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0.1秒を縮める努力が
ライフセーバーの本質を磨く
2017/05/24

The 30th Japan National Pool Lifesaving Championships Day.1
神奈川県横浜市・横浜国際プール 2017.5.20-21

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第30回全日本ライフセービング・プール競技選手権大会


30回目の節目を迎えた全日本プール競技選手権が、5月20-21日の2日間、神奈川県横浜市の横浜国際プールで開催された。

47チーム541人の参加者が、男女それぞれ10種目でしのぎを削り、仮想の事故現場でライフセービング技術を競う採点競技のSERCに挑んだ。

見どころの多かった大会の様子を、まずは初日からお伝えしよう。

文・写真=LSweb編集室




タイムを狙うには理由がある

LSweb 全日本プール競技選手権大会が行われた先週末は、ライフセーバーでなくとも海にでかけたくなる夏のような陽気に見舞われた。

 会場となった室内プールは、白熱するレースとあいまって熱気ムンムン。そんな中で最初の決勝種目、200m障害物スイムが行われた。

 この種目、女子は成澤侑花(日本大学SLSC)が追い上げる黒岩美緒(日本女子体育大学LSC)をかわし連覇達成。
 男子は池端拓海(日大SLSC)が平野修也(辻堂LSC)を逆転し、2分00秒54の大会新記録での初優勝を果たした。

LSweb 連覇した成澤だが、「目標タイムにまったく届きませんでした」とうつむき気味。「日本新を狙っているのに、周りを気にしているようではダメですね」と言葉を繋いだ。

 一方の池端は「自己ベストを4秒近く縮めることができました」と笑顔を見せながら、「でも、踵がネットに3回ぐらい当たったので、それがなければ2分切れた……かな。僕もワールドゲームスに出たいので、その壁を越えたかったです」と続けた。

 池端が口にしたワールドゲームスとは、4年に一度開催される“第二のオリンピック”と言われる国際スポーツ大会のことだ。五輪種目以外の競技に打ち込むアスリートたちが出場を夢見るスポーツの祭典は、今年7月にポーランドで開催される。
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 ライフセービング競技(プール種目のみ)も大会種目のひとつに含まれており、日本は昨年の世界大会でワールドゲームスへの出場権を獲得した。今大会はワールドゲームス代表の選考レースも兼ねている。トップ選手たちがいつも以上にタイムにこだわるのは、そんな理由があるからなのだ。
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テクニックを磨いて記録を狙え

LSweb 100mマネキントゥ・ウィズフィンで予想通りの強さを見せたのが、女子の我妻菜登(勝浦LSC)。

 3連覇中の我妻は、自身が持つ日本記録に迫る1分03秒97で優勝し、この種目7勝目を上げた。

 好タイムに正直、少しびっくりしたという我妻。

 「練習が十分ではなかったし、後半に上げられる体力はなくなってきたと感じているので。でもその分、技術でカバーできるようになりました。
 スタートからしばらく潜水するといったテクニックもその一つです。今日は15m、スタートから8フィンを目安に潜水しましたが、実際にはもう少し長く潜っていた気がします。世界標準は50m潜水ですから、それに近づけるように練習していきたいです」と話した。LSweb

 男子は最終ヒートで、優勝候補筆頭の西山俊(湯河原LSC)が失格する波乱が起こった。
 優勝は55秒54の上野凌(西浜SLSC)。2位には56秒60で篠田智哉(勝浦LSC)が入った。

 「課題は入りのスピードと後半のスタミナですが、日本記録を狙える余地はあるなと感じました」と落ち着いた口調でレースを分析した上野。

 ワールドゲームス行きを狙っているという篠田は、しばらく電光掲示板を見つめた後「う〜ん、日本新を出さないとダメですね」と首をひねった。
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 西山が失格したのは、マネキンにチューブを巻く動作中に規定エリアを越えてしまったからだ。
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 「50mの壁にタッチしてチューブを引き寄せた時、チューブ本体だけでなく紐も一緒に掴んでしまい、うまくたぐり寄せられずに冷静さを失ってしまいました。
 前半の50mはできるだけ潜水するのが世界標準です。潜水する時にチューブの抵抗を減らすため、紐で体に密着させているのですが、その外しがうまくいかなかったというか、外した後にうまく離れてくれなかったというか……。練習でもごくたまに同じような状況になることがありましたが、まさか本番でなるとは」と西山。
 思わぬハプニングに唇を噛んだ。
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過去の自分を超えてゆけ

LSweb 50mマネキンキャリーは男女とも、日本記録保持者が面目躍如の優勝を果たした。

 女子は山本裕紀子(若狭和田LSC)が37秒43の大会新記録をマーク。2位は栗真千里(銚子LC)、3位には青木邦(湯河原LSC)が入った。

 男子は平野修也(辻堂LSC)が31秒21で、2位の幡野圭祐(白浜LSC)、3位の大島圭介(湯河原LSC)を振り切った。

 体調不良のため世界大会後に入院を余儀なくされた山本は、病院のベッドの上で「これで競技人生も終わった」と思ったのだそうだ。

 「だから再びスタート台に立てた時は、もうほんまにいろいろな人への感謝の気持ちがわき上がってきて」涙が出そうになった……のではなく、「嬉しくてニヤニヤしてしまった」と話すとことが、なんとも山本らしい。

 「久しぶりのレースでなるようにしかならんと開き直って泳いでいたら、なんだか調子が良くて。これはいける!と思ったらマネキンを揚げた途端に重さを感じてドタバタに。競技中にいけるなんて思ったらアカンのや、と反省しました」と軽妙な口調でライバルたちからも笑いとっていた。

LSweb 平野は現在、さらなる高みを目指した肉体改造中だ。

 「下半身の強化を重点的にやっています。足は確実に太くなって、キック力は上がっていると思いますが、上半身と下半身のバランスを再調整するのに少し手間取っていますね。
 自己ベストを更新するためにいろいろ試行錯誤し、記録が出たら、また次ぎを目指して新しいことに挑戦し、試行錯誤する。その繰り返しです」と話す平野。

 「でもワールドゲームスまでの2カ月で調整できる手応えは感じていますよ」と笑みを浮かべながら力強く答えてくれた。
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 トップ選手が0.1秒を争う一方、背面泳ぎで健闘するベテラン勢の姿も見受けられた。中島章(新島LSC)や本多辰也(東京消防庁LSC)らのマネキンキャリーは安定感抜群。優勝を狙えるタイムではなかったが、着実かつ迅速な泳ぎはライフセーバーとしての安心感を感じさせてくれた。

実力以上の力が出る!? リレー種目

 大会初日に行われたリレー競技は、4×50m障害物リレーと、4×25mマネキンリレーの2種目。

 予選を経て決勝へと駒を進めた8チームは、いずれも精鋭揃いでデッドヒートが予想された。

 好タイムが飛び出したのは女子4×50m障害物リレーで、日本大学SLSCが2分の大台を切る、1分59秒58の大会新記録で優勝した。
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 2位は1年生が22人も入部したという、日本女子体育大学LSC。3位に入った銚子LSCのアンカー、栗真千里は「皆、すごく気合いが入っていますね。学生がパワフルでレベルが上がっていることに、少し焦っています」と目を見開いた。

 男子は全員社会人の湯河原LSCが、西浜SLSC、銚子LCとのデッドヒートを制し1分43秒59で勝利を手にした。
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 1泳は社会人2年目の大島圭介、23歳。泳力は健在だ。2泳は、いつの間にかメンバー最年長のポジションに成長した、28歳の西山俊。3泳は消防士として勤務する三木翔平、27歳。アンカーは25歳の安藤秀。「今日のテーマは、社会人で学生パワーを封じ込めることです(笑)」と西山が言うと、4人が笑顔で顔を見合わせた。

LSweb 4×25mマネキンリレーは、男女ともに1位が西浜SLSC、2位が湯河原LSC、3位が銚子LCという顔ぶれに。

 女子の西浜SLSCは小林愛菜、坂本佳凪子、上野真凛と繋ぎ内堀夏怜へ。
 高校生、17歳の内堀は「予選も含めて今日6本目だったのできつかったですけど、足がもげてもいいからと思って泳いだら逆転優勝できて、ちょー嬉しい!」と、1分33秒41での勝利に歓喜。
 1泳の小林愛菜も「24歳の社会人にして、初めて優勝を味わいました!」とメンバーと抱き合い、声を弾ませた。

 僅かにとどかなかった湯河原LSCだが、こちらも高校生、16歳の室伏郁花が力泳を見せた。一廻り違いの青木邦は「惜しかったですね。でも皆、がんばりましたよ」とチームメイトをねぎらった。

 男子は西浜SLSCと湯河原LSCのライバル対決が見ものだった。西浜SLSCの1泳は坂本陸。湯河原LSCの1泳は大島圭介。同い年の2人は、学生最後のインカレで50mマネキンキャリー同着優勝という歴史を作った永遠のライバルだ。
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 坂本、園田俊、上野凌、廣田諒と繋いだ西浜SLSCのタイムは1分13秒72。湯河原は1分14秒40で優勝には届かなかった。

 初日からハイレベルな戦いが繰り広げられたプール競技選手権。熱戦は2日目へと続く。(文中敬称略)
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辻堂の海にライフセーバーが集結!
第19回神奈川県LS選手権&第5回神奈川県ジュニア/ユースLS競技会
2017/05/19

第19回神奈川県ライフセービング競技選手権大会・第5回神奈川県ジュニア/ユース ライフセービング競技会
2017.4.29 神奈川県藤沢市・辻堂海岸

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サーフゲレンデとして人気がある神奈川県藤沢市の辻堂海岸。

西を見れば江ノ島、東には烏帽子岩という“これぞ湘南”のローケーションで、神奈川県ライフセービング連盟が主催するサーフ競技会が開催された。

爽やかに晴れ渡った4月29日(昭和の日)。昭和世代の社会人から、平成生まれの学生、ジュニアまでが、今年最初のサーフ競技会を満喫した。


文・写真=LSweb編集室




ホストクラブは辻堂ライフセービングクラブ

 県内クラブが持ち回りでホストを務める「神奈川県ライフセービング競技選手権大会」。

LSweb 19回目を迎えた今大会および5回目となる「ジュニア/ユース ライフセービング競技会」が、サーフスポットとして人気の辻堂海岸で開催された。ホストクラブは同海岸を拠点に活動する辻堂ライフセービングクラブだ。

 「準備が本格化したのは約2カ月前です」と話すのは辻堂LC代表の中川健さん。

 「これまでは選手としてしか参加したことがなかったので、正直、戸惑うことや分からないことも多かったですが、近隣クラブの皆さん、特に安全課の皆さんが的確に大会運営のキーポイントをアドバイスしてくれたので、なんとか無事、今日の日を迎えることができました。
LSweb 競技運営にはクラブの若手も率先して加わってくれ、安全課の親方たちにいろいろ教えを乞うているようです。学生メンバーの西田と加藤は、1カ月弱でPWCの免許を取得するなど、積極的で頼もしいですよ。
 ジュニア/ユース競技会と同日開催されるのも、神奈川ならでは。大人はジュニアやユースのがんばりに刺激をもらい、子どもたちは一般の大会を見てすごいと思ってくれ、憧れてくれるようです。確かに、競技数が多く進行は大変ですが、世代を超えて集まる相乗効果は大いにあると感じています。景品も豪華ですしね」と笑顔で言葉を続けた。

 この日の早朝、ベテラン安全課メンバーと共に、初めてPWCでブイ打ちをしたという西田晋二さんと加藤諒さんは「うまくできました!」と明るく一言。これも安全課親方衆の指導の賜物だろう。

 「クラブにはPWCがありません。でもせっかく免許を取ったので、これからも競技運営などで役に立てるようになればいいなと思います」と新たな目標を口にした。
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コンペキャップに二宮LSCのスピリットを込めて

LSweb 小学生から社会人まで選手として397人が参加したこの大会。選手宣誓はバディ冒険団の遠藤海七希選手と新井海翔選手(ジュニア/ユース)、二宮LSCの堀部雄大選手(一般)が行った。

 堀部選手は今回、特別な思いで選手宣誓に臨んだ。

 ちょうど10年前、2007年に辻堂海岸で行われた大会で、ボードレースとサーフスキーレースの二冠に輝いた堀部選手。
 ところがその年の9月、小田原付近に上陸した台風の影響で、二宮LSCがパトロール拠点としていた袖ケ浦海岸は砂浜が消失するという甚大な被害を被り、以来、同クラブは地元での活動ができない状況が続いている。

LSweb 「実はその後、数年して砂は戻ってきたのですが、砂浜が消失している間に海水浴場としての認可が取り消されてしまい、現在もそのままです。
 クラブは存続していますが、活動拠点がないため新しいメンバーを勧誘することもできません。神奈川の大会でコンペキャップをかぶることぐらいしか、今はできないのです」と堀部選手。

 自然を舞台に、行政や地域の人々と密接に関わり合うライフセービング活動では、自分たちの力が及ばないこともあるだろう。それでも、クラブに愛着を持ち、浜を大切に思う気持ちが活動の存続、拡大に結びついているのだ。
 二宮LSCで育ったライフセーバーは多い。近い将来、地元で活動できる日がくればいいが……。

走って泳いで、全力を出し切ったランスイムラン

LSweb 10年ぶりに辻堂海岸に戻ってきた大会は、午後になって南風が吹き上がり海上コンディションが悪化。残念ながらジュニア/ユースの1競技をのぞき、すべてオーシャン競技が中止となってしまった。

 唯一行われたオーシャン競技が、小中学生のランスイムランだ。

 気温も水温も低めだったが、選手たちはスタートと同時に勢いよく砂浜をかけだし、躊躇することなく冷たい水に飛び込み、スイムブイを必死で回って最後のランへ。諦めることなく全力を出し切る姿に、大歓声が上がる。そしてその歓声に、ボードを抱えたサーファーや、ビーチを散策する人が惹きつけられ、歓声の輪が広がっていった。
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 男女混合で行われた小学3・4年生の部では、小学4年生の三宅悠一朗選手(西浜SLSC)が優勝。
 小学生5・6年生の部では、男子は小学6年生の志賀海空選手(西浜SLSC)、女子は小学6年生の久保田純令選手(湘南ひらつかLSC)がそれぞれトップでゴールラインを横切った。

 距離が伸びた中学生の部。男子は中学3年生の志賀海征選手(西浜SLSC)、女子は中学3年生の大熊美咲選手(西浜SLSC)が、後続選手を振り切り優勝した。
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ラスト1本を目指し、白熱のビーチフラッグス

LSweb ジュニアもユースも一般も、いつもにも増して白熱した熱戦が繰り広げられたのがビーチフラッグスだ。まるで、中止になったオーシャン競技のエネルギーが注入されたかのようだった。

 まずは男女混交で行われた小学1・2年生の部。

 真剣かつ無邪気にがんばる姿が実に愛らしい選手たちだが、この年代は全般的に男の子よりも女の子のほうが体格や体力で勝ることが多い。今大会でも入賞した8選手のうち、上位5選手は全員女子という結果となった。
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 優勝したのは、小学2年生の杉山冬華選手(TKS)。予選から俊敏な動きを見せていた小学2年生の鶴野いろ選手(バディ冒険団)は、緊張したのか最後のスタートでよろけて惜しくも2位。小学2年生の板垣来奈美選手(TKS)も3位と健闘した。

 同じく男女混合で行われた小学3・4年生の部。たった2年で男の子はどんどんパワーアップし、男子が上位を独占するまでに。
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 優勝は小学3年生の高野旭選手(西浜SLSC)、小学4年生の金高右京選手(館山SLSC)が2位、小学4年生の小鮒聖斗選手(西浜SLSC)が3位という結果だった。女子でただ一人入賞したのが、小学3年生の高田理世選手(西浜SLSC)。5位に入るガッツを見せた。

 小学5・6年生の部からは男女別に競技が行われ、男子は小学6年生の菅原明澄選手(西浜SLSC)が、同学年のチームメイト、布方勇海選手(西浜SLSC)を破り優勝。3位には、小学5年生の中村蓮斗選手(鎌倉LG)が入った。
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 女子は表彰台に上った3人が全員、小学5年生という顔ぶれ。1位の高野紗世選手(西浜SLSC)、2位の高梨帆南選手(勝浦LSC)、3位の名取暦詩心選手(鎌倉LG)の3選手が笑顔で表彰台に上った。

 ライバル対決で大きな歓声が上がったのが中学生の部だ。
 
 女子の決勝は昨年と同じ、江田望実選手(下田LSC)と高田純良選手(西浜SLSC)の中学3年生対決に。全国大会などでも対戦している2人は、お互いに意識しながら序盤戦を順調に勝ち上がった。ラスト1本。最後まで安定していたのは江田選手で、昨年に続き優勝を手にした。
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 ほっとした表情を見せた江田選手と、一瞬うつむいた高田選手は、すぐに握手をし、はにかんだ笑顔を見せた。2人のライバル対決は、これからも続くのだろう。これからどんな名勝負が見られるのか、楽しみだ。

LSweb 男子は中学2年生対決となった。

 遠藤海七希選手(バディ冒険団)とクレイコナ大波選手(西浜SLSC)は共に中学2年生。子ども時代から同じ浜で活動する、顔見知りの間柄だ。クレイ選手は兄の背中を追って、遠藤選手は弟の面倒を見ながらという境遇の違いはあるものの、どちらも目指すは頂点だ。

 そして迎えた決勝戦。ほぼ同時のタイミングで飛び込んだ2人だが、最後のフラッグは遠藤選手の手に収まっていた。

 「僕のほうがリーチが長いから」という遠藤選手。確かに中学生の中でもひときわ長身の彼だが、大会に向けて20mダッシュを何本も繰り返すなど、地道にトレーニングを続けたのだそうだ。こちらのライバル対決も、これから先、何度となく接戦を繰り広げるのだろう。

大会運営の裏方、審判功労賞に吉田健博さん

LSweb 大会最後は、一般のビーチフラッグスで締めくくられた。

 女子は石塚円香選手(鴨川LSC)が、若林明穂選手(西伊豆・松崎LSC)を押さえて優勝。男子は野口勝成選手(式根島LSC)が小田切伸矢選手(西浜SLSC)を破って、表彰台の頂点に立った。

 今年から大学院に進み、コーチング学を学んでいるという石塚選手。
 「社会人1年目の同期よりは、多少は時間の余裕があると思います。でもそれに甘えず、しっかり練習していきたいです」ときっぱり。コーチング学で学んだことを自ら実践する、そんなレスキューアスリートの活躍に注目しよう。
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 3位に入った小室亜希選手(湘南ひらつかLSC)は決勝ヒートの最年長。「20歳年下の高校生と同じ土俵で戦えたことは、とても楽しかったです」と満面の笑みを見せた。彼女自身、高校生の時にライフセービングと出会った。それから20年、続けているご褒美が銅メダルになったようだ。

 肉弾戦となったのは男子だ。

LSweb ベストスリーは野口選手、小田切選手、そして北田尚樹選手(三浦海岸SLSC)。まず北田選手がダウンすると、観戦者が水を打ったように静まり返った。

 2選手からビリビリとした気迫が漂ってくる。そしてホイッスルが鳴り、数秒。フラッグを掴んで雄叫びを上げたのは、野口選手だった。心底悔しそうな小田切選手。緊張が解けた観客から、声にならないため息がもれた。

 今年の全豪選手権でビーチフラッグス6位に入賞した実績を持つ野口選手。

 「何度も挑戦して、初めて入賞できました。スポーツを通してライフセービングを広めていきたい、というのが今の僕の目標です。今年は、種目別、全日本でも優勝を目指します」と力強く話した。LSweb

 表彰式がすべて終わった後、KLF主催の大会では恒例の審判功労賞の発表が行われ、エントリーやリザルトシステムなどを構築した吉田健博さんに感謝状とメダルが贈られた。
 
 縁の下の力持ちがいるからこそ、競技会が行われ、勝ったり負けたり、嬉しかったり悔しかったりと楽しむことができるのだ。大会運営に尽力した、審判員、スタッフ、安全課の皆さん、お疲れさまでした。




【第19回神奈川県ライフセービング競技選手権大会・第5回神奈川県ジュニア/ユース ライフセービング競技会 成績表】



☆★☆ 第19回神奈川県ライフセービング競技選手権大会・第5回神奈川県ジュニア/ユース ライフセービング競技会 表彰台 ☆★☆

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ランスイムラン小学3-4年生・男女混合

ランスイムラン小学5-6年生・男女

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ランスイムラン中学生・男女

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ビーチフラッグス小学1-2年生/3-4年生・男女混合

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ビーチフラッグス小学5-6年生・男女

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ビーチフラッグス中学生・男女

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ビーチフラッグス一般の部・男女



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必読! SERC競技の要点を探る
2017全日本LSプール競技選手権大会・プレビュー
2017/05/05

The 30th Japan National Pool Lifesaving Championships Preview - SERC Strategy

LSweb2017年、ゴールデンウィークの始まりと共にいよいよ本格的なLSシーズンに突入、それに伴い各競技会もスタートする。

新年度最初の大きな大会といえば、きたる5月20-21日に開催される「第30回全日本ライフセービング・プール競技選手権大会」だ。

室内最高峰のこの大会でのみ行われる競技〝SERC〟は、ライフセーバーの資質が試される重要な競技である。

競技である以上、採点され順位付けされるわけで、それなら競技攻略のヒントを探るべく過去のSERCをここに振り返ってみようと思う。

参加する選手はもちろん、観覧するライフセーバーの皆さんもご一読頂き、今後のトレーニングやパトロールに役立てて欲しい。

文・写真=LSweb編集室




昨年のSERCを振り返る

LSweb 始めに〝SERC〟という競技について簡単に説明しておこう。

 正式名称は「Simulated Emergency Response Competition(シミュレーテッド・エマージェンシー・レスポンス競技)」といい、その頭文字を取ってSERCと呼ぶ。

 この競技、海水浴場や隣接するエリアで実際に起こりうる溺水事故を想定した状況を設定し、4人一組のチーム競技者が、指定された制限時間内においていかに適切な救助ができるかを競う採点競技となっている。

 昨年の第29回大会では〝とある神奈川県内の海水浴場で、離岸流が発生していくつかの事故が起こっている〟という想定の下、競技が行われた。ちなみに制限時間は90秒間だ。

 もう少し詳しい状況説明をすると、救急車とAEDはすでに要請済み。現場には以下の救助資機材があり、使用は自由である。
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①.レスキューチューブ1本
②.救急箱1個(傷病者記録表、三角巾、ハサミ、感染予防用ゴム手袋、タオル)

 詳しくは、次の図1と図2を拡大して見てもらえば、状況設定がより理解できるはずだ。
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図1

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図2


キーワードは「基本」と「継続」

LSweb 上記の競技シチュエーションを踏まえた上で、この状況下でのポイントを探ってみたい。

 今回、解説およびアドバイスを頂いたのは、第29回大会でSERC競技運営を統轄したSERCワーキンググループ責任者の来島慎太郎さんだ。

── 今回の設定は、過去の大会に比べるとどこにでもあり得るシンプルな状況設定になっていると感じたが?

 現在のライフセービング界の流れで、心肺蘇生のガイドラインが変わったことから、特に〝救命の連鎖〟という点が注目されていますので、そこにフォーカスした内容となりました。

 〝救命の連鎖〟を簡単に説明すると、救助をしてきてCPRなどの処置をして、その後、救急隊へしっかりと引き継ぐという一連の流れに着目して作られています。教本にもしっかりと記されている従来からある救命の基本の流れを重視した内容ということです。

LSweb── 各審判員は今回のSERCにおいてどの部分をよりシビアに、重点的に見ていたのか?

 基本的なところは、これは例年通りのことですが、まず自分の身の安全を確保した上で救助に行くことだったり、CPRではしかるべき方法で継続して行っているかといったSERCにおいて優先的なチェックポイントとなるべき点は全く変わっていません。
 その延長線上で、今回は〝救命の連鎖〟という部分での一連の流れがスムーズにできているかというところをしっかりとチェックしていきました。

── 今回、全体を通して各チームがよく出来ていた部分、逆にあまり出来ていないなと感じた部分をあげるとすればどこか?

 皆さんしっかりとできていた点は、セルフレスキューの部分にも関わりますが、身近にある浮力体(チューブやビート板等)をしっかりと持ったり使ったりして溺者にアプローチしていました。こうした点は随分浸透してきているなと感じました。

 もう少ししっかりと行って欲しいと思った点は、傷病者記録表の記入です。ここは今回のテーマとして大事なポイントのひとつだったので、しっかりと行って欲しかった部分です。
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 もう一つ、今回の設定として一般遊泳客がCPRを行っている状態を再現していました。

LSweb ここでは、これまで救助を行っていた一般遊泳者から状況を聞きながらCPRを引き継いで継続するという措置が一番適切なのですが、声掛けはできてもライフセーバー自身がCPRを引き継いで継続するというところまでできていたチームは少なかったですね。

 CPRは技術を持ったライフセーバーでも1人で2分以上続けると精度が落ちてくるといわれています。救助の場面で、一般の人がCPRを行っていたのであれば、即座に代わってより適切な心肺蘇生を行って欲しいところです。

 まずは新たな事故が起きないようにケアをすることが一番大事であるとされているのですが、そこの部分は怠らず、なおかつ心肺蘇生の継続という部分でも人命救助の観点からも重要視されているところなのでしっかりとやって欲しいと思います。

LSweb さらに付け加えれば、傷病者記録表は書いているけれど、CPRは行っていなかったというチームもありました。
 記録表を書くのも大切ですが、一般人がCPRを行っていたらまずは代わってCPRの継続だという意識を持って欲しい。

 よくできていたチームは、CPRを行いながら一般客にこれまでの状況などを聞いていました。そして仲間とCPRを交替したら即座にこれまで聞き取ったことを記録表に書き落としていました。

 これは素晴らしい対応です。記録表に書くべき事や重要な情報は何かということが、記録表を見ずとも頭に入っているからできることです。実際のパトロール活動でも確実に役立つでしょう。皆さんもぜひ実践して下さい。


── 最後にSERC設置委員会から競技者であるライフセーバーの皆さんへ一言。

LSweb 繰り返しになりますが、普段から傷病者記録表を使うという意識を練習の時からしっかりと持って欲しいなと思います。

 記録表に情報を記してあれば救急隊に引き継ぐときにもスムーズに事が運びますし、自分たちがどんなことに気をつけて救助すればよいか、またどんな情報を伝達すればよいのかといったことが見えてくると思います。

 もうひとつは、やはり〝CPRの継続〟という部分です。救命時にはとにかく圧迫を続けることが大事だといわれていますので、そこを大事にして欲しいと思います。

 SERCに限っていえば採点競技という特性上、なかなか難しい部分もいろいろとありますが、我々(競技運営側)のスタンスとしては、まずは基本に立ち返りそれをしっかりと押さえた上で、次にこういったところを(競技者に)求めていこうという順序立てで見させてもらっています。これらを踏まえ、まずは基本をしっかりと見据えてやってもらえればよいと思います。

★ ☆ ★

 SERCはあくまでも競技である。
 
 競技として捉えれば、心肺蘇生の継続的なケアが必要な人の優先順位度は、それほど高くないというのが正直なところかもしれない。

 ただ、そうはいっても心肺蘇生の継続は人命救助の観点からも重要視されている部分なので、決してなおざりにしてはいけないだろう。

LSweb 来島さんの解説を通して垣間見えたのは、SERC競技にしても実際の救命にしろ、「二次的事故を出さないように細心の注意を払いながら軽溺者を優先的に助けつつ、重溺者など他の溺者に対しても心肺蘇生の継続といったできる限りのフォローをしていく。そしてスムーズに救急隊に引き継ぐこと」がひとつ重要なポイントになっていること。

 こうした認識を持ってSERCに臨めば良い結果に繋がるだろうし、ひいては夏場のパトロール活動においても万が一の時に役立つのではないだろうか。

 さて、今年の大会ではどのような状況設定がなされるのだろう? 

 参加される選手の皆さんはもちろん、見る側も基本をしっかりと思い出しながら、今夏のパトロール活動に向けてシュミレートしてみて欲しい。


※Competitionsカテゴリに昨年アップした『SERCを攻略せよ! 全日本プール直前プレビュー』記事でもSERCのポイント解説を取り上げています。

また、過去の『全日本ライフセービング・プール選手権大会レポート』もあります。これらの記事も合わせてご覧下さい。
ココををクリック➡LIFESAVINGweb.com_Competitionsカテゴリ






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第8回全日本学生ライフセービング・プール競技選手権大会
東北地方で初開催のプールインカレ、総合優勝は男女ともに日体大が奪還!
2017/03/13

The 8th Japan National Inter College Pool Lifesaving Championships
2012.02.25-26 宮城県利府町・宮城県総合運動公園総合プール

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JLAが主催する今年度(2016年度)最後の競技会「第8回全日本学生ライフセービング・プール競技選手権大会」が、宮城県利府町の県立運動公園内プールで開催された。

東北地方で初めて開催されるインカレには、初出場の盛岡大学を含む37校が参加。

男女合わせて500人以上の大学生たちが、ゼロコンマ1秒を争うハイレベルな戦いを繰り広げた。



文・写真=LSweb編集室




来たるべき夏に向けて

LSweb 大学生ライフセーバーがしのぎを削る学生選手権。

 大会運営の中心を担うJLA学生室が掲げた今大会のテーマは「Grow up for summer 〜すべては夏のために〜」だ。

 東日本大震災から6年。津波による甚大な被害で海水浴場の閉鎖が続いていた被災地だが、開会式に祝辞を寄せた第2管区海上保安庁の保安官によれば、一昨年ごろから徐々に海水浴場の再開も始まり、少しずつ海辺に人が戻ってくるようになったそうだ。
 しかしその反面、水辺の事故も再び発生するようになり、2016年の海水浴シーズンには東北地方全体で29人が救急搬送され、そのうち6人が命を落としたという。

 ライフセーバーが必要とされている地域は、全国にまだまだたくさんある。

 プール競技が得意でも、得意でなくても、来たるべき夏に向けてライフセーバーとしてのスキルアップに励もう——。そんな学生ライフセーバーたちの思いが込められた8回目のプールインカレが、東北の地で開幕した。
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新旧対決激しいプールインカレ

 最初の決勝種目200m障害物スイムでは、女子も男子も日本大学2年生の成澤侑花と池端拓海が優勝し、仲良く二連覇を達成した。しかし2人とも昨年出した自分のタイムには及ばず、水から上がった顔には少し悔しそうな表情が浮かんでいた。
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LSweb 続く4×50m障害物リレー決勝では、男女ともに日大と日本体育大学がデッドヒートを繰り広げたが、男女で明暗が分かれる結果となった。

 女子は序盤で飛び出した日大に、4泳で日体大が追いつき逆転優勝。男子は日大が僅差のリードを堅守し、そのままゴールに飛び込んだ。男子は1位、2位が大会記録を更新する好勝負だった。

 逆転Vで湧く日体大女子の2泳、阿形芽衣は「誰か一人が突出しているわけではなく、皆同じくらいのタイムだったので、全員が自分の力を出しきればいけると思っていました」と息を弾ませた。

 予選は抑え気味に泳いだという日大男子。1泳の荒生拓人が「次はギアを上げていきます」と言ったとおり、決勝では他校の猛追を見事に振り切った。
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LSweb 200mスーパーライフセーバーは、泳力はもちろん、チューブやマネキン、フィンの扱いなど、ライフセーバーとして総合力が試される競技だ。この種目、女子は日大の成澤、男子は慶應義塾大学3年の上野凌が初優勝を手にした。

 女子の2位は、男子優勝の兄の背中を見てきた慶大の上野真凛、3位には帝京大学の石毛杏奈が入り、女子の表彰台は成澤も含め全員が大学2年生という顔ぶれに。今後の活躍も楽しみだ。
 男子は成蹊大学3年の森田大地が2位、明治大学4年の湯浅泰旺が3位と、上級生が格の違い見せたることとなった。

 続いて行われたのが4×50mメドレーリレーだ。プールインカレでは総合成績に反映されないオープン競技のため、この種目でプール大会にデビューする下級生も多い。

 今年この種目を制したのは、女子が日本女子体育大学、男子が大阪体育大学。初々しい1年生から、後輩の成長に目を細める4年生まで、共に頑張ってきた仲間が一緒に表彰台に上った。
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兄弟姉妹も熱戦を繰り広げる

LSweb 機材の進化や技術の進歩により、近年、タイムの向上が著しいフィン種目。大会初日に行われた100mマネキントウ・ウィズフィンでは、男子で56秒60の大会新記録がマークされた。

 優勝したのは、明大の湯浅。

 「スタートから40m付近まで潜水したことが勝因に繋がったと思います。潜ることでチューブの上部に水圧がかかり抵抗にはなるのですが、潜るのと潜らないのと両方試した結果、潜るほうが断然速かったので練習を重ねました」と言う湯浅は、大学4年間を工学部で勉強し、4月から大学院へと進む。理系らしく実験とデータに裏打ちされた泳法で勝利した。

LSweb 2位は慶大の上野。タイムは58秒43だった。プールから上がった上野は、「昨年12月に右肘をケガしたこともあって、思ったように練習ができませんでした。その間にキック力をつけようと、ドルフィン泳法の練習に力を入れてきたのですが、まだまだでしたね。この種目、世界の主流はドルフィンなので、5月の全日本までにはものにしたいです」と決意を新たにしていた。

 女子は東海大学湘南校舎3年の船津美帆と、同大学1年の船津まどか姉妹がワンツーゴール。

 優勝した姉の美帆は「就活でなかなか練習ができず、体力不足でタイムは出ませんでしたが、(妹の)まどかと1位、2位だったのが嬉しかったです」と笑顔を見せた。2人が同じクラブからエントリーできるのは、あと1年。姉妹対決の行方はどうなるだろうか?LSweb

 ところで、同競技の女子第9組には盛岡大学1年の高橋美月がエントリーしていた。東北地方の大学生がインカレに出場するのは彼女が初めて。東日本大震災を経験した彼女は、競泳の経験を活かし、人のためになることがしたいとライフセービングの世界に飛び込んできたのだ。

 始めて数カ月ながら、週3回の練習をこなして本番へ。
 「初めての大会で緊張しました。チューブの扱いに失敗して失格になってしまいましたが、またがんばって練習したいです」と、次への意欲を見せていた。

 初日の締めくくりとなる4×25mマネキンリレーは、男女ともに日体大が制した。女子は2位の日女体大に6秒差をつける圧勝、男子は昨年総合優勝の日大を押さえての勝利に湧いた。
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フィン種目で日本記録更新の快挙

LSweb LSwebラインスローから始まった大会2日目。優勝したのは男女ともに1投目で成功させた東海大クレストだった。

 男子の救助者役、高梨寛泰は昨年の全日本プールの優勝者で、この種目に自信を持って挑んだ。
 
 「勝因ですか? ひたすら投げることです。ひたすら投げて精度を高めました。プールで練習できる機会は限られているので、自分でロープを買い、試行錯誤しながら裏道や公園で投げ続けました」と会心の笑顔を見せた。ちなみに、高梨の巻き取りは8回だそうだ。

 一方、巻き取り10回で練習したのが女子の救助者役である川嶋望生。
 「高梨先輩に教えてもらった成果が出ました」と驚き半分、喜び半分の表情を見せていた。

 今大会で記録が更新されたのは、男女合わせて4競技。記録だけにフォーカスを当てれば、少し寂しい大会だったといえるかもしれない。LSweb そんな中、100mマネキンキャリー・ウィズフィン男子で、日体大の幡野圭祐が48秒58の日本新をたたき出した。

 幡野はレース後、淡々とした口調で「納得のいく練習ができていたので、普段通りにやれば大丈夫だと落ち着いてのぞめたのが良かったと思います。マネキンキャリーだけなら、練習の時からほぼ日本記録と同じタイムで泳げていました。
 ロケットフィンはまだ履きはじめて時間がたっていないので、練習すればもっと記録が伸ばせるとはずです」と振り返った。
 大学最後の大会で日本新をマークしたのに、興奮することなく冷静だったのは、すでに次の目標を定めているからなのだろう。

LSweb 日本記録の陰に隠れてしまった感があるが、100mマネキンキャリー・ウィズフィン女子も59秒23の大会新記録がマークされた。

 ただ一人1分を切ったのは、日体大の坂本佳凪子。昨年まで出ていたマネキントウ・ウィズフィンから種目を替えての優勝となった。
 
 「マネキンキャリーはこの(大会に出場している選手の)中で一番速いという自信があったので、前半は抑え気味で入り後半でスパートをかけました」と笑顔を見せた後、この後に行われ、4連覇がかかる50mマネキンキャリーに向け、気合いを入れ直していた。

LSweb 同種目女子7位に入賞したのが、慶大1年の藤巻紗月。実は藤巻、フィンスイム日本代表で、ジュニア/ユース時代には日本記録を連発していた実力者だ。

 藤巻は「ライフセービングを知ったのは、2013年にコロンビアで開催されたワールドゲームスの時。フィンスイムとライフセービングが同じ会場で行われていたので、興味を持ち、大学に入ってから、一つ上の(上野)真凛さんに声を掛けられ始めました。
 普段はモノフィンだし、ライフセービングは道具が多いので難しい部分もたくさんありますが、でもすごく面白いです。マネキンって重いけど体幹が鍛えられるし、ベーシック資格を取る時に波のある環境で泳いだのはきつかったけれど楽しかったので、フィンスイムと両立していきたいって思っています。メダルも獲りたいので」と意気込む。
 学生ライフセービング界に吹き込んできた新風に期待したい。

日体大がアベック総合優勝を手に

LSweb 大会終盤に行われた100mレスキューメドレー。女子は日体大4年の寺坂恵実が、日女体大1年の前川紗槻を0秒22差で押さえ、学生最後の大会を締めくくった。

 日大の先輩後輩対決となった男子は、4年の那須凛斗が2年の池端をかわし勝利を収めた。

 「この種目にはずっと力を入れていましたが、なかなか結果が出ませんでした」という那須は、「後輩の(池端)拓海の調子が良く少し不安でしたが、学生最後に1位になれて本当に嬉しいです」と喜びを爆発させた。

 その那須に駆け寄った池端は、「凛斗さんが勝って興奮しました! 僕、本当は先輩っ子なんですよ。生意気な後輩だったと思うけれど、先輩たちは僕らを引っ張り、鼓舞してくれる尊敬できる存在。凛斗さんたちのような上級生になれるよう、次は僕らがかんばっていきます」と宣言。強豪日大は不滅のようだ。
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 50mマネキンキャリーは女子9ヒート、男子24ヒートの長丁場となった。

LSweb 4連覇がかかる日体大の坂本は女子最終ヒートに登場。スタートから落ち着いたレース運びで、マネキンをピックアップしてからもグングン加速し、危なげなくゴール。学生選手権負けなしの偉業を達成した。

 ちなみに坂本は出場した個人、リレー種目すべてで優勝を手にし、学生最後の大会を終えた。

 男子は前の種目で日本新を出した日体大の幡野が優勝。2位の中京大学3年、岡田充弘は0秒09差で涙をのんだ。「マネキンをピックアップした時に指が滑ってしまって……」と言った後、「全然ダメでしたね」と潔く負けを認めた。

LSweb 今大会では、エントリーが一人という大学が2校あった。そのうちの1校が盛岡大学であり、もう1校が大東文化大学だ。
 
 50mマネキンキャリーに出場した大東大1年の山田修嗣は、高校まで競泳に打ち込んできた経歴を持つ。「学校に先輩はいませんが、競泳時代の先輩が他大学でライフセービングをやっていると聞き、僕もやってみたいと始めました。初めてのことも多いですが、楽しいです。波崎SLSCに所属し、学校を越えた繋がりができたことも魅力です」と、笑顔を見せた。

 最終種目はプールインカレ特別種目、3人で200m泳ぐメドレーリレーだ。フィンを装着した選手が1泳と4泳を担当するこの種目、どのチームも1泳にエースを投入した。
 そのエースが期待通りの活躍を見せのが日体大だ。女子は坂本、男子は幡野が渾身の力で泳ぎきりそれぞれ2位以下に4秒近くの差をつけて圧勝した。
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 坂本→寺坂→阿形と繋いだ女子。抱き合って喜ぶメンバーの中で唯一の3年生である阿形は「本当に逞しい、頼りになる先輩たちでした。追いつけそうで、最後まで追いつけませんでした」と勝利に酔いしれた。LSweb

 幡野→岩井浩大→川嶋駿介と繋いだ男子は、川嶋が3年生、岩井が2年生。「先輩から受け取ったバトンをしっかり繋げていきたい」と口にした川嶋は、満面の笑みで優勝した女子とハイタッチを交わした。

 特別種目の勢いのまま、総合優勝も日本体育大学が男女ともに制し理事長杯を手にした。

 「先輩たちへの感謝の気持ちがいつも以上のパワーになりました」と女子主将の阿形が言えば、応援のしすぎで声が枯れてしまった男子主将の岸田興喜が、「チーム力はあるので、全員が自分の力を出し切ることに全力投球した結果が優勝に結びついたと思います」と続けた。LSweb

 昨年の優勝校、女子の東海大学湘南校舎と男子の日本大学はともに2位。3位は女子が日本女子体育大学、男子はプールインカレ初の表彰台となる成蹊大学だった。また男子6位には東洋大学、女子6位には青山学院大学、9位には慶應義塾大学が入るなど、新興クラブの躍進が目立った大会でもあった。

 最後に、全校が受けたBLSアセスメントにおいて、JLAが主催する大会で初めてC評価が1チームもなかったことを付け加えておきたい。(文中、敬称略)
男女とも総合優勝を果たした日本体育大学

男女とも総合優勝を果たした日本体育大学



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【第8回全日本学生ライフセービング・プール競技選手権大会 成績表】



☆★☆ 「第14回神奈川県ライフセービング・プール競技選手権大会」 表彰台 ☆★☆
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200m障害物スイム・男女

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200mスーパーライフセーバー・男女

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100mマネキントウ・ウィズフィン・男女

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100mマネキンキャリー・ウィズフィン・男女

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100mレスキューメドレー・男女

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50mマネキンキャリー・男女

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4×50m障害物リレー・男女

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4×50mマネキンリレー・男女

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ラインスロー・男女

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メドレーリレー・インカレバージョン・男女

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4×50mメドレーリレー(Open)女子

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4×50mメドレーリレー(Open)男子

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インカレプール総合成績・男女

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インカレグッズ・デザイナー



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次世代のエースを目指して
未知なる距離にチャレンジ!自己ベストにチャレンジ!
2017/01/15

第4回 全日本ジュニア/ユース ライフセービング・プール競技会
The 4th Japan Junior/Youth Pool Lifesaving Competition 2016.12.17-18 宮城県総合運動公園

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2016年12月17-18日、宮城県利府町の宮城県総合運動公園総合プールにて「第4回 全日本ジュニア/ユース ライフセービング・プール競技会」が開催された。

小学3年生から高校3年生まで、ジュニア、ユース合わせて11クラブ、150人近い選手がエントリーした今大会。

北風は冷たかったが、子どもたちは元気ハツラツで、果敢に競技に挑んでいた。

文・写真=LSweb編集室




東北で開催される意義

LSweb ジュニア/ユースのプール競技会は、2014年の初回からすべてが東北地方で開催されている。第1回と第2回は岩手県の盛岡市立プールで、第3回と4回目となる今大会は宮城県の総合運動公園プールが会場となった。

 改めて言うまでもないが、東北地方は2011年の東日本大震災による大津波で甚大な被害を受けた地域だ。

 あの衝撃的な津波の記憶は薄れることはないが、震災からまもなく6年目を迎えようとしている今、そのことを思い出す回数が徐々に減っているのも事実である。

 ライフセービング活動の使命は、水の事故を減らすこと。

LSweb その活動の根源は、自分自身が水の事故に遭わない知識と体力を身につけることであり、だからこそ、この地で小中高校生を対象としたライフセービング競技会が開催されるのは意義のあることだと思う。

 たとえ参加者の半数以上が東北地方以外に住んでいるとしても、いやだからこそ、競技会のためにこの地を訪れ、あの日を思い出し、今一度ライフセービングの本質と向き合う——。

 やがて震災を知らない世代が参加するようになるその時にこそ、記憶の継承は意味を持つものになるはずだ。
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泳ぎ切ったがんばりに拍手!

LSweb さて、そんな大人の思いはともかく、競技会は全力でがんばるジュニア、ユースたちの姿であふれ、個人・団体、男女合わせて6競技で大会記録が生まれた。

 そのひとつが、レスキューチューブを引っ張りながら50m泳ぎ、折り返した後にチューブを輪にして50m泳ぐ、小学生の100mレスキューチューブトウだ。

 小学3・4年生女子の部では、小学4年生の久木朱璃選手(山形LSC)が1分32秒23の大会記録で優勝した。

 実は一緒にエントリーしていたほかの3人が、「100m泳げるか不安」と出場を見送る中、一人で果敢に挑戦しての記録樹立だった。

LSweb 「たった一人で泳ぐことになり、とても緊張しました」と心細さを口にした久木選手だが、50m障害物スイムでも好記録を出し、金メダルを2つ手にした。

 小学3・4年生にとって、長水路で50m泳ぐのは大きなチャレンジだ。ましてや往復の100mともなれば、その不安はいかほどのものだろうか。太平洋横断ぐらいといっても大げさではないかもしれない。

 それでも諦めずに泳ぐ姿には感動的で、思わず目頭を熱くする大人(保護者はもちろん、コーチ、審判、大会スタッフなど)が続出したのが、同種目の小学3・4年生男子の部だ。

 2コースを泳ぐ冨田明寿選手(山形LSC)は、昨年までほとんど泳げなかったという小学4年生で、大会初日に行われた50m障害物スイムでも、コースロープに何度もつかまりながら泳いでいただけに、100mは大丈夫かな?とコーチたちも心配ひとしおだったようだ。

LSweb 体の半分ぐらいあるチューブを引っ張って泳ぎ始めた冨田選手は、スタート後ほどなくしてコースロープにつかまると、ゴーグルに入った水を出して再び泳ぎ出した。
 その後も何度かコースロープに手をかけながら、なんとか50mの壁にタッチ。そして、回りの心配をよそにチューブに手をかけ輪にすると、ゴールに向けて泳ぎ始めたではないか。

 観客のハラハラ、ドキドキの時間はさらにしばらく続いた。

 山形LSCのコーチの一人は、スタート前に「無理だったら途中で辞めてもいいぞ」と声をかけていたそうだが、冨田選手は諦めることなくコースロープにつかまりながらも泳ぎ続け、ついにゴール!

 その瞬間、会場全体がほっとし、自然と拍手が沸き上がった。失格とはなったが、小柄な冨田選手が100m泳ぎ切ったがんばりに、大人たちは感動しっぱなしだったが、本人はあっけらかんとした表情。それがまたなんとも言えずほほ笑ましかった。

 このレースで優勝したのは、小学3年生の浜地櫂依選手(西浜SLSC)。
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 スタート前、浜地選手が気にしていたのは「僕、このレースでも優勝できるかな!?」ということ。
 元気良くプールに跳び込んだ浜地選手は見事にトップでゴールし、前日に先に行われた50m障害物スイムに続き二種目制覇。金メダルを首からさげ、誇らしそうな笑顔を見せた。

取り組む姿勢は真剣

LSweb 100mマネキントウ・ウィズフィン中学生女子は、中学3年生の速水彩選手(柏崎LSC)が1分11秒90で優勝し、大会記録を更新。

 同種目中学生男子は、中学3年生の三浦佑真選手(気仙沼LSC)が1分06秒59で優勝した。地元での活躍に話しをきくと「練習はあまりしていません。泳ぐのは月1回くらいかな。野球部なので普段は野球をしています」とそっけない返事が返ってきた。

 実は「あまり練習していない」と口にするのは、この年代特有の照れ隠しのよう。

LSweb 中学生混合のラインスローで優勝した西浜SLSCのレスキュアー役、クレイアーロン竜波選手も「そんなにたくさん練習していません。優勝できたのは運も大きかったかな」と謙遜気味だったが、本当はちゃんと練習していたようで、今大会から10mに変更された中学生のラインスローに対応すべく、「(一般の)12.5mの時は7回だけれど、今日は6回(巻いて)で投げました」と話してくれた。

 一方、高校生は勝てば喜び、負ければ悔しがりと素直に感情を表し、大会にかける意気込みの強さが感じられた。

 どの種目も熱戦となったが、中でもデッドヒートが繰り広げられたのが、高校生男女の50mマネキンキャリーだ。

 同日に予選と決勝を泳ぐスケジュールながら、女子は室伏郁花選手(湯河原LSC)と津島笑満花選手(館山SLSC)が43秒台、男子は雨宮利明選手(キタジマアクアティクス)と加藤豪選手(柏崎LSC)が34秒台と僅差の勝負となり、女子はジュニア時代からのライバル対決を制して室伏選手が、男子は雨宮選手がユース世界大会出場の加藤選手を押さえて優勝した。

 成城学園高校でライフセービング部に所属する雨宮選手は、「優勝できて、さらにがんばれそうです」と満面の笑み。学校クラブでの参加がなかったためキタジマアクアティクスで参加するほど、ライフセービング活動に熱中しているそうだ。
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 男女混合で行われたリレー競技は、小中学生がそれぞれ2種目、高校生は3種目行われ、小学生はキタジマアクアティクス、中学生は西浜SLSC、高校生は日体大荏原SLCが全種目で優勝する活躍を見せた。
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 創部2年目ながら30人近い部員が切磋琢磨する日体大荏原LSC、2016年から本格的にライフセービングの指導を始めたキタジマアクアティクスなど、ジュニア/ユースが活動する場は広がり、またクラブの枠組みを超えた交流も盛んになっていることが目に見えた今大会。彼らの今後の成長に大いに期待したい。


【第4回 全日本ジュニア/ユース ライフセービング・プール競技会 成績表】



☆★☆ 「第4回 全日本ジュニア/ユース ライフセービング・プール競技会」 表彰台 ☆★☆

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50m障害物スイム・小学3-4年生-男女

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50m障害物スイム・小学5-6年生-男女

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100m障害物スイム・中学生-男女

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100m障害物スイム・高校生-男女

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50mマネキンキャリー・中学生-男女

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50mマネキンキャリー・高校生-男女

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100mレスキューチューブトゥ・小学3-4男女

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100mレスキューチューブトゥ・小学5-6男女

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100mマネキントゥ・ウィズフィン中学生・男女

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100mマネキントゥ・ウィズフィン高校生・男女

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ラインスロー・中学生男女混合

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ラインスロー・高校生男女混合

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4×50m障害物リレー・小学生男女混合

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4×50m障害物リレー・中学生男女混合

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4×50m障害物リレー・高校生男女混合

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4×50mレスキューチューブリレー・小学生男女混合

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4×50mレスキューチューブリレー・中学生男女混合

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4×50mレスキューチューブリレー・高校生男女混合

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