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第28回全日本学生ライフセービング選手権大会
競技会レポート総集編
2013/10/03

The 28th INTER COLLEGE SURF LIFESAVING CHAMPIONSHIPS-Memoirs

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「The Next Stage 〜次なる一歩〜」という目標を掲げ開催された、第28回全日本学生ライフセービング選手権大会は、日本体育大学と早稲田大学の男女総合優勝で幕を閉じた。

部員数60人以上の大所帯クラブから、たった1人で孤高奮闘するクラブまで、活動する人数や形態は学校によりさまざまだが、ライフセービングにかける思いは誰もが真剣そのもの。そんな熱気あふれる大会だった。

文・写真=LSweb編集室




CPRアセスメント、A評価は得点加算へ

 LSweb各大学の学生ライフセーバーが集う、日本ライフセービング協会の学生室が中心となって企画・運営されるインカレ。今年、学生委員の中心となって奮闘したのが、学生室・競技部部長の杉井晴香(日本体育大学)と、競技部副部長の石川拓実(国際武道大学)だ。

「今回のテーマ『The Next Stage 〜次なる一歩〜 』は、ライフセービング界を学生が引っ張っていこう、そのためにも学生の能力向上と底上げを目指そう、という気持ちを込めたものです。初の試みとして、CPRアセスメントの得点を(総合得点に)加算することにしました。これも、ライフセーバーとしての本質をしっかり意識してほしいからです」
 と杉井。

 国内で開催されるライフセービング競技会では、これまでも各クラブから無作為に選ばれたライフセーバー2人による、CPR試技のチェックが行われており、AからCまでの評価発表と、インストラクターによるフィードバックがおこなわれていた。今回、こうした日本独自の競技スタイルをさらに一歩すすめ、A評価の学校に8点が加算されるシステムを採用。総合成績の行方にも影響を及ぼすこととなった。

 8点加算されるということは、一つの競技で優勝するのと同じということだ。今大会、男子の総合成績は日本体育大学と国際武道大学が共に61ポイントで並び、1位獲得数の多い日本体育大学が優勝したが、日本体育大学にはCPRアセスメントの8ポイントが加算されていることを忘れてはいけない。
 女子の場合も、競技成績だけなら1位の早稲田大学と2位の日本大学にポイント差はない。しかし、早稲田大学にCPRアセスメントのA評価、8点が加算されたため、8ポイント差をつけて早稲田大学が初優勝を手にした。
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 CPRアセスメントの結果は成績表のとおりだが、男子は入賞8校中6校がA評価を獲得。女子も、入賞8校中6校がA評価を得ている。
 競技会でCPRアセスメントを行うという日本独自の試みをさらに一歩進めるためには、例えば、今後同点ポイントで並んだ場合には、CPRアセスメントの評価によって順位の優劣を決めてもいいのではないだろうか。LSweb

 ところで、金城学院大学の兼田沙也花は同校唯一のライフセーバーだが、CPRアセスメントでしっかりとA評価を獲得した。
「姉が中京大学でライフセービングをしていたため、私も大学生になったらライフセービングをしようと決めていました。でも学校にクラブはなくて……。校内で勧誘も試みているのですが、なかなか興味を持ってくれる人がいません。普段は中京大学の学生や、愛知LSCのメンバーと一緒に練習しています」
 サーフレースを終えた大学2年生の兼田は、笑顔でこう話してくれた。


早稲田女子、少数精鋭で総合優勝

 学生が主役のインカレ。海での大会はこれが最後となる最終学年生はもちろんのこと、インカレデビューの1年生、後輩のできた2年生、そして中心学年としてパトロールに競技に忙しい3年生と、それぞれが躍動感あふれる戦いを見せてくれた。
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 そんな中、今回女子メンバー6人で総合優勝を成し遂げたのが、早稲田大学だ。インカレ直前に御宿海岸で開催された、国際大会に日本代表として出場した大山玲奈をはじめ、竹内芽衣、阿南藍子、高柴瑠衣、柴﨑夏波、中武美穂の結束は固い。各人がサーフ競技で上位に入賞し得点を稼いだ。LSweb

 レスキューチューブレスキューを優勝で飾った4人に話しをきくと、
「練習はスイム練2回と陸トレ2回の週4回です。でも同好会なので、場所の確保が大変なんです」
 という答え。波崎SLSCや鹿島LGT、九十九里LSCなどに強豪クラブに所属し、トレーニングを積んでいる。
「ビーチ種目もエントリーしていますが、ビーチは苦手で……アハハ」
 と朗らかに笑うメンバーたち。今回の優勝メンバーには2年生も多い。女子の活躍に奮起した男子共々、今後の活躍に大いに期待したい。


 広島国際大学と福井県立大学は、はるばる御宿の海へかけつけ、千葉科学大学や中京大学は部員の数も増え、頼もしさが増した。関西からは大阪体育大学ほか、関西学院大学と関西大学が参加。國學院大学も少ないメンバーながら、女子ボードレスキューで8位入賞など健闘した。和洋女子大学や、新潟産業大学、東洋大学、日本福祉大学など、地道に活動を続ける大学も多い。
 こうした学生ライフセーバーの活躍は、間違いなく日本のライフセービング界を支えていることを再認識した、第28回全日本学生ライフセービング選手権大会だった。
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★第28回全日本学生ライフセービング選手権大会 成績表









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