まって、1、2年生だ。頼もしい若手の出現に、会場の雰囲気がザワつく。

 今年のインカレでは、早くも最初の種目200m障害物スイムでそんなザワつきが起こった。

 女子は第6ヒートに登場した日本大学1年の成澤侑花が、大会記録に迫る2分16秒40をマークし、そのまま優勝を決めた。
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 同じく大学1年生、日本女子体育大学の黒岩美緒が2位、3位は東海大学湘南校舎2年の塩原あかりと続いた。
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 男子は第4ヒートで泳いだ日大1年の池端拓海が、これまた大会記録に迫る2分03秒57を記録し優勝。2位には神奈川大学2年の廣田 諒が入った。最上級生の意地を見せた、早稲田大学4年の江藤亜門は3位だった。
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 この種目、女子はなんと1位から7位まですべて大学1、2年生が占め、男子も入賞者8人のうち5人が大学1、2年生という顔ぶれ。来年以降の記録更新に期待がかかる。

 4×50m障害物リレーを制したのは、女子は東海大クレスト、男子は神奈川大学。塩原あかり、中島静香、遠口紀子、船津美と繋いだ東海大クレストは、大会記録に0.01秒及ばなかったものの2分00秒31で2位の日大に2秒以上の差をつけた。
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 男子は1位から4位までが大会記録を更新する激戦となった。
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 優勝したのは2ヒート目に泳ぎ、大島圭介、徳元将太郎、北畑優成、廣田 諒と繋いだ神大。東海大クレスト、中京大学、日大がデッドヒートを繰り広げた最終ヒートは、逆転で東海大クレストがヒートを制したものの、神大には僅かに及ばなかった。
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繋がれ!学生ライフセーバーの輪

 続いて行われた200mスーパーライフセーバーは、泳力だけでなく、レスキューチューブやマネキンといった道具を使うテクニックが問われるこの種目だ。

 上級生に一日の長があるかと思いきや、女子は新潟産業大学2年の高橋志穂が優勝、2位には日体大の井熊理子、3位には日大1年の成澤侑花が入った。
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 大学2年生とはいえ、ジュニア出身でユース代表も経験している高橋はトランジットが上手い。だが本人は「スイムそのものの強化を図ったことが勝因だと思います」と分析。プール競技での初タイトルに笑顔を見せた。

 男子は日本体育大学4年の坂本 陸が優勝。同種目4連覇を達成した。
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 学生時代しか出場することのできないインカレでの4連覇は快挙。ジュニア時代からの経験と、たゆまぬ努力の成果だろう。2位は早大の榊原 司、3位は明治大学の湯浅泰旺と、表彰台の顔ぶれは奇しくも前回とまったく同じだった。

 タイム決勝で争われた4×50mメドレーリレーは、総合得点に加算されないため若手メンバーで組む大学が多い。それでも勝負は真剣だし、もちろんタイムは公式記録に認定される。
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 女子は山口 茜、津川茉由子、黒岩美緒、金子紗瑛の4人で泳いだ日女体が、1分52秒30の大会新記録で優勝。男子は木村荘太、岡田充弘、五藤恵輔、中村 嶺と繋いだ中京大が、同大学初となる金メダルを獲得した。

 関東圏以外では、ライフセービングクラブのある大学はまだまだ少ない。東海地方も例外ではなく、愛知県で活動している大学クラブは中京大の他、日本福祉大学、そして金城学院大学の3校だけ。合同練習などもしているが、新しい技術や情報などに触れる機会が少ないのが悩みだそうだ。

 JLA学生室のメンバーはいないのか? という問いかけに、
 「どうやったら学生室のメンバーになれるのか、そこからして分からない状態で……」と口にした中京大の岡田充弘。

 「だから召集の時とかに隣の人に一生懸命声をかけて、仲良くなろうとしています」と、リレーメンバーと顔を見合わせながら話してくれた。
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 今大会のテーマは「繋〜瞬間を大切に〜」。

 リレー2種目でメダルを獲得した中京大のメンバーたちは、きっと一緒に表彰台に上った大学との繋がりを持ったはずだ。関東から全国各地へ、学生ライフセーバーの輪がどんどん繋がっていけばいいなと思う。

学生界にも高反発フィン登場

 女子20ヒート、男子29ヒートが行われたのがマネキントウ・ウィズフィンだ。女子は東海大クレストの船津美帆が1分07秒29で、男子は日本大学の山口 渓が59秒73で優勝した。
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 2人はどちらも国際大会などで主流となっているロケットフィンを使用。学生ライフセーバーも高速フィンを履く時代になったのだ。

LSweb 反発力が強いこの手のフィンは、正しく使いこなさないと威力を発揮しないし、故障を誘発することもある。

 「フィンのお陰です」と船津は謙遜したが、レースで結果を残すには、かなりの時間を練習に費やしたはずだ。

 「所属する湯河原LSCの先輩から、いろいろアドバイスをもらいました。履いて足を動かすだけで1カ月、それからようやく潜水ができるようになりましたが、まだまだ改善の余地が山ほどあります。
 50mきっちり潜水できることや、マネキンをピックアップした後のキック力の強化など、来年に向けてしっかりトレーニングを積んでいきたいです」と言った後、「フィンだけと言われないように、ほかの種目もがんばります」と付け加えた。
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 大会初日を締めくくった4×25mマネキンリレーは、大歓声の中、予選を突破した8校が激突した。

 優勝は女子が佐藤 遥、遠口紀子、中島静香、塩原あかりと繋いだ東海大クレスト、男子は荒生拓人、中村夏貴、大野祥吾、那須凛斗の4人がマネキンをリレーした日大が、それぞれ後続に2秒、3秒差をつけて優勝した。
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 女子は日体大が2位、日女体大が3位、男子は東海大クレストが2位、日体大が3位となった。

「5月に行われたプール全日本と同じメンバー、同じ順番で泳いで、タイムを2.2秒縮めました!」と破顔した日大の4人だが、実力スイマー揃いの日大はクラブ内セレクションが非常に厳しく、全日本で優勝したメンバーといえども安泰ではないのだそう。
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「またこのメンバーで出たいね、と話していたので、記録が更新できてすごく嬉しいです」と1泳の荒生。2年生1人、3年生3人というメンバーで来年も出場チャンスがある彼らは、「4連勝を狙いますか!」と意気込んだ。

LSweb ところで、男子3位の日体大は、メンバー4人のうち3人が高校時代まで球技に打ち込んでいたノンスイマーという編成だった。

 2泳の七海元紀と3泳の山口祐太は野球部、4泳の大竹達士はサッカー部出身で、スイムは大の苦手。50mを30秒以内で泳ぐという目標がなかなか達成できなかったそうだ。

 それでも4年間コツコツと努力を続けた結果、プールインカレでもメダルを手にすることができた。このメダルは海インカレのビーチ競技で得たメダルと共に、一生の宝物になるに違いない。

 大会初日は女子・東海大クレスト、男子・日大のリードで終えた。このまま逃げ切ることができるのだろうか?

 競技は白熱の大会二日目へと続く。(敬称略)

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プール競技の季節、始まる
日本新も飛び出した、神奈川インドア
2015/11/03

第13回神奈川県ライフセービング プール競技選手権大会
2015.11.1 神奈川県相模原市・相模原市立水泳場

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2015年も残すところ2カ月となった11月1日——。

神奈川県相模原市のさがみはらグリーンプールにて
神奈川県ライフセービング連盟主催のプール競技会が開催された。

13回目を迎えた大会の様子をレポートしよう。

文・写真=LSweb編集室





海からプールへ移行の大会

LSweb 毎年、晩秋の時期に開催されるこの大会は、ライフセービング競技の舞台が海からプールへと変わる区切りの大会になっている。その競技会に今年は31クラブ、高校生から社会人まで355人が参加した。

 実施競技は個人種目3種目(50mマネキンキャリー、100mマネキンキャリー・ウィズフィン、100m障害物スイム)、団体種目2種目(4×25mマネキンリレー、4×50mメドレーリレー)の計5種目。

 神奈川大会らしいのは、障害物スイムを全日本などで採用されている200mではなく、100mで実施することだろう。

 運営体制や開催日数などの関係で半分の距離になっているが、国際ライフセービング連盟(ILS)監修の「競技規則」でも認められている距離であり、もちろん公式タイムとしても記録されている。

 その100m障害物スイムでは、男女ともに大会記録が更新された。女子は社会人になっても自己ベストを更新し続ける、銚子LCの栗真千里が1分03秒66で優勝。海なし県の長野出身で、今年、大学生になったばかりの九十九里LSC、成澤侑花が1分04秒63で2位に入り、2人とも大会新をマークした。
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 男子は辻堂LCの平野修也が55秒45で優勝。湯河原LSCの安藤 秀が56秒07で2位。こちらも2人とも大会記録を更新した。
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 またライフセービング競技ではニューフェースながら、56秒40の好タイムで3位に入ったのが辻堂LCの富永航平だ。

「競泳で短距離の平泳ぎを得意としていましたが、辻堂LC代表のモグケン(中川 健)さんの熱烈な勧誘があり、ライフセービングの世界へ足を踏み入れました。
 ライフセービング競技は障害物があったり、マネキンやチューブを使うので、これからまだまだ研究の余地があると思います」と話す富永は、日本代表のチームメイト、平野と共にリレー種目でも活躍した。
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選手数増加中のフィン種目

LSweb 近年、プール競技ではフィン種目が“人気”だ。今大会も例外ではなく、100mマネキンキャリー・ウィズフィンは女子7ヒート、男子12ヒートで熱戦が繰り広げられた。

 勝ったのは男女ともに湯河原LSC。

 女子は1分02秒72で船津美帆が、男子は51秒17で西山 俊が優勝した。自己ベストを更新した船津は、2位に3秒近い差をつけて初タイトルを手に。昨年に続き日本記録更新の期待がかかった西山は、記録的には平凡なタイムだった。
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 2週間後に控えた国際大会への調整期間中で、ベストなコンディションではなかったと言う西山。

 「最低でも50秒は切れると思っていたのですが……」と首を傾げた後、「あー、海に行って気分転換したいなぁ。でもちゃんと現実を見て、プールで練習します」と続けた。

 ところで、フィン種目の人気が高まっている要因の一つは、泳ぎがあまり得意でない選手ほど、フィンの力を借りると速く泳げるようになる(ことが多い)、ということに関係しているようだ。
 泳ぎは苦手だから……と諦めるのではなく、何かできることはないか? という考え方は、非常にライフセービングらしいとも言える。
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 リレー種目に出場するチームが増加傾向なのも、フィンスイムに力を入れているクラブが多いことと無関係ではないはず。フィン練習がきっかけとなり、泳力そのものが向上すればまさに一石二鳥ではないだろうか。

マネキンキャリー優勝者には賞品も

LSweb 今大会で最も参加人数が多かった種目が、50mマネキンキャリーだ。女子12ヒート、男子21ヒートが行われた。

 毎度のことながら、ヒート毎にマネキンをセットするマネキン係、50mプールを往復しながら泳法をチェックする泳法審判員をはじめとするオフィシャルの皆さんには頭が下がる。

 この種目を制したのは、白浜LSCの坂本佳凪子と辻堂LCの平野修也。大学3年生の坂本のタイムは38秒44。ライフセービングとフィンスイムの日本代表であり、マスター水泳でも活躍する平野は31秒40だった。
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「年明けに左肩を痛めてから人生初というくらい不調続きでしたが、ここにきてようやくスランプを脱出しつつあるのかなという感じです」と言う平野。

 この大会から遡ること8日間で4大会に出場し、今大会終了後も国際大会が続くというハードスケジュールを振り返り、「明日はきっちり体をケアして次の大会に備えます。オレンジカップとジャーマンカップ(オランダとドイツで開催されるライフセービングの国際大会)では記録を狙いますよ」と笑顔を見せた。

 なお、同種目の優勝者2人にはメダルの他に協賛の(株)櫻井興業から、スタイリッシュなガード特製時計の賞品も贈られた。

「僕、この種目の優勝者には賞品が出ることを知っていたんです。だから、最後のタッチはおもいっきり腕を伸ばしましたよ」とライバルたちと談笑する平野。

 坂本も「はい、賞品が出ることは知っていました」と、「いいなぁ〜」と歓声を上げるチームメイトの和の中で笑顔を見せていた。
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リレー種目は湯河原が完全制覇!

 男女ともに大会記録が更新されたのが、4×25mマネキンリレーだ。
 女子は河崎綾子、塩原あかり、中島静香、相馬紗織の4人がマネキンを運んだ湯河原LSCが1分33秒48の大会新で優勝。
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 男子は大島圭介、徳元将太郎、西山 俊、安藤 秀と繋いだ湯河原LSCが1分13秒53で1位、江藤亜門、荒生拓人、大野祥吾、那須凛斗の大学生カルテットが力泳した九十九里LSCが1分15秒73で2位となり、両チームとも大会記録を更新した。
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 最終種目の4×50mメドレーリレーも記録ラッシュ。女子は1位と2位が大会新を、男子は1位が日本新をマークした。

 女子優勝は1分52秒73を出した湯河原LSC。河崎綾子、塩原あかり、中島静香、船津美帆がテンポ良く繋いで終始リードを保ったまま快勝。銚子LCは津川茉由子、小林夏実、栗真千里、深谷徳香で逆転を狙ったが、僅かにおよばず1分53秒70で2位だった。
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 デッドヒートが繰り広げられた男子は、大島圭介、西山 俊、安藤 秀、深井俊光の4人が後続の猛追を逃げ切り優勝。1分32秒62の日本記録を打ち立てた。
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 2位は4泳が驚異的な追い上げを見せた九十九里LSC。大野祥吾、江藤亜門、池端拓海、宇治川仁人の4人で1分35秒64のタイムをマークした。逆転はされたもののリレー種目で初めてメダルを獲得したのが、富永航平、深谷裕輔、平野修也、中川 健でチームを組んだ辻堂LC。タイムは1分36秒15だった。LSweb

 九十九里の4泳、宇治川は「3泳と4泳の引き継ぎが、昨日の練習の最後の最後で、急にできるようになったんです」と言う。3泳の池端は大学1年生、4泳の宇治川は4年生。

 プール競技デビューの池端は、道具を使ってのライフセービング競技に悪戦苦闘していたようだが、コツを飲み込めば上達も早い。2位という成績が大きな自信に繋がったようで、「プールインカレでは日大で優勝しますから、見ててください!」と、笑顔を見せた。

 2週間後にプールインカレを控えた学生ライフセーバーたちは、リレーメンバーの選考や調整も兼ねて今大会に参加している。日本記録が更新されるハイレベルな実戦を体験できたことは、インカレにも活きてくるはずだ。

 「(辻堂LCの)平野さんがものすごい勢いで追いついてきたので、焦って右手でタッチしちゃいました。右肩にレスキューチューブを掛けているので、普通なら左手でタッチして4泳に(チューブのヒモを)渡すのですが、手が反対でなかなか渡せなくて。いやぁ、危なかったです」と話すのは、湯河原LSCで3泳を任された安藤だ。
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 日本新で盛り上がる湯河原LSCのメンバーに近づき、「この記録はすぐに塗り替えるから」と言ったのが辻堂LCの平野だ。辻堂LCの平野、湯河原LSCの安藤、大島、西山の4人は、10日後には日本代表として国際大会に出場することが決まっている。今大会ではライバルでも、次はチームメイトだ。

「そうか!」と状況を把握した深井も交え、プールサイドでは両チームが笑顔で互いの健闘を称え合っていた。

 閉会式で総評を述べた泉田昌美競技委員長の言葉のとおり、ライフセーバーにとって、冬場は泳力を鍛える絶好の時期。今大会の記録が参考に、来たるべき来シーズンに向けじっくり泳ぎこんでみるのもいいだろう。(敬称略)
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100m障害物スイム 男女

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100mマネキンキャリー・ウィズフィン 男女

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50mマネキンキャリー 男女

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4×25mマネキンリレー 男女

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4×50mメドレーリレー 男女

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【第13回神奈川県ライフセービング プール競技選手権大会 成績表】



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今年も開催!〜BOSO CUP〜
第13回千葉県ライフセービング競技会 レポートVol.2
2015/10/28

千葉県銚子市・銚子マリーナ海水浴場 2015.10.17-18

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2003年から毎年開催されている「BOSO CUP」。

選手、オフィシャル、関係者も含めると400人以上が参加した今年の大会も、いよいよ房総ナンバー1を決める決勝レースに。

爽やかな秋晴れの中で行われた、熱戦の行方は?

引き続きホストクラブである、銚子ライフセービングクラブの浅見雄一郎さんにレポートしていていただこう。(LSweb編集室)


文=浅見雄一郎(銚子LC)
写真提供=BosoCup





ベテラン勢強し!サーススキー

LSweb 全日本選手権と同じことが言えるが、サーフスキーレースではやはりベテラン勢が強さを見せ、男女上位3人計6人が全員社会人という結果となった。

 また今大会では、水中スタート、ドライゴール(波打ち際に設定されたゴールを走り抜ける、通常は水中ゴール)方式が採用された。

 女子では、河崎尚子(銚子)、久保美沙代(和田浦)、三井結里花(蓮沼)の全日本表彰台常連がレースを引っ張る形となった。

 レースで先行したのは銚子LCの河崎。スタートから飛び出し、最終ブイを回航しトップをキープ。このまま河崎が逃げ切るかと思われたが、後方から、わずかなウネリを乗り繋いできた久保と三井が波打ち際で河崎と並ぶ。そこから3選手が一斉に走り始め、1位でゴール駆け抜けたのは、蓮沼の三井であった。

 先行したものの追いつかれ、優勝を逃した河崎は3位となった。しかし、河崎はライフセービングの本場オーストラリアでの修行経験があり、スタートの技術、ブイ回りや、小波を捕まえるテクニックは流石の一言であった。

 優勝した三井は、現日本代表でもあり、パドル力の他にも、海をも味方につける、彼女の底力を見た気がした。そして、上位3人が全日本のメダリストというハイレベルなレースとなり、千葉県のライフセービングのレベルの高さを知ることができた。
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女子サーフスキーレース ファイナリスト

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男子サーフスキーレース ファイナリスト

 男子は、1位 篠田智哉(守谷)、2位 浅見雄一郎(銚子)、3位 堀部雄大(千倉)という結果になった。

 レース展開では終始、守谷の篠田がレースを引っ張り、下馬評通りの強さを見せた。実は筆者は、このレースで2位に入ったが、篠田のスタート技術、パドル力、レースに向かう気迫は見習うべきものが多かった。

 3位に入った堀部は数年前までオーシャンマン・ボードレース・サーフスキーレースで全日本のチャンピオンであった実力者。だが、レース前の招集所では「昔強かったことなんて誰も覚えていないから、大事なのは今なんだ」と言っていた。

 年齢を重ねても勝負にこだわり、向上心を持ってレースに臨む彼の姿勢を、若手のライフセーバーは手本にしなければならないと感じた。

まさか!?
波乱のランスイムラン


 大会会場が沸いたのは男女ランスイムラン。上級生、社会人と経験者がいる中で優勝したのは男女共にフレッシュマン(大学1年生)という波乱が起きた!

 女子は片貝の成澤侑花がスイムパートで後続を引き離してそのまま優勝。2〜4位には銚子の堤 茅咲、鈴木悠花、栗真千里が続いた。

 2~4位に入った銚子勢は全日本上位常連で、9月に行われた学生選手権で表彰台に乗った選手もいれば、現日本代表もいる強豪メンバーの中で、成澤が優勝し会場を沸かせた。

 フレッシュマンとはいえ、実力ある上級生にも物怖じせずに挑み、優勝した彼女の今後に注目したい。
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女子ランスイムラン ファイナリスト

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男子ランスイムラン ファイナリスト


 男子で優勝したのは銚子の堀内敦貴だ。彼も片貝の成澤と同じ大学1年生でライフセービング歴は1年にも満たない。

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男子ランスイムランを制した銚子LC堀内

 同レースを引っ張ったのは堀内のクラブの先輩の石田健人だ。石田はランから積極的に飛び出しスイムでも集団を引っ張り、1位で浜に上がってきたが、最後のランで2位に付けていた堀内に逆転された。

 石田に話を聞くと「初めのランとスイムで飛ばし過ぎて足の力が残っていなかった」と苦しそうな顔をしながらも表情は晴れやかであった。

 堀内は「先輩に必死についていきました。最後のランは無我夢中で走りました」と嬉しそうに話してくれた。

「ライフセービング活動に出会えて良かった」と答えてくれる彼の真っ直ぐな気持ちを聞くと、千葉のライフセービングの未来は明るいと感じることができた。

大注目の
フレッシュマンボードレース


 フレッシュマンボードレースの決勝は、ランスイムランの決勝の直後に行われた。

 その中で、女子ボードレースで優勝したのがランスイムランを制した成澤だ。フレッシュマンの中でも一際力強いパドルで後続の選手を引き離し圧勝した成澤は、大学1年生ながら房総カップ二冠を達成した。2位には作田の山口 茜、3位には鴨川の佐藤美帆が続いた。

 男子は本須賀の池端拓海が女子の成澤と同様に、力強いパドルで優勝した。2位には白浜の小林駿太、3位には守谷の熊木 渉が入った。

 開催された銚子マリーナ海岸のすぐ横にあり、同海岸で日々練習する千葉科学大学の永春大希と勝又滉平も入賞を果たした。

 千葉科学大学はライフセービングクラブとしてはまだ年数が浅いが、近い将来、千葉のライフセービング界に新しい風を吹かせてくれるに違いない。
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女子フレッシュマンボードレース ファイナリスト

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男子フレッシュマンボードレース ファイナリスト


混戦必至、ボードレース

 女子ボードレースは、日本代表でもある守谷の水間菜登が異次元のパドルで優勝した。ラインナップする選手を見ても水間は頭一つ背が高く、足と手が長く、パドルボードを漕ぐには理想的な体形から、力強いパドルで後続を突き放し優勝した。

 2位には白浜の飯田亜実が入った。飯田は予選から水間に食らいついていく気迫を見せたが、決勝では及ばなかった。3位には最後のランで4位の選手と競り勝った銚子の鈴木が入った。
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女子ボードレース ファイナリスト

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男子ボードレース ファイナリスト

 次に行われたのは、どの大会でも激戦になる男子ボードレース。今大会でも白熱したレースになった。

 スタートの混戦から抜け出し先行したのは、守谷の篠田と天津小湊の永井 聡の2人、その後ろに銚子の岡部直人、和田浦の山口祐太が続くレース展開となった。
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優勝し胴上げされる銚子LCの岡部



 最終ブイを回航し、なかなかトップ集団を捕まえられない岡部と山口だが、若さ溢れる2人はパドルの手を一切緩めずにチャンスを伺っていた。

 ゴールが近づきボードレースで一番苦しい波打ち際で、小波を猛烈なパドルで乗り繋ぎ先頭に追い付いたのは、銚子の岡部だった。

 岡部は大学4年生で、今年の夏は警備長として銚子の海を守り抜いた男である。

「絶対に銚子の海でほかのチームの選手に優勝を取られたくなかった」とレース後に語ったように、最後のランも気迫に満ちてゴール。

 レース後にはチームメイトが近寄り、胴上げが始まった。彼の努力が、チームメイトから認められているのだと感じた。


鉄人決定戦
オーシャンマン/オーシャンウーマン


 千葉県内の鉄人ライフセーバーを決めるオーシャンマン/オーシャンウーマンは、男女共に実力者が安定感を出し優勝した。順番はボード→スイム→スキーで行われた。

 男子はスイム力に定評のある小松の安藤 秀がスイムで抜け出し、最後はスキーで逃げ切り優勝。安藤は近年実力を上げてきているが、この大会でその力が証明された。

 女子は現日本代表の三井が終始リードし他の追随を許さずに優勝。彼女の強さは誰も止めることができないのか!?
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オーシャンウーマン ファイナリスト

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オーシャンマン ファイナリスト



男女混合
ビーチリレー


 全日本大会で行われるビーチリレーは男女別だが、今大会は男女混合で行われた。

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ビーチリレー ファイナリスト

 ご存知のとおりビーチリレーはバトンパスが対面式で行われるためバトンを落とすミスが多く、順位が激しく入れ変わる種目でもある。

 それが男女混合ともなれば、より難しくなる。男女での体格や、走力の差が異なるため普段練習している時よりもより繊細にバトンパスを行わなければならない。
 予選を見てもバトンを落とすチームが多く、決勝ではより精度の高いパフォーマンスが求められていた。

 レースをリードしたのが岩井と白浜だ。アンカーまでは両チームのどちらかが勝つと思われたが、最後猛然とコース真ん中から追い上げてきたのは、銚子チームのアンカーの森新太郎。

 全日本級の大会でも頭一つ抜け出している彼の力もあり、銚子チームが優勝した。

 森はとにかく明るく、そしてビーチ競技が大好きなため、レースとレースの合間に解放されたコースでひたすら練習を繰り返していた。また銚子は4人の走者の内2人が1年生ということもあり、彼らの今後に期待したい。

千葉県ナンバー1は誰に?
ビーチフラッグス


LSweb ライフセービング競技の中で認知度の高いビーチフラッグスの人気は、銚子の地でも変わらなかった。道行く人が足を止め、選手の反応速度やスピード、最後の砂浜にダイブする迫力に大きな歓声が上がった。

 前日の予選を勝ち上がってきたのは、男子が9人、女子が7人、ここから最後の1本まで1人ずつ脱落していくこととなる。

 まずは男子で波乱が起きた。優勝候補の一角の銚子の森が2本目で敗退。

 ランのスピードは一際目立っていたが、ほんの一瞬のミスも許されないのがビーチフラッグスだ。コンマ数秒の戦いの厳しさを見る反面、千葉のビーチフラッグスの層の厚さを垣間見た。

 最後の3人には、日本体育大学所属の浅川大輔(鴨川)、西山晃祐(白浜)、そこに順天堂大学所属の石田蒼一郎(小松)の大学生対決となった。

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男女ビーチフラッグス ファイナリスト

 まず浅川がフラッグを取れずここで脱落。

 決勝戦は西山と石田の一騎打ちとなった。スタートの合図とともに激しい体のぶつけ合いあいから、石田が体を西山の前に入れることに成功。そのリードを守り切り勝利。軍配は石田が上がった。

 女子ビーチフラッグスの決勝では、全日本種目別、全日本学生選手権、全日本選手権のビーチスプリントを制し今シーズン三冠という実力を持ち、最近のビーチ種目を席巻している和田浦の長野文音と、岩井の村石結美との争いとなった。

 和田浦の長野有利かと思われたが、勝ったのが村石だった。

 聞けば、優勝した村石、2位の長野、3位の鴨川の石塚円香は日本体育大学の同級生。切磋琢磨し、お互いのレベルを高め合っていることは間違いなく、今後の彼女たちの活躍に期待したい。

27チームが一斉にスタート!
タップリン5


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タップリン5総勢135人

「タップリン5」とは、通常4人で行われるリレーを5人で行うものである。リレーの順番はスイム→ボード→スキー→スイム→ボードの順番で、パート問わず女子選手を2人入れなければならないルールで行われた。

 27チームが一斉にスタートするため、レース前の招集所は黒山の人だかり。何といっても選手だけで135人もいるのだ(笑)。招集を担当したオフィシャルには頭が下がる。

 まずレースをリードしたのは小松チーム。1泳の安藤が後続との差をつけボードの選手へとバトンタッチをする。その後に守谷、銚子と続く。

 ボードで男子選手に負けずに1位に上がってきたのは守谷の水間。女子ボードレースを制しており、男子に引けをとらないパドル力に、会場から驚きの声が上がった。

 守谷のスキーは今大会の男子スキーレースで優勝した篠田が担当し、守谷の優勝が固いと思われたのだが、最後のスイムパートで銚子の堤が守谷を猛然と追い上げ、30mほどあった差を10mほどに詰めて最後のボードへ!
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優勝しガッツポーズ



 守谷のボードは全日本選手権でも入賞経験がある、我妻敬亮。

 銚子は今年急成長をとげ、今大会の男子ボードレースを制している岡部との一騎打ちとなった。

 波打ち際までサイドバイサイドの攻防が続き、両者同時にボードから降り最後のラン勝負へ!

 沢山の観衆の中から笑顔で、一人抜け出してゴールラインをウイニングランで駆け抜けたのは銚子の岡部だった。地元開催の意気込みが、銚子の海を味方に付けた瞬間だった。

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総合優勝の銚子ライフセービングクラブメンバー

 総合優勝は地元、銚子ライフセービングクラブ。房総カップ二連覇を果たした。

 学生代表の岡部は「今年は地元開催とあって絶対に優勝しようとみんなに言っていました。いつもガードしている海で優勝できて最高です」と顔をほころばせていた。

 2位は守谷、3位には和田浦が入った。

 今年も大いに盛り上がった千葉県ライフセービング競技会。関東での今シーズン最後の海の大会が終わるころには、銚子の空がオレンジに染まっていた。(敬称略)
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選手及びスタッフ集合写真

27BOSO

成績表は公式大会HPでどうぞ。








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